【2022年12月最新】ドローンの国家資格(免許)制度!費用・いつから・取り方・免除についてなど全まとめ

日本の空、ひいては日本の社会は今、大きな変革期を迎えているといえます。

なぜなら、街中をドローンが飛び交い国民生活に貢献する未来を実現するための法整備がかねてより進められ、ついに2022年12月5日にドローンの操縦ライセンス制度がスタートしたからです。

しかし、同制度詳細を正確に把握しようと多数の公的資料を読めば読むほどかえって混乱してしまう——そんな方は少なくないでしょう。

そこで当メディアでは、制度創設に向けた政府議論が煮詰まり始めた2021年から、改正航空法並びに政府分科会の資料計76ページをはじめ各種文書を丁寧に読み込み、2022年9月,12月に公開された最新情報もいち早く確認。

また、無人航空機ヘルプデスクに問い合わせるなどして、この新制度を徹底的に調べ上げました。

改正航空法並びに政府分科会の資料1

改正航空法並びに政府分科会の資料2

さらにドローンスクール関係者へのインタビューを重ね、ドローンスクールの今後についても見解を展開。

こうした調査によって得た知見をもとに、あなたにとって資格取得が必要かどうかを判断できるチャートもご用意しています。

(資格取得の要不要をすぐに知りたい方は、こちらからお飛びください)

・今後日本社会でドローンがどのように活用されていくのか気になる方
・制度運用開始後も自分が安全かつ合法的にドローンを飛ばすことができるのか心配な方
・資格取得を目指しドローンスクールに通うべきか悩んでいる方

など「ドローン」と聞いて気になる方は、ぜひこの記事をお読みください。

目次

2022年12月5日からドローン免許が国家資格に!操縦ライセンス制度とは

街の上を飛ぶドローン

操縦ライセンス制度と聞いても、「結局何がどうなるんだ?」と、ピンと来ない方も多いことと思います。

そこでこの章では、今回導入される操縦ライセンス制度の全体像をこれまでのドローンの飛行制度についての解説も交えながらご紹介していきます。

操縦ライセンス制度の対象は、9種類の飛行方法+25kg以上の機体での飛行

操縦ライセンス制度の対象となるケース

これまでは、自動車の免許制度に当たるような制度はドローンにはなく、一定のルールさえ守れば誰でもドローンを飛ばせました。

しかし、2022年12月5日からドローンについてもライセンス制が導入されることとなり、ドローンの「免許」が登場することに。

ただし、自動車のように「免許を持っていないと運転できない」というわけではなく、「特定飛行」と呼ばれる特定の空域や方法での飛行を行うには免許取得が必要あるいは推奨されるというものです。

対象となる特定飛行とは、具体的には次の9種類の飛行(またはその組み合わせ)です。

  1. 上空150m以上の飛行
  2. 危険物輸送を伴う飛行
  3. 空港周辺の飛行
  4. 物件投下(液体を含む)を伴う飛行
  5. イベント上空の飛行
  6. 人や物との距離が30m以内となる飛行
  7. 夜間飛行
  8. 目視外飛行
  9. 人口集中地区上空の飛行

なお、操縦ライセンス制度が創設される前から、もともと特定飛行は国土交通省への事前申請が必要な種類の飛行でした。

機体重量が25kgを超える大型のドローンについても事前申請が必要とされてきたため、今回の新制度の対象となります。

操縦ライセンス制度創設の背景

田舎の町

操縦ライセンス制度への理解を深めるには、同制度が創設されるに至った背景を知っておくことが欠かせません。

日本の未来のインフラ基盤としてのドローン

この制度が作られた大前提には、国のドローン構想があります。

ご存知のように、日本社会では少子高齢化が留まるところを知らず、労働人口の減少、特に物流業界では人手不足が常に叫ばれています。

また、都市と地方との格差が広がり、地方では財源が確保できずインフラ基盤の維持が困難になってきている実情も。

そうした課題を解消し社会を発展させていくために、政府はドローンを積極活用していきたいと考えているのです。空の産業革命に向けたロードマップ2022

個別分野におけるロードマップ2022

[出典]空の産業革命に向けたロードマップ2022

たとえば、荷物の配送だったり、

ドローンによる荷物の配送

災害時の救援物資の運搬、

災害時の救援物資の運搬をするドローン

あるいはワクチンなどの医療物資の運搬、

医療物資の運搬をするドローン

農薬散布や、

農薬散布をするドローン

インフラの点検など。



ドローンによるインフラの点検

うしたシーンでのドローンの活用が、私たちの社会にとってとても重要な存在となることは想像に難くありません。

ドローン飛行によるリスク

しかし、社会課題の解決につながるであろうドローンの活用にはリスクが存在しているのも事実です。

ドローンの墜落事故は実際に起きており、例を1つ挙げれば、2017年にイベントにおいてドローンでお菓子を撒こうとしたところドローンが操縦不能になり、墜落。地上にいた子どもがけがをした事例があります。

従来は、事前申請することで認められていた「人の上を飛ばすドローン飛行」はイベント上空にほぼ限られていました。

しかし、今後ドローンを多岐にわたって活用していくには、より広範囲に人の上を飛行させる必要があります。

そしてそうなれば、上述したような事故が起きるリスクはより高まるでしょう。

そこで、一定のリスクを伴う飛行については高度な操縦技能を持つと認められた人(≒資格取得者)だけに許可することで、市民の安全と社会の発展のバランスを取ろうとしているのです。

申請体系のスリム化

また、ドローンを楽しむ人の数は年々増えており、国土交通省に対する申請件数も増加の一途を辿っています。

(2016年度は年間13,535件だったのに対し、2021度は75,049件に増加)無人航空機飛行に係る許可承認申請件数の推移

[出典]無人航空機飛行に係る許可承認申請件数の推移(国土交通省)

ドローンの市場規模拡大に伴い、今後もこの流れは続くでしょう。

社会インフラとしてドローン活用を推進するのであれば、申請体系をスリム化し、手続きをスピーディーにしたい。

その解決策として、一定以上の技術があると認められた人(=資格取得者)の飛行については、個別審査の一部を簡略化もしくは省略することにしたのです。

国家資格化までの経緯と予定

急ピッチで進められてきたドローン操縦ライセンス制度に係る法整備。

これまでの経緯と予定は下記のとおりです。

2021年6月11日:操縦ライセンス創設に関する法律の公布
2021年6月28日:操縦ライセンス制度開始までのスケジュール目安の公開
2022年9月5日:登録講習機関*の事前登録申請受付開始
(*登録講習機関:講師や施設・設備等につき国が設ける要件を満たし、一定の水準以上の講習を実施する機関として登録されたドローンスクール)
2022年12月5日:国家資格(免許)新設、操縦ライセンス制度スタート
空の産業革命に向けたロードマップ2022

[出典]空の産業革命に向けたロードマップ2022より引用

ドローン国家資格(免許)取得のメリット

プラスのイラストと手

操縦ライセンス制度の一環として国家資格が新設されますが、同資格を取得することのメリットは次の3つです。

【メリット1】特に初心者には少し面倒な飛行申請手続きが不要となるもしくは簡略化される

同制度がスタートした後も、資格を持っていなくても申請すれば特定飛行は許可・承認されますが、手続きに一定の時間を要するのは言うまでもありません。

また、内容的にも煩雑で、初心者が資格なしで申請を行うことは現実的では無いでしょう。

資格を取得しておけば、そうした申請手続きが不要となるか、必要な場合にも簡略化されますので、時間や労力の節約になります。

【メリット2】特定飛行時に限らず大切な信頼性が担保される

外壁点検のために建物から30m以内の距離で飛行させる、報道・取材のためにイベント上空を飛行させるなど、ビジネス目的で特定飛行を行わざるを得ないというケースは多いでしょう。

そうしたケースはもちろん、特定飛行ではない場合であっても、国家資格を取得していれば対外的な信頼性が担保されるといえます。

「はい、弊社のドローン操縦者は国家資格保有者ですのでご安心ください」のひと言を言えるかどうかの違いです。

【メリット3】今までできなかった種類の飛行が可能になる(1等資格の場合)

2種類ある資格のうち難易度が高いほうの1等資格を取得している場合に限られますが、機体を目視することなく遠く離れた住宅地の上空を飛ばすなど、これまではリスクが高いとして認められなかった種類の飛行ができるようになります

(※2種類の資格や、資格を取得すれば可能となる飛行の詳細については、「新設される2種類の国家資格(免許)とその違い」の章で詳しく解説しています)

ドローン国家資格(免許)取得は必須ではない

山でドローンを飛ばそうとしている青年

当メディアとしては、前述のようなメリットのある資格取得をおすすめしますが、ドローン操縦者全員が資格を必要とするわけではありません

なぜなら、今回新設される操縦ライセンス制度が対象としているのは前述の通り特定飛行に限られ、逆に言えばそれ以外の飛行は対象外だからです。

特定飛行を行わず、しかもあくまで趣味としてのドローン飛行であれば、資格取得は必ずしも必要ではないといえます。

インタビュー結果:ドローンの国家資格(免許)の取得予定割合

ドローンナビゲーターでは、12月6日に「過去半年の間にドローンの操縦経験があるユーザー」313名に、ドローンの国家資格(免許)を予定しているか?というネットインタビューを行いました。

ドローン国家予定の取得予定者の割合

その結果、既に民間資格を取得しているユーザーは8割以上が「国家資格を取得予定」と回答したものの、ドローンスクールにも通っていないライトなドローンユーザーの取得予定割合は1割程度という結果になりました。

上述したように、ドローンの国家資格(免許)は全員が全員必要な資格ではないので、この記事で必要性を判断した上で、取得するべきかどうかを判断するようにしましょう。

新設される2種類のドローン国家資格(免許)とその違い

ライセンスが必要となるケース

新設される国家資格(免許)は、1等資格(一等無人航空機操縦士)2等資格(二等無人航空機操縦士)の2種類に区分されています。

取得していると特定飛行の申請が省略または簡略化されるという点は両者に共通ですが、異なるのは、飛行時の立入管理措置(補助者や看板の配置などによりドローンとは無関係な第三者の立ち入りを規制する措置)の必要性です。

2等資格では立入管理措置を講じないで特定飛行を行うことは認められませんが、1等資格では(事前申請は必要ですが)立入管理措置を講じなくても行えるのです。

立入管理措置なしでの特定飛行は、次項で説明する「カテゴリーⅢ飛行」に分類され、それが認められるか認められないかが1等資格と2等資格の違いであるといえます。

では、「カテゴリーⅢ飛行」について早速見ていきましょう。

リスクの高い「カテゴリーⅢ飛行」が認められるのは1等資格だけ

中間とりまとめ骨子(案)説明資料

ドローン飛行はそのリスクの高さに応じてカテゴリー分けされています。

そのうちもっとも高リスクな「カテゴリーⅢ」に該当する飛行が認められるのは、1等資格を取得した操縦者だけです。(1等資格取得と併せて機体の認証や事故報告を含めた運行ルールの遵守等も条件です)

カテゴリーⅢ飛行とは「立入管理措置を講じないで行う特定飛行」(=第三者が立ち入る可能性のあるエリアでの特定飛行)を指します。(※「第三者上空での飛行」という呼び方もされます)

《「第三者」とはドローン飛行関係者以外の人》

ここで言う第三者とは、ドローン飛行に関係する人たち(操縦者、補助者、イベント上空の飛行であれば当該イベントの関係者等)以外のいわゆる「一般の人たち」のことを指します。

「立入管理措置を講じないで行う目視外飛行」が可能となるのが制度の目玉

9種類ある特定飛行のうちの1種が、機体を目視できない場所から遠隔操作する「目視外飛行」です。

操縦ライセンス制度創設により、これまで原則禁止されていた「立入管理措置を講じないで行う目視外飛行」が可能になるというこの点こそが同制度の核心であるといえます。

「立入管理措置を講じないで行う目視外飛行」の具体例

立入管理措置を講じないで行う目視外飛行が可能になれば、たとえば次のような活用例が考えられます。

・陸上輸送が困難な地域で生活物品や医薬品などを空から配送
・広範囲に散在する農地の作物の生育や害虫・病害の発生を上空からまとめて確認
・作業員による確認が難しい街中の橋、建物や道を広域的に点検
・高齢化が進む地方の市街地などで広域巡回警備を実施

ここで挙げた以外にもさまざまな用途での幅広いドローン活用が実用化されるでしょう。

操縦ライセンス制度創設は、そんな来たるべき「ドローン社会」の到来を見据えた制度上での大きな一歩といえるのです。

必要?不要?何等?ドローン国家資格(免許)判断チャート

悩むビジネスマンとビジネスウーマン

「自分はそもそも資格の取得が必要なのか?」
「申請が必要な飛行をすることもあるから、自分は2等に当たるのかな?」

はっきりとわからず不安に思われる方が多くいらっしゃると思います。

そんな皆さま向けに判断チャートを作成しました。

資格取得が必要か、必要とすれば何等資格が必要なのかの判断にお役立てください。

ドローン国家資格(免許)判断チャート

《民間資格を取得するという選択肢も一応あり》

上のチャートには含まれていませんが、国土交通省に認定されている各スクールが修了生に対し付与する「民間資格」と呼ばれる資格が従来から存在し、この民間資格を取得するという選択肢も残されています。

現行制度においては、民間資格保有者は一定のスキルを持っていると判断され、特定飛行時の事前申請が簡略化されます。

しかし、操縦ライセンス制度開始から3年後にはそうした優遇措置は終了予定で、今あえて国家資格ではなく従来の民間資格を積極的に取得する理由は見当たりません。

HP 掲載講習団体が発行する民間技能認証については個別の飛行毎の許可・承認の操縦者の技量審査のエビデンスとして活用しておりますが、現時点の想定としては、本年 12 月 5 日の3年後をもって、飛行申請時のエビデンスとしての活用を取りやめることとしております。(民間技能認証のみを取得されている場合は、申請書類の省略が認められない運用に変わります。)

出典:国土交通省

それでも、通える範囲に登録講習機関はないが安心してドローンを飛ばせるだけのスキルをスクールで身につけておきたい人などは、民間資格取得コースの受講を検討することになるでしょう。

・【資格不要】だったあなたはこちら
・【2等資格がおすすめ】だったあなたはこちら
・【1等資格が必須】だったあなたはこちら

インタビュー結果:1等ライセンスの取得予定者は約6割。民間資格取得者に限ると7割超え

ドローンナビゲーターでは、12月6日にドローン国家資格を取得予定の115名に対して「1等・2等どちらのライセンスを取得予定か?」についてのネット調査を行いました。

ドローン国家資格の取得予定ライセンス(1等・2等)の割合

その結果、国家資格を取得予定と答えた人のうち、1等ライセンスを取得予定と回答した人の割合は全体で58.3%と1等の取得予定が過半数。1等にするか2等にするかをまだ決めていない人も2割いることがわかりました。

さらに、民間資格を既に持っている人に限定すると、7割以上が1等ライセンスを取得予定と回答。想像以上に1等ライセンスの取得予定割合が高い結果となりました。

逆に、民間資格を取得していない方は2等ライセンスを取得予定の割合が最も高いという結果が出ています。

民間資格を取得している人は国家資格を取得すべきか

過去国土交通省HP記載のスクールを卒業して、JUIDAやDJI CAMPをはじめとした「ドローンの民間資格」を取得している方も多いと思います。

この民間資格は、現状特定飛行の申請が簡略化されるというメリットがあり「行える飛行」という意味では、2等ライセンスと同様です。
※後述しますが、2等ライセンスは特定飛行のうち一部の飛行方法で許可承認が不要になりますが、それ以外の特定飛行では民間資格同様、許可承認が必要です。

ただ、すぐ上でお伝えした様に3年後には民間資格の上記の優遇措置は終了します。

また、民間資格を保持している方が国家資格を取得することで
・ドローンビジネスを行う上での技術証明
・土地管理者への飛行許可の取得が行いやすくなる
・講習を受けることによる追加の知識/技能習得

というメリットがあります。

さらに、後述しますが、ドローンの民間資格保持者は「経験者」枠として、通常より安価に国家資格取得のための講習を受けられる予定です。

そのため「ドローンで特定飛行を行いうる方」「ビジネスでドローンを使う方」は特に、現在民間資格を保持していても、国家資格を取っておいた方が良いと当メディアでは考えています。

 

資格不要なあなたは、その他のルールに注意!

ドローンを操縦する人

資格が不要だったあなたは、事前申請の不要な場所・方法での飛行(=特定飛行に当たらない飛行)であれば、自由にドローンを楽しむことができます。

(もしも特定飛行を行うことになった場合にも、前述のとおり、事前に国土交通省に申請し許可・承認を得る手間さえかければ飛行可能です)

とはいえ守るべきルール(飲酒時・夜間はNG、機体の状況の常時確認、他人に迷惑をかけない等)は存在するので、そこはお気をつけください!

必ず無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の 安全な飛行のためのガイドライン(国土交通省航空局)を読むようにしてくださいね!

《各種条例の遵守、機体登録も必要》

ドローンに関する条例(都市公園条例等)を各自治体が独自に設けていることも少なくありません。

ドローンを飛ばす際には、航空法やガイドラインのほか、そうした条例も遵守する必要があります。

また、2022年6月20日付けで航空法が改正され、法規制の対象となるドローンの条件が従前の「機体重量200g以上」から「機体重量100g以上」へと変更されました。

同改正に伴い機体登録も義務化されたため、機体重量100g以上のドローンは機体登録手続きを済ませていないと飛ばせませんので注意しましょう。

機体登録制度について詳しく知りたい方はこちら、機体登録手続きの具体的な手順を知りたい方はこちらをご参照ください。

[参考]無人航空機登録ポータルサイト(国土交通省)

2等資格がおすすめなあなたが資格(免許)を取得するとできるようになること

2等ライセンスがあれば【一部の特定飛行の申請が不要となる】

2等資格を取得すると、本来申請が必要な特定飛行のうち次の飛行(カテゴリーⅡB飛行)については申請不要となります。

・人口集中地区上空の飛行
・人・物との距離が30m未満の飛行
・夜間飛行
・目視外飛行

(※上記すべての特定飛行について立入管理措置を講じることが条件)

【一部の特定飛行の申請が簡略化される】

申請が必要な下記の特定飛行(カテゴリーⅡA飛行)についても、資格を取得していない操縦者が申請する場合よりも審査が簡略になります。

・空港周辺の飛行
・上空150m以上の飛行
・イベント上空の飛行
・危険物輸送を伴う飛行
・物件投下を伴う飛行

(※上記すべての特定飛行について立入管理措置を講じることが条件)

2等資格を取得しておけば、このように申請が不要となったり簡略化されたりするため、貴重な時間の節約につながるといえるでしょう。

《ビジネスなら2等資格がほぼ必須》

迅速さの要求されるビジネスの場では、申請の手間を省くためだけでも資格を取得しておきたいところです。

しかしそれ以上に、信頼性の観点から資格取得がほぼ必須といえるでしょう。

ドローンのパイロットを探している人の目に、ドローン操縦の国家資格があるのにそれを取得していないパイロットはどう見えるでしょうか?

十分な実績があったとしてもそこを蔑ろにしているという点で「信頼できなさそう……」と思われてしまうのも無理のないことでしょう。

少なくとも2等資格を取得しておくことで、お客様に信頼感を与えられると言えます。

信頼感を与えられるビジネスマン

2等資格が役立つシーン例

2等ライセンス相当の飛行シーン例

2等資格が役立つ具体的な飛行シーン例としては、インフラ点検や夜景空撮などが考えられるでしょう。

また、申請は必要ですが、イベント撮影や農薬散布などでも役立ちます。

ただし、繰り返しとなりますが、いずれのケースでも立入管理措置を講じた上で飛行を行わないといけない点に注意が必要です。

1等資格が必須なあなたが資格(免許)を取得するとできるようになること

飛行中のドローン

【立入管理措置なしの特定飛行が可能となる(※要事前申請)】

1等資格を取得すれば、下記の特定飛行9種類(またはその組み合わせ)を立入管理措置を講じることなく行えます

  1. 上空150m以上の飛行
  2. 危険物輸送を伴う飛行
  3. 空港周辺の飛行
  4. 物件投下(液体を含む)を伴う飛行
  5. イベント上空の飛行
  6. 人や物との距離が30m以内となる飛行
  7. 夜間飛行
  8. 目視外飛行
  9. 人口集中地区上空の飛行

目視外飛行も特定飛行に含まれるため、たとえば静岡県内にいるオペレーターの管理下で東京都内のオフィス街にドローンを飛行させるといった「立入管理措置を講じないで行う目視外飛行」も可能に。

新設される資格は1等も2等もあくまで任意資格ですが、立入管理措置なしの特定飛行が認められるのは1等資格取得者だけです。

そのため、たとえば「配送センターから市内の各戸に向け飛行させて荷物を届ける」といったような立入管理措置を講じることが難しい飛行を行うなら、1等資格取得が必須ということになります。

《要申請だが柔軟な運用も》

立入管理措置を講じないで特定飛行を行う場合、つまりカテゴリーⅢ飛行を行う場合、たとえ1等資格保有者であっても事前に申請が必要です。

しかし、たとえば宅配業者が荷物の配送時に都度申請しなくてはならないのでは、実用性の面で問題があるでしょう。

そのため、運航管理体制が確立されている事業者等については包括許可など柔軟な運用を行う方向で検討が進められているようです

【一部の特定飛行の申請が不要となる】

1等資格を取得すると、2等資格取得時と同様に、本来申請が必要な特定飛行のうち次の飛行については申請不要となります。(ただし、申請を行わずに飛行させる場合は立入管理措置を講じることが条件となります)

・人口集中地区上空の飛行
・人・物との距離が30m未満の飛行
・夜間飛行
・目視外飛行

【一部の特定飛行の申請が簡略化される】

申請が必要な下記の特定飛行についても、2等資格取得時と同様に、資格を取得していない操縦者が申請する場合よりも審査が簡略となります。(こちらについても、申請を行わずに飛行させる場合は立入管理措置を講じることが条件となります)

・空港周辺の飛行
・上空150m以上の飛行
・イベント上空の飛行
・危険物輸送を伴う飛行
・物件投下を伴う飛行

1等資格が役立つシーン例

1等ライセンス相当の飛行シーン例

1等資格が役立つ具体的な飛行シーン例としては、ドローンを活用した宅配ビジネスや報道取材、有人地帯上空を長距離飛行して行う空撮などが想定されます。

立入管理措置を講じることが実質的に困難な状況(広範囲、長距離、危険を伴うエリア等)で特定飛行を行うには、1等資格がマストです。

ドローン国家資格(免許)を取得する方法

レベル4飛行実現に向けた新たな制度整備

[出典]レベル4飛行実現に向けた新たな制度整備(同資料内画像を加工)

新設される資格(無人航空機操縦士)を取得する方法は、自動車の運転免許の取り方に似ています。

取得の方法は2種類

新設される国家資格の取得方法は、自動車の運転免許の取得方法とほぼ同様で、2通りあります。

【取得方法1】ドローンスクール(登録講習機関)で講習を受けた上で試験を受ける

登録講習機関として国土交通省に登録されているドローンスクールで対象講習を受けた後に、試験場で試験を受ける方法です。

自動車教習所に通って運転免許を取得するのと同様ですね。

【取得方法2】指定試験機関で直接試験を受ける

自動車教習所に通わず運転免許試験場で受験する「一発試験」があるように、ドローン免許にも指定試験機関で受験する「直接試験」という方法があります。(上図の「直接試験を受ける場合」)

2種類の取得方法の決定的な違い:登録講習機関で講習を受けると実地試験が免除

2通りある資格取得の方法の決定的な違いは、指定試験機関での実地試験受験の有無です。

国家資格である「無人航空機操縦士」資格を取得するには、国が指定する試験機関(自動車でいうところの運転免許試験場のような機関)で実施される試験に合格しなくてはなりません。

指定試験機関で実施されるのは、学科試験・実地試験・身体検査(視力・色覚・聴力検査等)の3つですが、登録講習機関での指定講習修了生は実地試験が免除されるのです

登録講習機関で受講せずに指定試験機関で直接試験に臨む場合、免除措置は一切ありませんので、学科試験・実地試験・身体検査をフルで受ける必要があります。

一方、登録講習機関で受講していれば、身体検査と学科試験の2つで済みます。

《実地試験は減点方式》

実地試験は机上試験・口述試験・実技試験から成り、減点方式で実施されます。

持ち点100点で、各試験科目終了時に2等資格は70点以上、1等資格は80点以上であればで合格です。

おすすめはドローンスクールで受講して取得する方法

当メディアとしておすすめする資格取得方法は、上記【取得方法1】のドローンスクールで受講して取得する方法です。

その理由を一言で言うと、ドローンスクールで受講して取得するほうがスムーズであると考えられるから。

教材を自ら揃えて学習し、ドローンを自由に飛ばせる場所を自力で確保して一定時間以上の操縦訓練を積むというのは決して簡単なことではありません。

その点、ドローンスクールでは必要な教材や設備、練習場所があらかじめ用意されており、国家資格取得に求められる知識やスキルをプロの指導のもと効率的に習得できます。

資格取得予定者へのインタビュー結果:約8割がドローンスクールに通って試験を受ける予定

なお、ドローンスクールで受講しての資格取得は、主流となると考えられる方法でもあります。

実際にドローンナビゲーターが12月6日に行った、ドローンの国家資格を取得予定の方115名に対するネットインタビューで、どちらの方法で国家資格を受講予定かを聞いたところ「ドローンスクールで受講後に受験」が79.1%と大多数を占めました。

予定している国家資格の取り方

この結果を見ると、大部分の方はドローンスクールで講習を受けた上で国家資格を取得予定であることがわかります。

逆に、試験期間で直接受験を予定している方は、ドローン業界に一部いるような「ドローンの操縦経験が豊富で、自分自身の腕前に自信がある方」であると考えられます。

このことからも、ドローンの取り扱いによほどの自信がない方は、ドローンスクールで講習を受講する方法を取ることが無難と言えるでしょう。

ドローンの国家資格(免許)が取得できるドローンスクール(登録講習機関)一覧

上でお伝えした登録講習機関の数は、2022年12月16日現在で44校です。

この登録講習機関は、現在日ごとに新たなスクールがどんどん追加され続けている状態です。国土交通省サイトのこちらのページから最新の登録講習機関一覧が確認できますので、気になる方は併せてチェックしておきましょう。

ドローン国家資格(免許)の受講可能時期(いつから受けられるか)について

豚の貯金箱と小銭

ドローン国家資格(免許)の受講可能時期についての情報をお伝えします。

2等ライセンスは12月5日に試験受付開始/1等ライセンスは2023年1月中に受付開始予定

まず国から発表されている試験の受講可能時期情報は、下記です。

2等ライセンス試験(学科試験/実地試験/身体検査)・・・2022年12月5日に受付開始
1等ライセンス試験・・・2023年1月中に受付開始予定

2022年12月16日現在、国の試験日程ページをみると確かに12月の2等試験日程が存在していることが確認できます。

登録講習機関での講習開始は、早くとも年明けになると思われる

国が発表している試験の受付開始日は上記の通りですが、登録講習機関(ドローンスクール)での講習受講が可能となるのは、現在試験受付が開始している2等講習であっても年明けからになると思われます。

というのも、現在認定されている登録講習機関の各サイトを見ても、現時点では具体的な講習スケジュールや料金が示されていないためです。
(また、全国で10番代に登録講習機関として認定されたスクールに当メディアがヒアリングを行ったところ、そのスクールの講習開始予定は1月下旬との話を聞くことができました。)

またそもそも登録講習機関の数は「12月16日時点で全国44校」と、現在国に数百のドローンスクールがあることを考えると、まだまだ少ない数です。

この年末年始で登録講習機関の登録がどんどんと増えていき、年明け(1月中旬以降)になってようやく、各講習機関での講習が受けられる様になるというスケジュール感になることが予想されます。

《受講・受験の前に技能証明申請者番号の取得が必要》

各登録講習機関での受講や指定試験機関の各試験の申請には「技能証明申請者番号」の入力が求められるため、同番号をあらかじめ取得しておく必要がありますので留意しましょう。

登録講習機関や指定試験機関の情報自体は今後順次公開予定となっていますが、この技能証明申請者番号については既に発行が開始されており、DIPS(ドローン情報基盤システム)の技能証明メニューにて取得申請可能です。

ただし、同番号の取得申請に際しては「受講する登録講習機関の情報」の項目で受講予定の登録講習機関の事務所コードの入力が必要です。(後から変更することも可能ですので、申請時に指定した登録講習機関以外では受講できないというわけではありません)

したがって、受講予定のスクールの事務所コードが判明してからの手続きとなります。

[参考]技能証明申請者番号取得手続操作マニュアル

ドローン国家資格(免許)の取得にかかる料金(費用)予想

ドローンの国家資格(免許)の取得にかかる費用について、お伝えします。

国家資格(免許)取得までにかかる費用は、大きく分けて3種類

ドローンの国家資格(免許)取得までには、大きく分けて下記3つの費用が発生します。

・登録講習機関での講習受講料(直接試験を受ける方は不要)
各試験の受講料(登録講習機関に通う方は「実地試験」の費用は不要。この場合は15000円〜30000円程度)
無人航空機操縦者技能証明書の交付手数料(3000円)

このうち大部分を占めるのが、一番上の「登録講習機関での講習受講料」となるのですが、これは現在ドローンスクール側からも公開されていません。

なのですが、詳しくは下の章で詳細を述べますが、1等/2等の講習に必要な国から定められている講習時間をベースに考えると「現在民間資格を持っていない方」が講習を受ける場合の料金は

・1等講習の料金:60万円〜100万円程度
・2等講習の料金:20万円〜30万円(+アルファ)程度

程になるのではという話が出ています。

民間資格を取得済みの人が受講する場合は受講料が安くなり講習も一部免除

国家資格化以前にドローンスクールに通い民間資格を取得している人の場合、既に一定の知識・スキルを有しているとして必要受講時間数が大幅に減免され、それに応じて受講料も上のものより安くなる見込みです。

詳細は後述しますが、初学者と経験者とでは下記のように必要受講時間数(カッコ内は目視外・夜間・25kg以上の機体での飛行も行えるようにする場合)が異なり、この差の分だけ費用が浮くと思われます。

【2等資格】
初学者は20時間以上に対し、経験者は6時間以上(初学者は25時間以上に対し、経験者は9時間以上)

【1等資格】
初学者は68時間以上に対し、経験者は19時間以上(初学者は78時間以上に対し、経験者は26時間以上)

《「経験者」の定義は定められていない》

ここでいう「経験者」とは、必ずしも国家資格創設前の民間資格を取得している人に限りません。

実のところ、初心者および経験者の定義は一律に設けられておらず、「自信のある人は経験者向け、自信のない人は初心者向けのコースを受講する」ということになります。

とはいえ、確実なのはやはりスクール卒業者の場合です。

スクールでの講習を修了し民間資格を取得していれば、間違いなく経験者向けコースの対象者となります。

民間資格取得済みの人が卒業校で受講する場合はさらにおトクになりそう

経験者向けコースは受講時間数が短くなる分だけ受講料が安くなるのは当然ですが、受講生の囲い込みを狙い、自校の修了生に対してはさらに割安な料金設定を検討しているスクールも少なくないという話も出ています。

もしも以前ドローンスクールに通った経験があるなら、当該スクールの情報にアンテナを張っておきましょう!

2等資格(免許)取得希望者向け講習の費用相場や受講時間数・カリキュラム



2等資格(免許)取得希望者向け講習の費用相場や受講時間数・カリキュラム

(※限定変更:資格には「目視内飛行でないとダメ」「日中の飛行でないとダメ」「機体重量25kg未満でないとダメ」という3種類の限定がかかっており、これらの限定を解除するには限定変更のための実地講習の受講が必要です。限定変更分の追加実地講習を受けることで、目視外飛行・夜間飛行・重量25kg以上の機体での飛行が可能となります)

ドローンスクールで講習を受けて2等資格を取得する場合の費用相場、受講時間数やカリキュラムを確認しておきましょう。

費用相場

費用相場は、本記事執筆時点では各スクールとも詳細公表前のためあくまで推測ですが、受講料が高めなスクール(例:JUIDA傘下スクール)の一般的なコースの受講料相場(20〜30万円程度)よりも若干高くなると予想されます

その理由は、2等資格取得に当たり求められる知識・スキルと必要な受講時間数はそうしたスクールの現行講習内容と概ね同じであるものの、一定以上の飛行実績を有する講師や基準を満たす施設の確保でコスト増が見込まれるから。

また、昨今の物価高が影響する側面も考えられるでしょう。

(※なお、現状で受講料10万円台の格安コースを設けているドローンスクールについても一定値上がりが行われる見込みです。なぜなら、そういった格安コースは講習時間数が少なめであることが安さの主な理由であり、受講時間数が定められている国家資格取得コースでは受講時間数に応じた価格帯とせざるを得ないためです)

受講時間数

2等資格取得希望者に必要な受講時間数は、初学者の場合と経験者(既に民間資格を取得している者等)の場合とで異なります。

経験者については必要受講時間数が大幅に減免されるためです。

初学者の場合:20時間以上(学科講習と実地講習の合計)
経験者の場合:6時間以上(学科講習と実地講習の合計)

また、目視外飛行・夜間飛行・重量25kg以上の機体での飛行を行うにはそれ専用の実地講習(限定変更)が必要となり、その場合の追加受講時間数は以下のとおりです。

<目視外飛行を行うための追加受講時間数>

初学者の場合:2時間以上
経験者の場合:1時間以上

<夜間飛行を行うための追加受講時間数>

初学者の場合:1時間以上
経験者の場合:1時間以上

<機体重量25kg以上の機体での飛行を行うための追加受講時間数>

初学者の場合:2時間以上
経験者の場合:1時間以上

カリキュラム

講習は、ドローン関連の知識(法令・規則、飛行原理等)習得のための「学科講習」と、操縦・操作スキル(飛行前準備・緊急操作・飛行後措置等)習得のための「実地講習」から構成されます。

学科講習

2等資格取得希望者向けの学科講習で履修が必要な科目は下表のとおりです。(初学者も経験者も同内容。受講時間数は異なる)

さらに詳しくお知りになりたい場合は、「無人航空機の登録講習機関及び登録更新講習機関に関する省令」(国土交通省告示第九百五十一号)をご参照ください。

1 無人航空機操縦者の心構え
2 無人航空機に関する規則

一 航空法全般
二 航空法以外の法令等

3 無人航空機のシステム

一 無人航空機の機体の特徴(種類及び飛行の方法)
二 飛行原理と飛行性能
三 機体の構成
四 機体以外の要素技術
 五 機体の整備・点検・保管・交換・廃棄

4 無人航空機の操縦者及び運行体制

一 操縦者の行動規範及び遵守事項
 二 操縦者に求められる操縦知識
三 操縦者のパフォーマンス
四 安全な運航のための意思決定体制(CRM等の理解)

5 運航上のリスク管理

一 運航リスクの評価及び最適な運航計画の立案の基礎
二 気象の基礎知識、気象情報を基にしたリスク評価及び運航計画の立案
三 機体の種類に応じた運航リスクの評価及び最適な運航計画の立案
四 飛行の方法に応じた運航リスクの評価及び最適な運航計画の立案

実地講習

2等資格取得希望者向けの実地講習で履修が必要な科目は下表のとおりです。(初学者も経験者も同内容。受講時間数は異なる)

さらに詳しくお知りになりたい場合は、「無人航空機の登録講習機関及び登録更新講習機関に関する省令」(国土交通省告示第九百五十一号)をご参照ください。

1 飛行計画、リスク評価結果及び飛行環境の確認

2 運航体制、手順、役割分担当の管理の確認(※飛行機型、ヘリコプター型のみ)

3 機体の状況、操縦モード、バッテリーの確認

4 フェールセーフ機能の適切な設定、飛行経路の設定、自動飛行の設定

5 基本操縦(手動)

6 基本操縦(自動)(※目視内飛行の限定変更ありの場合のみ)

7 基本操縦以外の機体操作(※目視内飛行の限定変更ありの場合のみ)

8 様々な運航形態への対応

9 安全に関わる操作

10 緊急時の対応

11 飛行後の記録、報告

1等資格(免許)取得希望者向け講習の費用相場や受講時間数・カリキュラム

1等資格(免許)取得希望者向け講習の費用相場や受講時間数・カリキュラム

(※限定変更:資格には「目視内飛行でないとダメ」「日中の飛行でないとダメ」「機体重量25kg未満でないとダメ」という3種類の限定がかかっており、これらの限定を解除するには限定変更のための実地講習の受講が必要です。限定変更分の追加実地講習を受けることで、目視外飛行・夜間飛行・重量25kg以上の機体での飛行が可能となります)

ドローンスクールで講習を受けて1等資格を取得する場合の費用相場、受講時間数やカリキュラムを確認しておきましょう。

費用相場

本記事執筆時点では各スクールとも詳細公表前であることに加え、これまで認めてこられなかった種類の飛行が可能となる資格に係る費用であるため、現時点での推測は困難です。

しかし、必要な受講時間数だけでいえば2等資格の3.5倍弱(初学者の場合)ですので、受講料も2等資格取得コースのおよそ3〜3.5倍の60〜100万円程度ではないかという予測は成り立つかもしれません。

とはいえ、これは単純に受講時間数だけで算出したものに過ぎませんので、実際の受講料については各スクールからの案内を待つほかないでしょう。

受講時間数

1等資格取得希望者に必要な受講時間数は、初学者の場合と経験者(既に民間資格を取得している者等)の場合とで異なります。

経験者については必要受講時間数が大幅に減免されるためです。

初学者の場合:68時間以上(学科講習と実地講習の合計)
経験者の場合:19時間以上(学科講習と実地講習の合計)

また、目視外飛行・夜間飛行・重量25kg以上の機体での飛行を行うにはそれ専用の実地講習(限定変更)が必要となり、その場合の追加受講時間数は以下のとおりです。

<目視外飛行を行うための追加受講時間数>

初学者の場合:7時間以上
経験者の場合:5時間以上

<夜間飛行を行うための追加受講時間数>

初学者の場合:1時間以上
経験者の場合:1時間以上

<機体重量25kg以上の機体での飛行を行うための追加受講時間数>

初学者の場合:2時間以上
経験者の場合:1時間以上

カリキュラム

講習は、ドローン関連の知識(法令・規則、飛行原理等)習得のための「学科講習」と、操縦・操作スキル(飛行前準備・緊急操作・飛行後措置等)習得のための「実地講習」から構成されます。

学科講習

1等資格取得希望者向けの学科講習で履修が必要な科目は、2等資格取得希望者向けの学科講習の場合と同じ(ただし受講時間数は増える)ですので、前章をご参照ください。

さらに詳しくお知りになりたい場合は、「無人航空機の登録講習機関及び登録更新講習機関に関する省令」(国土交通省告示第九百五十一号)をご参照ください。

実地講習

1等資格取得希望者向けの実地講習で履修が必要な科目は下表のとおりです。(初学者も経験者も同内容。受講時間数は異なる)

さらに詳しくお知りになりたい場合は、「無人航空機の登録講習機関及び登録更新講習機関に関する省令」(国土交通省告示第九百五十一号)をご参照ください。

1 飛行計画、リスク評価結果及び飛行環境の確認

2 運航体制、手順、役割分担当の管理の確認(※飛行機型、ヘリコプター型のみ)

3 機体の状況、操縦モード、バッテリーの確認

4 フェールセーフ機能の適切な設定、飛行経路の設定、自動飛行の設定

5 基本操縦(手動)

6 基本操縦(自動)(※目視内飛行の限定変更ありの場合のみ)

7 基本操縦以外の機体操作

8 様々な運航形態への対応

9 安全に関わる操作

10 緊急時の対応

11 飛行後の記録、報告

(おまけ)操縦ライセンス制度がドローンスクールに与える影響

ドローンとコーン

ドローンスクール を運営されている方や、ドローンスクールに通われている方は、ここまでお読みになって「今後自分たちにはどんな影響があるんだろうか?」とお思いではないでしょうか。

今後の影響を可能な範囲で予測してみましょう。

ドローンスクールが4種類に分類される

全国各地のドローンスクールは、操縦ライセンス制度の創設に伴い大きく次の4種類に分類されるようになるでしょう。

  1. 1等資格取得に向けた講習が可能なスクール
  2. 1等資格には対応しないが2等資格取得に向けた講習は可能なスクール
  3. 技能証明の更新に必要な講習が可能なスクール
  4. 現行の民間資格への対応を今後も継続するスクール

ドローンの操縦ライセンスは国家資格として新設されるため、同資格取得に必要な知識・スキルの習得の場として機能するスクールは所定の要件を満たす「登録講習機関」に限られます。

しかし、要件を満たせるスクールばかりとは限りませんので、すべてのスクールが登録講習機関となれるわけではありません

そのため、登録講習機関としては上記1〜3に該当するスクールに分かれ、そこに4の従来型の民間資格対応スクールも共存するようになると考えられます。

競争が激化する

競争の激化も考えられます。

ドローンの需要増加に伴い、ドローンスクール の数も年々増えています。

操縦ライセンス制度が創設されることで、登録講習機関として登録されたスクール の信用性が高まり、競争が激化。

そこに、大手企業が資本力とネームバリューを生かして新しくスクール を創設し、登録講習機関として参入してくることは十分考えられます。

現に2021年夏にJR九州グループのJR九州商事株式会社がドローンスクールを開校したことをはじめ、2022年も参入が増え続けています。

であれば、スクールとして生き残るために何ができるのでしょうか。

生き残るには他スクールとの差別化ポイントが必要となる

当メディアとしては、ドローンスクールが今後競争を勝ち抜くためには

ドローンの各用途(空撮、農薬散布、点検etc)に特化した講習やノウハウの提供

がより重要になると考えています。

制度導入により全国のドローンスクールのシラバスは統一されますが、ドローンをビジネス等に活用したいユーザーにとっては、この統一された講習を受けただけでは、すぐに現場でドローンを活用することは難しいでしょう。

(範囲が拡がり続けているドローンの活用方法のすべてをマニュアル化するのは困難と思われます)

そうした中、現在一部のスクールにみられるような「特定用途(空撮、農薬散布、点検、測量etc)に特化したコースやノウハウの提供」は大きな差別化ポイントになるでしょう。

生徒さんに資格を取らせることがゴールではなく、資格を取った後の生徒さんのビジネス/ドローン活用の成功をゴールとする。

このような思想を持ってスクールを運営することが、多くの人に愛されるスクール作りの鍵となるのではないでしょうか。

まとめ

▼2022年12月5日からスタートした操縦ライセンス制度の対象は、次の9種類の特定飛行および25kg以上の機体での飛行。

  1. 上空150m以上の飛行
  2. 危険物輸送を伴う飛行
  3. 空港周辺の飛行
  4. 物件投下(液体を含む)を伴う飛行
  5. イベント上空の飛行
  6. 人や物との距離が30m以内となる飛行
  7. 夜間飛行
  8. 目視外飛行
  9. 人口集中地区上空の飛行

▼資格を取得していると、特定飛行に必要な事前申請が不要となったり簡略化されたりする。

▼新設される2種類の資格「1等資格(一等無人航空機操縦士)」と「2等資格(二等無人航空機操縦士)」の違いは、特定飛行時の立入管理措置の必要性。
2等資格では立入管理措置を講じることが必須だが、1等資格なら立入管理措置を講じなくても飛行可能。(ただし事前申請は必要)

▼1等資格を取得していると「立入管理措置を講じないで行う目視外飛行」(具体的にはたとえば、陸上輸送が困難な地域で生活物品や医薬品などを空から配送するなど)が可能に。

▼資格を取得する方法には、

  1. 登録講習機関で受講後、指定試験機関で学科試験と身体検査を受ける
  2. 独学で知識・スキルを身につけ、指定試験機関で学科試験・実地試験・身体検査を受ける

の2通りがあるが、当メディアとしては1の登録講習機関で受講する方法がおすすめ。

▼民間資格を取得している場合などは、経験者であるとして必要受講時間数が大幅に減免される。それに応じて登録講習機関での受講費用も初学者向けコースより安くなる見込み。

▼2等資格向けコースの受講料は、現行の民間資格取得コースの受講料相場(20〜30万円程度)よりもいくらか高くなると予想される。1等資格向けコースの受講料は、従来は存在しなかった内容のコースであるため予測困難。(ただし、受講時間数に基づく単純計算では60〜100万円程度と考えられる)