ドローンメーカー21選!日本製やおすすめ機種、シェアとランキングも

ドローンメーカー21選!日本製やおすすめ機種、シェアとランキングも

もっともメジャーなDJIのほかに、どんなドローンメーカーがあるかご存知ですか?

あるいは、ドローン購入を検討中の方であれば、そもそもどういったメーカーがあるのかよくわからず「比較検討できない……」と困っていませんか?

そこで今回は、世界の主要なドローンメーカーはもちろん、シェアはそこまで大きくはなくても特徴的な機種を作っているメーカーや特定の分野に強いメーカーなども含め、さまざまなメーカーとその特徴やおすすめ機種をご紹介します。

多数のメーカーがある中でも、当メディアとしてのおすすめはやはりDJI。ただし、DJI社製以外のドローン(特に国産ドローン)が検討対象となる例外ケースもありますので、その点についても解説しています。

この記事をお読みいただければ、世界各国そして日本にはどういったドローンメーカーがあり各社にはどういった特徴があるか、買うのであればDJI社製にすべきか他メーカーのものにすべきかの判断基準が明確になるはずです。

どこのメーカーのドローンを買おうか迷っている方やどういったドローンメーカーが存在するのか知りたい方はもちろん、ドローン開発・製造業界の全体像を把握したい方にも役立つ内容ですので、ぜひご参考になさってください。

圧倒的シェアと知名度!DJIがドローンメーカーランキング1位

圧倒的シェアと知名度!DJIがドローンメーカーランキング1位

[出典]“DRONE MARKET SHARES IN THE USA AFTER CHINA-US DISPUTES”(DRONE INDUSTRY INSIGHTS)

世界のドローン市場で圧倒的なシェアと知名度を誇っているメーカーは、世界最大手である中国のDJIです。

「ドローンといえばDJI」といってもよいほどの代表的メーカーですので、名前を聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。

会社名

DJI(大疆創新科技有限公司)
(日本法人はDJI JAPAN株式会社)

本社所在地

中国 広東省深圳市
(日本法人本社所在地:東京都港区)

設立年

2006年

公式サイト

https://www.dji.com/jp

米国市場での調査結果(DRONE INDUSTRY INSIGHTS調べ。2021年3月公表)とはなりますが、そのマーケットシェアはなんと76.1%。

2位のIntel(現在ではドローン関連ビジネスを積極的に展開していない模様)のシェアは4.1%ですので、2位以下を大きく引き離しての断トツ首位です。

多少の差はあるとしても日本国内市場のシェアも概ね同じと推測され、少なくともDJIが他社を大きく引き離している状況は日本市場でも変わりません。

個人用ドローンも産業用ドローンもDJIがトップ

ドローン市場におけるDJIの圧倒的優位は、個人用(コンシューマードローン)だけでなく産業用(商用ドローン)においても変わりません。

同じく米国市場で、DJI以外のメーカーも比較的健闘しているといえそうな産業用ドローンに限定した調査(DRONE ANALYS調べ。2021年)においてさえ、DJIのシェアは54%と過半数を占めているとの結果となりました。

主要モデル①《DJI Air 2S》〜手頃な価格なのに高機能な人気機種〜

コンパクトな機体に高次元な空撮を実現する、高度なテクノロジー満載のおすすめ機種です。

4K/60fpsにとどまらず5.4K/30fpsの動画も撮影可能、スピード感あるダイナミックな映像を撮りたいという方も納得の秒速19m(Sモードの場合)で飛ばせます。

10億を超える色表現やインテリジェントHDR技術により、印象的な色彩や豊かな奥行きを持った映像を撮れるだけでなく、RAW撮影により撮影後の柔軟な後処理が可能。

どう飛行しても被写体を中心に捉え続ける機能や、被写体を中心にぐるりと円を描くように飛行しながら撮影するサークルショット機能なども搭載しています。

また、上下および前後の4方向に障害物検知センサーがあるため、高速飛行時や複雑な環境でも安心です。

単体では143,800円、予備バッテリーなど一式が付属したセットでは198,000円ですが、不定期に3割引などのセールが行われていますので、タイミングが合えばセール時期の購入がお得です。

個人にも十分に手の届く価格でありながら、プロユースにも耐えるほどに高機能で、実際に空撮業務に利用されている例は多く、総じて満足度がとても高い機種といえるでしょう。

DJI Air 2S

[出典]DJI store

主要モデル②《DJI Mavic 3E》〜低コストで挿入可能な測量機〜

コンシューマー向けの高スペック機種Mavic 3に測量用のカメラを搭載したものです。

重量1kg未満と軽量かつコンパクトでありながら、モーションブラー現象を防ぐメカニカルシャッター、最大56倍のハイブリッドズーム対応カメラ、cmレベルの正確な測位を実現するRTKモジュールなど高度なテクノロジーを満載。

レーザー測量を行うにはたとえばMatrice 300 RTKなど別の機種が必要となってきますが、写真測量用としては十分な性能であり、Matrice 300 RTKなどよりもはるかに低コストで導入が可能な点が魅力です。

なお、DJIの産業機はすべてそうですが、価格については要問い合わせです。

DJI Mavic 3E

[出典]DJI

主要モデル③《Agras T10》〜使いやすさが嬉しい農薬散布機のエントリーモデル〜

周囲360度を認識して障害物を自動回避する球形レーダーシステム、正面と背面を監視するので方向転換せずに飛行状況を確認できるデュアルFPVカメラなどを搭載している、初心者にも使いやすい農薬散布機のエントリーモデルです。

圃場に合わせ最適な飛行ルートを生成する自動航行システムは、簡単な設定で高精度の完全自動運転を実現します。

価格については要問い合わせです。

Agras T10

[出典]DJI

DJI以外の主要ドローンメーカー(海外)4社

DJIに大きく水を開けられている状況ではありますが、DJI以外にも主要ドローンメーカーとして次に挙げるような企業があります。

(日本のドローンメーカーについては後の章でまとめてご紹介しているため、ここでは海外メーカーに限定して取り上げています)

Yuneec

会社名

Yuneec Holding Ltd. Company

本社所在地

香港

設立年

1999年

公式サイト

https://us.yuneec.com

マーケットシェア3位の中国メーカー・Yuneecは、有人小型飛行機メーカーとしてスタートした企業で、現在はドローンについては空撮用に特化したメーカーです。

ポストDJIとも目されており、Intel社が6,000万ドルを出資した企業であることでも知られています。

また、ドローンだけでなく有人VTOL(垂直離着陸機)​​も開発しており、電動飛行機業界を牽引する存在であるといえます。

確かな安全性と高い操作性が同社製ドローンの売り。一般向けの機種と産業用機種のいずれも360°回転するカメラでの4K動画撮影が可能です。

主要モデル《Typhoon H Plus》〜安全性と安定性が実現するヘキサコプター〜

一般的なクワッドコプター(回転翼を4つ備えたドローン)ではなく、回転翼が6つのヘキサコプターであるこの折りたたみ式ドローンは、4K動画が撮影可能。離陸するとローターアームとほぼ同じ高さまで上がり、着陸時に再び降りてくる脚(ランディングギア)が特徴的で、従来モデルから騒音を40%低減した静音設計でもあります。

モーターやローターの故障時には自動で5モーターに切り替わって安定飛行を継続する機能で安全性を高めています。

移動する被写体を追尾し続けるFollowMeモード、被写体にフォーカスし続けるWatchMeモードも。

音声コマンドによる操作も可能です。

アクセサリー類とのセットで25〜30万円程度。

Typhoon H Plus

[出典]Yuneec

Parrot

会社名

Parrot Drones SAS(Société par Actions Simplifiée)

本社所在地

フランス パリ

設立年

1994年

公式サイト

https://www.parrot.com/en

マーケットシェア4位にランクインするフランスのドローンメーカー・Parrotは、欧州最大手、1994年設立の老舗ドローンメーカーです。もともとは軍事用であったドローンを初めて商用機として展開したメーカーでもあります。

設立当初は音声認識技術に長けたワイヤレス製品メーカーとしてヘッドホンや車載装置、電話会議システムなどを製造していましたが、やがてドローンも製造するようになり、2017年からはドローン専門メーカーとなりました。

また、以前は一般向けのドローンも生産していましたが、現在は産業用ドローンに絞っています。

なお、同社製ドローンは米軍に採用されていることでも知られています。

主要モデル《ANAFI-Ai》〜4Gモジュール搭載で安定接続可能なコネクテッド・ドローン〜

ヨーロッパ風の白い機体とコントローラーは、他社製品とは一線を画すデザイン。

4Gモジュールを搭載しているため、Wi-Fiが途絶えた場合には自動的に4Gに切り替わり、コントローラーとの接続が切れません。また、セキュリティ面での安全性も高いです。

米国で製造され、米軍や米国政府機関の要求する最高レベルのセキュリティ対策が講じられたUSAモデルも展開されています。

価格は本体・コントローラー・収納ケースなどの基本一式で60万円前後です。

ANAFI-Ai

[出典]Parrot

Autel Robotics

会社名

Autel Robotics

本社所在地

中国 広東省深圳市

設立年

2014年

公式サイト

https://www.autelrobotics.com

マーケットシェア6位のAutel Roboticsは、世界最小クラスの折りたたみ式ドローンでありながら6K動画撮影が可能な「EVO II」シリーズが特に空撮用途向けとして注目を集めている米国メーカーです。

(ただし、アメリカのメーカーとはいっても、自動車インテリジェンス診断システムなどを開発・製造する中国企業Autel社の子会社であるため、中国メーカーに近い位置付けともいえそうです)

親会社の開発研究力や技術力を活かしたハイスペックなドローンは、飛行中に見失いにくいその鮮やかなボディカラーやデザイン性の高さも特長です。

主要モデル《EVO Lite+》〜高感度カメラで夜間撮影がきれい〜

高精細な6K動画を撮れるだけでなく、夜間でもノイズの少ない鮮明な映像を撮影可能。世界初の4軸ジンバル設計導入モデルでもあり、縦向き動画も撮影できます。

最大飛行時間40分と同程度のサイズの他機種に比べスタミナもあります。

アクセサリー類がセットになって25万円前後、キャンペーン価格などで本体のみを15万円前後で購入できるケースもあります。

EVO Lite+

[出典]Autel Robotics

Intel

会社名

Intel Corporation

本社所在地

アメリカ カリフォルニア州

設立年

1968年

公式サイト

https://www.intel.com/content/www/us/en/homepage.html

マーケットシェア2位のIntelは、米国の超大手半導体メーカーです。

それと同時にドローンメーカーでもあり、高度な制御技術を駆使して多数のドローンで夜空を彩るドローンショーで知られます。2021年に開催された東京オリンピックの開会式でのドローンパフォーマンスを担当したのも同社です。

また、過酷な条件でも安定飛行が可能な商用モデル「Falcon 8+」も発売時に話題となりました。

しかし、現在では同社公式サイト上を含めドローン関連の露出がほぼなく、ドローンショー事業は既にNova Sky Stories社に買収され引き継がれていることから、同社のドローン事業は下火となってきている模様です。

それでもシェア2位にランクインしているのは、何百台、何千台のドローンが群制御システムにより飛行して夜空を彩るというドローンショーの性質上、かなりまとまった台数が出荷されてきたことが影響しているとも考えられそうです。

DJI以外のその他ドローンメーカー(海外)3社

DJIを除く海外ドローンメーカーには、上記の他にも次に挙げるような企業があります。

Skydio

会社名

Skydio, Inc.

本社所在地

アメリカ カリフォルニア州

設立年

2014年

公式サイト

https://www.skydio.com

マーケットシェア7位のSkydioは、2014年設立の新しい米国メーカーです。

同社のドローンは、センサーではなく360°カバーする6つのカメラ(ビジョンスラムカメラ)から送られる情報をAIが判断に利用して障害物を自律的に回避する機能(Skydio Autonomy™)が強み。

同機能によりGPSが取得しづらい環境でも安定飛行が可能な同社製ドローンは、インフラ点検や設備点検、室内空間での巡回・警備に適しています。

主要モデル《Skydio 2+》〜真上まで向くカメラで橋梁などの点検も〜

衝突防止距離を3段階(10cm、28cm、86cm)で調整可能、全方位の障害物を高度に認識・回避し、ストレスのない点検作業を実現するドローンです。

カメラ角度を上向き90度まで調整できるので、真上方向の撮影が必須の橋梁や天井構造物の点検にも適しています。

自律飛行するため熟練した操縦士を必要とせず、大きな省力化につながると期待されます。

価格は要問い合わせです。

Skydio 2+

[出典]Skydio公式ストア

AgEagle

会社名

AgEagle Aerial Systems Inc.

本社所在地

アメリカ カンザス州

設立年

2010年

公式サイト

https://ageagle.com

アメリカのドローンメーカー「AgEagle」は、かつては農業用ドローンメーカーでした。

その後、Parrotの子会社であったスイスのドローンメーカー「sensFly」(2021年3月公表の調査結果ではマーケットシェア8位)を買収し、各種用途向け機種を展開するようになり現在に至ります。

主要モデル《eBee X》〜広域撮影に適した固定翼ドローン〜

この特徴的な固定翼ドローンは、もともとは買収したsensFly社の製品でした。

マルチコプターよりも1回の充電による最長航行時間が長く(eBee Xでは最長90分)、最大飛行速度が速い(eBee Xでは最大110km/h)ため、現場滞在時間の短縮や人件費の削減などにつながります。

広域を効率よく撮影できるため、災害発生時の被災状況把握や広域圃場の生育状況解析などで真価を発揮します。

価格は要問い合わせですが、概ね1万5千米ドル前後です。

eBee X

[出典]AgEagle

AeroVironment

会社名

AeroVironment, Inc.

本社所在地

アメリカ バージニア州

設立年

1971年

公式サイト

http://www.avinc.com

マーケットシェア10位のAeroVironmentは、米軍を含む米国防総省、米同盟国の軍隊に対し、監視・偵察・追跡・地理データ収集などに対応するドローンを提供する防衛関連企業です。

米国防総省向けが売上高全体の約55%を占めます。

主要モデル《Raven》〜軍事用監視ドローンの代表的機種〜

低高度での監視・偵察ミッションに最適な機種で、もっとも広く使われている軍事用監視ドローンでもあります。

軽量で組み立て式のため、リュックサックに入れて持ち運びが可能。紙飛行機のように手で飛ばすことができます。

Raven

[出典]AeroVironment

日本メーカー製ドローンはあるがシェアはわずか

日本メーカー製ドローンはあるがシェアはわずか

中国とアメリカが2大ドローン製造国。世界における日本製ドローンのシェアは4%にも満たないといわれています。

日本国内市場に限定すれば国産ドローンのシェアはもう少し高いことが予想されますが、それでも国内メーカーが明らかに遅れを取っているのは確かです。

財務省資料中で紹介されている、ドローンビジネス動向に詳しい有識者である村山繁氏(ドローンメディア「Drone Tribune」 代表兼編集長)へのインタビューでは「1980年代に農薬散布用の無人ヘリコプターが販売されていたが、限定的な市場を対象としており、同様の技術で他に何が出来るのかという拡張性を意識できなかった」ことが国内メーカーが出遅れた理由として挙げられています。

国産ドローンの多くは高額

最大手メーカーにしてトップシェアを誇るDJIと比較したときの日本製ドローンの弱点は、技術力もさることながら製品価格にあります

DJI製の同等機種の概ね倍以上の値段であり、しかも倍以上の金額を支払うに値する価値を正直あまり見出せないといういうのが実情ですので、国産ドローンはかなり苦戦しているといってよいでしょう。

実際、小型・軽量のトイドローンやレーシングドローン(ドローンレースに特化した機体)を除けば、個人が趣味レベルで購入できる価格帯の機種はほとんど見当たりません。(ただし後述するような例外もあります)

国産ドローンはビジネス用途なら検討の余地あり

たとえ高額であっても国産ドローンを検討する余地のあるケースとして、企業や自治体が採用する場合、つまりビジネス用途でのドローン導入が挙げられます。

その大きな理由が中国メーカーのドローンにおいて懸念される情報セキュリティ上のリスクです。(詳細後述

また、もう一つの理由として、日本国内のメーカーであれば手厚いサポートを期待できるという思惑もあるでしょう。

つまり、「中国製はセキュリティ面が不安」「きめ細やかなサポートがないと困る」といったニーズのある事業者が、安心感を買う意味合いで国産ドローンを購入するのはおおいにあり得るといえるのです

《とはいえ産業用ドローンでもDJIが優勢》

日本メーカーの活躍が見られるのは主に、空撮用や農薬散布用、インフラ点検用といった産業用ドローンの分野ですが、それは「産業用ドローンは日本メーカーの独壇場」という意味では決してありません。

趣味用途向けであれ産業用であれ、DJIの優位は揺るぎません。

たとえば、もともと世界でもいち早く導入されていた農薬散布ドローンであっても、DJI製ドローンが4割以上を占めている状況です。

各種用途向けに幅広く機種展開しているDJIは、オールラウンドのメーカーといえます。

農業用ドローンの認定機種メーカー内訳(平成13年12月)

[出典]「農業用ドローンの普及に向けて」(農林水産省)

日本の主要ドローンメーカー3社

日本の主要なドローンメーカーには次のような各社があります。

SONY

会社名

ソニー株式会社

本社所在地

東京都港区

設立年

1946年

公式サイト

https://www.sony.co.jp

PCやカメラ、音楽プレーヤーといった電機・電子機器のイメージの強いSONYですが、2021年の「Airpeak S1」の発売でドローンメーカーとしてのスタートを切りました。

同社製一眼カメラ「α」を搭載できること、プロフェッショナル向けの空撮ドローンであることが同社のドローン開発の起点といえます。(ただしαの代わりに高精度な計測機器などを搭載して他産業用途に利用することも想定されており、完全な空撮専用ドローンというわけではありません)

同機に使われているのは、メインプロセッサーなどの一部を除き、各種センサーや処理系に同社独自の半導体。SONYが他分野で培ってきたAIやロボティクス、センシング、イメージング、通信といった技術がドローン製作に結集しているといえるでしょう。

主要モデル《Airpeak S1》〜SONYの技術を結集したプロ向け空撮ドローン〜

映像制作クリエイター向けに開発された同社製のファーストモデル。

そこまで大型ではないにもかかわらずSONYのフルサイズミラーレス一眼カメラαを搭載可能な点が特長で、複数モデルが展開されているαシリーズのうちα1を搭載すれば、なんと8Kでの空撮が可能です。

最高速度90km/h(25m/s)、最大角速度180°/s、傾斜角度最大55°という高い運動性能、そして高性能な飛行制御システムにより、ダイナミックな映像が実現可能。

人が風上方向に歩くのが困難になるレベルといわれる風速20m/sの風が吹く中でも飛行可能という耐風性能の高さも大きな特長です。

SONYが培ってきたイメージングとセンシング、AIロボティクスの技術を詰め込んだドローンといえるでしょう。

オープン価格となっていますが、実勢価格は1,155,000円ほどです。

Airpeak S1

[出典]SONY

ACSL

会社名

株式会社ACSL

本社所在地

東京都江戸川区

設立年

2013年

公式サイト

https://www.acsl.co.jp

2013年に創業し、2018年には東証マザーズに上場、ドローン専業メーカーとして世界で初めての上場企業となったACSL。日本初の補助者なし目視外飛行を実現したのも同社です。

防塵・防水性に優れ、風雨に強い機体設計を特徴とした産業用ドローン(点検・物流・災害・測量・警備などの用途)に特化したメーカーという位置付け。

100回を超える長距離飛行・目視外飛行の実績を誇り、特に物流分野においては日本郵便、ANAホールディングス、楽天といった各社との実証実験を数多く行っていることでも知られます。

自社開発の自動制御技術を用いた同社製ドローンには、セキュリティ面での安心感があります。

主要モデル《蒼天》〜国の委託事業として開発された高セキュリティな国産ドローン〜

サイバーセキュリティや安全保障上のリスクの軽減を図り、高性能・高セキュリティな国産の小型産業用ドローンとして開発されたのが「蒼天」です。

小型空撮ドローンとしては初のワンタッチ切り替え方式カメラ採用機であり、標準カメラの他、赤外線カメラ+可視カメラ、マルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラとの交換も可能。

最大対気速度15m/sと風に強い、防塵・防水性も高い(IP43)といった特長を持ち、災害時などの厳しい環境下での使用にも耐える仕様となっています。

価格はオープン価格となっており、代理店への問い合わせが必要です。

蒼天

[出典]ACSL

SkyDrive

会社名

株式会社SkyDrive

本社所在地

愛知県豊田市

設立年

2018年

公式サイト

https://skydrive2020.com

さまざまな企業から人が集まって「空飛ぶクルマ」(電動垂直離着陸型無操縦者航空機(eVTOL))​​の開発に取り組む業務外有志団体であるCARTIVATORのメンバーが中心となって発足した会社がSkyDriveです。

現代表の福澤氏はトヨタ自動車出身であり、同社も豊田市にあります。

2020年8月には「空飛ぶクルマ」の一般公開も行った同社は、大阪・関西万博での運航業者にも選ばれており、万博での運航をもって事業化することを目指しています。

遊覧飛行やエアタクシーなどの事業展開を視野に入れているようです。

そんな同社では物流ドローンも開発・製造していますが、「空飛ぶクルマ」同様に大型であり、完全に運輸・物流用。

建築資材や農作物などの重量物の運搬を前提としたドローンを開発・製造しており、空撮用の機体やコンシューマー機を作る他社とは一線を画しているといえるでしょう。

主要モデル《SkyLift》〜重量物を運搬する圧倒的パワーを発揮!〜

国産の物流ドローン「SkyLift」は、1回の飛行でなんと30kgもの重量物を運搬でき、1日に700kgの荷物を運べます。

ホイスト機能(荷物巻き上げ)により非着陸での荷下ろしにも対応するため、建築資材や医療物資などの効率的な運搬が可能。特に山間部や高所での重労働の負担軽減や省人化につなげられます。

価格はオープン価格となっており、メーカーへの問い合わせが必要です。

SkyLift

[出典]SkyDrive

日本のその他ドローンメーカー7社

日本にはその他にも、次に挙げるようなドローンメーカーがあります。

NTTイードローン

会社名

株式会社NTT e-Drone Technology
(略称:NTTイードローン)

本社所在地

埼玉県朝霞市

設立年

2020年

公式サイト

https://www.nttedt.co.jp

海外メーカー製ドローンの販売を手がけるほか、自社でのドローン設計・開発・製造も行なっているNTTグループのドローン専業会社です。

過酷な環境での点検作業や、重量のある荷物の運搬などに対応する実用性の高いドローンを開発・製造しているメーカーです。

主要モデル《AC101》〜「運びやすく使いやすい」を目指した散布ドローン〜

誰もが簡単に使える農薬散布ドローンを目指し、軽さとコンパクトさ、そして細部にこだわり設計開発された農薬・粒剤散布ドローンです。

工具なしで簡単に脱着できる設計の散布装置、コンパスキャリブレーション(GPSに正しい方角を認識させる操作)が不要、清掃しやすいデザインなど、準備や整備まで含めた全工程における効率性を重視しています。

機体重量7.6kgと他メーカーの類似機に比べかなり軽量なため、軽トラへ積み込む作業も楽、しかも小型なのでアームを開いたままでも積載可能です。

機体一式で2,500,000円。

AC101

[出典]NTTイードローン

PRODRONE

会社名

株式会社プロドローン
※一般表記には「PRODRONE」を使用

本社所在地

愛知県名古屋市

設立年

2015年

公式サイト

https://www.prodrone.com/jp/

過酷な環境での点検作業や、重量のある荷物の運搬などに対応する実用性の高いドローンを開発・製造しているメーカーです。

災害時におけるドローン活用に対しても積極的姿勢で取り組んでいます。

主要モデル《PD4-AW-AQ》〜着水状態からの離陸が可能な水際業務用ドローン〜

雨天時の飛行、着水、着水状態からの離陸が可能なドローンです。

4方向にフロートを装着しているため、着水後にバランスを保ったま水面に浮くこともできます。

極めて高い防水性能と水没しない仕様を活かし、天候を問わない常時警備監視、ダム点検や水深調査、漁場管理、サンゴ礁の生育観察などに広く活用可能です。

販売価格は 1,859,000円から。

PD4-AW-AQ

[出典]PRODRONE

TEAD

会社名

TEAD株式会社

本社所在地

群馬県高崎市

設立年

2016年

公式サイト

https://www.tead.co.jp

外付けタイプのリモートID発信機を製造・販売する企業ですが、産業用ドローンの開発・製造も行なっています。

(※リモートIDについて詳しく解説している記事はこちら

主要モデル《TA408-F》〜操縦者の負担を軽減する各種サポート機能を搭載した農薬散布機〜

自動離発着機能、高度維持機能、飛行速度維持機能を搭載しており、自動飛行モードでの散布が可能。均一で安全な農薬散布を実現します。

通常価格は136万円となっています。

TA408-F

[出典]TEAD

ヤマハ発動機

会社名

ヤマハ発動機株式会社

本社所在地

静岡県磐田市

設立年

1955年

公式サイト

https://www.yamaha-motor.co.jp

バイクで有名なヤマハ発動機ですが、農薬散布向け産業機に特化したドローンメーカーでもあります。

そもそも農薬散布ヘリを世界で初めて作ったのは同社でした。それから一貫して農薬散布用の機体を開発・製造してきた同社の作るドローンは、まさに培ってきた技術の結晶といえるでしょう。

主要モデル《YMR-Ⅱ》〜官民連携により開発された国産農業用ドローン〜

官民連携により開発されたこの機種は、高いセキュリティ機能を備えており、取得データの流出や機体乗っ取りから生産者のリソースを守ります。

6つのローターを配したヘキサコプターという形状が、安定した飛行性能を実現しています。

また、4Kカメラ、障害物センサー、追加散布ポンプなどのオプションも追加でき、汎用性・拡張性にも優れています。

販売価格は1,859,000円。

YMR-Ⅱ

[出典]ヤマハ発動機

マゼックス

会社名

株式会社マゼックス

本社所在地

大阪府東大阪市

設立年

2017年

公式サイト

https://mazex.jp

2009年12月の創業以来、農林業向けドローンをメインに開発・製造してきたマゼックスは、その累計販売台数が国内メーカー1位を誇るメーカーでもあります。

主力の農薬散布や苗木運搬用のドローンのほか、延線・架線などの電設用途向けのドローンも開発。産業用ドローンメーカーとして技術開発力を蓄積し続けています。

主要モデル《飛助DX》〜無人ヘリに負けない散布性能〜

日本の圃場環境に最適化した農薬散布ドローンです。

特許取得済みのマゼックス独自開発技術により、かつては主流だったものの操縦が難しいため現在はあまり使われなくなってきている無人ヘリと同等の散布性能を実現。

葉裏や根元まで均一に散布でき、周辺の圃場にまで農薬が風に乗って流れることも防ぐ仕組みです。

メーカー希望小売価格は924,000円〜。

飛助DX

[出典]マゼックス

ジーフォース

会社名

株式会社ジーフォース

本社所在地

東京都千代田区

設立年

2013年

公式サイト

https://www.gforce-hobby.jp

高額であることがほとんどの国産ドローンの中、趣味のドローンとして検討できるレベルの価格帯のモデルを製造・販売している稀有なメーカーがジーフォースです。

ラジコン周りの製品からスタートした同社は、ホビー向け機種をメインに展開しているにメーカーで、ヘリコプタータイプのラインナップも充実しています。

販売されているドローンはいずれも200g未満であり、同社製品としてはむしろ大きめの部類となる100g台の機種の販売価格は2万円台から3万円台前半。

ごく小型で軽量なトイドローンが1万円台というのは特に驚くべきことではありませんが、100g台でそれなりに機能充実した機種を2〜3万円台で購入できるというのは国産ドローンではなかなかありませんよね。

日本製のドローンがいいけれど何十万円も出せない!という方は、ジーフォースのドローンを検討してみてはいかがでしょうか。

主要モデル《INGRESS BEYOND》〜リーズナブルなのに機能満載で飛ばしやすい〜

手頃な価格でありながらGPSセンサーも搭載しているので、あらかじめ作成した航路に従って自動航行するマルチポイントモード、自動帰還するリターントゥホーム機能、自動追従するフォローミーモードなどの各種機能を備えています。

(GPSが拾えない環境下では、ビジョンセンサーと気圧センサーが機体を自動制御してその場に留まらせます)

また、飛行距離・高度ともに最大30mの範囲を超えて飛行しないジオフェンス機能を利用すれば、機体を見失ってしまうというアクシデントも防げます。

フルHD画質(1920×1080)の動画を撮影可能。

メイン動力には高出力・高効率のブラシレスモーターを4基搭載、安定性を向上させています。

販売価格は店舗によって異なりますが、概ね2万円前後で購入可能です。

INGRESS BEYOND

[出典]ジーフォース

Liberaware

会社名

株式会社Liberaware

本社所在地

千葉県千葉市

設立年

2016年

公式サイト

https://liberaware.co.jp

「狭くて暗くて危険な場所の点検」に特化したドローンを開発・製作しているのがLiberawareです。

機体を販売するのではなく、点検サービスの提供のあるいは機体のレンタルという形のビジネスプランで営業しています。

主要モデル《IBIS》〜狭小空間に特化した純国産&超小型ドローン〜

プロペラ回転により発生する気流が機体のバランスを崩すため飛行が難しい狭小空間。そんな難易度の高い場所でも安定した自律飛行が可能な狭小空間専用の超小型ドローンが「IBIS」です。

20cm弱四方と世界最小クラスの同機が、煙突内や配管内、ボイラー内、天井裏など、人が入り込むことが難しく、場合によっては危険な施設を人に代わって点検します。

使われている部品がすべて国産品という「純国産」である点も特徴です。

サービス提供料金、レンタル料金ともに設備種類と点検内容によって変わってくるため、要問い合わせです。

IBIS

[出典]Liberaware

《メーカーのシェアは低い一方、ドローンサービスでは健闘している日本企業》

ドローンの機体自体の製造は行っていないものの、ドローンサービスプロバイダーとして存在感を示している日本企業がテラドローンです。

ドローン市場調査機関であるDrone Industry Insightsが企業規模、市場シェア、実績などに基づき世界のドローンサービス企業を評価するランキングでは、リモートセンシングサービス提供企業部門で2位を獲得しています。(2019年は2位、2020年は1位、2021年および2022年と連続2位)

リモートセンシングサービスプロバイダー上位5社

[出典]BEST COMPANIES FOR DRONE SERVICES IN 2022(Drone Industry Insights)

また、同社は国内外で測量・点検サービスを提供する企業ですが、レーザー測量の実績と経験をもとにUAVレーザー(ドローンに搭載するレーザー測量装置)の開発・製造も行っており、40都道府県で導入されています。

ドローンサービスを提供する日本企業の代表格といってもよいでしょう。

航空法適用対象外となる100g未満のドローンのメーカー例3社

航空法が適用されるのは、重量が100g以上の機体です。つまり、100g未満のドローンについてはいわばおもちゃ扱いであり、機体登録は不要。航空法の縛りがないため基本的には自由に飛ばせます。

トイドローンと呼ばれるこうした小型軽量のドローンを作るメーカーとしては、次のような各社が挙げられます。

Holy Stone

会社名

Holy Stone
(日本法人はHoly Stone Japan)

本社所在地

台湾 台北市

設立年

2014年

公式サイト

https://www.holystone.com
(日本サイト:https://holystone.co.jp)

実は100〜500g台の空撮用ドローンなども展開しているものの、やはりなんといってもトイドローンで知られるのが中国のドローンメーカーであるHoly Stoneです。

モデル数も豊富で、赤外線で狙い合う対戦型トイドローンもあります。

主要モデル《HS420》〜楽しむための機能が充実したトイドローン〜

軽く機体を投げ出すだけで起動し飛び始める手投げテイクオフモード、スマホを傾ける角度に合わせて動く体感操作モードなど、初心者に嬉しい機能を各種搭載。子どもも容易に楽しめるでしょう。

31gと軽量で手のひらサイズではあっても多機能で、さまざまな楽しみ方ができるトイドローンといえそうです。

実勢価格は8千円台。

HS420

[出典]Holy Stone

Ryze Technology

会社名

Ryze Tech

本社所在地

中国 広東省深圳市

設立年

2017年

公式サイト

https://www.ryzerobotics.com/jp

中国のテック系スタートアップカンパニーである同社は、提携パートナーであるDJI と Intel から技術供与を受け、トイドローン「Tello」を製造しています。

主要モデル《Tello》〜楽しむだけでなくプログラミングを学ぶことも〜

とにかく楽しく簡単に飛ばせることにこだわったTello 。手のひらからトスするとその場でホバリングするThrow&Go、宙返りする8D Flips、バウンスしながら自動飛行するBounceといったトリックを楽しむ機能も搭載しています。

子供やティーンエイジャーもメインユーザーとして想定していることもあり、プログラミング学習用途に対応していることも特徴です。

単体では12,000〜13,000円程度、予備バッテリーなどもついたセットは19,250円ほどです。

Tello

[出典]Ryze Tech

京商

会社名

京商株式会社

本社所在地

神奈川県厚木市

設立年

1963年

公式サイト

https://www.kyosho.com

日本のラジコンカーメーカーである京商は、ラジコンカーと同じようにレースを想定したレーシングドローンを製造・販売しています。

また、大人向けの本格ホビーモデルとは別に、トイモデルを扱うカンパニー内ブランド「京商EGG」からはトイドローンも販売されています。

主要モデル《Type-1000HD》〜トイドローン初のオプティカルセンサー搭載〜

トイドローンとしてオプティカルフローセンサーを初めて搭載したモデル。ホバリング時に自動で位置補正が行われるため、空中でビシッと止まるのが特徴です。

販売価格は店舗によって異なりますが、概ね1万円台前半で購入可能です。

Type-1000HD

[出典]京商EGG

《100g未満のドローンにも適用される関連法規》

機体重量100g未満のドローンは適用対象外というのはあくまで航空法の定めるところ。重量にかかわらず遵守が必要な規制もあるので注意が必要です。

具体的には、各自治体が独自に設けているドローンに関する条例(都市公園条例等)や、道路交通を妨げるような飛行を禁じる道路交通法などがあります。

こうした関連法規についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

【結論】どのメーカーのドローンにするか迷ったらDJI製がおすすめ

【結論】どのメーカーのドローンにするか迷ったらDJI製がおすすめ

どのメーカーのドローンを買うべきか?という問いの答えは、もちろん人それぞれでありケースバイケースですが、多くの場合DJI製のドローンがおすすめです。

特に以下に挙げるようなケースでは、DJI製のドローンが強く勧められます。

  • メーカーについて強いこだわりはない
  • どのメーカーのものにすればよいのか見当がつかない
  • ドローンを買うのは初めてで、技術的にもビギナーレベル

圧倒的なシェア、つまり大半の人がDJI製を選ぶのにはそれなりの理由があります。

平たくいえば「DJIのを買っておけばだいたい間違いない」からであり、その根拠は次の3つです。

メジャーなメーカーならではの安心感と利便性があるから

DJIは間違いなくもっとも有名かつ裾野の広いドローンメーカーであり、そうしたトップメーカーならではの安心感や利便性は他メーカーにはないものといってよいでしょう。

間違いのないクオリティで安心

多くの人がDJI製を選ぶのは、その知名度だけではなく確かな品質の高さがあればこそ。

なんだかんだと言っても最大手メーカーの製品にはユーザーを満足させるだけのクオリティが担保されていると実感できるのがDJIのドローンです。

簡単に情報やサポートを得られる利便性

DJIなら近隣に取扱店が見つかる可能性が高く、いざという時に頼れる先が遠方にしかないといった事態に陥るケースは少ないはずです。

また、同じ機種を飛ばす仲間が多ければ多いほど有用な情報を広く得られ、何かあったときにも対応に困らずに済みます。

逆にあまり知られていないメーカーのドローンの場合、ユーザー数が限られ、情報量がどうしても少なくなるため、ある程度までは自分で対処できるだけの知識やスキルが求められるでしょう。

既に複数台のドローンを使いこなしているような人であれば必ずしも気にする必要はありませんが、特にドローン初心者の場合、最大手であるDJIのドローンを選んでおくとやはり安心なのです。

個人でも手が届きやすい4K動画対応機が見つかるから

同じ空撮をするならできるだけ高精細でダイナミックな映像を撮りたいのは誰しも望むところですが、個人がその願いを叶えようと思えばDJIがもっとも現実的な選択肢となるでしょう。

4K動画を撮影可能なレベルの空撮用ドローンを製造・販売しているメーカーはDJIに限りませんが、そういった機種は個人ではなかなか手の届かない価格であることが大半。

数少ない例外といえるのがDJIのコンシューマー機なのです。

たとえばDJI の「Mavic Mini 3」は4K動画を撮影できるほか、そのコンパクトな機体にはさまざまな機能が搭載されていますが、8万円を切る価格で手に入ります。

4K動画対応かつ個人でもなんとか手の届く価格帯のドローンをDJI以外で探そうとすると、たとえばYuneecの「Typhoon H Plus」Autel Roboticsの「EVO LITE+」などがありますが、安くても10万円台です。

幅広い分野向けの機種が充実しているから

ドローンは空撮・測量・点検・農薬散布などの分野で活用されていますが、DJIならどういった分野向けにも信頼できる機種が展開されています。

空撮向け機種例:Inspire 2
測量・点検向け機種例:Matrice 300 RTK
農薬散布用機種例:Agras T10

特定のメーカーが特定の分野に特化している場合が多い中、DJIは幅広い分野向けに機種展開している珍しいメーカーであるといえます。

しかもどの分野でも高い人気とシェアを誇っており、どういった分野・用途で使うのであれDJI製のドローンを選んでおけばまず安心といえるでしょう。

DJI以外のメーカーのドローンが選択肢となるケース

DJI以外のメーカーのドローンが選択肢となるケース

総合的に見たおすすめはDJI製のドローンですが、他メーカーの製品を検討すべき場合ももちろん考えられます。

具体的には、次に挙げる2つのケースではDJI以外のメーカーのドローンが選択肢となってくるでしょう。

国の仕事などでセキュアなドローンであることが優先されるケース

性能やコスパではなく、セキュリティ面が優先されるケースでは、DJI製ドローンの購入に慎重にならざるを得ず、他メーカーのドローンが選択肢となってくるかもしれません。

昨今、ドローンのセキュリティリスク、とりわけ中国のドローンメーカーが収集したデータの中国政府への流出リスクが懸念されているためです。(中国の定める国家情報法に基づけば機密情報の中国政府への流出があり得ると考えられるため)

実際に各国で中国メーカー製ドローンへの警戒が高まっており、アメリカではDJI製品が米国商務省が公表するエンティティ・リスト*に掲載されています。
(*国家安全保障上・外交政策上の利益に反する懸念から取引制限対象となる企業や研究機関のリスト)

ドローンのセキュリティリスクに関する日本政府の方針

日本でも、行政機関や独立行政法人が行う業務のうち、サイバーセキュリティ上のリスク(機微情報漏洩、操縦不能や乗っ取り等)を考慮すべき重要業務で用いるドローンについては、その新規購入時に必要な措置を講じることが求められています。

また、既に使用中の機体についても、リスクの高いものについてはできるだけ速やかにリスクが低いものへと置き換える必要があるともされています。(下記参考文書を参照)

[参考]政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針

DJI機の代替候補はセキュアな国産機

ドローンに関する日本政府の上記の方針は、特定の国のドローンを排除するという内容ではありません。

しかし、各機関が採用しているドローンの多くがDJI製であること、そしてそのDJIは政府が合法的に機密情報を収集し得る国のメーカーであること、さらには政治的情勢があいまって、DJIが槍玉に上がっているのが実情です。

とはいえ、セキュリティリスクは中国に限らず日本を含めどこの国のドローンにもあるため、安全保障の観点から国の委託事業として開発された“安全安心な国産ドローン”が既にご紹介した「蒼天」です。

日本政府の上記の方針は、行政機関などから委託された業務で使うドローンにも相応の対策を講じるよう求めているため、国から仕事を請け負う企業は「蒼天」のような高セキュリティな国産機を導入せざるを得なくなると予想されます。

一般企業の多くにとっては引き続きDJI製ドローンが最有力候補

一方、国から仕事を請け負うことのない企業は、機能性においてもコスパにおいても優れているDJI製の機体を今後も選ぶことになるでしょう

ただし、中国製ドローンの導入が対外的な信頼性に関わりかねないと憂慮するのであれば、DJI製ドローンを避けるという判断もあり得ます。

近隣のドローン販売店が他メーカーに特化しているケース

DJI製ドローンを取り扱う店舗は多いですが、だからといって近隣に取扱店があるとは限りません。特に地方に行くほどそういったケースは少なくないはずです。

近隣のドローン販売店がDJI以外のメーカー製品に特化している場合、DJI製品に固執するよりも「いつでもアクセスできる近場の販売店で購入すること」を優先するほうがベターなこともあるでしょう

機体購入後にも、操縦方法やアプリの設定方法を教えてもらいたい、メンテナンスや修理をお願いしたいといったことはおおいにあり得ます。

DJI製のドローンにするとそうしたときに毎回遠方まで出向かないといけない状況であれば、頼めばすぐに駆けつけてくれる近隣の販売店の扱う他社製ドローンの購入も検討してみましょう。

まとめ

▼日本を含む世界のドローン市場で圧倒的なシェアを誇るドローンメーカーはDJI

▼世界各国のDJI以外の主要ドローンメーカー

  • Yuneec
  • Parrot
  • Autel Robotics
  • Intel

▼世界各国のその他ドローンメーカー

  • Skydio
  • AgEagle
  • AeroVironment
    など

▼日本の主要ドローンメーカー

  • SONY
  • ACSL
  • SkyDrive

▼日本のその他ドローンメーカー

  • NTTイードローン
  • PRODRONE
  • TEAD
  • ヤマハ発動機
  • マゼックス
  • ジーフォース
  • Liberaware
    など

▼航空法適用対象外となる100g未満のドローンのメーカー

  • Holy Stone
  • Ryze Technology
  • 京商
    など

▼おすすめはDJI製ドローンだが、国の仕事を請け負う企業である場合や、近隣のドローン販売店が他メーカー製に特化している場合などには国産ドローンが検討対象となってくる

 

どのようなドローンメーカーがあるかという情報、ご自分にとってのおすすめメーカーはどこかという判断基準を得ていただけましたでしょうか。

本記事が、日本を含む世界中のドローンメーカーに関する全般的知識のソースとしてお役に立ちますこと、また、ドローン選びの助けとなりますことを願っています。