「ドローン保険って加入しなければいけないの?」
「仕事でドローンを使うので保険に入りたい、どんな保険がある? 何をポイントに選べばいい?」
仕事や趣味でドローンを飛ばすことが多く、そのような疑問や希望を持っている人も多いでしょう。
ドローン保険は、法的には加入義務はありません。
が、ドローンを飛ばす際には危険が伴いますので、ぜひ加入してください。
国も「無人航空機の飛行の安全に関する教則」などでドローン保険への加入を推奨していて、実際に国土交通省への飛行申請の際には保険加入情報を入力する必要があるのです。
ただ、ひと口に「ドローン保険」といっても、大きく以下のように分けられます。
賠償責任保険 |
機体保険 |
|
---|---|---|
趣味目的での利用 |
個人向け 賠償責任保険 |
個人向け 機体保険 |
事業目的での利用 |
法人・事業者向け 賠償責任保険 |
法人・事業者向け 機体保険 |
理想としては、趣味でドローンを飛ばす人は「個人向け賠償責任保険」と「個人向け機体保険」に、仕事で利用する人は「法人・事業者向け賠償責任保険」と「法人・事業者向け機体保険」に、あわせて加入してください。
また、保険を選ぶ際には、以下のポイントを比較しましょう。
- 補償の範囲
- 保険料
- 補償金額
- 免責金額
- 示談交渉サービス
そこでこの記事では、ドローン保険を選ぶ際に知っておきたいことをまとめました。
◎ドローン保険は義務ではない
◎ドローン保険に加入すべき理由
◎ドローン保険の種類
◎ドローン保険によって補償されるもの
◎ドローン保険を検討する際のおすすめ比較ポイント
◎【比較表】ドローン保険にはどんなものがある?
◎ドローン保険の注意点
最後まで読めば、知りたいことがよくわかるはずです。
この記事で、あなたが最適なドローン保険を選べるよう願っています。
目次
ドローン保険は義務ではないが加入推奨
プライベートにビジネスに、ドローンを利用する人が増えています。
それにあわせて、ドローンによる事故やトラブルなどを補償する「ドローン保険」も出てきました。
これには加入すべきでしょうか?
結論からいえば、ドローンを操縦するに際して、ドローン保険に加入する法的な義務はありません。
が、ドローンナビゲーター編集部としては、「ぜひ加入してください!」とおすすめします。
それはなぜか、まず説明しておきましょう。
ドローン保険は法的には義務ではない
前述したように、ドローン保険への加入は法的な義務ではありません。(2023年8月現在)
自動車を運転するのであれば、少なくとも「自賠責保険」への加入は「自動車損害賠償保障法」という法律によって義務付けられています。
この保険に加入していない自動車は、走らせてはいけません。
が、今のところドローンに関しては、このような法律はないのです。
保険に未加入でドローンを飛ばしても、罰せられることはありません。
ドローン保険に加入すべき3つの理由
では、義務でもないドローン保険に、私たちドローンナビゲーター編集部はなぜ加入すべきと考えるのでしょうか?
その理由は、以下の3点です。
- ドローンにはさまざまな危険が伴うため
- 国が加入を推奨しているため
- 飛行申請の際に保険加入情報の入力が必要なため
ひとつずつ説明していきましょう。
ドローンにはさまざまな危険が伴うため
まず第一に、ドローンを飛ばすことはさまざまな危険を伴うので、そのリスクに備えるためには保険が必要です。
ドローンで起こり得る事故・トラブルのリスク
国土交通省では、ドローンに関する事故報告をまとめて公表していますが、2022年12月5日から2023年5月31日までに24件の事故が報告されています。
(参照:国土交通省「無人航空機に係る事故等報告一覧(令和4年12月5日以降に報告のあったもの)」)
その事例を見ると、
- 飛行中に木に接触、墜落して車に衝突して車の屋根が損傷した
- 機体が自転車に乗っている人に衝突し、負傷させた
- 機体が制御不能になり、墜落した
- 同じく機体が制御不能になり落下、紛失した
- 同じく機体が制御不能になり、止めようとした関係者が負傷した
- 農薬散布中のドローンが、補助者の合図が遅れたために停止位置を通り過ぎ、光ケーブルに接触、損傷させた
など、さまざまな事故が起きました。
ドローンの事故による賠償額は億単位になる恐れもある
このように、ドローンを操縦する際には機体自体が壊れたりなくなったり、人やモノを傷つけたりといったリスクはつねに伴います。
たとえ操縦技術に自信があっても、ドローンは電波でコントロールするものですから、電波障害などが起きれば、操縦者にはどうしようもなく事故につながってしまいます。
また、空撮によって第三者のプライバシーや肖像権を侵害するケースもあるでしょう。
これらの多種多様な事故、トラブルが発生すると、操縦者は機体の修理や買い直し、傷つけた人やモノに対する損害賠償などを負わなければなりません。
場合によっては、人に障害が残るほどの大怪我を負わせてしまったり、命を奪う結果になってしまったりする恐れもあり、そうなれば賠償金は億単位になるでしょう。
それを自分で支払うのは大変なことです。
が、ドローン保険に加入しておけば、それらの補償が受けられるのです。
国が加入を推奨しているため
また、国もドローン保険への加入を推奨しています。
国土交通省が定めた「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」には、以下のような記載があります。
安全に留意して無人航空機を飛行させても、不測の事態等により人の身体や財産に損害を与えてしまう可能性があります。
このような事態に備え、保険に加入しておくことを推奨します。
なお、万一事故が発生した場合には、責任関係が複雑化し被害者が賠償義務者の過失を立証することが困難であることも想定されるため、加入される保険は、被害者に対し十分な補償が提供でき、かつ速やかに被害者が救済される保険であることが望ましいと考えられます。
出典:国土交通省「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」
さらに、同じく国土交通省が公開している「無人航空機の飛行の安全に関する教則」でも、以下のように保険を推奨しています。
2.3.3 保険
無人航空機の保険は、車の自動車損害賠償責任保険(自賠責)のような強制保険はなく、すべて任意保険であるが、万一の場合の金銭的負担が大きいので、保険に加入しておくとよい。無人航空機の保険には、機体に対する保険、賠償責任保険などいろいろな種類や組合せがあるので自機の使用実態に即した保険に加入することが推奨される。
出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則」
つまり、国としても「ドローン保険は義務ではないが、ぜひ入ってほしい」という立場なのです。
飛行申請の際に保険加入情報の入力が必要なため
第三に、ドローンの飛行申請にあたって保険加入情報が必要になるため、加入しておいたほうがよいと言えます。
ドローンを飛ばす際には、多くの場合、その場所や飛行方法に応じて国土交通省の「ドローン情報基盤システム2.0」、通称「DIPS」で飛行許可申請する必要があります。
その際に、保険の加入状況を入力する項目があるのです。
というのも、前述したように、ドローンの飛行には第三者に損害を与えるリスクがあり、操縦者側は求められればその損害を賠償しなければなりません。
そのため、「もし事故があった場合でも、自分にはその損害を賠償する能力があります」ということの照明として、飛行許可申請の際に保険加入の有無を確認されるというわけです。
これについては、「保険に加入しているほうが、飛行許可がスムーズに出る」「もし保険に加入していない場合、飛行申請をしても許可が降りる可能性が低い」という声もあります。
つまり、法的には義務でなくても、実質的には保険加入が必要、と言えるでしょう。
出典:国土交通省 ドローン情報基盤システム 操作マニュアル 申請者向け操作マニュアル
「<申請者>01.新規申請方法」
ドローン保険の種類
ところで、「ドローン保険」とはそもそもどんな保険でしょうか?
実はひと口にドローン保険といっても、その種類はさまざまで、大きく以下のように分類できます。
賠償責任保険 |
機体保険 |
|
---|---|---|
趣味目的での利用 |
個人向け 賠償責任保険 |
個人向け 機体保険 |
事業目的での利用 |
法人・事業者向け 賠償責任保険 |
法人・事業者向け 機体保険 |
説明していきましょう。
保険の対象による種別
まず第一に、ドローンの「何を保証するのか」という保険の対象によって、以下の2つに大別できます。
保険の種別 |
保険の対象 |
補償内容 |
---|---|---|
賠償責任保険 |
ドローンを飛ばすことによって生じた事故やトラブル |
|
機体保険 |
ドローンの機体そのもの |
|
賠償責任保険(施設賠償責任保険)
「賠償責任保険」は、ドローンを利用したことで、人やモノに何らかの被害を及ぼしてしまった際に、その損害賠償を補償してくれる保険です。
これは、前章で説明したように、ぜひ加入すべき保険です。
賠償責任保険は「施設賠償責任保険」とも呼ばれ、その補償内容は大きくわけて以下の3つです。
- 対人賠償:ドローンが人にぶつかって、ケガなどを負わせてしまった場合の補償
- 対物賠償:ドローンが建物や車などのモノにぶっつかって、損傷させてしまった場合の補償
- 人格権侵害:ドローンでの空撮によって、第三者のプライバシーや肖像権などを侵害してしまった場合の補償
ドローンの事故は、ちょっとした接触だけではありません。
場合によっては、人に重大な障害を負わせたり、死亡事故につながる恐れもあります。
電線などのインフラ設備に接触すれば、近隣住民の生活に大きな不便を及ぼす可能性もあるでしょう。
そうなれば、損害賠償額も莫大なものになるかもしれません。
そのため、賠償責任保険の中には、補償額が1億円、10億円という高額なものもあります。
また、多くのドローン賠償責任保険では、人格権侵害も補償されるのが特徴です。
空撮を目的としてドローンを飛ばす人は多いですが、その際に意図せずとも第三者の姿や他人の家の中などが映ることがあります。
これにより、プライバシーの侵害、肖像権の侵害などのトラブルに発展した場合には、その損害賠償も補償されます。
機体保険(動産総合保険)
一方、「機体保険」はドローンの機体そのものにかける保険です。
「動産総合保険」とも呼ばれ、たとえば以下のような場合の損害分や費用を補償してもらえます。
- 事故による機体の故障、破損
- 水濡れ、火災などによる機体の損傷
- 盗難
- 機体が紛失した際の捜索・回収にかかる費用 など
ただ、低価格のドローンの場合は、機体の修理費用や買い直し費用よりも保険料のほうが高くなってしまうので、必ずしも加入する必要はないでしょう。
反対に、10万円を超えるようなドローンであれば保証のメリットはあるでしょうし、数十万〜100万円を超えるような産業用ドローンならぜひ加入すべき保険だと言えます。
被保険者による種別
また、保険に加入する者=被保険者によっても、以下の2種にわけられます。
- 個人向け保険:個人が、自分や家族、知人の間だけで楽しむ趣味としてドローンを飛ばす場合の保険
- 法人・事業者向け:企業や個人事業主が、ビジネスのためにドローンを利用する場合の保険
前項の「保険の対象による種別」とあわせると、以下のような選択肢があるわけです。
賠償責任保険 |
個人向け |
法人・事業者向け |
|
機体保険 |
個人向け |
法人・事業者向け |
違いを説明します。
個人向け
個人向けドローン保険は、個人が趣味としてドローンを飛ばして楽しむ場合に加入するものです。
前章で説明した2種の保険にはいずれも個人向けがある(個人向け賠償責任保険・個人向け機体保険)ので、「ただ家の中や空き地で飛ばして遊びたい」「旅先などで空撮した映像を、思い出として残したい」といった目的でドローンを利用する人は、こちらを選ぶといいでしょう。
個人向け賠償責任保険の注意点
ただ、「個人向け賠償責任保険」の場合、「個人」に含まれるのは、ドローンを飛ばす本人と家族、友人程度までで、その範囲しか補償されません。
たとえば、空撮した映像を家族で見て楽しむだけなら補償の範囲内です。
が、その映像をSNSやYouTubeなどで公開してしまうと、「個人」の範囲を超えた不特定多数の人が見て楽しむことができます。
これは「趣味」ではなく「業務行為=ビジネス目的」とみなされ、個人向け保険の補償対象外になるのです。
もし公開した映像に第三者のプライバシーや肖像権侵害があって、訴訟に発展した場合は、個人向け保険では補償されません。
空撮した映像をSNSなどに載せたいのであれば、賠償責任保険は「個人向け」ではなく「法人・事業者向け」を選びましょう。
個人向け機体保険の注意点
ちなみに個人向け機体保険は、前項で説明したように、機体が低価格の場合は加入しなくてもよいでしょう。
(実際、個人が趣味目的で加入できる機体保険の種類は多くはありません。)
ただ、個人といっても空撮などの仕事としてドローンを利用するのであれば、事業者向けの保険に加入しておくメリットはあります。
保険によっては、代替機のレンタル費用を補償してくれるところがあるからです。
たとえば、「明日撮影の仕事があるのに、ドローンが破損してしまって修理には1週間かかる」といった場合、修理中はレンタル機で撮影をして、その費用を保険でまかなうことができるわけです。
機体保険の補償内容は、「機体保険」でくわしく説明しますので、自分がどのようにドローンを利用するかを考慮した上で、個人向け機体保険の要不要を検討してください。
法人・事業者向け
それに対して、法人・事業者向けドローン保険は、企業や個人事業主が仕事でドローンを利用している場合に適用される保険です。
ドローンのビジネス利用は、
- テレビや映画などのための空撮
- 建物やインフラ設備などの点検
- 地形の測量
- 田畑への農薬や肥料散布
- 赤外線カメラなどを搭載しての警備
- 遠隔地への物流、輸送
などさまざまな可能性が期待されていて、すでに実用化が進んでいるものもあれば、実証実験段階のものもあります。
これらの目的でドローンを利用する場合、法人・事業者向けの賠償責任保険や機体保険に入っておけば、事故やトラブルが補償されるというわけです。
中には、海外で事業目的でドローンを利用する際の「海外プラン」や、人にドローンを貸し出した際にも保険適用される「追加被保険者特約」などのオプションもあり、幅広い利用シーンが補償されます。
ただ、法人・事業者向け保険に加入していても、個人が趣味目的でドローンを飛ばした際の事故やトラブルは、賠償責任保険、機体保険いずれも補償されませんので注意してください。
保険者による種別
さらに、ドローン保険の場合、保険を提供する保険者も、一般的な保険会社だけに限りません。
主に以下の4種があります。
- 保険会社
- ドローンメーカー
- ドローンスクール、管理団体
- 日本ラジコン電波安全協会
それぞれどう異なるのでしょうか?
保険会社
まず、一般的な保険会社の中に、ドローン保険を扱っているところがあります。
たとえば、「東京海上日動」「三井住友海上」「損保ジャパン」「あいおいニッセイ同和損保」などです。
保険会社のドローン保険は、いずれも賠償責任保険と機体保険の両方を扱っています。
中には、この2種をひとつにまとめた保険を提供しているところもあり、「2つの保険に加入するのは面倒」といった人には適しているでしょう。
ただ、法人・事業者向けが中心で、個人向け保険は提供していないところもありますので、趣味目的の人は事前に確認が必要です。
ドローンメーカー
また、ドローンメーカーが自社ドローンのユーザー向けに独自の保険を提供しているケースもあります。
たとえば、ドローン世界シェアNO.1メーカーの「DJI」、農業用など大型産業用ドローンのメーカー「マゼックス」などです。
この場合、
- 保険に加入できるのは、そのメーカーのドローンとそのユーザーに限る
- 保険はメーカーと提携している保険会社から提供される
というのが特徴です。
さらに、DJIの場合は、対象機種の国内正規品を新品で購入すると、「無償付帯賠償責任保険」が1年間付帯されるという特典もあります。
購入者はこの保険に登録することで、保険料無料で1年間、以下のような保証を受けられます。
- 対人賠償:1事故につき1億円
- 対物賠償:1事故につき5,000万円 など
※標準プランの場合
※ただし、購入者が自分で登録しなければ補償は受けられません
DJIのドローンを購入する場合は、かならず登録しておきたい保険だと言えるでしょう。
ドローンスクール、管理団体
さらに、ドローンスクールやその管理団体が提供している保険もあります。
たとえば、「JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)団体保険制度」や「JMA(一般社団法人日本マルチコプター協会)CLUB会員付帯型賠償保険」などです。
これらは、
- 管理団体の会員が対象
- 実際の保険は提携している保険会社から提供される
という特徴があります。
また、団体の会費とは別途で保険料が必要な場合と、会員向けサービスの一環として保険がついてくる=会費を支払っていれば別途の保険料はかからない場合とがあるようです。
日本ラジコン電波安全協会
少し変わったところでは、「一般財団法人日本ラジコン電波安全協会(RCK)」のドローン保険というものもあります。
本来は、ラジコン向けの保険ですが、ドローンでも加入することができます。
この保険の最大の特徴は、保険料の安さです。
ただし、RCKが実施している「ラジコン操縦士制度」にしたがって、「【ホビー用】ラジコン操縦士」または「【産業用】ラジコン操縦士」に登録する必要があります。
まとめると、
- 「ラジコン操縦士」に登録した人のみが加入できる
- 個人向けは「【ホビー用】ラジコン補償制度」で、ラジコン操縦士登録料+保険料=5,500円で2年間補償が受けられる
- 法人向けは「【産業用】ラジコン(ドローン)保険」で、年間保険料は5,050円からプランによって異なる
- 実際の保険は、提携保険会社から提供される
という仕組みになっています。
ラジコン操縦士になるには特に試験などなく、郵便局の払込用紙に住所・氏名などの必要事項を記入、所定の登録料を振り込むだけです。
くわしくは、のちほど「【比較表】ドローン保険にはどんなものがある?」で説明しますので、興味のある人はそちらを読んでください。
その他
ここまで挙げた以外にも、ドローン保険には以下のような種類もあります。
- 1日保険
- 農薬散布用保険
日保険
通常の保険は、年間保険料を支払って1年ずつ補償期間を更新していきますが、1日単位で保険をかけられる「1日保険」というものもあります。
たとえば、楽天損保の「1日保険シリーズ」の「ドローン保険」は、1日の保険料わずか200円で、1億円までの補償が受けられます。
「ドローンは持っているけれど、年に数回しか飛ばさない」「今度、ドローンを1〜2日だけレンタルして利用する」といった場合には、1日保険を活用するのもいいでしょう。
くわしくは、「1日だけ保険に加入できる:楽天損保 1日保険シリーズ「ドローン保険」」を読んでください。
農薬散布用保険
ドローンのビジネス利用の中でも、農業は活用事例が広がっている分野です。
農薬散布、肥料散布、種蒔き、生育状況の確認など、さまざまな用途がありますが、中でも農薬散布は危険性が高い作業と言えるでしょう。
そのため、農薬散布用ドローンに特化した保険も出てきました。
たとえば、JA共済連と共栄火災海上保険による「農薬散布用ドローン総合保険」です。
この保険は、
- 高価な農業用ドローンが破損、盗難などにあった場合の損害
- 農薬散布中に事故が起き、飛び散った農薬や落下したドローン機体によって人やものを傷つけた場合の損害
の両方を補償してくれるもので、賠償責任保険と機体保険にそれぞれ加入する必要がないのも利点でしょう。
前述したように、農業用ドローンは高額なので、機体が損傷した場合の修理費用や買い替え費用は大きいものです。
また、農薬散布中に事故があれば、農薬によって多くの人に健康被害が及ぶ恐れもあります。
これらに備えるためには、十分な補償内容のある保険に加入しておくべきでしょう。
上記の保険については、「農林水産業に特化:農林水産用ドローン総合保険」でくわしく説明します。
ドローン保険によって補償されるもの
さて、ドローン保険にはさまざまなタイプがあることがわかりました。
次に気になるのは、「どんな損害が補償されるのか?」ということですよね。
そこで、以下の保険についてそれぞれの補償内容を挙げておきましょう。
細かい補償対象は、保険商品によって異なりますが、主に補償されることが多いものと考えてください。
- 機体保険の主な補償内容
- 賠償責任保険の主な補償内容
- その他
機体保険
機体保険は、ドローン本体に対する保険です。
主に補償されるのは以下のようなもの・ケースです。
<補償されるもの>
- 操縦ミスによる機体の破損
- 火災や落雷による機体の破損
- 水濡れや水没による機体の破損
- 機体や付属カメラなどの捜索、回収にかかる費用
- 盗難による機体の逸失
- 代替機のレンタル費用
<オプション>
- 海外での機体の破損 など
反対に、補償されないのは以下のような場合です。
<補償されないもの>
- 被保険者が故意に、または重大な過失や法令違反によって起こした損害
- ドローンが飛行中に行方不明になり、本体が回収できない場合
(ただし、捜索費用は補償されます) - 機体が自然に劣化して生じた損害
- 地震や噴火、それによる津波で生じた損害
- 保険加入後に機体を加工し、その後に生じた損害 など
どんな場合でも補償されるわけではなく、こちらに過失や問題があった場合などは保証を受けられない場合もあります。
加入前には、補償内容をよく確認した上で、納得できる保険を選んでください。
賠償責任保険
賠償責任保険は、事故やトラブルによって第三者に損害を及ぼした際に補償される保険です。
その主な補償内容には、以下のようなものがあります。
- ドローンが原因で人にケガなどを負わせた場合の対人賠償
- ドローンが原因で建物や車などのモノを損傷させた場合の対物賠償
- プライバシーや肖像権などの人格権を侵害した場合の損害賠償
- 上記に関わる争訟費用(弁護士費用、訴訟費用など)
- ドローン事故による損害の発生や拡大を防止するための費用
- ドローン事故が発生した際の現場の保存、事故状況の調査・記録、被害者への見舞などにかかる初期費用
<オプション>
- 第三者にドローンを貸した際に起きた事故やトラブルの損害
- 海外でドローンを利用した際に起きた事故やトラブルの損害 など
反対に、補償の対象から外れてしまうのは以下のようなケースです。
<補償されないもの>
- 保険契約者または被保険者が故意に起こした事故やトラブルによる損害
- 地震、噴火、津波などによる損害
- 戦争、暴動などによる損害 など
ドローンによって関係のない第三者や人のものを傷つけてしまった場合、その賠償金額は莫大なものになる可能性があります。
また、訴訟に発展した場合は、それにかかる費用も大きいでしょう。
これらを補償するために、ドローンの賠償責任保険は、補償金額の上限が億単位に設定されているものも多くあります。
補償範囲、補償金額ともに十分なものを選びましょう。
その他
「ドローンの機体自体」「ドローンの事故などによる損害賠償」以外のものを補償する保険もあります。
たとえば、近年注目されているのが、「サイバー攻撃による損害を保証する保険」です。
ドローンはフライトコントローラーという、いわばコンピューターによって制御されています。
そのため、もしサイバー攻撃にあってしまえば、コントロールを失って事故につながりかねません。
また、ドローンは地上からでは見られないものを上空から撮影したり、センサーで感知したりしてさまざまな情報、データを取得します。
サイバー攻撃は、これらの重要情報を漏洩させるリスクも生じさせるものです。
それらの損害を補償するのが、サイバー保険です。
2021年、エアロエントリーが取り扱っているDJI公認ドローン保険に、はじめて「サイバー・情報漏えい保険」のオプションが誕生しました。
2022年9月末時点では、これが唯一のサイバー保険だったようです(エアロエントリー社調べ)ので、DJIのドローンを利用する企業や事業者は、加入を検討してみるといいでしょう。
ドローン保険を検討する際のおすすめ比較ポイント
これで、ドローン保険とはどんなものか、大枠がつかめたかと思います。
が、このように種類も補償内容もさまざまあるとなると、「どんな保険に加入すればいいの?」と迷ってしまうでしょう。
そんな人のために、この章では、ドローン保険を選ぶ際に何を比較すればいいのか、そのポイントを挙げておきましょう。
それは以下の5点です。
- 補償の範囲
- 保険料
- 補償金額
- 免責金額
- 示談交渉サービス
それぞれ説明します。
補償の範囲
まず第一に、「どんな事故・トラブルが補償されて、どんな場合は補償されないのか」という補償の範囲は重要なポイントです。
自分がドローンをどのように利用するかによって、必要な補償は異なってきます。
たとえば、
- 空撮した写真や動画をSNSやYouTubeにアップしたい
→人格権侵害に対する補償が必要 - ドローンを人に貸すことがある
→「追加被保険者特約」が必要 - ドローンで重要な情報を収集する
→サイバー保険が必要
といったように、です。
「ドローン保険によって補償されるもの」を見て自分にはどんな補償が必要かを洗い出し、それらがすべてカバーされる保険を選びましょう。
保険料
次に、保険料も重要です。
前述したように、DJI機であれば「無償付帯賠償責任保険」が1年間利用できますので、保険料節約のためにはぜひ登録してください。
また、個人であれば、日本ラジコン電波安全協会(RCK)のホビー用ラジコン補償制度は、2年間5,500円という保険料の安さが魅力です。
DJIの国内正規品を購入する場合、1年目は「無償付帯賠償責任保険」、2年目からはRCKの「ホビー用ラジコン補償制度」に加入すれば、かなり保険料を抑えられます。
ただ、一般的には、補償内容が充実しているほど保険料は高くなる傾向がありますし、保険料が安いと補償内容が薄くなりがちです。
両者の兼ね合いを考えながら、「必要な補償が揃っている保険の中で、なるべく保険料が抑えられるもの」を選ぶといいでしょう。
補償金額
3つ目は、補償金額です。
できれば上限1億円以上の保険を選びましょう。
「ドローンがぶつかったくらいなら、人もモノもたいしたダメージは受けないだろう」と考えるかもしれませんが、そうとは限りません。
人にぶつかった場合、ケガによっては後遺症が残ったり、命を失ったりする恐れもあります。
そうなれば、数千万円から億単位の賠償金が必要になるかもしれないのです。
そのためドローン保険の中には、補償金額の上限が1億円、10億円、無制限といったものもあります。
せっかく加入するのであれば、十分な補償を得られる保険を選びましょう。
免責金額
意外に見落としがちなポイントとして、免責金額も挙げられます。
「免責金額」とは、保険金の対象となる事故などが起きた際に、被保険者=保険をかけている人自身が負担しなければならない金額です。
たとえば100万円の損害が発生した場合、免責金額が5万円の保険であれば、保険会社から支払われる保険金は「100万ー5万=95万円」で、5万円は被保険者の自己負担になります。
もし、損害額が5万円以下であれば、すべて被保険者の自己負担になり、保険金は支払われません。
つまり、免責金額は少ないほうがいいわけです。
ドローン保険の中には、免責金額が0円のものもあります。
ただ、一般的には免責金額がある保険のほうが、保険料が抑えられている傾向です。
保険料、補償金額、免責金額のバランスを考えて、無理のない範囲で補償金額が大きく、免責金額が小さいものを探しましょう。
示談交渉サービス
最後のポイントは、「示談交渉サービス」です。
保険によっては、ドローンによる事故やトラブルが起きてしまった際に、被保険者にかわって保険会社が相手と示談の交渉をしてくれるサービスがついていますので、できればそのような保険を選びましょう。
事故の賠償に関する話し合いは、被害者と加害者が直接行うと感情的にこじれたり、なかなかまとまらずに解決まで長引いたりする恐れがあり、難しいものです。
それを、プロがかわって交渉してくれれば、スムーズな解決が期待できます。
【比較表】ドローン保険にはどんなものがある?
では、実際にどんなドローン保険があるのか見てみましょう。
まずは、補償内容や保険料などをひと目で比較できるよう、表にまとめましたので以下を見てください。
保険名 |
保険会社 |
対象者 |
保険金額 |
保険料 |
|
---|---|---|---|---|---|
賠 |
DJI公認ドローン保険 |
代理店:エアロエントリー株式会社 |
個人 |
|
なし |
RCK(日本ラジコン電波安全協会) |
代理店:株式会社ライフステージ |
個人 |
対人・対物補償:1事故につき1億円 |
ラジコン操縦士及びラジコン保険登録料として: |
|
DJI公認ドローン保険 |
代理店:エアロエントリー株式会社 |
法人・事業者 |
|
なし |
|
DJI公認ドローン保険 |
代理店:エアロエントリー株式会社 |
法人・事業者 |
|
|
|
東京海上日動 |
代理店:ACF(エイ・シー・エフ)(株式会社エフシピー(FCP)) |
法人・事業者 |
|
|
|
SkyLink Japan |
代理店:株式会社WorldLink&Company |
法人・事業者 |
身体・財物 1事故につき、以下のいずれかを選択
|
|
|
SORAPASS care |
代理店:損保ジャパンパートナーズ株式会社 |
個人 |
|
サービス利用料金+保険料 5,000円/年 |
|
楽天損保 |
代理店:損保ジャパンパートナーズ株式会社 |
規定なし |
|
200円 |
|
機 |
DJI公認ドローン保険 |
代理店:エアロエントリー株式会社 |
法人・事業者 |
対象機体の新価(再調達価額) |
|
東京海上日動 |
代理店:ACF(エイ・シー・エフ)(株式会社エフシピー(FCP)) |
法人・事業者 |
保険加入時のドローンまたはドローン用カメラ(単体) |
機体とプランにより異なる |
|
SkyLink Japan |
代理店:株式会社WorldLink&Company |
法人・事業者 |
保険加入時のドローン本体価格 |
ドローン本体価格の 7.8% |
|
SORAPASS会員のための |
代理店:エイ・シー・エフ |
個人 |
保険加入時のドローンおよび付属品の再調達価額 |
機体の保険金額による
|
|
賠 |
農林水産用ドローン総合保険 |
引受保険会社:共栄火災海上保険株式会社 |
農林水産業 |
|
|
では、それぞれ説明します。
個人向け 賠償責任保険
まず、個人向けの賠償責任保険の例です。
DJI公認ドローン保険:無償付帯賠償責任保険「限定利用プラン」
DJIの国内正規品ドローンを新品で購入した人は、1年間無償で加入できる賠償責任保険です。
「標準プラン」と「限定利用プラン」の2タイプがあり、個人向けは「限定利用プラン」となっています。
(法人・事業者向けの「標準プラン」については、「法人・事業者向け 賠償責任保険」で説明します。)
この保険は、無償=保険料無料にもかかわらず、事故などを起こして第三者に損害を与えた場合、1事故につき最大1億円まで補償が受けられるので、DJI製品を購入した人にはかならず加入してほしいものです。
ただし、ドローンを購入しただけでは保険が適用されませんので注意してください。
購入後、登録ページからなるべく早めに登録しましょう。
保険商品 |
DJI公認ドローン保険「無償付帯賠償責任保険」 |
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提供元・保険会社 |
代理店:エアロエントリー株式会社 |
保険の種類 |
限定利用プラン(団体生活総合保険) |
個人向け 賠償責任保険 |
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対象機種 |
こちらから確認できる機種で、国内正規流通品を新品で購入したもの |
補償範囲 |
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示談交渉サービス |
なし |
免責金額 |
なし |
保証期間 |
1年間 |
保険料 |
なし |
公式サイト |
RCK(日本ラジコン電波安全協会)【ホビー用】ラジコン補償制度
個人向けの賠償責任保険の中でも、保険料が安くかけられると評判なのが、「RCK(一般財団法人 日本ラジコン電波安全協会)」の「【ホビー用】ラジコン補償制度」です。
これは、一般的な保険商品とは性質が少し異なります。
まず、RCKには「ラジコン操縦士登録制度」というものがあり、国内でラジコン(ドローンを含む)を操縦する人であれば誰でも登録・加入することが可能です。
そして、このラジコン操縦士に登録する際に、「保険あり」か「保険なし」かを選ぶことができるのです。
保険なしの登録のみであれば登録料2,300円ですが、保険付きを選ぶと登録料5,500円で、2年間にわたって限度額1億円までの賠償責任保険が適用されるようになります。
また、保険の対象機種に制限はなく、どんなラジコン、どんなドローンでも補償されるのもポイントです。
ラジコン操縦士の登録には特に試験はなく、郵便局の振り込み用紙に住所氏名など基本的な個人情報を記載して登録料を振り込むだけ完了します。
それで1億円の保険がかけられるのですから、「個人でドローンを飛ばして遊ぶだけなので、できるだけ手頃な保険に入りたい」「DJI製品ではないので無償保険はない、でもなるべく安い保険がいい」といった人は、ぜひ検討してみてください。
保険商品 |
【ホビー用】ラジコン補償制度 |
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提供元・保険会社 |
代理店:株式会社ライフステージ |
保険の種類 |
個人向け 賠償責任保険 |
対象機種 |
ラジコン(ドローン含む)であれば、種類や大きさの制限なし |
補償範囲 |
対人・対物補償:1事故につき1億円 |
示談交渉サービス |
あり |
免責金額 |
なし |
保証期間 |
2年間 |
保険料 |
ラジコン操縦士及びラジコン保険登録料として:5,500円/2年 |
公式サイト |
個人向け 機体保険
個人向けだけに限った機体保険は、以前はあったようですが、2023年8月現在調べたところ見当たりませんでした。
そもそも「個人向け機体保険の注意点」でも説明したように、個人の場合は機体自体の価格が安く、支払う保険料に見合わなければ、加入する必要はないでしょう。
ただ、機体が高額だったなら、万が一の事故に備えて加入しておくメリットはあります。
その場合は、個人でも法人でもどちらでも加入できる機体保険として、「SORAPASS会員のためのドローン保険」があります。
ドローン専用飛行支援地図サービス「SORAPASS(ソラパス)」のサービス利用者であれば誰でも入れる保険です。
くわしくは、のちほど「個人・法人どちらも加入できる:SORAPASS会員のためのドローン保険」で説明しますので、そちらを見てください。
法人・事業者向け 賠償責任保険
次に、法人・事業者向けの保険を見ていきましょう。
まず主な賠償責任保険からです。
DJI公認ドローン保険:無償付帯賠償責任保険「標準プラン」
DJIの国内正規品ドローンを新品で購入した人が、1年間無償で加入できる賠償責任保険の法人・事業者向けプランです。
保険料無料にもかかわらず、事故などを起こして第三者に損害を与えた場合、対人なら1事故につき最大1億円、対物なら5,000万円まで補償が受けられます。
こちらに記載されている対象のDJI製品を購入した事業者は、かならず加入しておきましょう。
ただし、前述したように、ドローンを購入しただけでは保険は適用されません。
購入後、登録ページから登録する必要がありますので、忘れず行ってください。
保険商品 |
DJI公認ドローン保険「無償付帯賠償責任保険」標準プラン |
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提供元・保険会社 |
代理店:エアロエントリー株式会社 |
保険の種類 |
標準プラン(施設所有(管理)者賠償責任保険) |
法人・事業者向け 賠償責任保険 |
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対象機種 |
こちらから確認できる機種で、国内正規流通品を新品で購入したもの |
補償範囲 |
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示談交渉サービス |
あり |
免責金額 |
1事故につき5万円 |
保証期間 |
1年間 |
保険料 |
なし |
公式サイト |
DJI公認ドローン保険:DJI賠償責任保険
DJIからは、前項の無償保険だけでなく、保険料ありの賠償責任保険も出ています。
加入できるのは、法人、個人事業主、または個人で報酬を得ている人(もしくは近々その予定がある人)だけで、個人が趣味目的でドローンを利用している場合は加入できませんが、そのぶん補償は手厚く、最高10億円まで補償されます。
この保険には、プランA・B・Cの3タイプがあり、それぞれ補償内容と保険料が異なります。
プランAは「対人補償」「対物補償」「人格権侵害補償」「訴訟対応費用補償」などの基本的な補償内容で、プランBになるとそれに「ドローンを第三者に貸与した際の事故やトラブルの補償」が追加されます。
プランCはさらに「海外での事故の保証」もカバーされるのがポイントです。
出典:エアロエントリー株式会社「DJI公認ドローン保険」DJI賠償責任保険ページ
また、この保険には、オプションとして「サイバー・情報漏えい保険」がつけられるのも特徴でしょう。サイバー攻撃によって、ドローンが墜落して人やモノを傷つけたり、業務上の情報が漏えいしたりといったトラブルが生じた際に、損害賠償や訴訟費用などの補償が受けられるというユニークな保険です。
ドローン業務で重要なデータを扱う事業者などは、加入しておくと安心かもしれません。
もうひとつ、DJIならではのメリットとして、「DJI CAMP・JULC割引」も受けられます。
DJI CAMPのスペシャリスト以上の技能資格保有者、あるいはJULC講習認定資格保有者(または保有者を雇用する事業者)は、保険料が約10%割引になるのでお得です。
保険商品 |
DJI公認ドローン保険「DJI賠償責任保険」 |
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提供元・保険会社 |
代理店:エアロエントリー株式会社 |
保険の種類 |
法人・事業者向け 賠償責任保険 |
対象機種 |
INSPIREシリーズ、Phantomシリーズ、MATRICEシリーズ、Sparkシリーズ、Mavicシリーズ、AGRAS MG1シリーズ その他DJI製のフライトコントローラを搭載したすべての機体 |
補償範囲 |
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示談交渉サービス |
なし |
免責金額 |
なし |
保証期間 |
1年間 |
保険料 |
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公式サイト |
東京海上日動「ドローン保険」:賠償責任保険
東京海上日動の「ドローン保険」は、ドローンサービスを提供する「株式会社FLIGHTS」の無料オンライン講座受講者を対象とした保険です。
法人または個人事業主向けで、賠償責任保険と機体保険の両方があります。
賠償責任保険は、基本補償のみで個人事業主向けの「ライトプラン」、チーム利用向けにドローンを貸与した際も補償される「スタンダードプラン」、国外での一時的な利用も補償される「海外プラン」の3タイプです。
保険金の限度額も、1億、5億、10億円の3タイプから選ぶことができます。
大きな特徴は、「WEB完結型」である点です。
申し込みから保険料の支払い、実際に事故があった際の報告まで、すべてWEBで行うことができますので、保険会社との面倒なやりとりをする必要はありません。
産業用ドローンであればメーカーの制限はないので、「DJI以外のメーカーのドローンを使っていて、保険料が手頃な保険に入りたい」という場合には有力な選択肢のひとつになるでしょう。
ちなみに加入条件である「FLIGHTS無料オンライン講座」は、ドローンの飛行ルールに関する1分程度の無料の動画講座です。
保険に申し込む前に見ればいいだけで手間にはなりませんので、安心してください。
保険商品 |
「ドローン保険」賠償責任保険 |
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提供元・保険会社 |
代理店:ACF(エイ・シー・エフ)(株式会社エフシピー(FCP)) |
保険の種類 |
法人・事業者向け 賠償責任保険 |
対象機種 |
FLIGHTS無料オンライン講座受講者が所有する、総重量150kg未満かつ販売価格5万円以上の、業務に使用する産業用ドローン |
補償範囲 |
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示談交渉サービス |
なし |
免責金額 |
なし |
保証期間 |
1年間 |
保険料 |
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公式サイト |
SkyLink Japan 「ドローンほけん」:施設所有管理者賠償責任保険
SkyLink Japan の「ドローンほけん」も法人や個人事業主向けのドローン総合保険で、動産総合保険(=機体保険)と施設所有管理者賠償責任保険(=賠償責任保険)があります。
賠償責任保険のほうは、補償限度額が1億円、3億円、5億円のいずれかから選べます。
年間保険料も比較的安く、限度額1億円のプランなら1万円で加入できます。
また、以下の特約もセットになっていますので、保証の範囲が広いのもメリットでしょう。
- 作業対象物補償:ドローンで作業をしている対象物が損壊した場合の補償
- 被害者対応費用補償:対人事故の際の見舞金や見舞品代、対物事故の際に臨時に必要となった費用など
- 事故対応特別費用補償:損害賠償請求に対応するための文書作成費用、交通費、事故現場の調査費用、記録費用・通信費など
- 人格権侵害補償:プライバシーの侵害、著作権侵害などの損害賠償
- 物理的損傷を伴わない財物使用不能損害補償:基本補償の対象となる事故によって、第三者の財物が「物理的な損傷はないけれど、使用不能になってしまった」という場合の損害賠償
保険商品 |
SkyLink Japan 「ドローンほけん」施設所有管理者賠償責任保険 |
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提供元・保険会社 |
代理店:株式会社WorldLink&Company |
保険の種類 |
法人・個人事業主向け 賠償責任保険 |
対象機種 |
総重量(燃料や薬剤、装備品等をすべて搭載した状態での重さ)150kg未満、かつ本体価格が5万円以上 1,000万円までの事業用のドローンおよび付属設備 |
補償範囲 |
身体・財物 1事故につき、以下のいずれかを選択
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示談交渉サービス |
なし |
免責金額 |
なし |
保証期間 |
加入日から1年 |
保険料 |
※いずれも一括払い |
公式サイト |
法人・事業者向け 機体保険
続いて、法人・事業者向けの機体保険です。
DJI公認ドローン保険:DJI機体保険
ここまでDJIのドローン保険として、賠償責任保険を何タイプか紹介しましたが、もちろんDJIには機体保険もあります。
こちらもプランA・B・Cの3タイプにわかれていて、以下の図のように補償内容が異なります。
プランAは基本補償、それに加えてプランBはドローンを第三者に貸し出した際の補償が、プランCは海外での補償が追加されます。
出典:エアロエントリー株式会社「DJI公認ドローン保険」DJI機体保険ページ
また、「DJI賠償責任保険」と同様に「DJI CAMP・JULC割引」もあり、DJI CAMPのスペシャリスト以上の技能資格保有者、あるいはJULC講習認定資格保有者(または保有者を雇用する事業者)は、保険料が約10%割引です。
ただ、こちらは賠償責任保険とは異なり、保険料ありのプランしかありません。
が、無償付帯賠償責任保険とこの機体保険とを組み合わせて加入すれば、機体保険の保険料のみで2種の保険をカバーできるため、DJI機を購入した最初の1年は、そのようにするのもいいでしょう。
(もちろん、機体保険は別の保険会社のものでもかまいませんし、機体が安いものなら、機体保険に加入しないという選択肢もアリです。)
保険商品 |
DJI公認ドローン保険「DJI機体保険」 |
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提供元・保険会社 |
代理店:エアロエントリー株式会社 |
保険の種類 |
法人・事業者向け 機体保険 |
対象機種 |
INSPIREシリーズ、 Phantom3・4シリーズ、 MATRICEシリーズ、Mavicシリーズ、AGRAS MG1シリーズ、Sparkシリーズ その他DJI製のフライトコントローラを搭載した全ての機体 |
補償範囲 |
対象機体の新価(再調達価額) |
免責金額 |
なし |
保証期間 |
1年間 |
保険料 |
※「DJI CAMP・JULC割引」あり:DJI CAMPスペシャリスト以上の保有者、JULC講習認定資格保有者は約10%割引 |
公式サイト |
東京海上日動「ドローン保険」:機体保険
「東京海上日動「ドローン保険」:賠償責任保険」で紹介した、「株式会社FLIGHTS」の無料オンライン講座受講者を対象とするドローン保険には、機体保険もあります。
こちらの機体保険も賠償責任保険同様に、基本補償のみで個人事業主向けの「ライトプラン」、事故の際にドローンの代替機レンタル費用も補償される「スタンダードプラン」、国外での一時的な利用も補償される「海外プラン」の3タイプです。
また、申し込みから保険料の支払い、実際に事故があった際の報告まで、すべてWEBで行うことができる「WEB完結型」の保険なので、加入や保険金請求の手続きも簡潔に行えます。
対象機種はDJIはもちろん、「EVO II」シリーズ(Autel Robotics)、「Skydio 2」シリーズ(Skydio)、農業用の「FLIGHTS-AG」シリーズ(株式会社スリー・エス)や、DJI「ZENMUSE」などのカメラ、「FLIR ONE PRO」のサーモグラフィなどの周辺機器まで幅広くカバーしているため、「DJI以外のメーカーのドローンを使っていて、保険料がリーズナブルなドローン保険を探している」という場合にはぜひ検討してみてください。
前述したように、加入条件である「FLIGHTS無料オンライン講座」は、ドローンの飛行ルールに関する1分程度の無料の動画講座ですので、加入前に目を通せばいいでしょう。
保険商品 |
「ドローン保険」機体保険 |
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提供元・保険会社 |
代理店:ACF(エイ・シー・エフ)(株式会社エフシピー(FCP)) |
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保険の種類 |
法人・事業者向け 機体保険 |
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対象機種 |
FLIGHTS無料オンライン講座受講者が所有する、総重量150kg未満かつ販売価格5万円以上の、業務に使用する産業用ドローン、またはドローン用カメラ(単体)・ドローン用レーザースキャナ(単体)・ドローン用ジンバル(単体) |
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補償範囲 |
保険加入時のドローンまたはドローン用カメラ(単体)・ドローン用レーザースキャナ(単体)・ドローン用ジンバル(単体)の再調達価額 |
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免責金額 |
保険金額の5%(1,000円単位に四捨五入) |
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保証期間 |
1年間 |
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保険料 |
機体とプランにより異なる
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公式サイト |
SkyLink Japan 「ドローンほけん」:動産総合保険
前述したSkyLink Japan 「ドローンほけん」の、「動産総合保険(=機体保険)」です。
総重量150kg未満、本体価格5万〜1,000万円のドローンを所有する法人、または個人事業主が加入できます。
保険料は、ドローン本体価格の7.8%ですので、たとえば50万円のドローンであれば、「50万 × 0.078=3万9,000円」で1年間補償が受けられます。
この保険の大きな特徴は、ドローンの付属品、たとえばカメラや測量機器などのみでも保険加入できることです。
(ただし、そのドローン本体が、SkyLink Japanに限らず何らかの機体保険に加入していることが条件です。)
産業用ドローンの場合、付随する機器も高額であるケースが多いので、保険加入しておくと安心でしょう。
また、以下の特約がセットになっているので、パイロットの操縦経験が浅い場合にも適していそうです。
- 捜索・回収費用保険金:事故にあったドローンを捜索、回収するためにかかった交通費、宿泊費、捜索委託費、機材の賃借費用などの補償
- 操縦訓練費用保険金:操縦ミスなどが原因で事故が生じた際に、再発防止のために操縦訓練を受ける費用
保険商品 |
SkyLink Japan 「ドローンほけん」(ドローン総合保険) |
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提供元・保険会社 |
代理店:株式会社WorldLink&Company |
保険の種類 |
法人・個人事業主向け 動産総合保険(機体保険) |
対象機種 |
総重量(燃料や薬剤、装備品等をすべて搭載した状態での重さ)150kg未満、かつ本体価格が5万円以上 1,000万円までの事業用のドローンおよび付属設備 |
補償範囲 |
保険加入時のドローン本体価格 |
免責金額 |
1万円(ドローン本体価格100万円以上の場合、本体価格の1%) |
保証期間 |
加入日から1年 |
保険料 |
ドローン本体価格の 7.8%(一括払い) |
公式サイト |
その他
ドローン保険の中には、ここまで紹介したタイプとはまた違ったユニークなものもあります。
たとえば個人・法人いずれの利用でも補償される保険、1日だけの保険、農業用ドローンなどに特化した保険などが出ていますので、それらについても紹介しておきましょう。
業務利用・ホビー利用の両方を補償:SORAPASS care
ドローン専用飛行支援地図サービス「SORAPASS(ソラパス)」を利用している人も多いでしょう。
そのSORAPASSのサービスと、ドローンの賠償責任保険が一緒になった「SORAPASS care(ソラパス ケア)」というサービスプランがあります。
このサービスの大きな特徴は、ドローンを仕事で利用した場合も、個人の趣味で利用した場合も、いずれも補償してくれるという点です。
一般的に、多くの賠償責任保険では、法人向けなら個人利用は補償対象外、個人向けなら業務利用は補償対象外になってしまいます。
たとえば、個人向け(=趣味目的)の保険に入っている人が、仕事として空撮を請け負って事故を起こした場合は、保険金が出ないのです。
が、「SORAPASS care」はそんな場合でも保険金を受け取ることができます。
「仕事でも趣味でもどちらでも利用する」という人には、ひとつで両方カバーできる保険として心強い備になるでしょう。
保険商品 |
「SORAPASS care」 |
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提供元・保険会社 |
代理店:損保ジャパンパートナーズ株式会社 |
保険の種類 |
業務利用向け施設賠償責任保険+ホビー利用向け個人賠償責任保険 |
対象機種 |
制限なし |
補償範囲 |
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示談交渉サービス |
なし |
免責金額 |
なし |
保証期間 |
加入日から1年 |
保険料 |
サービス利用料金+保険料 5,000円/年 |
公式サイト |
個人・法人どちらも加入できる:SORAPASS会員のためのドローン保険
同じく「SORAPASS」サービスを利用している人向けに、機体保険もあります。
こちらも前項の保険と同様に、個人と法人の区別はなく、誰でも加入できるのが特徴です。
保険プランは3タイプあり、基本補償のみの「機体補償シンプル」プラン、基本補償に第三者に貸し出す場合の補償がついた「機体補償プラス」プランの2つは個人・法人いずれも同じ補償内容が受けられます。
さらに、事業者のみが加入でき、修理時の補償が充実した「機体補償 修理・代替品・訓練対応」プランもあります。
事業者であれば、「データ復旧費用担保特約」も付帯することができるので、もしドローンが破損してデータが損なわれた場合にも助かるでしょう。
保険商品 |
「SORAPASS会員のためのドローン保険」 |
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提供元・保険会社 |
代理店:エイ・シー・エフ |
保険の種類 |
個人・法人向け 機体保険 |
対象機種 |
総重量200g以上150kg未満(燃料、薬剤、カメラ等の付属機器を全て搭載した状態での重さ)で、保険金額が10万円以上1,000万円以下のドローン、およびカメラなどの付属品 |
補償範囲 |
保険加入時のドローンおよび付属品の再調達価額 |
示談交渉サービス |
なし |
保証期間 |
加入日から1年 |
保険料 |
機体の保険金額による
|
公式サイト |
1日だけ保険に加入できる:楽天損保 1日保険シリーズ「ドローン保険」
多くのドローン保険は、年間保険料を支払って1年間の補償を受けますが、中には「1日だけ保険に加入できる」という商品もあります。
楽天損保の「1日保険シリーズ」です。
これは、保険料1日200円〜を支払えば、最大1億円までの補償が受けられる保険商品で、「ゴルフ保険」「スポーツ保険」「国内旅行傷害保険」などと並んで「ドローン保険」もあります。
ユニークなのは、保険料支払いで楽天ポイントが貯まったり、楽天ポイントで保険料の支払いができたりする点でしょう。
普段から楽天ポイントを貯めている人ならば、200ポイントを保険料にあてれば実質負担なしで保険をかけられるわけです。
ただし、補償されるのは損害賠償や死亡・後遺障害、入院手術などで、ドローンの機体自体の破損などは補償されません。
つまり、賠償責任保険としては使えますが、機体保険はないということですので注意してください。
「ドローンはたまに趣味で飛ばすだけ」という人や、「ドローンをレンタルして遊ぼうと思っているが、レンタル会社では保険に加入していないので不安」という人などは、1日保険を利用してみるのもいいでしょう。
保険商品 |
1日保険シリーズ「ドローン保険」(国内旅行傷害保険) |
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提供元・保険会社 |
代理店:損保ジャパンパートナーズ株式会社 |
保険の種類 |
国内旅行傷害保険 |
対象機種 |
指定なし |
補償範囲 |
※70才以上の人は被保険者になれません。 |
示談交渉サービス |
あり |
保証期間 |
1日 |
保険料 |
200円 |
公式サイト |
https://www.rakuten-sonpo.co.jp/simple/tabid/1082/Default.aspx |
農林水産業に特化:農林水産用ドローン総合保険
農薬散布など、農業分野でドローンが活用されるケースが増えてきたことを踏まえて、農業用ドローン向けの保険も誕生しています。
ここで紹介するのは、JAと共栄火災海上が開発した保険商品「農林水産用ドローン総合保険」です。
文字通り、農林水産業で活用されるドローンを対象に、「機体補償」(動産総合保険)と「賠償責任補償」(施設賠償責任保険)がセットになった保険ですが、どちらか片方だけに加入することもできます。
特徴的なのは、
- 事故がなければ、翌年の機体補償の保険料が割安になる
- 3機以上のドローンをまとめて機体補償に加入すると、保険料が5%引きになる
- 農薬や肥料の散布、種まきなどの際に風に流されて、隣接地の農作物に被害を与えてしまった場合の「ドリフトリスク」も補償される
といった点で、農業用ならではのポイントと言えるでしょう。
保険金額も、機体保険はドローンの新価(再調達価額)、賠償責任保険は最大1億円、3億円、5億円と十分補償されます。
「農業に従事していて、ドローンを使っている」という人は、検討候補に入れてみてください。
保険商品 |
「農林水産用ドローン総合保険」 |
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提供元・保険会社 |
引受保険会社:共栄火災海上保険株式会社 |
保険の種類 |
農林水産業向け 動産総合保険・施設賠償責任保険 |
対象機種 |
ドローンのうち、
の両方を満たすもの |
補償範囲 |
|
示談交渉サービス |
なし |
免責金額 |
|
保証期間 |
加入日から1年 |
保険料 |
|
公式サイト |
ドローン保険の注意点
さて、これであなたも自分に適したドローン保険を選べるはずです。
ただ、ドローン保険には、いくつか注意したい点がありますので、それも説明しておきましょう。
- 空撮した写真や動画をWEBで公開するなら、個人でも「法人・事業者向け」保険に加入すべき
- 機体保険を受けるには、機体の回収が必要
- DJIの無償保険は、自分で加入登録をしなければ保険適用されない
前の章で簡単に触れた項目もありますが、あらためて注意喚起しておきます。
空撮した写真や動画をWEBで公開するなら、個人でも「法人・事業者向け」保険に加入すべき
「個人向け」でも説明しましたが、趣味でドローンを飛ばすだけであれば、基本的には個人向けのドローン保険に入ればいいでしょう。
ただ、空撮した写真や動画をSNSやYouTubeで公開することは、趣味ではなく「業務行為」とみなされます。
となると、個人保険の補償対象外です。
たとえば、ドローンで空撮した写真をSNSに掲載して、そこに映り込んでいた第三者に「肖像権の侵害だ」と訴えられたとします。
この場合、個人向けのドローン保険に入っていても保険金は出ません。
法人・事業者向けドローン保険で、人格権侵害を補償するものに加入していれば、保険金が受け取れます。
もし、空撮した映像をインターネット上に公開する予定があるなら、個人であっても法人向け保険に加入するといいでしょう。
機体保険を受けるには、機体の回収が必要
機体保険では、ドローンの機体が破損した場合にその損害額が補償されます。
が、多くの保険では、この際にドローンの機体自体が回収されていることが支払いの条件になっています。
たとえば、木の枝に引っかかって壊れてしまった場合、壊れた機体を回収できれば保険金が出ますが、回収できなければ保険金は支払われません。
川や湖などに水没してしまった場合も、水の中から回収できなければ保険金は出ないのです。
ただ、なくなった機体を探す捜索費用や回収費用は補償される可能性がありますので、なくなってしまった場合、壊れてしまった場合は、なんとかドローンを手元に回収しましょう。
DJIの無償保険は、自分で加入登録をしなければ保険適用されない
前述したように、DJIの「無償付帯賠償責任保険」は、DJIの国内正規品のドローンを新品で購入した場合、保険料無料で1年間補償が受けられるものです。
ただ、ドローンを購入しただけではこの保険は適用されませんので注意してください。
登録ページから自分で登録することで、はじめて保険が適用されます。
また、すべてのDJI機に無償保険がつくわけではありません。
対象となるのは以下の機種ですので、その点も注意しましょう。
対 |
以下の機種の国内正規品かつ、デフォルト送信機同梱パッケージ品を新品で購入した場合 <Phantom 3 シリーズ> <Phantom 4 シリーズ> <Mavic シリーズ> <DJI Air シリーズ> <DJI Mini シリーズ> <INSPIRE シリーズ> <その他産業用機> <その他コンシューマー機> |
対 |
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よくある質問
ここまでで、ドローン保険について知っておくべきことをひと通り説明しました。
が、ほかにも知りたいことや疑問がある人もいるでしょう。
そこで、ドローン保険に関してよくある質問にも答えておきます。
中古のドローンや譲渡されたドローンでも保険に加入できる?
すでに何年か使用している自分のドローンや、中古品を購入したドローン、第三者から譲ってもらったドローンなどでも保険に加入できるでしょうか?
答えは「保険によっては加入できる」です。
保険商品によっては、中古や譲渡品であっても加入できますので、そのような保険を探しましょう。
同じような保険に複数加入できる?
ひとつの保険では自分の希望する補償内容をカバーしきれないので、複数の保険に入りたい、という人もいるかもしれません。
それは可能でしょうか?
答えは、「保険によってできる場合とできない場合がある」です。
たとえばDJIの機体保険は、他の同様な保険に加入している人は入れません。
一方で、東京海上日動の機体保険は重複した保険に加入してもOKです。
もし他の保険から保険金が支払われた場合でも、その金額が損害額や賠償額に満たなければ、残額分に対して保険金が支払われます。
重複して加入した場合は、その保険で認められているかどうかを事前に確認してから申し込みましょう。
まとめ
いかがでしたか?
ドローン保険について、よく理解できたかと思います。
では、あらためて記事の内容をまとめましょう。
◎ドローン保険は義務ではないが、ぜひ加入すべき
◎ドローン保険の種類は、
賠償責任保険 |
機体保険 |
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---|---|---|
趣味目的での利用 |
個人向け 賠償責任保険 |
個人向け 機体保険 |
事業目的での利用 |
法人・事業者向け 賠償責任保険 |
法人・事業者向け 機体保険 |
◎ドローン保険を検討する際の比較ポイントは、
- 補償の範囲
- 保険料
- 補償金額
- 免責金額
- 示談交渉サービス
◎ドローン保険の注意点は、
- 空撮した写真や動画をWEBで公開するなら、個人でも「法人・事業者向け」保険に加入すべき
- 機体保険を受けるには、機体の回収が必要
- DJIの無償保険は、自分で加入登録をしなければ保険適用されない
この記事で、あなたが自分に合ったドローン保険を見つけられるよう願っています。