「ドローンでFPVってよく耳にするけど具体的にはどんなこと?」
「FPVドローンって、他のドローンと何が違うの?」
FPVドローンとは、操縦者がリアルタイムで「ドローンの視点」を体験できるドローンのことです。
FPVは、『First Person View(ファースト・パーソン・ビュー)』の略。
日本語でいうと『一人称視点』=『ドローンの視点』という意味になります。
FPVドローンでは専用のゴーグルを装着し、まるでドローンに乗っているような感覚で、景色をリアルに感じながらドローンを操作することができます。
この記事では、FPV対応ドローンの基礎知識として、他のドローンとの違いや活用方法を詳しく解説します。
また、FPVドローンの選び方のポイントを下記のような具体例をあげて、わかりやすく説明します。
空撮に使用したい |
「カメラの解像度が高いもの」を選ぶ |
---|---|
趣味として体験したい |
「初期費用の少ないもの」を選ぶ |
レースや競技に使用したい |
「最高速度が高いもの」を選ぶ |
室内飛行や狭い空間で使用したい |
「小型で軽量のドローン」を選ぶ |
長時間飛行させたい |
「バッテリー容量が大きいもの」を選ぶ |
おすすめの商品も紹介しますので、それらを参考にすれば、自分の用途に合ったFPVドローンが選べるようになります。
ただ注意して欲しいのは、FPVドローンを日本国内で操作する際には、「第4級アマチュア無線技士(アマチュア無線4級)」の免許取得と、無線局の開局が必須であることです。
記事では、こうした「FPVドローンを始めるのに必要なこと」にも言及しますので、よく読んで頭に入れておきましょう。
この記事を読めばこんなことがわかります! |
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この記事を読めば、ドローンについての知識が深まり、あなたと相性の良いFPVドローンが選べるようになります。
FPVドローンと他のドローンの違いがハッキリしない人、興味はあるが、何をどう始めればいいかわからないという人は、ぜひ最後まで目を通して貰えたらと思います。
目次
FPV対応ドローンとは
まず1章では、FPV対応ドローン(以下、FPVドローンと表記)について、次の順に解説します。
- FPVドローンとは
- 他のドローンとの違い
- FPVドローンの活用方法
ドローンから見た視点で、リアルに操縦を体験できるドローンについて、しっかり理解していきましょう。
FPVドローンとは
FPVドローンとは、操縦者がリアルタイムでドローンの視点を体験できるドローンのことです。
操縦者は、専用のゴーグルを使って、飛行しているドローンの映像をリアルに見ることができます。
FPVドローンには小型のカメラが搭載されており、その映像が無線で送信される仕組みです。
操縦者は頭にゴーグルを装着し、機体から送信された映像を見ながら操作します。
まるで自分がドローンに乗っているような感覚で、飛行中の景色や障害物を確認しながら、ドローンを制御することができます。
CHECK!
【モニターを使用することもある】
一般にFPVドローンはゴーグルを装着して操作しますが、ゴーグルのかわりにモニターを使用することも可能です。
操縦者の中には、モニターをゴーグルと併用したり、モニターのみを使用する人もいます。
ただ一般的にはゴーグルを使用しますので、この記事では、ゴーグルを装着してのFPVドローン操縦を前提に解説をしていきます。
他のドローンとの違い
FPVドローンと一般のドローンとの違いは、視点と操作方法です。
一般のドローンの操縦者は、直接目視で機体を確認しながら操作を行います。
送信機(プロポ)に接続されたモニターで調整は行うものの、基本的には機体を見ての操縦です。
一方、FPVドローンの操縦者は、ゴーグルを装着し、ドローンの視点でリアルに景色や障害物を認識しながら操作をします。
機体から送信された映像のみの視聴で、直接機体を見ないので、ドローンに乗っているような感覚が得られますが、その分、操縦には技術が必要になります。
「FPVドローン」を「他のドローン」と比べたときのメリットとデメリットを、下記にまとめましたのでご覧ください。
【メリット】 |
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没入感が得られる |
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空撮映像をリアルに体験できる |
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【デメリット】 |
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距離や位置が判断しづらい |
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周囲の状況に気づけない |
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操縦技術が必要 |
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ドローンに乗っているような感覚が体験できるFPVドローンですが、操作には注意点があることも把握しておきましょう。
FPVドローンの活用方法
FPVドローンは、一般的なドローンと同様に空撮や映像制作、測量や点検などさまざまなシーンで活用されています。
ここでは、FPVの特徴を活かした主な活用方法を3つご紹介します。
- レースや競技
- 映像撮影
- イベントでの飛行体験
それぞれ見ていきましょう。
レースや競技
FPVドローンは、一般のドローンより高速でアクロバティックな飛行が可能です。
この特徴から、ドローンレースや競技などで活用されています。
FPVドローンの多くは小型で軽量です。モーターやプロペラの出力を効率的に利用し、迅速な加速や高速飛行が叶います。
また、小型であることから空気抵抗も少なく、高速飛行時の安定性が向上します。
操縦者はドローンの視点からレースコースを駆け抜けるスリルを体験、観客もリアルタイムの迫力ある競技を楽しむことができることから、レースや競技でFPVドローンは人気があります。
参照動画:国内最大級のドローンレース大会『SUPER DRONE CHAMPIONSHIP 2021』|テレビ東京スポーツ
映像撮影
FPVドローンではドローン視点であることから、一般的なドローンより没入感のある映像を提供できます。
このことから、風景や建物などの上空からの撮影だけでなく、追跡撮影やアクションシーンの撮影にも適しています。
たとえば、スポーツイベントや自然の中でのアウトドアの活動を追いかけることで、臨場感のある映像を制作することができます。
参照動画:Insta360 ONE R 見えないドローン | シネマティックFPV動画
イベントでの飛行体験
FPVドローンのリアルな視点は、非常に没入感があります。
この特性から、イベントやセミナーなどで、来場者にFPVドローンによるフリースタイルの飛行体験が提供されています。
一般の人も、空や森林、山岳地帯、高い建造物など、決して手の届かない場所をドローンの中にいるような感覚で探索できます。
ゴーグルからのリアルな映像を通して、FPVドローンのスリルや楽しさを体験することができるのです。
参照動画:UDL浦安ドローンラボラトリー紹介動画
これらは活用方法の一部の例であり、FPVドローンの可能性はまだまだ広がっています。
これからFPVドローンを試される方は、自身の興味や目的に合ったさまざまな活用方法を探っていくことをおすすめします。
FPVドローンを始めるのに必要な4つのこと
FPVドローンについて、特徴や魅力を把握していただけたかと思います。
次に2章では、FPVドローンを始めるのに必要な4つのことをお伝えしていきます。
- 「第4級アマチュア無線技士」の免許取得
- 「目視外飛行」の承認手続
- 必要な機材を揃える
- 操縦練習をする
順に解説しましょう。
「第4級アマチュア無線技士」の免許取得
FPVドローンの操縦には、「第4級アマチュア無線技士」の免許取得が必要です。
FPVドローンでは、映像転送に遅延の少ない『5.8Ghz帯』の電波を使っています。
日本では5.8Ghz帯の電波は、無線免許を所持し開局しなければ利用することはできません。
そのため、FPVドローンを個人が日本国内で操作する際には、「第4級アマチュア無線技士(アマチュア無線4級)」の免許の取得と、「無線局開局」の申請が求められています。
「第4級アマチュア無線技士」の免許は、日本無線協会が実施する国家試験である「第4級アマチュア無線技士」を受験することで取得できます。
試験内容の詳細などは公式ホームページにて公開されているので、取得を検討している人は確認してください。
公益財団法人「日本無線協会」
CHECK!
【無線局開局も必須!】
アマチュア無線4級の免許を取得したら、無線局免許状の申請をしてください。
一般財団法人日本アマチュア無線振興協会宛に必要書類を提出することで、無線局開局が認められます。
また、産業用途で『5.7GHz帯』のドローンを操縦する場合には、「第3級陸上特殊無線技士」の免許が必要です。
これらを取得せずにドローンを操縦すると法律違反になります。くれぐれも注意してください。
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「目視外飛行」の承認手続
FPVドローンの飛行には、「目視外飛行」の承認申請が必要です。
令和4年6月20日から、重量100g以上の機体が「無人航空機」の扱いに変わり、飛行許可承認申請手続きを含む、航空法の規制対象になりました。
これによりFPVドローンの飛行には、国が定める航空法や地方自治体の条例などの法的な規制が適応されています。
具体的には、ゴーグルを装着したFPVドローンの飛行が、航空法における「承認が必要となる飛行の方法」の中の「目視外飛行」に該当します。
無人航空機のルールに従って、飛行の都度(※)、目視外飛行の承認申請を行ってください(国土交通省|無人航空機の飛行許可・承認手続)。
承認を受けずにドローンを飛ばしてしまうと、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金になる可能性があります。
参考:
国土交通省|飛行ルール(航空法第11章)の対象となる機体
国土交通省|無人航空機の目視外飛行に関する要件
CHECK!
【目視外飛行の承認申請は飛行のたびに必要】
無人航空機の飛行ルールでは、目視外飛行の承認申請は飛行のたびに必要です。包括申請をすれば、その都度申請を行わなくて良いのですが、包括申請が認められるのは業務目的の飛行についてのみです。
ただし、操縦者が国家資格を取得しており「機体認証」された機体で飛ばす場合、申請は不要となります。
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必要な機材を揃える
FPVドローンの使用には、次のような機材が必要です。
- FPVドローン本体
- 送信機(プロポ)
- FPV用ゴーグル
- バッテリー
基本は各々単体ですが、「本体+送信機+ゴーグル」や「本体+バッテリー予備」というようにセット販売されていることも少なくありません。
ここでは、それぞれどんな物なのかを、単体での費用相場も含めて解説します。
(※)あくまでも相場であり、範囲に収まらない価格帯の商品もあります。
FPVドローン本体
まず必要なのが、FPVドローン本体です。
ドローン本体の入手方法には、3つの方法があります。
- 既製品を購入する
- キットを購入して製作する
- 自分で部品を選んで購入し製作する
FPVドローン初心者には、完成した既製品の購入をおすすめします。
ただ、ドローンの仕組みについて理解しながら自分で製作してみたいという場合、キットであれば部品や説明書も揃っているので、初心者でも製作できます。
ドローンにある程度見識があり、自分好みのオリジナリティのある機体を手に入れたいという方は、自作に挑戦しましょう。
一概にはいえませんが、費用面においては、どの方法でも大きな違いはありません。
(こだわった部品を取り寄せたりした場合は高額になる可能性があります。)
「FPVドローン本体」の費用相場(既製品/キット) |
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約10,000円〜110,000円 |
CHECK!
【自分だけのドローンにこだわりたいなら自作がおすすめ!】
FPVドローンでは、自作も大変人気があります。
自作することで、独自のカスタマイズが可能になり、自分だけのこだわりのドローンを作ることができるからです。
たとえば、個別の部品を選んで組み立てることで、パフォーマンスや機能にこだわることができます。
より高性能なモーターやプロペラを選ぶことで、迅速でアグレッシブなフライトが可能になる場合もあるでしょう。
また自作では、FPVシステムやカメラも好みに合わせて選択できます。
オリジナリティのある自分だけのドローンを手に入れたい人は、好みやニーズに合わせて、自作のドローンに挑戦してみるのも一案です。
成功すれば、手作りの満足感を味わいながら、より充実したFPV体験が叶うでしょう。
送信機(プロポ)
送信機(プロポ)は、FPVドローンを操縦するための無線記号を送信するデバイスです。
スティックやスイッチなどのコントロール機能を備えていて、操縦者はこれを使って、ドローン操作を行います。
送信機も様々な種類があるので、あなたの使用するFPVドローンに対応した送信機を選びましょう。
「送信機(プロポ)」の費用相場 |
---|
約10,000円〜60,000円 |
CHECK!
【技適マークが重要】
送信機(プラポ)を選ぶ際、留意して欲しいのが「技適マーク」の有無です。
日本国内で電波を発する無線機は電波法で定められている技術基準に適合している必要があります。
そのため、総務省による審査に合格した証に、技適マークが表示されています。
上の画像に記載されているのが技適マークです。
海外製の製品で、稀に技適マークのない送信機が販売されていることがあります。
技適マークのついていない送信機を使うと、電波法違反になる場合がありますので、かならず表示の有無をチェックするようにしてください。
(※)技適マーク:電波法令で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するマーク
FPV用ゴーグル
ゴーグルは、操縦者がドローンのカメラからのリアルタイムの映像を視聴するためのデバイスです。
FPVゴーグルは一般的にビデオ受信機を内蔵しており、ドローンから送信される映像を表示します。
操縦者はゴーグルを装着し、ドローンの視点で飛行する感覚を体験します。
「FPVゴーグル」の費用相場 |
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約10,000円〜100,000円 |
バッテリー
バッテリーは、ドローンの動力源です。
FPVドローンは、高速で機敏な動作を行うため、十分な電力を持つバッテリーが必要です。
バッテリーの寿命やパフォーマンスは、FPVドローンの飛行時間やパワーにも影響します。
バッテリー容量(mAh)、電圧(V)、放電率(Cレート)などを確認して、適切な仕様のバッテリーを選びましょう。
「バッテリー」の費用相場 |
---|
約5,000円〜20,000円 |
CHECK!
【バッテリーは複数準備が必要】
バッテリーはすぐ消費してしまうため、飛行の前に予備を準備しておいた方が良いでしょう。
FPVドローンのバッテリー容量には限りがあり、種類にもよりますが、1万円程度の価格帯のもので、長くても10分程度です。
また充電時間は、短くとも30分〜40分かかります。
このため、ドローンでの作業や楽しみを少しでも長く続けるためには、バッテリーを常に複数準備しておかなくてはいけないことを覚えておきましょう。
機材は、ドローン専門店などで取り扱いがあるほか、インターネット上の専門ショップや、メーカーの公式サイトから購入することができます。
操縦練習をする
FPVドローンの操縦には、実際の機体を見ないで適切な操作を行う技術が必要です。
他のドローンの経験者であっても感覚が違うため、本格的な操縦を開始する前に、下記のような操作練習を行いましょう。
- FPVドローンのシミュレーターを利用する
- 屋内でのフライト練習
順に解説します。
FPVドローンのシミュレーターを利用する
ドローンシミュレーターとは、ドローンでの飛行を再現するソフトウェアのことです。
実機なしで、操作練習を繰り返し行えます。
また、天候や風速、建造物や障害物などを設定して、さまざまな飛行環境を体験できます。
離着陸の練習から、悪天候下の操作、狭いビルの谷間をすり抜けたり、高速でゲートをくぐり抜けたりと、実際に起こり得る難しい操縦を体験して飛行能力を高められます。
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屋内でのフライト練習
広い部屋など屋内、あるいは家のガレージ等で、次のような基本的な操縦の練習を行いましょう。
- ホバリング(空中での静止)
- 安定した飛行
- 方向転換
- 高度制御
慣れるまではゆっくりとした動作から始め、徐々に難易度を上げていくと良いでしょう。
FPVドローンの最大の魅力は、リアルタイムの映像をゴーグルで見られることですが、初めての経験では、ドローンの視点や映像の迫力に戸惑うことがあるかもしれません。
ゴーグルの扱いやドローン視点にも慣れておくことが重要です。
CHECK!
【屋外での練習はルールを守って行いましょう】
家にドローンを飛ばすスペースがないという場合は、公園や空き地などで周囲に人のいない場所を探して練習を行ってください。
ただ練習であっても、屋外で飛行させる場合には、国が定める航空法のルールを遵守するようにしてください。
【具体例有り】FPVドローンの選び方のポイントは『用途』
FPVドローンと一口にいっても、いざ手にしようとすると種類が数多くあり、特徴も価格も各々違うため、迷ってしまう方が多いかと思います。
そんなときの指標になるのが、『あなたの用途』です。
数多いドローンの中から、あなたに合ったFPVドローンを選ぶポイントは、用途に応じて選ぶことです。
具体的な例は下記をご覧ください。
用途 |
選び方 |
---|---|
空撮に使用したい |
「カメラの解像度が高いもの」を選ぶ |
趣味として体験したい |
「初期費用の少ないもの」を選ぶ |
レースや競技に使用したい |
「最高速度が高いもの」を選ぶ |
室内飛行や狭い空間で使用したい |
「小型で軽量のドローン」を選ぶ |
長時間飛行させたい |
「バッテリー容量が大きいもの」を選ぶ |
それぞれ解説しましょう。
あなたがドローンを使用する用途(目的)を考えながら、みていってください。
空撮に使用したいなら「カメラの解像度が高いもの」を選ぶ
FPVドローンの用途が空撮なら、何よりドローンに搭載されているカメラの解像度が高いものを選びましょう。
最新のドローンでは、HD画質から4K解像度まで選ぶことができます。
高解像度カメラによって、より詳細でクリアな映像を撮影できます。
また、安定性も重要で、本格的な空撮を楽しみたい場合は、ブレや揺れを抑える「ジンバル」の性能が重要です。
映像を安定化するジンバル機能搭載のドローンは、風や振動による揺れを最小限に抑え、滑らかで美しい映像を得ることができます。
趣味として体験したいなら「初期費用の少ないもの」を選ぶ
FPV機能をまずは趣味として体験してみたいという場合は、初期費用の少ないドローンがおすすめです。
比較的安価なものに、スマートフォンやタブレットに対応したドローンや、液晶モニターが付いているプロポ(送信機)を使用するFPVドローン(約10,000円〜20,000円程度)があります。
ゴーグルやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を購入する必要がないため、手軽に始めることができます。
本格的なFPVドローンとはいえませんが、リアルタイムで風景が見れるなど、初めてのFPV体験としては十分に楽しめます。
レースや競技に使用したいなら「最高速度が高いもの」を選ぶ
レースや競技目的で使用する場合は、高速性能が重要です。
最高速度が高いレース用ドローンを選ぶことで、迅速かつ機敏な操縦が可能になります。
また、加速性能や機体の機動性も考慮しましょう。
さらに、競技でのクラッシュや衝突に備えて、丈夫なフレームと交換可能な部品があるドローンを選ぶことをおすすめします。
レースや競技用のFPVドローンは…
- 高速・加速性能
- 機体の機動性
- 耐久性
に留意して選びましょう。
室内飛行や狭い空間で使用するなら「小型で軽量のドローン」を選ぶ
用途ではありませんが、室内での飛行や狭い空間での使用を考えるなら、小型で軽量のドローンを選びましょう。
小型で軽量なドローンは、狭い空間での機動性に優れています。
一般に、重量が軽いほど機動性が高まるため、壁や家具など障害物との接触を避け、敏感な操作が可能になります。
また、旅行や移動中に持ち運ぶという場合も、重量やコンパクトな形にこだわることをおすすめします。
小型や、折りたたみ可能なモデルは、持ち運びや収納が簡単で便利です。
長時間の飛行を求めるなら「バッテリー容量が大きいもの」を選ぶ
長時間の飛行を考える場合は、バッテリー容量が大きいドローンを選びましょう。
一般的に、バッテリー容量が大きいほど、長時間のドローン飛行が可能になります。
長時間の飛行が求められる状況として、下記のようなシーンが考えられます。
- 広範囲のエリアで航空写真や映像撮影をする
- ドローンで遠くの場所に荷物を届ける
- 長時間の観察や調査をする
一部の例ですが、こうした用途では、より長時間の飛行が必要となるでしょう。
ただ、バッテリー容量が大きいと機体の重量も増加することから、携帯性や機動性が低下する可能性があります。
長時間の飛行には大容量のバッテリー搭載のドローンがおすすめですが、重量や機動性なども考慮して、バランス良くニーズに対応するFPVドローンを見定めましょう。
CHECK!
【FPVドローンの飛行時間目安】
一般的なFPVドローンの飛行時間は、長くても10分ほどといわれてきましたが、昨今は機能開発がすすみ、15分〜20分ほど飛行できる機体が主流になってきました。
産業用の大型FPVドローンでは、30分〜40分とかなり長い時間の飛行が可能な機体もあります。
(※)飛行時間は目安であり、メーカーや機体によって異なります。
FPVドローンおすすめ3選
数多く販売されているFPVドローンの中から、最新のハイスペックモデル、手軽に楽しみたい人におすすめの軽量、低価格モデルなど特徴のある3選をご紹介します。
- 新次元の没入体験!「DJI FPV」
- 折りたためる!「 Mavic Air Fly More コンボ」
- 臨場感を手軽に体験!「Cetus Pro FPV」
3つとも自作キットではない既製品で、Amazonや楽天でレビュー評価の高い人気商品になります。
順に解説しますので、FPVドローンを選ぶ際の参考にしてくださいね。
新次元の没入体験!「DJI FPV」
出典:DJI公式サイト
世界のドローン販売の70%以上のシェアを誇るDJIが2021年3月に発売した、ハイスペックなFPVドローン「DJI FPV」。
低遅延のHD映像伝送、4K/60fps動画と超広角150°FOVにより、スリル満点の新次元の没入型飛行が体験できます。
高い機動性と制御機能を持ち、高速フライト時でも思い通りにコントロールが可能。
さらに、障害物検知や緊急ブレーキ機能を搭載しているため、初心者も安心してフライトが楽しめます。
【DJI FPV】
スペック等 |
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---|---|
機体サイズ/重量 |
255×312×127 mm(プロペラあり)/795g |
付属品 |
専用ゴーグル、専用送信機がセット |
飛行時間 |
20分(最大) |
価格 |
118,800円(税込) ※価格は変動するため、ご確認ください。 |
折りたためる!「 Mavic Air Fly More コンボ」
出典:Amazon
DJIの「Mavic Air Fly More コンボ」は、折りたたみが可能な軽量のFPVドローンです。
動画は4K画像の高画質で撮影できるほか、スローモーション動画にも対応、3軸ジンバルカメラの搭載で撮影時のブレを吸収して、なめらかで安定感に優れた撮影を実現しています。
水平方向、垂直方向で180度パノラマのパノラマ撮影が可能!
25枚の写真を8秒で合成し、32MPスフィアパノラマ(※)にも対応しているなど、本格的な空撮に活用したい方にもおすすめのモデルです。
(※)スフィアパノラマ:DJIのドローンにはスフィアパノラマという、ドローンで撮影した25枚の写真を合成して360度パノラマ画像を作る仕組みがある。
【 Mavic Air Fly More コンボ】
スペック等 |
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機体サイズ/重量 |
168×184×64 mm/約430g |
付属品 |
送信機、インテリジェントフライトバッテリー×3、充電器、電源ケーブル |
飛行時間 |
21分(最大) |
価格 |
Amazon:76,210円(税込) ※価格は変動するため、ご確認ください。 |
臨場感を手軽に体験!「BETAFPV Cetus Pro FPV」
出典:楽天市場
BETAFPVから販売されている「BETAFPV Cetus Pro FPV」は、手軽にFPVの臨場感が体験できる、初心者や飛行の練習にピッタリのモデルです。
N / S / Mの3つのモードが利用可能で、初心者からベテランの操縦者までのニーズを満たし、さまざまな飛行環境に適応できます。
Nモード(Normal Mode):通常の飛行モード
Sモード(Sport Mode):スポーティな飛行モード。迅速な加速や高速飛行が可能になり、よりスリリングな飛行体験ができる
Mモード(Manual Mode):マニュアル飛行モード。熟練したパイロットが飛行をカスタマイズしたり、特定の動作や撮影シーンを実現するために使用されることが多い。
“サイズはミニ、パワーはビッグ”といわれるように、小型ながら没入感あふれる直感的なFPV体験ができるドローンです。
100g未満の機体なので、現状、屋外飛行でも無人航空機登録の必要がないのもメリットといえるでしょう。
【BETAFPV Cetus Pro FPV】
スペック等 |
カメラ:C02 FPVマイクロカメラ |
---|---|
離陸重量 |
33.19g(バッテリーなし) |
付属品 |
BT2.0 450mAh 1S Lipoバッテリー/ BT2.0 USBバッテリー充電器/Type-C アダプター/プロペラ取付工具/40mm 3ブレードプロペラ/日本語マニュアル ※付属品は商品によって異なる場合があるので、ご確認ください |
飛行時間 |
4分〜5分 |
価格 |
Amazon;18,300円(税込) ※価格は変動するため、ご確認ください。 |
こちらの「BETAFPV Cetus Pro FPV」は、重量が100g未満のいわゆる『マイクロドローン』といわれるドローンになります。
近年話題の『マイクロドローン』について、どんなドローンなのか?他と何が違うのか?を、次章で解説しますので参考にしてください。
マイクロドローンとは|スピード感のあるFPV体験が叶う軽量ドローン
最後に、ここ数年ドローン初心者から上級者まで広く親しまれている「マイクロドローン」についてご紹介します。
マイクロドローンとは、重量が100g未満の手のひらサイズのコンパクトな小型ドローンを指します。
機体のスペックは、プロペラ対向間が100mm程度、プロペラサイズは多くの場合2インチ以下であることが特徴です。
マイクロドローンの多くは、FPVカメラ搭載で、ゴーグルで映像を見るFPVドローンです。
FPVのマイクロドーンは、コンパクトでスピード感のある操縦ができることから、競技用ドローンとしての活躍が注目されています。
マイクロドローンは大きなドローンの入れない場所に使用できることから、競技以にも点検や災害などの現場で幅広く重宝されています。
一般のユーザーに人気の理由は、なんといっても軽量小型で扱いやすく、持ち運びに便利な所です。
手軽にFPV体験ができるという意味でも、他の大型ドローンに比べて魅力的といえるでしょう。
重量が100g未満なので航空法適用外となり、飛行許可を取る必要がないため、練習用機としても最適です。
ただ、ひとつ注意していただきたいのは、FPVを使用したマイクロドローンの操縦には、100g以上のFPVドローンと同様に、「第4級アマチュア無線技士の資格」、「無線局の開局手続き」が必要であるということです。
小型でパフォーマンスの高いマイクロドローンは趣味にも練習にもおすすめですが、FPVの使用に関する手続きが求められることを、しっかり覚えておきましょう。
まとめ
操縦者がリアルタイムで「ドローンの視点」を体験できるFPVドローンについて、おさらいしておきましょう。
FPVドローンは、一人称視点という特徴によってまるでドローンに乗っているかのような体験ができますが、直接機体を見られないことから、操縦の際には3つの注意点があります。
- 距離や位置が判断しづらい
- 周囲の状況に気づけない
- 操縦技術が必要
FPVドローンを始めるのに必要なことは4つあります。
- 「第4級アマチュア無線技士」の免許取得
- 「目視外飛行」の承認手続
- 必要な機材を揃える
- 操縦練習をする
FPVドローンを選ぶ際は、自分の用途(目的)を明確にし、それに合った機能を確認して選ぶようにしましょう。
あなたの没入感ある飛行体験の実現に、この記事を大いに役立てて頂けたらと思います。