「国立公園でドローンを飛ばしたいけど、何か決まりがあるのかな?」とお考えではありませんか。
国立公園でドローンを飛ばすときは、事前に必ずその公園の管理事務所に電話をする必要があります。
なぜなら、国立公園についての決まりを述べている、自然公園法という法律や、国立公園集団施設地区管理規則という法律に抵触する場合があるからです。
この記事では、
- 国立公園でドローンを飛ばす際に事前連絡が必要な理由
- 前34箇所の国立公園の連絡先一覧
- 国立公園でドローンを使って綺麗な写真を撮るコツ
についてお伝えします。
お読みいただければ、国立公園でドローンを飛ばすために取るべき手順や、実際に綺麗な写真を撮るコツがわかります。
目次
国立公園でドローンを飛ばすためには、管理事務所に確認が必要
国立公園でドローンを飛ばすためには、それぞれの国立公園の管理事務所に連絡をして確認を取ることが必要です。
なぜなら、自然公園法や国立公園集団施設地区等管理規則に抵触する可能性があるからです。
例えば、自然公園法の第20条3項16号では、環境大臣が指定する地域に立ち入ってはならないとしています。
国立公園が、そうした地域に該当するケースがあります。
また、各国立公園の管理事務所は、国立公園のホームページで、国立公園でドローンを飛ばす際の注意喚起を挙げています。
筆者が環境省に電話で確認をしたところ、「事前連絡は必要です。」と言われました。
国立公園でドローンを飛ばすときには、前もって国立公園の管理事務所に連絡をして確認をとりましょう。
国立公園でドローンを飛ばす上で抵触する恐れのある法律
阿寒摩周国立公園や日光国立公園で注意点を挙げている際に、紹介された、抵触する恐れのある法律が次の2つです。
自然公園法
目的として、「我が国を代表する優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、国民の保健、休養及び教化に資するとともに、生物の多様性の確保に寄与することを目的とするもの。」(第一条)とあります。
https://www.env.go.jp/nature/np/law/newlow_all.htm(改正自然公園法全文)
特別地域(特別保護地区)や利用調整地区には立ち入ってはならないという規制
自然公園法という法律では、自然風景の保護を目的として環境大臣が指定する区域に立ち入ってはいけないという内容が定められています。(自然公園法20条3項16号・21条3項1号)(自然公園法23条3項本文)
そして、その区域は国立公園の一部に該当するケースもあります。
国立公園集団施設地区管理規則
国立公園でドローンを飛ばすときに、以下の内容が抵触する恐れがあります。
- 国立公園では、管理人の指示に従って行動する(3条)
- 国立公園での写真の撮影(4条3項)
「管理人の指示に従って行動する」というのは、それぞれの国立公園の約束事や事情を、管理人から聞いて、それに従う必要があるということです。
「写真の撮影」とは、国立公園内でドローンの撮影が出来ない場所があり、注意しなければいけないという意味です。
この様な場合に許可が必要ということが、法律で定められています。
また、同法律で、次のように禁止しています。
- 国立公園で、木竹を伐採したり植物を損傷してはいけない(6条2項)
- 国立公園の立入禁止区域内に立ち入ってはいけない(6条6項)
「木竹を伐採したり植物を損傷してはいけない」とは、ドローンを飛ばしていて、国立公園内で保護されている植物を損傷してはいけないことを述べています。
「立入禁止区域内に立ち入ってはいけない」というのは、国立公園内でドローンを飛ばそうとしている際に、立ち入ってはいけない場所があるという意味です。
国立公園が出しているドローンに関する注意喚起の例
いくつかの国立公園では、国立公園でドローンを飛ばす際の注意喚起を挙げています。
例えば、阿寒摩周国立公園では、誤操作による落下や、機械音のために、公園利用者とトラブルが起きたり、野生生物に影響を与える恐れがあるとして、次のような注意点を挙げています。
環境省_阿寒摩周国立公園_ニュース&トピックス_阿寒摩周国立公園内における小型無人機(ドローン等)の使用について (env.go.jp)
- 利用者が集中する場所、時間帯を避けること
- 野生生物への接近を控えること
- 回収可能な場所で利用すること
- 前もって土地所有者に連絡をすること
こうした点を注意した上で、自然公園法の規定により罰則の対象となったり、必要な措置が命じられる行為も挙げています。
- ドローンの落下や衝突により、故意に野生動植物に損傷を与えた場合
- 落下したドローンを回収しないで、放置した場合
国立公園の管理事務所34か所の連絡先
国立公園でドローンを飛ばすため、各国立公園の管理事務所に連絡をして確認を取る際に、以下の情報を役立ててください。(2021年8月16日時点)
国立公園 | 管理事務所 |
利尻礼文サロベツ国立公園 |
北海道地方環境事務所 TEL:011-299-1950 |
知床国立公園 |
釧路自然環境事務所 TEL:0154-32-7500 |
阿寒摩周国立公園 |
釧路自然環境事務所 TEL:0154-32-7500 |
釧路湿原国立公園 |
釧路自然環境事務所 TEL:0154-32-7500 |
大雪山国立公園 |
北海道地方環境事務所 TEL:011-299-1950 |
支笏洞爺国立公園 |
北海道地方環境事務所 TEL:011-299-1950 |
十和田八幡平国立公園 |
東北地方環境事務所 TEL:022-722-2870 |
三陸復興国立公園 |
東北地方環境事務所 〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町3-2-23 仙台第二合同庁舎6F TEL:022-722-2870 |
磐梯朝日国立公園 |
東北地方環境事務所 TEL:022-722-2870 |
日光国立公園 |
関東地方環境事務所 TEL:048-600-0516 |
尾瀬国立公園 |
関東地方環境事務所 TEL:048-600-0516 |
上信越高原国立公園 |
信越自然環境事務所 TEL:026-231-6570 |
秩父多摩甲斐国立公園 |
関東地方環境事務所 TEL:048-600-0516 |
小笠原国立公園 |
関東地方環境事務所 TEL:048-600-0516 |
富士箱根伊豆国立公園 |
関東地方環境事務所 TEL:048-600-0516 |
中部山岳国立公園 |
信越自然環境事務所 TEL:026-231-6570 |
妙高戸隠連山国立公園 |
信越自然環境事務所 TEL:026-231-6570 |
白山国立公園 |
中部地方環境事務所 TEL:052-955-2135 |
南アルプス国立公園 |
関東地方環境事務所 TEL:048-600-0516 |
伊勢志摩国立公園 |
中部地方環境事務所 TEL:052-955-2135 |
吉野熊野国立公園 |
近畿地方環境事務所 TEL:06-6881-6500 |
山陰海岸国立公園 |
近畿地方環境事務所 TEL:06-6881-6500 |
瀬戸内海国立公園 |
近畿地方環境事務所 TEL:06-6881-6500 中国四国地方環境事務所 TEL:086-223-1577 九州地方環境事務所 TEL:096-322-2412 |
大山隠岐国立公園 |
中国四国地方環境事務所 TEL:086-223-1577 |
足摺宇和海国立公園 |
中国四国地方環境事務所 TEL:086-223-1577 |
西海国立公園 |
九州地方環境事務所 TEL:096-322-2412 |
雲仙天草国立公園 |
九州地方環境事務所 TEL:096-322-2412 |
阿蘇くじゅう国立公園 |
九州地方環境事務所 TEL:096-322-2412 |
霧島錦江湾国立公園 |
九州地方環境事務所 TEL:096-322-2412 |
屋久島国立公園 |
九州地方環境事務所 TEL:096-322-2412 |
奄美群島国立公園 |
沖縄奄美自然環境事務所 TEL:098-836-6400 |
やんばる国立公園 |
沖縄奄美自然環境事務所 TEL:098-836-6400 |
慶良間諸島国立公園 |
沖縄奄美自然環境事務所 TEL:098-836-6400 |
西表石垣国立公園 |
沖縄奄美自然環境事務所 TEL:098-836-6400 |
ドローンで空撮するときの綺麗な撮り方のコツとは
国立公園でドローンを飛ばして空撮をする際、綺麗な画像を取るためのコツ2つをご紹介します。
コツ1:撮影は日中
国立公園で日中、綺麗な映像を空撮したい場合は、お天気の良い日に撮影しましょう。
陽光によって画像がはっきりとし、撮影がしやすいからです。
お天気が良ければ、ドローンの性能が例えそれほど高くなくても綺麗に撮影することができます。
国立公園で日中、綺麗な映像を撮るためには、お天気を利用すると良いでしょう。
コツ2: 夜間撮影の場合は対応した機能を持つカメラ搭載のドローンで
国立公園で夜間に綺麗な映像を空撮したい場合は、夜景撮影に対応した機能を携えたカメラを搭載したドローンにすることをおすすめします。
夜間は陽光がないため、夜間撮影に対応した機能が必要なのです。
このごろは、夜間撮影に対応する機能を持つカメラを持つドローンが多数あります。
国立公園で夜間、綺麗な映像を撮るためには、対応した機能を携えたカメラ搭載のドローンにするとよいでしょう。
まとめ
こうして、国立公園でドローンを飛ばすためにはどうすればよいのかを見てきました。
国立公園でドローンを飛ばすためには、管理事務所に確認が必要です。
その理由には2つありました。
- 自然公園法や国立公園集団施設地区管理規則に抵触する場合があるから
- 各国立公園の管理事務所が注意喚起を挙げているから
国立公園でドローンを飛ばす際には、各管理事務所に事前連絡をして、安全を確認してから撮影するようにしましょう。