【最新】2022年のドローンライセンス制度(国家資格免許)を徹底解説!

日本市民にとって、2022年度に社会が大きな変革を迎えるでしょう。
なぜならば、ドローンが市民上空を飛行するようになるための法制度が整備・施行されるから。

というのも、2021年6月11日、一般市民上空の飛行に対してドローンのライセンスを必須とするライセンス制度の創設が盛り込まれた法律が公布されました。

制度開始目標は2022年度で、今後制度の内容が詰まれば、いよいよドローンが街中を飛び交う未来が近づきます。

本記事では、そんなドローンライセンス制度実現に向け現在進行中の政府議論(改正航空法並びに政府分科会の資料計76ページ)を15時間読み込み、制度を徹底的に図解。

ドローンの法案

ライセンスがあなたにとって必要か判断できるチャートをご用意しました。
(ライセンスが必要か不要かすぐ判断したい方は、こちらからお飛びください。)

さらにドローンスクール関係者へのインタビューを重ね、ドローンスクールの今後についても見解を展開。

・2022年以降日本社会でドローンがどのように活用されていくのか気になる方、
・また自分は制度が変わっても安全かつ合法的にドローンを飛ばすことができるのか心配な方、
・今ドローンスクールに通おうか悩んでいる方、

「ドローン」と聞いて気になる方は、是非この記事をお読み下さい。

2022年にドローン免許が国家資格に!操縦ライセンス制度とは

制度概要

ライセンス制度と聞いても、「結局何がどうなるんだ?」と、ピンと来ない方も多いことと思います。
この章では、これまでのドローンの飛行制度について解説した上で、
今回のライセンス制度の全体像について触れていきます。

ドローンライセンス制度の仕組みとしては、1等と2等のライセンスを全く新しく設けるものです。
(これまでドローン分野において、ライセンス制度はそもそも存在していませんでした。)

前提として、ライセンスの対象となる飛行は、従来の枠組の中では申請が必要とされていた以下の9つの飛行。

上空150m以上・危険物輸送・空港周辺・物件投下(液体も含まれます!)・イベント上空・人や物との距離が30m以内・夜間飛行・目視外飛行・人口集中地区上空

そして、1等と2等の違いは、「立ち入り管理措置」を講じるか否か。

1等は、従来禁止されていた「立ち入り管理措置」なし(万が一の墜落に備えて、補助者や看板の配置などにより、ドローンとは無関係な第三者の立ち入りを管理すること。)の飛行を解禁することに伴ったもので、立ち入り管理措置なしの飛行をするのであれば、必須のものです。

これに伴いライセンスがあれば、市民上空を飛ばすことができるようになります。
(併せて、機体の認証や事故報告を含めた運行ルールの遵守等も条件です。)

2等は、現在国の許可・承認が必要な飛行(イベント上空の飛行や、農薬散布のような物件投下など)を行う際に、申請の個別審査の手続きを簡単にできる、あるいは省略できる、任意のライセンスです。

制度背景

ではそのライセンス制度が始まる背景はどのようなものなのでしょうか?

日本の未来のインフラ基盤としてのドローン

この制度が作られた大前提には、国のドローン構想があります。

皆様も既にご存知のように、日本社会では少子高齢化が留まる所を知らず、
社会的な労働人口の減少、特に物流業界では常に人手不足が叫ばれています。

また、都市と地方との間の格差が進み、地方では財源が確保できずインフラ基盤の維持が困難になってきている実情も。

そうした社会課題に対して、政府はドローンを積極的に活用して社会を発展させてゆきたいと考えているのです。

空の産業革命に向けたロードマップ2021の全体像

空の産業革命に向けたロードマップ2021の各分野の内容

(空の産業革命に向けたロードマップ2021から引用)

例えば、荷物の配送だったり、

災害時の救援物資の運搬、

あるいはワクチンなどの医療物資の運搬、

農薬散布や、

インフラの点検など。

こうしたドローンの活用が私たちの社会にとって、とても重要な存在となることは想像に難くないでしょう。

ドローン飛行によるリスク

しかし、理想の反面、ドローンの飛行にはリスクが存在しているのも事実です。

実際、ドローンが墜落している事例は存在していて、例を1つ挙げれば、2017年にはイベント上空でお菓子をドローンで地上の子供達に撒こうとした所、ドローンが操縦不能になり、墜落。地上にいた子供がけがをした事例があります。

このような飛行は現制度下では許可・承認で可能な飛行ではありますが、
第三者上空の飛行が無条件に解禁された場合、あらゆる所で発生し得る事象だと言えます。

そこで、1等のライセンス制度を設けて、
ある一定の条件を満たした高度な操縦技能を持つ人だけに
運転許可を与えることで、市民の安全とドローンの社会発展のバランスを取ろうとしているのです。

申請体系のスリム化

また近年のドローンを巡る動きとして、
年々ドローンを楽しむ人の数が増え、国土交通省に対する申請件数は、4.43倍に。

(2016年度は年間13,535件だったのに対して、2020度は60,068件に増加。)

ドローンの市場規模拡大に伴い、今後もこの流れは続くでしょう。
社会インフラとしてドローンを推進するのであれば、申請体系をスリム化させて、手続きをスピーディーにしたい。

その解決策として、2等ライセンス制度を設けて、技術があると認めた人の飛行については、個別審査の一部を簡略化ないし省略することにしたのです。

現在のフェーズ

2021年10月12日時点の、ドローンライセンス制度に関する最新状況をお伝えします。

2021年6月11日:ライセンス創設に関する法律が公布

2021年6月11日にライセンス創設の文言を含んだ法律が公布されました。

この法律は公布日から9ヶ月以内に施行され、施行された場合「ライセンス制度を創設する」という文言自体が法的効力を持ちます。

2021年6月28日:ライセンス制度開始までのスケジュールの目安が公開

また、2021年6月28日の官民協議会にて、今後のライセンス・機体認証制度開始までのスケジュールイメージが記された資料が公開されました。

ドローンのライセンス・機体認証制度のスケジュール感

空の産業革命に向けたロードマップ2021より引用

これを見ると、ライセンス・機体認証制度の運用が開始されるのは、早くとも2022年の後半になりそうです。

政府の最新情報はこちらのぺージの左下部分(「次期制度(令和4年12月頃以降)の議論」)が更新されますので、ご興味ある方はぜひご覧下さい。

ドローン法案の最新情報は国土交通省のページから確認できる

必要?不要?何等?ドローンライセンス判断チャート

「自分はそもそもライセンス必要なのか?」

「「申請・承認が必要な飛行」と言うけれど、自分は2等に当たるのかな?」

ライセンス制度創設によって、そう不安に思われる方がいらっしゃるのも当然なことと思います。

そんな皆様向けに、政府最新資料(令和3年3月 交通政策審議会 航空分科会 技術・安全部会 無人航空機の有人地帯における目視外飛行(レベル4)の実現に向けた検討小委員会)を元に、ライセンス判断チャートを作成しました。

※人口集中地区・・・こちらの地図で赤色になっている箇所です。
※空港周辺・・・こちらの地図で緑もしくは黒の色がついている箇所です。(領域ごとに規制高度が異なります。詳しくはこちらをご覧ください)

・【不要】だったあなたはこちら

・【2等ライセンス相当】だったあなたはこちら

・【1等ライセンス相当】だったあなたはこちら

ライセンスが不要なあなたは、その他のルールに注意!

ライセンスが不要だったあなたは、個別申請の不要な場所であれば、自由にドローンを楽しむことが出来ます。

とは言っても、守るべきルール(飲酒時・夜間はNGだったり、機体の状況の常時確認だったり、他人に迷惑をかけない等)は存在するので、そこは必ずお気をつけください!
必ず無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の 安全な飛行のためのガイドライン(国土交通省航空局)を読むようにしてくださいね!

200g未満のドローンであってもライセンスが必要になる可能性は高い!

2021年現在200g未満のドローンは航空法の規制対象外ですが、「200g未満のドローンであってもライセンスが必要」となる可能性がとても高いです。

というのも、国が航空法における「無人航空機」の重量に関する定義を現在の200g未満から、100g未満に変更することがほぼほぼ決まっているからです。

2021年10月11日、国土交通省から発行された資料には、以下の様に記載されています。

航空法第2条第22項の国土交通省令で定める機器は、重量が100g未満のものとする。

出典:「無人航空機等の飛行による危害の発生を防止するための航空法及び重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令を制定する政令案」、「航空法施行規則等の一部を改正する省令案」等について(概要) 

この航空法第2条第22項は、まさに航空法において「無人航空機」が定義されているものです。

現在は国民の意見を募ると記載されていますが「最終的な決定を行う際の参考とさせていただきます。」とされていることから、決定一歩手前であることがわかります。

100g以上200g未満のドローンは、ライセンス制度の対象になる可能性が高いと思っておいた方が良いでしょう。

2等ライセンス相当なあなたは、今すぐスクールに!

ドローン2等ライセンスの飛行シーン例

2等ライセンスの具体的な飛行形態としては、立ち入り管理措置を講じた上で、イベント上空・目視外・危険物輸送・夜間飛行・農薬散布、インフラ点検、イベントの空撮、夜景空撮などが想定できます。

1等ライセンスとの違いは、飛行エリア一体に対して、立ち入り管理措置(補助者や看板の配置などにより、第三者の立ち入りを管理すること)を行う必要がある点です。

2等ライセンスは有していることで、承認・許可の手続上の便宜を受けられるライセンスですが、
その受けられる便宜も、飛行によって2種類に分けることができます。

ただし、ここで注意しておきたいのは、あくまで「便宜を受けられる」という点。

2等ライセンスは、1等と異なり必須ライセンスではありません。

ゆえに、ライセンスを取らずにその都度申請を行うという選択肢も当然存在します。
しかし、あなたが今後ドローンをビジネス利用して行きたいと考えているのであれば、必ず取得すべきです。その理由を、改めて以下でお話します。

ドローンをビジネスに使うなら、2等ライセンスは必須!

根拠は以下の2つです。

理由①ライセンスの社会的な信用性


なぜならば、ライセンスを保有しているか否かがビジネス上の信頼に直結する未来が実現するから。

もしあなたがドローンのパイロットを探している人だとしたら、操縦ライセンス制度があるのそれを取得していないパイロットはどう見えるでしょうか?
十分な実績があったとしてもそこを蔑ろにしているという点で、「信頼できなそう…」と考えるのも無理もないでしょう。

ライセンスを取ることで、あなたのお客様に対しても「私は信頼できるに値する」と証明することができますし、その有無で差が生まれることは否めません。

理由②手間の省略化

またビジネスを経営する身として考えられる時間を一刻でも効率化させるという観点から見ても、取得した方が良いと言えます。

なぜなら、ライセンスを所有していることで、申請の手間を省略ないし簡略化できるから。

現制度下では、承認・許可が必要な飛行を行う際には、飛行毎に必ず以下をはじめとする申請書を10点出す必要があります。

ドローンの飛行申請に必要な書類の1つ

~~無人航空機の飛行に関する許可承認申請書の記載方法について~~(書面により申請を行う場合)」より引用

この量の申請をその都度行っていたら、相当な時間がかかると思われます。

その点に鑑みても、このような手続きを省略できるので、ビジネスに携わる身として、取らないという選択肢はないでしょう。

現時点ですぐビジネス活用したいと考えている人は即スクールへ!

2等相当のライセンス対象者の方の中には、「ライセンス制度開始を待ってから、ライセンス認定のスクールに通うべきか?」と通学時期を悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。

この問いに対して、当メディアとしては、

「現時点でビジネス活用したいと考えている人はすぐスクール に通った方が良い」だと考えています。

(逆に「すぐにビジネスを始めたい訳ではない…!」という方は、ライセンス制度が始まってからライセンス認定のスクールに通って取得されても良いと考えています。)

理由は以下の2点です。

①「時間」という大きな機会損失が生まれるから

制度開始後にようやくドローンスクールに行くようでは、「時間」というビジネスにおける大きな機会損失が発生してしまいかねません。

というのもドローンのライセンス制度の運用が開始されるまで、現在からまだ約1年の期間があるためです。

1年もあれば、競合に取り返しのつかない大きな差をつけられかねません。

調整が難航すれば、さらに後ろ倒しになる可能性もある

1-5でも解説しましたが現在既に法的に決まっていることは、「ライセンス制度を創設する」と言う文言が法的効果を持つという意味でしかない、ということです。

ライセンス制度の具体的な中身が決まるのは今後次第なのです。

つまり、民間団体や関係機関との調整が難航した場合、さらに後ろ倒しになる可能性が一定存在すると言うことも忘れてはいけません。

2つ目の理由:(可能性レベルではあるが)今スクールを卒業することで国家資格取得が有利になる可能性も0ではない

あくまでこれは可能性レベルの話ですが、今ドローンスクールを卒業しておくことで、国家資格の取得時に優遇措置を受けられる可能性は0ではありません。

というのも、ライセンス制度が新しくなっても、今のドローンスクールの基本的な仕組みは残るからです。

そもそも今回の新しいライセンス制度での講習機関は、現在のドローンスクールの中から条件を満たすスクールが割り当てられる予定です。

レベル4飛行の実現に向けた 新たな制度整備等」より引用

また、新制度での登録講習機関は航空局が認定を行うとされているのですが、現在のドローンスクール(のほとんど)は、既に航空局の認定を受けてカリキュラムを提供しています。

参考:無人航空機の講習団体及び管理団体の航空局HP掲載について

そのため「ライセンス制度の新しいカリキュラムは、現状のカリキュラムにある程度近いものになるのでは」と考えられます。

政府は迅速にドローンの社会活用を促進したいということも踏まえると「ドローンスクールを卒業している人は、ドローンライセンスの取得試験の一部をパスできる」という措置を取ってもおかしくはないはずです。

もちろんこれは可能性レベルの話ではあります。

ただ時間というビジネス上の大きな機会損失があることも踏まえると、ドローンをビジネスに取り入れたい方は、すぐにでもドローンスクールに通うことを当メディアでは強くお勧めしています。

1等ライセンス相当のあなたはひとまずステイ!

1等ライセンスの具体的な飛行形態としては、ドローンを立ち入り管理措置なしで(補助者や看板の配置などにより、第三者の立ち入りを管理すること)飛行させたい場合です。

例えば、宅配ビジネスでの活用、長距離の有人地帯上空の空撮、報道取材、地震などの災害時の物品支援などのシーンが想定されます。

こうした飛行は現制度下では禁止されており、この技術を取得できるスクールはありません。

ライセンス制度が開始するのを待って、スクールには通うべきでしょう。

(おまけ) 2022年施行のドローンライセンス制度がドローンスクールに与える影響

激化する競争力

ここまでお読みになれた方の中で、ドローンスクール を運営されている方や、ドローンスクールに通われている方は、「今後自分たちには、どんな影響があるんだろうか」 とお思いになられている方もいるでしょう。当メディアとして主張は、「競争力の激化が考えられる」という点です。

ドローンの需要増加に伴い、ドローンスクール の数も年々増えています。

ライセンス制度が創設されることで、ライセンス認定登録講習機関であるスクール の信用性が高まり、
競争が激化。そこに、大手企業が資本力とネームバリューを生かして新しくスクール を創設し登録講習団体の認可を受けて、参入してくることは十分考えられます。

現に2021年7月7日、2022年のライセンス制度導入を背景として、JR九州グループのJR九州商事株式会社がドローンスクール開講のリリースを出しており、こうした形の参入は今後も増えてくるでしょう。

であれば、スクールとして生き残るために何ができるのでしょうか。

競争で生き残る、他スクールとの差別化ポイント

当メディアとしては、ドローンスクールが今後競争を勝ち抜くためには

・ドローンの各用途(空撮、農薬散布、点検etc)に特化した講習やノウハウの提供

がより重要になると考えています。

2022年の制度改正で全国のドローンスクールのシラバスは統一されますが、ドローンをビジネス等に活用したいユーザーにとっては、この統一された講習を受けただけでは、すぐに現場でドローンを活用する事は難しいでしょう。

(広範囲かつ現在もどんどん広がっているドローンの活用方法の全てをマニュアル化する事は、困難と思われます。)

そこで、現在一定のスクールにみられるような、「特定用途(空撮、農薬散布、点検、測量etc)に特化したコースやノウハウの提供」こそがドロースクールの大きな差別化要因になると等メディアでは考えています。

生徒さんにライセンスを取らせることがゴールではなく、ライセンスを取った後の生徒さんのビジネス/ドローン活用の成功をゴールとする

この様な思想を持ってスクールを運営することが、多くの人に愛されるスクール作りの鍵となるのではないでしょうか。

まとめ

ドローンと社会の関わり方が大きく変わる一歩となる、ドローンライセンス制度。
その制度全体像と中身について、ご理解頂けたでしょうか。

本記事の内容を簡単にまとめます。

ドローンライセンス制度は、
・市民の安全とドローンの社会活用のバランスを取る
・申請体系のスリム化
という2つの目的を有した制度で、2022年度に開始予定の制度です。

制度の内容については、
・1等と2等のライセンスがあり、


1等は、立ち入り管理措置(補助者や看板の配置などにより、第三者の立ち入りを管理すること)なしでドローンを飛ばす際に必須となります。

2等ライセンスの具体的な使用シーンのポイントは、飛行そのものに対するリスクです。

・視界が暗い夜での飛行
・関係者とはいえ、人の上を飛ぶ飛行
・物を投下するという行為

そうした観点から、許可・承認が必要となっているものを、ライセンスの所有で審査を簡略化できるというのが2等です。

市場規模が年々増加し(※市場規模も既に推定年1000億レベル)
今後私たちの社会にとっても大きな影響を与えうるドローン。

皆様が自社のビジネスなどでドローンを活用する際に、本記事を活用して頂ければ幸いです。
本記事は今後も、ライセンス制度の詳細をフォローしていきますので、お楽しみに。