ドローン検定3級とは?あなたが本当に受けるべきなのか徹底解説!

筆記試験 画像

ドローン検定とはドローン検定協会株式会社が運営している、ドローンの民間資格です。
ドローン検定には4級、3級、2級、1級と4つの試験があり、3級はその中でも最も受験者数が多く人気がある資格です。

ドローン検定3級を取得すれば、ドローンの基礎的な知識や2級の受験資格などを得る事が出来ます。
しかしドローン検定3級を取得したからといってすぐにドローン操縦の技術が身につくわけではありません。
なぜならドローン検定3級は筆記試験のみで実技試験がないからです。

そのためあなたがドローンに関するどのような能力を身に付けたいかによって、ドローン検定3級を受けるべきかを判断しなければなりません。

結論、ドローン検定3級資格を取得した方が良い人・その他の資格を取得した方が良い人はこちらです。

ドローン検定3級を取得した方が良い人・しない方が良い人

ドローン検定3級とはどのような資格で何を得られるかを知り、自分が今一番取得するべき資格なのかを考えることが大切です。

そこで今回の記事では

・ドローン検定3級どのような資格か

・ドローン検定3級を取得して何が得られるのか

・ドローン検定3級は取得するべき資格なのか

・ドローン検定3級に合格するにはどうすれば良いのか

について徹底解説していきます!

ドローン検定3級試験はどんな試験?

ドローン検定3級試験は一言でいうと、気軽にドローンの基礎知識を身につけられる筆記試験です。
それでは、ドローン検定3級は今のあなたにとって本当に受けるべき試験なのでしょうか。
判断をするための第一歩としてドローン検定3級の基礎的な情報をご紹介していきます。

ドローン検定3級はドローンの基礎知識を問う試験

ドローン検定3級はドローンに関する基礎用語・機体の特性から、法律・基礎力学などの知識が幅広く出題される試験です。
例えば、ドローンを操作するリモコンの名称といった基礎用語、ドローンを上昇させる時に動かすリモコンの舵、ドローンを飛ばしてはいけない空域といった知識が問題として出題されます。

冒頭でも説明しましたが、ドローン検定は4つの級がありそれぞれ出題範囲が異なります。

2級では3級の範囲に加えてリスク管理や気象学の分野が追加され、ドローンを安全に管理・操縦するためのより実務よりの知識が問われます。
さらに1級では、2級の出題範囲に加えて物理学・工学などの分野が出題され、より専門的な知識を問われます。

一方ドローン検定3級は、実務よりではなくドローン初心者が身につけておくべき知識が問われる試験です。

ちなみに4級では3級と同様にドローンの基礎知識が問われますが、3級よりも出題範囲が狭い試験です。
3級も4級も受験資格に制限はありませんが、3級に合格すれば2級の受験資格を得られるので、初心者の方でも3級に挑戦することをおすすめします。

それでは、具体的にどのような問題が出題されるのでしょうか。

ドローン検定3級の問題例

ドローン検定3級の模擬問題を見ていきましょう。

例題1
Q 「スキッド」の説明として正しいものを選びなさい。
A 降着装置 

例題2 
Q 航空法施行規則(第5条の2)に定められる無人航空機から除外される機体重量を選びなさい
A 200グラム未満

例題3
Q 屋外において免許不要で使用できるホビーラジコン操縦信号用の電波周波数帯として間違っているものを選びなさい。
A 5.8GHz

例題4
Q 無人航空機を航空法に違反して飛行させた場合の罰則規定として正しいものを選びなさい
A 20万円以下の罰金

事前に参考書で知識を身につけていないと答えられない問題がほとんどです。
ドローン初心者がこれからドローンに関わっていく上で必要となる知識が問われます。

特に法律に関する知識は、知らずに操縦をしていると違反を起こしてしまう可能性もあるので、知っておかなければなりません。
知識が全くない状態から、ドローンに関する最低限のルールやマナーを身につける事が出来ます。

ドローン検定3級の試験概要

ドローン検定3級は4択マーク式の筆記試験です。

試験概要はこちらです。

ドローン検定3級 試験概要

開催場所は各都道府県最低1ヶ所には設けられており、毎年奇数月のいずれかの日程で開催されています。

ドローン検定3級試験はその他のドローン資格と比べて、気軽に挑戦できるという特徴があります。
受験費用は6,600円とその他ドローン試験と比較すると安く、会場へ行き90分の筆記試験に合格をすれば資格を取得する事が可能です。

またドローン検定は平均合格率75%と、一般的な資格試験と比較すると難易度が低いです。

過去の試験直近10回の合格率の推移はこちらです。

ドローン検定3級受験者数推移

勉強に数ヶ月の時間が必要という試験ではないため、ドローン初心者でも挑戦のハードルは低いです。

その他ドローン資格との比較

ドローン検定3級はその他のドローン資格と比較すると費用も抑えられて気軽に受験が出来ますが、仕事などで活用できる実用性はあまりありません。

その他ドローン資格とドローン検定3級の比較表はこちらです。

※無人航空機操縦技能、ドローン操縦士回転翼3級の費用・取得日数は各ドローンスクールにより異なります

ドローン検定3級はその他試験と比較すると費用も取得に必要な時間も圧倒的に負担が小さく、受験資格もないので誰でも気軽に受験する事が出来ます。
一方でドローン検定3級には実技試験はないので、実際に操縦する技術を身につける事が出来ないという点で実用性に劣ります。

それでは、ドローン検定3級を資格すると何を得る事ができ、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ドローン検定3級に合格して何が得られるのか?

ドローン検定3級に合格して得られるものはこちらです。

・基礎技能講習座学の免除

・ドローン検定2級の受験資格

それぞれどのようなメリットがあるのか、ご説明していきます。

基礎技能講習座学の免除

ドローン検定3級に合格すると、基礎技能講習の座学4時間分が免除されます。

基礎技能講習とは、ドローン検定協会が運営しているドローンの操縦技術が身につく講習です。
基礎技能講習合格後にはドローンの操縦技術を証明する操縦技能証明証を取得する事が出来ます。

基礎技能講習は座学5時間と実技10時間で構成されています。
しかしドローン検定3級に合格するとこの座学5時間のうち4時間が免除されます。
また、座学が免除された基礎技能講習はドローンスクールにより差はありますが通常の基礎技能講習より約2万円安いです。

このようにドローン検定試験3級に合格すると基礎技能講習の座学が免除され、さらに基礎技能講習を安く受講する事が出来ます。

ドローン検定2級の受験資格

より幅広い知識を身につけられるドローン検定2級の受験資格を得る事が出来ます。
ドローン検定2級ではドローン検定3級の範囲に加え、気象学やリスク管理に関わる知識が問われます。

例えばこのような問題が出題されます。

Q 安定性の説明として最も適切なものを選びなさい
A ブレードのピッチが固定されたマルチコプターを急降下させると動安定が負になる

Q 安全領域の考え方として適切でないものを選びなさい
A 対気速度が小さい場合は安全領域も小さくすることができる

ドローン検定2級取得することでより安全にドローンを操縦・管理するための知識を身につけることが出来ると同時に、その知識を有している事を証明出来ます。

ドローン検定3級は受験するべきなのか?

それでは、ドローン検定3級は受けるべき資格なのでしょうか。

冒頭でもお伝えしましたが、ドローン検定3級を取得した方が良い人とその他の資格を取得した方が良い人はこちらです。

ドローン検定3級を取得した方が良い人・しない方が良い人

それぞれの内容や理由をご説明していきます。

ドローン検定3級を取得した方が良い人

■現時点で明確な目的はないがドローンの知識を手軽に身につけたい人

1章でもお伝えした通りドローン検定3級は費用と時間の負担を抑えながら気軽に受験をする事ができえ、ドローンに関する基礎知識も幅広く身に付きます。
そのため、まだ本格的にドローンを操縦する目的は無いが、お金や時間をかけずに基礎知識と資格を取得しておきたいという人はドローン検定3級を受けた方が良いでしょう。

■趣味でドローンを楽しむために最低限の知識を身につけておきたい人

趣味でドローンを始めたいが操縦技術は独学で身につけていこうと思っている人は、実技があるドローン資格の取得はする必要はないでしょう。
しかし、ドローンを趣味で飛ばすとしても法律などの基礎知識は必要です。

例えばドローンは飛行禁止区域があり、その知識が無くドローンを飛ばした人が逮捕された事例もあります。

https://www.sankei.com/article/20220301-LXVGS6JRHRIQDLS6XK264PDO4A/

ドローン検定3級を取得することにより、趣味でも安心してドローンを楽しむための最低限の知識を身につけることが出来ます。

■ドローン知識を段階的に習得していきたい人

ドローン検定3級の取得後にはドローン検定2級や操縦技能証明証の取得など次のステップに進みやすくなります。
そのため、直近で緊急の必要性はないが段階的にドローン知識を身につけていきたいという方にも第一歩としてドローン検定3級の受験をお奨めします。

ドローン検定3級以外の資格を取得した方が良い人

■今すぐドローン技術を身につけたい人・仕事で活用したい人

今すぐ操縦技術を身につけたり仕事に活かしたりしたい人はドローン検定3級の取得はおすすめ出来ません。
なぜなら1章で述べた通りドローン検定3級は筆記試験のみで操縦のカリキュラムが組み込まれていないからです。

実技を含んだドローン講習を受けた方がドローン操縦技術も身につき、実務で活かせるまでの時間が短縮されます。

実技を含んだお奨めのドローン資格はこちらです。

・DPA 「ドローン操縦士回転翼3級」

・JUIDA 「無人航空機操縦技能証明証」

DPA、JUIDAはそれぞれ信頼と実績がある日本最大のドローン団体であり、各資格を取得するとドローンの基礎知識から操縦技術まで身につける事が出来ます。
それぞれの資格については下記ページをご覧下さい。

・DPAの解説記事

・JUIDAの解説記事

■転職のための資格を取得しておきたい人

ドローンの資格を得て転職活動に活かしたいという方も、ドローン検定3級ではなく実技が伴った別のドローン資格を取得する事をおすすめします。
なぜなら、測量操縦士やセキュリティドローン操縦士といったドローン操縦が伴う求人では、ドローンの操縦技術が必須資格として挙げられる事が多いからです。

また未経験可の求人においても、歓迎要件として求められるのはドローンの知識ではなく操縦経験である場合が多いです。

ドローン検定3級は基礎知識を有している事の証明となりますが、操縦の技術を証明する資格ではありません。
転職を有利に進めるための資格を得たいと思っている場合は、上記のような実技のプログラムもあるスクールに通いましょう。

ドローン検定3級に合格するための方法

4章ではドローン検定3級を取得した方が良い人が、ドローン検定3級に合格するための方法をご紹介します。

「ドローンの教科書 標準テキスト」の内容を理解する

ドローン検定3級に合格するには「ドローンの教科書 標準テキスト」の内容を理解する事が最適な方法です。
なぜなら「ドローンの教科書 標準テキスト」は、ドローン検定3級試験向けに作られた唯一の参考書であるからです。

ドローンに関する本をアマゾンで調べ尽くし、出てきた約50冊の本を確認しましたが、ドローン検定3級に対応している参考書は「ドローンの教科書 標準テキスト」のみでした。

そのためドローン検定3級に合格するには、「ドローンの教科書 標準テキスト」に記載されている内容の理解に努めましょう。

模擬問題を解き理解度を把握

「ドローンの教科書 標準テキスト」で学習した内容を本当に理解しているかどうかを、模擬問題で試しましょう。

こちらがドローン検定3級の模擬問題を受けられるサイトです。

①ドローン検定3級模擬問題(50問)
・ドローン検定3級 | 50問

②ドローン検定3級模擬問題(分野別)
・基礎知識 |13問

・機体の動き |23問

・機体にかかる力 | 13問

・気象と風 | 15問

・機体の構造と姿勢制御 | 13問

・送信機 | 4問

・バッテリー | 7問

・ブレードの回転 | 3問

・基礎力学 | 13問

・単位 | 8問

・操縦者の責任 | 4問

・マルチコプターの飛行 | 3問

・トラブルの予測とフライトプラン | 9問

・航空法 | 22問

・電波法 | 8問

・小型無人機等飛行禁止法 | 4問

「ドローンの教科書 標準テキスト」を読み終わった後、①ドローン検定3級模擬問題を受験しましょう。
正答率が低かった分野があれば②ドローン検定3級模擬問題(分野別)で対策をし、苦手分野を克服しましょう。

ドローンの教科書を理解し模擬問題でも不明点を解消していれば、ドローン検定3級に合格する確率はかなり高いでしょう。

まとめ

ドローン検定3級は年々受験者数が増えている人気資格であり、基礎知識のみを習得するには最適な試験です。
一方で操縦の技術は身につけられないので、ドローン検定3級を本当に取得すべきなのかは考えて受験をしましょう。

最後に本記事の内容をまとめます。

・ドローン検定3級は手軽にドローンの基礎知識を身につけられる筆記試験

・ドローン検定3級に合格するとその他試験の受験資格などを得られるので、次のステップに向けた準備が出来る

・手軽に段階的にドローンの基礎知識を身につけたい人や、趣味で楽しむための基礎知識を得たい人にはおすすめの試験

・ドローン操縦技術を身につけ仕事や転職で活かしたい人には操縦技術が身につく資格の取得がおすすめ

・合格するためには「ドローンの教科書 標準テキスト」の内容を理解し、模擬問題で理解度をチェックする

最適なドローン資格を取得し、あなたのドローンライフを豊かなものにしていきましょう!