ドローンを購入するときに利用できる補助金だけでなく、ドローンスクールで受講するときに助成してもらえる制度もあることをご存知ですか?
受講にかかる費用の最大6割が公費により助成されるほか、受講時間分の賃金も最大で1時間当たり960円支給されます。
ドローンスクールの受講料は決して安いとはいえない金額ですので、もしもこうした公的助成制度の存在を知らずにいるとしたら、とてももったいない話です……!
この記事では、ドローンスクールで講習を受ける際に利用できる助成制度について詳しくご紹介しています。
代表的な助成制度だけでなく、令和2〜4年度にかけて実施されている支援事業にも簡単にですが触れていますので、お読みいただくことにより、最新の制度まで含めて検討することができるようになりますよ!
また、申込・申請方法についても解説していますので、具体的にアクションを起こす際にも役立てていただけるでしょう。
ドローンスクールを受講する際の負担を軽くしてくれる助成制度について知りたい方は、ぜひこの記事をご参考になさってください。
目次
- 1 ドローンスクールの助成金(補助金)は「人材開発支援助成金」がおすすめ
- 2 ドローンスクールの助成金(補助金)として利用したいのは「特定訓練コース」
- 3 ドローンスクールの助成対象となる経費・賃金
- 4 ドローンスクール補助金の助成額・助成率
- 5 ドローンスクールに補助金として利用できるのは、特定訓練コース中の2つの訓練区分
- 6 ドローンスクール助成金(補助金)の対象となる事業主および従業員の要件
- 7 ドローンスクール助成金の支給対象とならないケース
- 8 ドローンスクール助成金(補助金)の申請手続きフロー
- 9 生産性要件を満たす場合の追加支給
- 10 ドローンスクールの助成金(補助金)申請に当たり留意したい点
- 11 まとめ
ドローンスクールの助成金(補助金)は「人材開発支援助成金」がおすすめ
ドローン購入を支援する助成制度はそれなりに数がある一方、ドローンスクールに支払う受講費に充てられる補助金・助成金はかなり限られているのが実情です。
そんな中でもドローンスクールに使える貴重な助成制度として真っ先に挙げられるのが、人材開発支援助成金。
各種職業訓練に対する支援制度ですが、ドローンスクールでの受講も一定の要件を満たせば支援対象となりますので、受講を考えているならぜひ利用したい制度です。
人材開発支援助成金の概要
人材開発支援助成金は、一言でいうと「人材育成を行う事業主を支援する制度」です。
そんな同制度の特徴には次のようなものがあります。
- 従業員が対象
- 職務に関連した訓練が対象
- 賃金助成もある
- 生産性アップにつながれば助成金増額
それぞれの特徴について簡単に確認しておきましょう。
従業員が対象
雇用保険の被保険者、つまり企業などに雇用されている立場の人がドローンスクールで受講する場合に利用できる助成金です。
逆に言うと、事業主や会社役員が受講する場合には適用されません。
職務に関連した訓練が対象
職務に直接関連する専門的な知識・技能の習得のための訓練が助成対象です。つまり、職務とは無関係あるいは間接的にしか関連しない訓練については対象外となります。
(受講者の職務との関連性や、職務に必要な専門的知識・技能の習得を目的としているかどうかは、申請時に提出する年間職業能力開発計画などにより確認されます)
なお、令和3年度2月からは、将来的に予定されている事業転換の後に従事することになる職務を見据えた先行訓練も助成対象となりました。
賃金助成もある
ドローンスクールの受講費(=経費)の助成だけではなく、訓練期間中の賃金の助成も行われます。
生産性アップにつながれば助成金増額
短期的には人材育成を目標としているこの制度ですが、長期的には安定的な企業運営を目指すものです。
そのため、訓練後に一定の生産性向上が実現した場合には助成額が割り増されます。
ドローンスクールの助成金(補助金)として利用したいのは「特定訓練コース」
人材開発支援助成金には全部で7つのコースが設定されています。
- 特定訓練コース
- 一般訓練コース
- 教育訓練休暇付与コース
- 特別育成訓練コース
- 建設労働者認定訓練コース
- 建設労働者技能実習コース
- 障害者職業の運力開発コース
このうちドローンスクールでの受講が該当するのは「特定訓練コース」または「一般訓練コース」の2つですが、実質的には特定訓練コース1択といってよいでしょう。
なぜなら、特定訓練コースと一般訓練コースを比べると、前者のほうが有利かつ使いやすいからです。
- 特定訓練コースのほうが助成額・助成率が高い
- 特定訓練コースは訓練時間が10時間以上、一般訓練コースは20時間以上が要件
(2日間ほどかけて実施される一般的な講習であれば、10時間に満たないケースはまずありません) - 一般訓練コースでは定期的なキャリアコンサルティングの実施が要件
特定訓練コースの支援対象は「効果が高い訓練」と規定されていますが、具体的には若手社員に対する訓練であったり、労働生産性の向上に資する内容であったりすればOK。
ドローン活用は労働生産性の向上に資するといえ、要件を満たしていますので、特定訓練コースを選ばない理由がありません。
ドローンスクールの助成対象となる経費・賃金
人材開発支援助成金では、受講に関連する経費と、受講期間の賃金が助成されます。
なお、対象経費はドローンスクールに出向いて受講する場合と、外部から講師を招いて社内で受講する場合とで異なってきますので、各ケース別にご紹介します。
対象経費(ドローンスクールに通う場合)
外部のドローンスクールに通う場合(事業外訓練)には、あらかじめ受講案内などで定められている入学料・受講料・テキスト代などが助成対象となります。
受講する従業員の旅費や宿泊費は対象外ですので注意しましょう。
対象経費(講師を招いて社内で訓練する場合)
自社で企画・主催し、ドローンスクールから講師を招いて社内講習を行う場合(事業内訓練)には、以下の経費が助成対象となります。
講師に支払う謝礼金・手当
所得税控除前の金額が助成対象です。上限額は実訓練1時間当たり税込3万円。日当は、社内の支出規定がある場合に限り、1日当たり3千円を上限として計上できます。
なお、食事代等は対象外です。
講師の旅費(交通費・宿泊費)
都道府県外から招く講師の勤務先または自宅から訓練会場までに要した旅費のうち、国内招へいでは1訓練当たり5万円、海外からの招へいでは15万円までが助成対象となります。
そのうち宿泊費としては1日当たり1万5千円まで計上可能です。
交通費については鉄道・バス・船・飛行機の運賃が対象ですが、グリーン料金や特1等料金は除きます。
また、タクシー料金などに充ててもらうための車代は助成対象とはなりません。
なお、事業所が東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・京都府・大阪府・兵庫県内に所在する場合は対象外となります。
施設・設備の借上費
教室やホテルの研修室などといった会場の使用料、訓練で使用する備品(マイク、ビデオ、スクリーン等)の借料が助成対象となります。
ただし、助成対象となる訓練のみに使用したことが確認できるものに限られ、他用途でも利用するものは対象外です。
教材の購入・作成費
訓練で必要となるテキストなどの教材の購入費や作成費が助成対象となります。
ただし、助成対象となる訓練のみで使用するものに限られ、繰り返し活用できる教材は対象外です。
対象賃金
訓練期間中の所定労働時間内の賃金、つまり通常どおり勤務していた場合に支払われる賃金が助成対象となります。
ドローンスクール補助金の助成額・助成率
※比較のため、一般訓練コースについても示しています。
※表中の「生産性要件を満たす場合」については、後述しています。
助成額・助成率・限度額は、企業規模によって異なり、ドローンスクール関連費用の助成を受ける場合については上の表のとおりです。
たとえば中小企業の従業員1名がドローンスクールの講習(20時間・受講料25万円)を受講する場合に助成される金額は、以下のようになります。(特定訓練コースで申請した場合)
ドローンスクールに補助金として利用できるのは、特定訓練コース中の2つの訓練区分
人材開発支援助成金の特定訓練コースは、訓練の性質や訓練を受ける従業員の属性により以下の6種類に区分されています。
- 労働生産性向上訓練
- 若年人材育成訓練
- 熟練技能育成・承継訓練
- グローバル人材育成訓練
- 特定分野認定実習併用職業訓練
- 認定実習併用職業訓練
ドローンスクールでの受講が該当するのは基本的に「労働生産性向上訓練」または「若年人材育成訓練」です。
どちらで申請しても助成額や助成率は変わりませんが、申請条件は変わってきますので、会社の状況に応じて簡単なほうで申請するのがおすすめです。
若手社員なら若年人材育成訓練がおすすめ
前述のとおり、労働生産性向上訓練でも若年人材育成訓練でも受け取れる助成金は同額。
基本要件もほぼ共通ですが、若年人材育成訓練については若手社員が対象である点が異なっています。(厳密には、訓練開始日において雇用契約締結後5年を経過しておらずかつ35歳未満の従業員かつ雇用保険の被保険者が対象)
したがって、受講者が35歳以上だと労働生産性向上訓練しか選べない一方、35歳未満かつ入社後5年以内の若手社員であれば労働生産性向上訓練と若年人材育成訓練のどちらでも選べます。
とはいえ、受講者が若年人材育成訓練の対象者となり得るのであれば、若年人材育成訓練を選ぶようにするのがおすすめです。
なぜなら、労働生産性向上訓練での申請時には、訓練カリキュラムや受講案内の写しなどを添付し、労働生産性向上に不可欠な訓練であることを証明する必要があるから。
35歳未満かつ入社後5年以内である事実の証明は容易ですが、不可欠な訓練であるかどうかの判断は審査側に委ねられる分だけ不確実性が増すと考えられます。
若年人材育成訓練の対象ケース・対象者・基本要件
若年人材育成訓練は、若手人材の育成を目的とした訓練を実施した場合の助成メニューです。
対象者
訓練開始日において雇用契約締結後5年を経過していない35歳未満の従業員かつ雇用保険の被保険者
若年人材育成訓練の基本要件
- OFF-JTにより実施される訓練である
職務現場・事業活動を離れて行うOFF-JT(Off-the-Job Training)でなくてはなりません。
なお、OFF-JTである限り事業内訓練でも事業外訓練でも構いませんので、事業所に講師を招いての出張講習も対象となります。
- 実訓練時間数が10時間以上である
総訓練時間数から移動時間や助成対象とならないカリキュラムなどに充てる時間を除いた実訓練時間数が10時間以上でなくてはなりません。
労働生産性向上訓練の対象ケース・対象者・基本要件
労働生産性向上訓練は、労働生産性の向上に資する訓練を実施した場合の助成メニューです。
対象者
従業員かつ雇用保険の被保険者
労働生産性向上訓練の基本要件
- OFF-JTにより実施される訓練である
- 実訓練時間数が10時間以上である
- 労働生産性向上に欠かせない専門性・特殊性を有する技能の訓練である
対象訓練は、当該分野における労働生産性の向上に必要不可欠な専門性・特殊性がある技能に関するものでなくてはなりません。(いずれかを満たす必要があるとされる全7種類の条件の一つですが、ドローンスクールのケースで該当する条件はこれになります)
ドローンスクール助成金(補助金)の対象となる事業主および従業員の要件
特定訓練コースに限らず、人材開発支援助成金を受給できる事業主、支給対象となる従業員が満たしていなくてはならない要件がありますので、確認しておきましょう。
対象となる事業主の要件
事業主は次の6つの要件すべてを満たしている必要があります。
<大前提である要件>
- 雇用保険適用事業所の事業主である
<申請手続きの中でクリアできる要件>
- 事業内職業能力開発計画およびそれに基づく年間職業能力開発計画を作成しており、かつその計画の内容を従業員に周知している
- 職業能力開発推進者を選任している
<通常の企業運営でクリアできる要件>
- 年間能力開発計画の提出日の6ヶ月前までの期間中に、雇用する被保険者を事業主都合により離職させていない(労働者の責めに帰すべき理由による解雇、天災その他やむを得ない理由により事業の継続が不可能となったことによる解雇、勧奨退職等を除く)
- 年間能力開発計画の提出日の6ヶ月前までの期間中に、離職理由1A(解雇)または3A(事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職)により離職した者の被保険者中の割合が6%を超えていない
- 訓練中も通常の賃金額を支払っている
対象となる従業員の要件
従業員は次の4つの要件すべてを満たしている必要があります。
<大前提である要件>
- 助成金を申請する事業所において、雇用保険の被保険者である
- 訓練実施期間中において、雇用保険の被保険者である
<申請手続きの中でクリアできる要件>
- 訓練実施計画届時に提出する「訓練別の対象者一覧」に記載されている
<訓練内容としての要件>
- 実訓練時間数の8割以上を受講している
35〜54歳の人は注目! 建設業向けドローン講習を職業訓練として受けられる「短期資格等習得コース事業」 |
対象者はかなり限定されますが、当てはまるなら検討する価値おおいにありなのが、令和2〜4年度と期間を区切って実施されている短期資格等習得コース事業。就職氷河期世代の正社員就職を支援するための施策です。 訓練後の就職支援まで含めた出口一体型の職業訓練となっており、建設業での活用を前提としたドローン操縦コースも対象コースに含まれています。 受講費が無料(交通費・テキスト代・保険料等は自己負担)であるだけでなく、職業訓練受講給付金の給付対象となる訓練であるため、支給要件に該当すれば給付金まで受け取ることができるのも魅力です! 対象者は、訓練開始月の前月の末日時点で以下の1〜3のすべてと4または5に該当する人です。 ①35歳以上55歳未満 ②未就職・離職状態にあるか、非正規雇用で働いており、正社員などの安定した雇用を希望している ③職業訓練・教育訓練を現在受講していない、または受講予定がない ④次のいずれかに該当する ・直近1年間に正社員として雇用されたことがなく、直近5年間においても正社員経験が通算1年間以下 ⑤業界団体参加企業等が雇用する非正規雇用労働者 参照:厚生労働省「就職氷河期世代の方向けの短期資格等取得コース事業」 |
ドローンスクール助成金の支給対象とならないケース
もともと要件を満たしていない場合、不正受給が発覚した場合などは言うまでもありませんが、それ以外にも支給対象とならないケースがあります。
支給対象とならないケースとしては、ドローンスクールの受講費用を対象として申請する場合には主に次のようなものがありますので注意しましょう。
訓練にかかる経費の一部または全額を事業主以外が負担しているケース
訓練にかかる経費の全額を事業主が負担していないと助成されません。
所定労働時間外や休日に実施されるケース
業務時間内の訓練が対象となるため、所定労働時間外や休日(振替休日は除く)に実施された分については助成されません。
通常の生産活動と区別できない形で実施されるケース
現場実習や同行トレーニングなど、通常勤務中におけるサポートのような形の場合、OFF-JTによる訓練とはみなされず、助成されません。
実訓練時間数が10時間未満のケース
一般的な講習であれば実訓練時間数10時間以上(特定訓練コースの場合)という要件は満たしていることがほとんどです。しかし、「短期集中1日コース」など短時間のコースを受講する場合は10時間未満となってしまう場合も。実訓練時間数が足りなければ対象外です。
労働保険料の納入漏れがあるケース
申請をした年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料が事業主より納入されていないと、受給資格がないとして助成されません。
雇用保険料で運営されている助成金であり、保険料納入が前提となっているためです。
ドローンスクール助成金(補助金)の申請手続きフロー
ドローンスクール受講費用を対象として実際に申請する際の手続きを、時系列で確認していきましょう。
なお、複数事業所で訓練を行う場合は、雇用保険適用事業所単位で手続きを進めます。
①事前準備
事業主の要件である「職業能力開発推進者の社内での選任」と「事業内職業能力開発計画の策定・周知」を行います。
【職業能力開発推進者とは】 社内で職業能力開発の取組みを推進するキーパーソン。職業能力開発に関する従業員への相談・指導などを行う役として、事業所ごとに原則1名以上を選任します。 役割を遂行する権限が必要なため、教育訓練部門の部課長や労務・人事担当部課長などが適当と考えられます。 |
【事業内職業能力開発計画とは】 場当たり的な職業訓練では効果を期待できないため、求める人材像や必要な能力要件などを最初の段階で明確にしておき、企業の経営者や管理者と従業員が共通の認識を持つために作成するものです。 職業能力開発推進者が労働組合の意見を聴きながら作成します。 厚生労働省が公開している「事業内職業能力開発計画作成の手引き」を参考にしながら進めるとよいでしょう。 |
これらの準備は、必要に応じ都道府県労働局またはハローワークと相談しながら進めていきましょう。
②必要書類の作成
訓練実施計画や年間職業能力開発計画といった必要書類を作成します。
※必要書類はコースによって異なりますので、「人材開発支援助成金(特定訓練コース・一般訓練コース)のご案内(詳細版)」で確認しましょう。
また、年間職業能力開発計画など指定フォームが用意されているものについては、こちらからダウンロード可能です。
③訓練実施計画届の提出
訓練開始日から起算して1ヶ月前までに訓練実施計画届を、上記②で作成した必要書類と併せて都道府県労働局へ提出します。
④訓練の実施
計画に沿って訓練を実施します。
なお、訓練に係る費用はこの後行う支給申請までに支払いを終えている必要があります。
⑤支給申請
訓練終了日の翌日から起算して2ヶ月以内に支給申請書を都道府県労働局へ提出します。
なお、申請時に併せて提出する支給申請承諾書は、訓練実施者(ドローンスクール)に依頼して記入してもらいます。
⑥支給決定または不支給決定
審査後、支給・不支給の決定の知らせが都道府県労働局からあります。
生産性要件を満たす場合の追加支給
生産性要件を満たす場合、つまり訓練の成果として生産性が向上したと考えられる場合には、事後的に助成額が引き上げられます。(上の表の色枠内を参照)
「生産性要件を満たす場合」とは
「生産性要件を満たす場合」とは、訓練開始日が属する会計年度の前年度の生産性とその3年度後の会計年度の生産性を比較したときに、後者が6%以上伸びている場合を指します。
生産性要件の計算方法
生産性要件を満たしているかどうかの計算は、次の計算式に基づいて行われます。
計算するに当たっては、厚生労働省のウェブサイト上で入手可能な生産性要件算定シートを利用しましょう。
生産性要件を満たす場合の追加支給の注意点
生産性要件を満たしているのに追加支給を受けられないという事態は避けたいですよね。注意点を確認しておきましょう。
割増分は申請しないと支給されない
生産性要件を満たしていても、別途申請しないと追加支給は行われません。
訓練開始日が属する会計年度の前年度から3年度後の会計年度の末日の翌日から起算して5ヶ月以内に申請する必要があります。(例として、訓練開始が2022年6月20日、会計年度が5月1日〜4月30日となっている事業主の場合、申請時期は2025年5月1日から起算して5ヶ月以内となります)
申請時期の個別通知などは行われないため、申請者側で覚えているほかありません。期限を忘れないように注意しましょう。
事業主都合による離職者がいると支給されない
生産性要件の算定対象期間中に事業主都合による離職者を発生させていると、追加支給は行われません。
ドローンスクールの助成金(補助金)申請に当たり留意したい点
助成金を申請する際には、次のような点に留意しましょう。
申請には一定の手間がかかる
基本的に要件を満たせば交付される助成金は、厳格な審査をクリアし採択されてやっと交付される補助金に比べれば手が届きやすいといえますが、それでも申請書1枚で済むというわけではありません。
軽く10種類を超える資料を添付書類として用意しなくてはならず、揃えること自体が難しい書類ではないとしても一定の手間・時間を確実に要します。
そうした工数はあらかじめ見込んでおきたいところです。
助成金はすぐには交付されない
助成金は「かなりのんびりとした後払い」だと考えましょう。
審査にはそれなりの時間がかかるため、交付されるとしても申請後かなり経ってからとなります。
また、不交付と決定されるとしても、その結果がわかるのはずっと後になりますから、すっかり当てにしていたら大変!
基本的には「万一交付されなくても困りはしない」という状況で臨むべきでしょう。
まとめ
ドローンスクールの受講に係る費用を助成する制度の代表が「人材開発支援助成金」です。
従業員(雇用保険の被保険者)が、職務に関連する専門スキルの習得を目的としてドローンスクールに通う場合に利用できます。
同制度は複数のコースや訓練種類に分類されますが、ドローンスクールに関連して申請する場合に利用するのは、基本的に次の2通りになります。
- 特定訓練コース(労働生産性向上訓練)
- 特定訓練コース(若年人材育成訓練)
どちらも助成額や助成率に違いはありませんが、受講するのが雇用契約締結後5年を経過しておらずかつ35歳未満の従業員であれば、要件を満たすのがより簡単な若手人材育成訓練のほうを選ぶのがおすすめです。
助成対象となる経費は、あらかじめ受講案内などで定められている入学料・受講料・テキスト代など。
外部講師を招いての社内訓練の場合は、講師への謝礼金や手当、講師の旅費、会場費なども対象となります。
さらに、経費だけでなく、通常どおり勤務していた場合に支払われる賃金も助成されます。
助成額・助成率や経費助成限度額は、中小企業かいわゆる大企業かで変わってきますので、「助成額・助成率」の章の表でご確認ください。
訓練の効果として生産性向上が見られた場合には、事後的に申請することで助成金が上乗せされます。該当するならぜひ申請を忘れないようにしましょう。
うっかり見落としてしまうと助成対象外となってしまうのが次のようなケースです。
- 訓練費用の全額を事業主が負担していないケース
- 所定労働時間外や休日に訓練を実施するケース
- 通常の勤務と区別できないケース
- 実訓練時間数が10時間に満たないケース
- 労働保険料の納入漏れがあるケース
また、申請には一定の手間がかかる点、助成金交付は申請後だいぶ経ってからになる点に留意しましょう。
ドローンをビジネスで活用するのであればドローンスクールに通っておくのが望ましいとはいえ、受講料の負担は小さくないですよね。
ドローンの購入だけでなくドローンスクールの受講に当たっても公的な助成制度をフルに使って、負担を軽くしましょう。
それによりドローンの産業活用の裾野が一層広がれば、今私たちが直面する社会課題の解決にもつながるはずです。
【申請したい!と思ったときの参照先URLまとめ】
・人材開発支援助成金(特定訓練コース・一般訓練コース)のご案内(詳細版)
・事業内職業能力開発計画作成の手引き
・人材開発支援助成金申請書類の申請様式ダウンロードページ
・生産性要件算定シート