判断基準はこれ!ドローンスクールの選び方を目的・用途別に紹介

この記事に目を留めてくださったあなたはきっと、ドローンスクールでの受講を検討しているはず。

ですが、いざドローンスクールを探し始めてみて、「こんなにたくさんのスクールの中からどうやって選べばいいの!?」と戸惑ってしまう人も少なくないのではないでしょうか?

そんな迷えるドローン講習受講希望者の皆さんにお伝えしたいのが、「最適なドローンスクール選びには明確な基準が欠かせない」ということです。

全国にあるドローンスクールの数は、国土交通省航空局ホームページに掲載されている認定スクールだけでも1,179校(2021年11月時点)。

判断基準をしっかりと持っていなければ、これほど多くの選択肢の中から満足の行くドローンスクールを選ぶことは難しいでしょう。

そこで今回は、「ここにしてよかった!」と思えるようなドローンスクールの選び方について解説。選ぶ際の基準をご紹介します。

ドローン飛行の目的・用途別に説明することで、全般的な知識や技術を学びたいケースだけでなく、特定ビジネスでのドローン活用を検討しているケースまでカバーしているほか、気になる料金についての考え方にも触れています。

見るべき点を重要なものから順番にご紹介しているので、どんなポイントをどんな順序でチェックしていけばよいのかが明確になり、読んですぐに実際のドローンスクール選びに活かせますよ!

何を目安にしてドローンスクールを選べばよいかわからず迷っているなら、ぜひこの記事をお役立てください。

ドローンスクールの選び方は「目的・用途」で変わる!

ドローンスクール選びの基準は、目的と用途によって変わってきます。

なぜなら、得るべき知識や操縦スキルの種類が異なるからです。

次章以降で、目的と用途に応じたドローンスクールの選び方をご紹介しています。

得るべきドローンスクールの知識一覧

  • ドローンに関して全般的に学びたい、趣味でドローンを飛ばしたい場合は、基本的・汎用的な知識や技術を身につけられる「一般型スクール」
  • ビジネスでのドローン導入を検討していて、当該用途に特化した講習が見つかる場合は、同用途に特に求められる知識・スキルを学べる「特化型スクール」
  • ビジネスでのドローン導入を検討しているが、当該用途に特化した講習が見つからない場合は、「一般型スクール」

ただし、特定用途に特化した講習は、ドローンに関する基本的な知識や操縦スキルを習得していることが前提となっている場合が多いです。

そのため、特化コース受講者は、基本的な内容を扱う初心者向けコースをあらかじめ受講しておくのが一般的ですので、まずは一般型スクールの判断基準をご紹介する次章からお読みいただくことをおすすめします。

【一般型スクール】ドローンの知識・ルール・操縦方法全般を学ぶ

「ドローンを買いたいけれど、まずは一度試してみてからにしようと考えたから」
「ドローンの事故やトラブルは結構あると聞き、趣味目的とはいえきちんと習っておく必要があると思った」

そんな風に考えているあなたが選ぶべきは、一般型スクールです。

ドローンに関する一般的な知識、ルール全般、そして基本的な操縦技術を学べるのが一般型スクール

広く活用できる汎用的な知識・スキルを学べますので、ビジネスでドローンを活用したいケースなどであっても、対象用途に特化したコースを設けているスクールが見つからない場合は、一般型スクールで基礎を学んでおくことになります。

(マイナーな分野やこれから成長することが見込まれる分野であると、特化コースがまだ設けられていないことが多いでしょう)

つまり、ローンが急速に普及してきているような特定分野のビジネス用途でない限り、一般型スクールを選ぶのが定石です。

ドローンスクール選びでは、以下のような点を判断基準として絞り込んでいきましょう。

最優先で確認!「管理団体の規模」

講習団体であるドローンスクールの多くが、スクールを指導・監督する立場にある管理団体に属していますので、所属する管理団体の規模の大小を考慮しましょう

なぜなら、講習を行うのは各スクールですが技能認証証明書を発行するのは管理団体であるため、講習のカリキュラムは管理団体により定められており、管理団体の規模が大きいとカリキュラムの質も高い傾向があるからです。

技能認証のために習得が必要な項目は決まっているため、最低限必要な学習内容はどの管理団体が作成するカリキュラムにも含まれています。したがって、違ってくるのはプラスアルファの部分。

最低限の項目に加えて学べる内容が、大手ほど充実している場合が多いのです。

もちろん必ずしも大手がベストというわけではありませんが、ある程度の規模の管理団体に属するスクールだとやはり安心感があるといえるでしょう。

規模が大きめの管理団体としては、下表のようなところが挙げられます。

管理団体の規模一覧

なお、前述のように、カリキュラムを定めるのは管理団体なので、管理団体が同じならどこのスクールでも大枠のカリキュラムは同じ。時間をかけて1校1校細かく確認する必要はほぼありません。

必要であれば追加飛行形態への対応状況もチェック

夜間飛行や目視外飛行(ドローンを目視できない状態での飛行)、物件投下(ドローンから物を落とす)といった特殊な環境・条件でのドローン飛行には、国交省への申請が必要となります。

こうした飛行形態の技能認証も併せて得ておけば申請手続きを簡略化できますので、特定の飛行形態を伴う用途である場合には、「必要とされる追加飛行形態の技能認証に対応していないスクール」を選ばないようにしましょう。

たとえばJUIDAでは「物件投下」を除いた8形態の技能認証に対応していますが、DJI JAPANでは全9形態の技能認証に対応しています。

もしもこの2つの管理団体を比較する場合で、物件投下を想定しているのであれば、同技能認証を得られるDJI JAPANがより適当といえるでしょう。

各管理団体の対応状況は下表のとおりです。

各管理団体の対応状況一覧(※ただし、各スクールの対応状況は所属管理団体のそれと必ずしも一致するとは限らないため、スクールごとに確認するようにしましょう)

参考:
航空局ホームページに掲載されている講習団体を管理する団体
航空局ホームページに掲載されている無人航空機の操縦者に対する講習等を実施する団体

次に注目したい「講師の経歴」

実際に教えてくれる講師のドローン飛行経験はとても重要ですので、講師の経歴もぜひ確認しましょう

講師には、スクール講師となるためにドローン操縦を勉強した人と、もともとドローンを操縦していたことの延長線上で講師となっている人とがいますが、ドローン飛行の現場で求められるスキルにより精通しているのは後者だからです。

講師業をゴールに据えてドローンを勉強してきた講師に問題があるというわけではありませんし、教え方の上手下手もありますので一概にはいえませんが、経験値という点では「現場上がりの講師」がやはり有利

たとえば空撮ビジネス経験のある講師なら、印象的な写真を撮るコツを実体験に基づいて教えてくれるでしょう。

なお、パンフレットに載っている講師がどのコースを担当するのかはわからない場合が多いため、スクールに問い合わせてみるのがおすすめです。

品質バロメーターとしての「卒業生数などの実績」

スクールの実績も確認しておくとよいでしょう

なぜなら、実績はドローンスクールとしてのクオリティをある程度反映していると考えられるからです。

具体的には、輩出している卒業生数、スクールとしての運営歴などが挙げられます。

数ヶ月前にオープンしたばかりで卒業生もまだ数名というスクールの場合、わかりやすくて効率的で、講習生の期待に応えられるような講習メソッドを模索中である可能性が高いと考えられますよね。

逆に、開校してからそれなりの年数が経過していて卒業生数も多いスクールであれば、一定以上のレベルの講習を期待できそうです。

それ以外にも、一般に、要求水準が高い大手企業からの受講生を受け入れていれば、スクール自体も講習内容も厳しい条件を満たしていると考えられますので、より安心感が高いでしょう。

スクール間の比較をするなら「実技訓練の充実度」

前述のとおり、管理団体が同じであればスクールが違ってもカリキュラムはほとんど変わりませんが、講習スタイルや訓練環境などには多少の違いは見られます。

同じ管理団体に属する候補スクール同士を講習内容で比較するのであれば、飛行実技の充実度を比較しましょう

その理由は、実際の飛行時間を長く確保できるほど満足度は高まり、飛行技術も伸びやすいためです。

比較する際には、単純に「実技◯時間」という記載だけで判断するのではなく、生徒数にも注目を!

同じ「実技10時間」であっても、5人一組で行う場合と、1人の講師に対し2人の生徒という場合とでは、実際にドローンを飛行させる時間の長さは大きく違ってくるからです。

《座学は基本的に比較不要》

講習が「座学+実技」で構成されるとはいえ、座学の内容をスクール間で比較する必要は基本的にありません。

というのも、少なくとも管理団体が同じであれば、座学で教わる「ドローンの基礎的な知識」にスクールごとの違いは見られないためです。

たとえばJUIDA指定のカリキュラム中の座学(操縦技能コースの場合)は下記のとおりとなっており、所属スクールはどこも概ねこの内容で講習を行っています。

① UAS概論(歴史・機種・原理、他)
② 法律・ルール
③ 自然科学(気象・電波)
④ 技術(構造・制御、他)
⑤ 運用(安全・禁止、他)

限られた時間の中で扱われる必要な知識は、自ずから一定の内容となるので、比較する意味はほとんどありません。

【特化型スクール】特定の用途に特化した知識・スキルを学ぶ

「ドローンを勉強してこいとの社長命令。自社ビジネスでドローンを使うことになったので」
「現場にドローンを導入して、ぜひとも生産性向上につなげたい」

自社ビジネスでのドローンの利活用を想定しており、かつ対象用途に特化した講習が行われている場合、そうした特化コースが選択肢となってきます。

特化コースが設けられていることの多い分野には、次のようなものがあります。

  • 農業
  • 空撮
  • 測量
  • 屋根点検
  • 外壁点検(赤外線)
  • プラント点検
  • ソーラーパネル点検

こういった特定用途に特化した知識やスキルを学びたいというケースでは、前章でご紹介したようなポイントに加え、以下のような点も加味してスクールを選ぶとよいでしょう。

1. 対象用途に強みを持っているか

特定の用途を想定している以上、その用途に強みを持っているスクールであることが最優先条件となってきます。

強みを持っているかどうかは、主に次の2つから判断できます。

一番大事な「対象ビジネスを自社で行っているか」で判断

そのドローンスクールが、対象用途でのドローン飛行をビジネスの現場で実務として行っているかで判断しましょう。

ドローンスクールは、スクール業を専門とするドローンスクールと、他にビジネスを行いつつスクールも運営しているドローンスクールの2種類に大きく分けられ、後者のほうがより現場に即した講習内容を望めるためです。

自社ビジネスで実際にドローンを使っていて、そこで得た知見を活かしてスクールを運営している例には、ドローンを使った外壁点検業者が教える赤外線点検特化講習、空撮会社が教えるビジネス空撮特化講習などが挙げられます。

そうしたドローンスクールであれば、現場経験豊富な講師に教えてもらえる可能性も高く、その分野・用途でのドローン運用のプロならではのノウハウや実践的な指導を期待できるでしょう。

現場運用しているスクールがなければ「管理団体の特徴」から判断

対象用途でのドローン飛行をビジネスの現場で実務として行っているスクールが見つからなければ、そのスクールの属する管理団体が対象用途(ビジネス)に近い立場にある団体かどうかで判断しましょう。

対象用途に通じている管理団体の所属しているスクールであれば、その用途に役立つ内容がカリキュラム中に少なからず含まれていると予想されるためです。

前述のとおり、各ドローンスクールは属する管理団体の提供するカリキュラムに基づいて講習を行い、そしてカリキュラムを提供する管理団体ごとの特徴はその属性を色濃く反映します。

したがって、特定分野の事業の振興を目的とした管理団体、特定の業種の企業を中心とした管理団体であれば、その分野・業種に手厚い内容のカリキュラムを使用している可能性が高いと考えられるのです。

たとえば、「一般社団法人農林水産航空協会」や「一般社団法人ドローン技術社会実装コンソーシアム(DSC)」は農薬散布用ドローンに強いといった特徴があります。

「一般社団法人日本ドローンコンソーシアム(JDC)」は測量や点検といった分野をカバーしています。

ただし、この判断基準は現場運用しているスクールがない場合の次善の基準ですので、最優先で考えたいのはあくまで「対象ビジネスを自社で行っているか」である点に注意してください。

2. 卒業後のサポートの有無

特にビジネス用途の場合、卒業後にもスクールのサポートを受けられることは大きな価値を持ってきますので、スクールのサポート体制を確認しておきましょう

どれほど充実したカリキュラムであったとしても、受講すれば即スムーズに運用できるとは限りません。

なぜなら、ドローンを飛ばすことになる環境、求められる判断、特に注意を払うべき点などは現場ごとに異なり、決して一様に対処できるものではないからです。

実際に運用してみるとアドバイスを必要とするような場面も出てくるでしょうし、極めて高い操縦技術が要求されるような現場もあるでしょう。

また、

「どの機種を購入するのが正解なのかわからない」
「ビジネスとして始動したものの受注できない」
「練習場所がなく、スキルの維持が困難」
「ドローンを活用したソリューションを提供していきたいが、どうすればいいのかわからない」

といった問題に直面し、せっかくドローン講習を受けてもビジネスになかなかつなげられない例も少なくありません。

卒業生が悩むことの多いこうした問題を解決してくれるのが、スクールから受けられる次のようなサポートです。

  • 機体選定を手伝ってもらう
  • 練習場所を使わせてもらう
  • 現場同行の上アドバイスをしてもらう
  • 難所でのドローン操縦を代わってもらう
  • 関連会社経由などで案件を紹介してもらう
  • コンサルタントとして事業立ち上げまで支援してもらう

また、スクール業以外の自社ビジネスでドローンを利用しているスクールの場合、補助者が必要な形態の飛行を行う際に、卒業生とスクールとが互いに補助者となるといったケースも見られます。

どういったアフターフォローを期待できるのかは、公式サイトや資料からはよくわからないことも多いです。直接電話をかけて問い合わせるなどしてみましょう。

3. スクールの所在地

前章で解説したように、ドローンをビジネスで活用する場合は特に、受講後にもスクールとのおつきあいは続くと考えておくのが無難。

近所である必要はありませんが、できればあまり遠くない場所にあるスクールがおすすめです。

練習場所の提供などの日常的なサポートや現場でのヘルプを受ける機会はさほどない場合にも、次のようなフォローアップが必要となってくる可能性を考慮しましょう。

  • 苦手克服や技能再確認のための実技再受講
  • さらに専門的なスキルを身につけドローン運用の幅を広げるオプション講習
  • ドローンの最新動向に関するセミナー

技術進歩がめざましく法改正も頻繁なドローンの世界では、すべてがハイペースで変容するため、知識やスキルのアップデートが欠かせません。

もちろん、自身で情報を追ったり練習したりもできないわけではありませんが、スクール側からこまめな情報提供を受け、スキルアップのための追加講習を受けられればやはり楽ですよね。

遠隔地のスクールを卒業した場合、地元の情報を得にくかったり、追加講習のたびに「合宿」が必要となったりといった問題が予想されるでしょう。

そうした面倒を避けるためには、やはり近場がおすすめです。

実はそれほどない「受講料を比較する必要性」

多くの場合、料金は間違いなく判断基準の一つ。ドローンスクール選びの際にも受講料が気になるところですが、実はそこまで細かく比較する必要はありません

というのも、管理団体が同じであれば、スクール間での受講料の違いはあまりないためです。

たとえばJUIDA傘下のスクールでは、基本的な知識や技術を学び、修了後に技能認証証明書の申請資格を得られる一般的なコースの受講料の相場は25〜30万円。大半のスクールがこの範囲内に収まります。

つまり、はじめの段階で管理団体を基準にスクールを選別していれば、受講料についてはそこまで考える必要がないといえます。

もちろん、スクールが違えばわずかな料金差はあるかもしれませんが、それをもって判断基準とするほどの差ではないはずですので、他のもっと重要なファクターをもとにスクール選びを進めるようにしましょう。

まとめ

ドローンスクールを選ぶ際の基準は、その目的や用途が次のうちのどれに当てはまるかによって違ってきます。

① 「とりあえずドローンを飛ばしてみたい」「趣味で飛ばしたい」などであり、厳密かつ具体的な目的・用途はまだない
② ビジネスでのドローン導入を検討していて、当該用途に特化した講習が見つかる
③ ビジネスでのドローン導入を検討しているが、当該用途に特化した講習が見つからない

【上記①または③のケース】

汎用的な知識や技術を身につけられるスクールを、次の項目を判断基準として選ぶ。

  • 管理団体の規模
  • 追加飛行形態の対応状況(必要な場合)
  • 講師の経歴
  • スクールの実績
  • 実技訓練の充実度

【上記②のケース】

対象用途に特化したコースを知識や技術を身につけられるスクールとして、前述の判断基準に加え下記の基準も考慮して選ぶ。

  • 対象用途に強みを持っているか
  • 卒業後のサポートの有無や内容
  • スクールの所在地

なお、気になる受講料ですが、管理団体が同じである場合、スクール間の受講料の差はごくわずかです。そのため、管理団体で候補スクールを絞り込んでいれば、判断を左右するような要素とはなりません。

ここでご紹介した判断基準をもとに絞り込んでいけば、まったく当ての外れたスクールを選んでしまうことはまずないはずです。

可能性に満ちたドローンライフの第一歩といえるスクール選び。本記事をご参考に、満足の行く結果を手にしてくださいね!