自動車を運転したい人向けに自動車教習所があるように、ドローンを飛ばしたい人向けにドローンスクールがあります。
とはいえ、ご存知でしょうか?実はドローンスクールでの受講は現状ではマストではありません。
じゃあドローンスクールに通う必要なんてないのでは?――そう考えてしまうかもしれませんね。
そう、確かにドローンスクールは「必ず通わなくてはならないところ」ではありません。
ですが、「できる限り通っておくべきところ」であることは間違いないのです。
なぜなら、ドローンスクールで得られる知識やスキルのかなりの割合が、独学で得るのはなかなか難しい性質のものだから。
そして、そうした知識やスキルを十分に身につけていないことは、ドローン飛行における大きなリスクとなるのです。
この記事では、ドローンスクールで学べることは何か、ドローンスクールに通うことのメリットや必要性にはどういったものがあるかなどについてご紹介します。
お読みいただければ、あなたにとってのドローンスクールに通うことの必要性とは何か、そしてその必要性はどの程度であるかがわかります。
最終的にスクールには通わないと決断するとしても、考えられるデメリットや気をつけなくてはいけないことを認識した上で判断することができるでしょう。
この記事を、ドローンスクールに通うか通わないかを決めるための材料としていただけたらと思います。
2022年12月5日に、ドローンの国家資格制度が開始されました。
こちらの記事で、ドローンの国家資格制度の全体像について詳しく解説していますので、是非併せてご覧ください。
目次
ドローンスクールとは
ドローンスクールとは、その名称の通り「ドローンの学校」です。
車の場合の自動車教習所に大変近いものがあるといえるでしょう。
スクールとはいっても長期間通う場所ではなく、数日間の講習を受けるスタイルがほとんどです。
ドローンスクールで身につけられるのは、ドローンの「必要関連知識」と「操縦スキル」
自動車教習所では安全運転のために知っておくべき交通法規をはじめとした関連知識と、車の基本的な運転方法を教わりますよね。
同様に、ドローンスクールでは、ドローンを飛ばす上で求められる関連知識と操縦スキルとを幅広く学ぶことができます。
ドローンスクールの講習には「一般」と「特化」がある
ドローンスクールで行われる講習には、一般的なコースと何らかの分野に特化したコースとがあります。
基本を学べる一般コース
ドローンを飛ばすために最低限必要な基本的知識とスキルを学べるのが一般的なコースで、初めてドローンを飛ばそうとする人が受講するのはそうしたコースです。
また、特定の用途でドローンを飛ばしたいという場合でも、その用途に特化したコースが見つからなければ一般コースが選択肢となるでしょう。
専門的に学べる特化コース
たとえば空撮ビジネスを考えている場合や、建設業界で働く人が測量や外壁調査などの現場でドローンを活用したい場合などには、汎用的な知識・スキルではなく、希望する用途にフォーカスした知識・スキルを必要とするでしょう。
そうしたニーズに応えるのが、「ビジネス空撮コース」「赤外線点検コース」などといった特定の分野に特化したコースです。
当該分野で求められる専門知識、現場での活用のコツや注意点などといった独学で知ることは困難なTIPSを教えてもらえます。
なお、特化コースはいわば応用編であり、基本的な知識・スキルは持ち合わせていることが前提となっていますので、一般コースを修了していることが受講条件となっているスクールが多いです。
義務ではなくても行くべきなのがドローンスクール
ドローンスクールに通うことは、実は義務ではありません。あくまで任意です。
実際、ドローンスクールに通うことなくドローンを飛ばしている人はいます。
義務ではない理由は「資格・免許不要」の現行制度
現行制度では、ドローンを飛ばすのに資格や免許は不要です。
したがって、ドローンスクールでの受講も義務ではありません。
それでもドローンスクールに行くべき3つの理由
義務ではなくてもドローンを飛ばすならドローンスクールに通っておくべき。当メディアでは、次の3つの理由からそう考えます。
1. 認定資格を取得できる
ドローンスクールでの講習の修了者には認定資格が発行されます。
前述したとおり、ドローンを飛ばすのに資格や免許は必要ありません。しかし、一定の条件で飛ばす場合には事前に航空局の許可・承認を得なくてはならないと定められており、その際に認定資格が役立ちます。
認定資格があると、この許可・承認の申請の際の審査が省略あるいは簡略化されるのです。
認定資格がないと個別審査が申請の都度行われるため、認定資格がある場合に比べ許可・承認がおりるまでにより時間を要することになるでしょう。
2. 正しく安全に飛ばせる
機体を上空に飛行させることには特有のリスクがあり、そうしたリスクを避けるためには相応の知識とスキルが必要。それを身につけるための専用の場がドローンスクールです。
3. 卒業後もサポートを受けられる
多くのスクールでは、修了生に対する継続的なサポートを行っています。
これらの理由の詳細については、後述の「ドローンスクールで受講することのメリット・必要性」の章で解説していますので、ご参照ください。
ドローンスクールで一般的に学べる内容
ドローンスクールのカリキュラムは、座学と実技に大別されます。自動車教習所のカリキュラムが学科教習と技能教習とに分かれているのと同じですね。
ドローンスクールの一般的なコースを受講する場合に、座学と実技のそれぞれで学べる内容を見ていきましょう。
なお、多くのスクール(講習団体)が管理団体による指導・監督を受けており、カリキュラムも管理団体より提供されているため、その内容はスクールが所属する管理団体によって多少変わってきます。
以下でご紹介する各項目は、多くのスクールで取り上げられている一般的なものとご理解ください。
どのスクールでも下記の講習項目をすべて実施しているとは限らず、逆に下記にはない項目がカリキュラムに含まれているスクールもあります。
座学で学ぶこと
操縦以前に、ドローンに関する基本知識を身につけておかなくてはなりません。教室での座学で学ぶ講習項目には、次のようなものがあります。
ドローン(UAV)の概論
簡単にいうと「ドローンとは何か?」についての講義です。ドローンの定義や歴史などを学びます。
技術面の知識(原理・構造・通信・制御方法など)
ドローンはどのように飛んでいるのでしょうか?機体の構造や飛行の原理、遠隔操作を可能とする通信システム、制御の方法などを学びます。
自然科学に関する知識(気象・電磁波など)
上空を飛行するドローンには、天候が大きく影響します。また、ドローンは電子機器であることから、電磁波などによる電波障害も受ける可能性があります。
そのため、気象や電磁波といった自然科学に関する知識も学びます。
関連法規
飛行する機体であるドローンを規制するのは主に航空法ですが、飛ばす場所によってはそれ以外にもさまざまな法律や条例などが関わってきます。
たとえば、道路交通法、都市公園条例、民法、河川法、港湾法などです。
こうした各種ルールに違反することなくドローンを飛ばすために必要な関連法規について学びます。
飛行許可・承認の申請などのルール
ドローンを飛ばす場所や飛ばし方によっては、事前に国土交通省や関連機関などの許可・承認を得る必要があります。そうした飛行許可・承認の申請方法について学びます。
安全運用のための注意点や対策など
ドローンを安全に飛ばすことは、ただ飛ばすこととは別物です。安全運用のために注意すべき点や対策すべきことを学びます。
実技で学ぶこと
実技訓練では、実際にドローンを飛ばすためのスキルを身につけます。
ごく廉価な機種を除けば、ほとんどのドローンに各種センサーやGPSが備わっており、ホバリング機能(空中停止機能)などの自動制御機能を利用できるため、想像以上に簡単に、ラジコン感覚で飛ばすことができるでしょう。
そのため、実技訓練で主に学ぶのは、望むようにきめ細やかにコントロールする技術や危機回避方法といったスキルのほか、センサーやGPSが使用できない事態に備えた操縦方法になります。
また、訓練用のドローンには、スクール側で用意している機体を使うことが一般的ですが、既にドローンを持っている人であれば持参した機体での練習が可能な場合もあります。
教室を離れて屋内外の練習場で学ぶ実技訓練の講習項目には、次のようなものがあります。
基本的な操縦
ドローン実機を実際に飛ばしてみて、操縦方法を学びます。
前後左右上下方向へとドローンを飛行させる練習を行い、慣れてきたら8の字に飛行させるなど、プロポ(プロポーショナルシステムの略)と呼ばれる送信機を使ってドローンを思い通りにコントロールできるよう訓練します。
各フライトモードでの飛行
フライトモード(飛行時の各種機能設定)を切り替えての飛行訓練を行います。
機種により多少異なりますが、ドローンには複数のフライトモードが用意されています。
通常はすべてのセンサーやGPSをONの状態とするモードを選択し、ドローンに備わった高度な自動制御機能の助けを借りて安定した飛行を行います。
しかし、たとえばドローンレース(ドローンの速度を競う競技)においては、確認しながら飛行することになる障害物検知機能はスピードアップの妨げとなってしまいます。
そうした場合には、同機能をOFFとするモードを選択して速度優先の飛行を実現するわけです。
あるいは、自動制御が効くことでドローンの動きにどうしても生じてしまうカクつきが空撮の邪魔となるため、あえて多くのセンサーをOFFにするモードを選択する場合があります。
自動でのホバリングも無効の「ほぼマニュアル操縦」となるため操縦の難易度は大幅にアップしますが、カクつきのない滑らかな飛行が可能となり、ダイナミックでシームレスな撮影が実現します。
このように目的や状況に応じて最適なフライトモードを選択することにより、さまざまなシチュエーションでの飛行が可能となるよう、その練習を行うのです。
夜間飛行のシミュレーション
基本的な飛行方法を超えた応用編として実施されるのが、夜間の飛行を想定したシミュレーションです。(スクールが夜間飛行に対応する講習団体として登録されている場合に限り行われます)
講習は日中に行われるため、屋内練習場の戸を閉め切り、照明を消灯し、操縦者はサングラスをかけるなどして夜間に近い環境を作って実施することが一般的です。
目視外飛行のシミュレーション
ドローン本体が見えない状態で操縦する目視外飛行のシミュレーションも、応用技術として行われます。(スクールが目視外飛行に対応する講習団体として登録されている場合に限り行われます)
ドローン本体を目視できない状況での飛行をもともと想定している場合に限らず、たとえば橋げたの向こう側に回ってしまっているタイミングなど、一時的であれドローン本体が見えなくなる状況はあり得ます。そうしたケースに備える意味もある訓練です。
壁を立てるなどして操縦者からはドローンが見えない状態にした上で、手もとのカメラ映像と先導者の声かけだけを頼りに操縦します。
電波状況に応じた対処法
電波で通信して制御するドローンの飛行においては、電波状況に応じて適切に対処しなければ事故につながりかねませんので、そうした対処法も学びます。
アプリを利用するなどして電波状況をチェックしたり、電波が途絶えた場合に備えた自動帰還機能(離陸地点まで自動的に戻る機能)を設定したりといった練習を行います。
点検・整備方法
ドローンを安全に飛ばすために欠かせない、飛行前や飛行後の点検・整備の方法を学びます。
たとえば飛行前に各部品にゆるみや脱落が生じていないか、通信状態が正常かといったチェック、飛行後には機体に損傷がないか、異常発熱を起こしていないかといったチェックを行います。
また、一定時間の飛行ごとに行う定期点検も行い、記録もつけます。
ドローンスクールで受講することのメリット・必要性
必須ではないにもかかわらず多くの人がドローンスクールで受講するのは、次に挙げるようなメリットや必要性があるからです。
- 認定資格を取得できる
- ドローンの安心安全な運用方法を身につけられる
- スクールからの継続的なサポートやドローン仲間とのつながりを得られる
これらのメリットや必要性を一つずつ詳しく見ていきましょう。
認定資格の取得
規定の講習を修了すると取得できる認定資格(ライセンス)は、ドローンスクールに通うことで得られるメリットの代表格といえるでしょう。
認定資格があれば飛行許可・承認の申請時の審査が簡略化される
認定資格はスクールの所属する管理団体が独自に発行する民間資格であり、国家資格ではありませんが、国土交通省の定める一定の技能を習得していることの証明となります。
そのため、認定資格を持っていれば、国土交通省航空局への飛行許可・承認の申請時にドローンの飛行経歴・知識・能力の確認が簡略化されるという一種の優遇措置を受けられます。
航空局への申請が必要となるのは「特定の飛行形態での飛行」または「特定の場所での飛行」であり、具体的には下図に示す9つのケースです。
申請を要するこうした飛行を行う場合、申請の都度ドローン飛行の知識や能力の有無が審査されていたのでは時間がかかって仕方ありませんよね。
審査が簡略化される分だけ許可・承認も早めに得られますので、特にビジネス用途であれば認定資格をぜひ取得しておきたいところです。
私的な利用であっても、人気のない山間部以外でも飛ばしてみたいといった気持ちがあるのであれば、認定資格を取得しておくことの価値は決して小さくないはずです。
認定資格があれば一定の信用につながる
とりわけビジネスでの活用の場合には、認定資格を取得しているということ自体が顧客の信頼感につながる側面もあるでしょう。
社会的信用の点で一般企業よりも不利で、実力の証明も容易ではない個人ビジネスであればなおさら、認定資格の持つそうした効果は大きいといえ、そういった意味で必要性は高いと考えられます。
正しく安全なドローン運用への近道
ドローンを正しく安全に運用するために必要とされる知識やスキルは多岐にわたり、独学で身につけることは不可能とはいえないまでも決して容易ではありません。
ドローンスクールはそうした知識やスキルを学ぶための専門の場です。
体系的・効率的な学習が可能
ドローンスクールで行われる講習には、必要な内容が集約されています。
ドローンスクールだからこそ可能な体系的かつ効率的な学習は、メリットであると同時に、時間をかけられない人にとっては必要条件でもあるといえるでしょう。
独学の場合に懸念される必要な知識・スキルの習得の抜け漏れもないはずです。
テキストだけでは得られない実践的な内容を学べる
また、「ドローンスクールで一般的に学べる内容」でご紹介したような項目だけでなく、安全運用のポイントとなるような実践的な知識が学べることもドローンスクールの大きなメリットです。
「天候状況を考慮すると何時頃に飛ばすべきか?」
「今日の風速を考えると飛行は中止すべきか?」
そういった判断もできなくてはなりません。
いかなるケースでも安全は最優先ですが、ことにビジネスで活用する場合にはひとたび事故を起こせば会社としての信用やイメージが大きく損なわれます。
安全運用を確実なものとするためにも、ドローンスクールでの受講が望ましいといえます。
卒業後に受けられるサポートやドローン仲間とのつながり
多くのドローンスクールでは、自校の卒業生を対象にドローン関連ニュースの配信やフォローアップ講習などを行っています。
ドローンを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。ドローンに関連する法改正などの最新情報の入手・把握、必要に応じた練習などは、独力で行おうと思えばできないこともないかもしれませんが、いわば専門家であるドローンスクールのサポートを受けることが望ましいでしょう。
スクールによっては自校の卒業生に対しドローン関連の仕事を紹介してくれることも。
スキルを身につけたからといってすぐに関連案件を受注できる保証があるわけでもありませんから、こうしたサポートは思っている以上にありがたいものです。
また、同じようにドローンを楽しんだりビジネスで役立てたりしている仲間である卒業生たちとのつきあいは、貴重な人脈ともなるはずです。
卒業後も知識面・技術面でのアップデートやビジネス面でのサポートをしてくれ、同じドローン仲間とのつながりを持てるスクールは、ドローンを使い続けていく上での力強い味方といえるでしょう。
早ければ2022年後半にはライセンス制度がスタート
本記事公開時点では資格・免許は基本的に不要とされるドローンですが、ライセンス制度導入に関する法律が既に公布されており、早ければ2022年後半には運用がスタートする見込みです。
新たに設けられるライセンスが必要となってくるのは、航空局への事前申請が求められる前述の9ケースの飛行です。
ライセンス制度の概要
新たに創設されるライセンス制度では、1等ライセンスと2等ライセンスの2種類が設けられます。
この2種類のライセンスの差は、立ち入り管理措置(補助者を配置したり看板を立てたりして、万一の墜落が考えられる範囲への第三者の立ち入りを管理すること)の有無です。
【立ち入り管理措置を講じることなく申請対象飛行を行う場合】
→1等ライセンスが必須です。
【立ち入り管理措置を講じた上で申請対象飛行を行う場合】
→必ずしもライセンスは必要とはされませんが、2等ライセンスを取得していれば
申請時の個別審査が簡略化されます。(つまり、現状の認定資格に近い位置づけ)
「スクールへは今すぐ行くべき?それとも待つべき?」の判断基準
「公的で本格的なライセンス制度が近々創設されるならそれまで待とう」と考える人もいるでしょう。
様子見が得策なのか、それとも先のことは気にせずすぐにでもドローンスクールに通うのが正解なのか……悩みますよね。
まずは下のフローチャートでライセンスが必要なのか、必要なら何等ライセンスが必要なのかを確認してみましょう。
ライセンス不要、ライセンス1等相当、ライセンス2等相当のそれぞれの場合に対する当メディアの見解は、次のとおりです。
【ライセンス不要なら……】
→現行の認定資格と将来的なライセンスとの関連は気にする必要なし。
正しく安全にドローンを飛ばすために、あなたのタイミングで受講するのがおすすめです。
【2等相当なら……】
→今すぐスクールへ行きましょう!特にビジネス活用を考えているなら、
様子見は機会損失となってしまいます。
【1等相当なら……】
→ひとまずステイ。1等ライセンスで可能となる種類の飛行形態について学べるスクールは
まだありませんので、ライセンス制度がスタートし次第通いましょう。
これらの見解の詳細は、下記の記事にてご覧いただけますので、ぜひご参考になさってください!
【最新】2022年のドローンライセンス制度(国家資格免許)を徹底解説!
《受講料の相場は10〜30万円程度》 ドローンスクールのおそらく唯一のデメリットといえるのが、受講料がかかるという点です。 受講料の相場は、修了後に認定資格が発行される一般的な講習(2〜3日間のコースが主流)の場合、概ね10〜30万円。確かに安い金額ではありません。 しかし、受講費には、講師による平均で丸2〜3日間の講習の費用、練習機のレンタル費用や保険料、テキスト代、受験料、認定資格の証明書の申請費用、合宿スタイルであれば宿泊費なども含まれてきます。(スクールにより受講費に何が含まれるかは異なりますので、確認が必要です) そうしたことを考えると、ある程度の金額となるのは仕方がないといえるでしょう。 なお、管理団体が同じであればカリキュラムもほぼ同じであり、受講料もだいたい横並びとなりスクールごとの差はわずかであることが一般的です。 ドローンスクールの費用については、こちらの記事で詳しく解説しています。 |
通うなら国土交通省認定スクールがおすすめ
ドローンスクールには、「認定スクール」とそれ以外のスクールとがあります。
認定スクールでなければ意味がないわけではありませんが、おすすめはやはり認定スクールです。
認定スクールは国土交通大臣の登録を受けているスクール
認定スクールとは、国土交通大臣の登録を受けているスクールを指します。
施設や設備が要件を満たしているドローンスクールは、国土交通大臣に申請することにより「登録講習機関」としての登録を受けることができるのです。
認定スクールの一覧が航空局のウェブサイトに掲載されていますので、気になっているスクールが認定スクールであるかどうかを確認してみましょう。
参照:「航空局ホームページに掲載されている無人航空機の操縦者に対する講習等を実施する団体」
飛行申請時にメリットがあるのは認定スクールだけ
なぜ当メディアが認定スクールをおすすめするかといえば、申請時に効力を発揮する認定資格を取得できるのは認定スクールで受講した場合に限られるから。
そう、どこのドローンスクールでも修了生に対し認定資格が付与されるわけではないんです!
同じ受講するなら認定資格を得られないより得られるほうがいいですよね。
心配しないで!ドローンスクールの大半は認定スクール
認定スクールでないと認定資格を得られないなら、非認定スクールを選ばないよう気をつけなくては……!と思ったあなたに朗報です。
過度に神経質になる必要は実はあまりありません。
というのも、ドローンスクールの大半が認定スクールであるのが実情だからです。
少なくとも、ネット上で講習の様子やカリキュラムを紹介しているようなドローンスクールの場合、認定スクールでないところを見つけるほうが難しい状況です。
もちろん万が一というケースはあり得ますが、最後に念のためにチェックしておく程度の気をつけ方で十分でしょう。
ドローンスクールの選び方
どこのスクールに通うかを決める際には、前章でご説明したような認定スクールであるか否かということ以外にも次に挙げるようなポイントがあります。
- 管理団体の規模
スクールの属する管理団体の規模はカリキュラムの質に影響します。 - 追加飛行形態の対応状況
申請が必要な飛行形態を想定しているなら、希望する飛行形態の技術認証に対応しているか要確認。 - 講師の経歴
特にビジネス用途なら、現場経験のある講師が望ましいでしょう。 - 卒業生数
どの程度の人数を教えてきたかの実績は、一定の判断基準となります。 - 実技訓練の充実度
操縦技術の上達は、結局のところ練習時間に比例します。
特定コースを受講する場合には、上記のポイントに加えて次のようなポイントも考慮しましょう。
- 対象用途に強みを持っているか
実際に自社で同用途でのドローン活用を行っている企業の運営するスクールなら理想的! - 卒業後のサポート
ビジネス用途の場合、充実したサポート体制は特に大きな価値を持ちます。
ドローンスクールの選び方についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、どうぞご参考になさってください。
判断基準はこれ!専門家に聞くドローンスクールの選び方2パターン
まとめ
ドローンについて学ぶ場所であるドローンスクールで身につけられるのは、ドローンの「必要関連知識」と「操縦スキル」です。
ドローンを飛ばすのに資格や免許は不要で、スクールでの受講は義務ではありませんが、それでもスクールに通うことが一般的である理由には次のようなメリットや必要性が挙げられます。
- 認定資格が取得できる
- 安心安全なドローン運用ができるようになる
- 卒業後にもスクールから各種サポートを受けられる
特に認定資格の取得は、特定の飛行形態に必要な航空局への申請の際の審査の省略・簡略化や、ドローンを使ったビジネスを展開する場合の信用性といった具体的な効果につながりますので、大きなメリットといえるでしょう。
ただし、ドローンスクールには国土交通大臣の登録を受けている認定スクールとそうでないところとがある点に注意しましょう。
ほとんどのスクールは認定スクールですが、もしも認定スクールではない場合には講習を修了しても認定資格は得られません。
近い将来に創設が見込まれるライセンス制度を見据えた考え方や、ドローンスクールの選び方については、当メディア内の別の記事にて詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
【最新】2022年のドローンライセンス制度(国家資格免許)を徹底解説!
ドローンを正しく安全に、安心して飛ばしたいと願う方にとり、この記事がドローンスクールでの受講を検討するきっかけとしてお役に立てば幸いです。