国家資格制度も始まり、ますます活躍の場が広がるドローン。
そんなドローンですが、ドローンレースなるものが存在するのをご存知でしょうか?
レースの種類や規模は様々ですが、世界中でドローンレースの大会が開催され、中には優勝賞金が1億円という大会も!
今回は、そんな「ドローンレース」について、たっぷり解説したいと思います。
この記事では、ドローンレースに関する以下の点について解説しています。
・ドローンレースにはどんな種類があるのか
・ドローンレースはどんな大会が開催されているのか(国内・海外)
・ドローンレースに必要な免許や費用について
・ドローンレースの始め方
・ドローンレースおすすめ機体
お読みいただければ、自分がやりたいドローンレースの種類や必要なもの、レースに参加するまでの具体的な流れが理解でき、ドローンレーサーとしての第一歩を踏み出すことが出来ますよ。
ドローンレースを知らなかった方も、これから始めたいと思っている方もぜひ参考にしてみてください!
目次
ドローンレースってどんなもの?
ドローンが障害物間を高速で飛び回るドローンレースは、迫力があってかっこいいですよね。
ドローンレースとはどんなもので、どういった楽しみ方があるのでしょうか?
老若男女が楽しめるエアースポーツ!
ドローンレースとは、操縦者がレーサーとなり、ドローンを用いて決められたコースを飛行しタイムを競う競技です。
特定の区間を飛行するのにかかった時間(ラップタイム)を競うのか、合計タイムを競うのか、個人戦か団体戦かなどは大会によって異なります。
多くの大会は年齢制限がなく、小学生や10代のレーサーも活躍しています。
国内最高峰のレースとして有名な「ジャパンドローンリーグ(JDL)」では13歳の中学生が優勝し話題になりました。
操縦技術さえあれば体力のない子供や女性でも互角に戦えるので、性別や年齢に関係なく楽しめるのもドローンレースの魅力です。
ドローンの注目度に合わせて競技人口は増加傾向
競技人口は日本で1000~2000人、海外で5~8万人程度といわれており、その数は年々増加しています。
2018年には日本初のプロドローンチーム「RAIDEN RACING」が結成されたり、2022年からは国際総合競技大会・ワールドゲームズ※に新種目として加わるなど、近年ますます注目されるエアースポーツです。
※ワールドゲームズ
国際ワールドゲームズ協会(IWGA:International World Games Association)主催、五輪に採用されていない競技種目の国際総合競技大会。
ドローンレースの種類
国内・海外には多くのドローンレースがあります。
レースの種類は、「目視外(FPVドローン)・目視内」で大きく分けられ、さらに「機体の大きさ・重量」でも区別されます。
◆目視外(FPVドローン)・目視内
専用ゴーグルを使った「目視外(FPVドローン)レース」と、自分の目でドローンを見て操縦する「目視レース」で、まず大きなレースの種類分けがされます。
FPVとは? First Person View(一人称視点)「FPV」は、ドローンに搭載されたカメラの映像を電波で飛ばし、それを見ながら操縦する飛行方法のこと。 |
[FPVドローンレース]…目視外
まるで自分が空を飛んでいるような感覚で操縦できるのがFPVドローンレースです。
専用のゴーグルを装着し、カメラから伝送されるリアルタイム映像を確認しながらドローンを操作します。
FPVドローンはホバリング(ドローンを空中で静止させる動き)を自動で行ってくれないので、通常のドローンより操縦が難しいです。また、FPV飛行には無線免許の取得や無線局の開局申請の手続きが義務付けられているので、初心者にはやや難易度が高いかもしれません。
※免許や申請については5章で詳しく解説します。
[目視ドローンレース]…目視内
操縦者が自分の目でドローンを見ながら操縦し、障害物を避けるなどしてゴールを目指すレースです。
飛行させるための免許や開局手続きの必要はありません。規制対象外の100g未満※のドローンを使用することが多いので、初心者でも気軽に始めることが出来ます。
※100g以上の機体は航空法の規制対象となっているため、飛行許可申請や機体登録が必要です。
◆機体の大きさ(サイズ)
ドローンレースは、様々な機体サイズでレースの種類が分けられています。
その中でも大きなカテゴリーとして、下記のものがあります。
・マイクロドローンレース:マイクロドローンと呼ばれる軽量タイプのドローンを使用するレース。
・マイクロドローンサイズ以上のドローンレース:マイクロドローンよりも大きなサイズのFPV機体を使用するレース。
[マイクロドローンレース:65サイズレース、75サイズレースなど]
小型で軽量なマイクロドローンを使うレースです。目視レースとFPVレースがあります。
マイクロドローンの明確な定義はありませんが、基本スペックが以下ようなものを、一般的にマイクロドローンと呼びます。
・プロペラ対向間 100mm程度
・プロペラサイズ2インチ以下
・重量 100g未満
マイクロドローンレースには「65サイズレース」や「75サイズレース」など、プロペラ対向間のサイズ別レースがあります。
※プロペラ対向間とは、上図のようにプロペラ軸から対角線上のプロペラ軸までの長さのこと。
下図は65サイズのドローン。
FPVに関しては、下で紹介する100g以上のドローンを使用するレースより、マイクロドローンレースの方が初心者向けです。
[マイクロドローンサイズ以上のドローンレース:5インチレース、3インチレースなど]
マイクロドローンよりも機体サイズが大きく、重量も100g以上あるFPVドローン、いわゆるレーシングドローンを使うレースです。
プロペラサイズが5インチのドローンが、代表的なレーシングドローンと呼ばれるものになります。
機体によっては最大時速150km以上のスピードで飛行させることが出来るので、迫力あるレースを楽しめます。
ですがその分操縦も難しく危険も伴うので、初心者には難易度の高いレースとなります。
その他にも、プロペラサイズが3インチの機体を使用した「3インチレース」などもあります。
国内外の有名ドローンレース大会7選
続いてはどんな大会が開催されているか、国内・海外の代表的なドローンレースを7つご紹介します。
【国内のドローンレース大会】
◆JAPAN DRONE LEAGUE
一般社団法人ジャパンドローンリーグが2016年から開催する国内最大級のドローンレースの大会です。
パイロットの操縦レベルに合わせて、プロクラス・エキスパートクラス・オープンクラスという3つのカテゴリーに分類されます。
世界最大級のドローンレース大会「 FAI World Drone Racing Championship」に出場する日本代表選手がこの大会のランキング上位者から選考されるなど、実力者の集う大会となっています。
レース種類:FPV5インチドローンレースに該当
開催頻度:年5〜6回、全国各地で開催
大会ホームページ
◆JMA TINY DRONE CHAMPIONS LEAGUE
JAPAN TINY DRONE CHAMPIONS LEAGUE 2021 in YAMAGUCHI
https://www.youtube.com/embed/QWn0blCvawk
一般社団法人日本マルチコプター協会(JMA)が主催するドローンレース大会です。40g以下の超軽量ドローンを使用します。
2019年に行われた「おかやま奉還町商店街」のアーケード内レースを皮切りに、2021年から開催地が全国各地に拡大されました。
全国各地で開催される大会の獲得ポイント総合計にて総合優勝、年間リーグ上位賞金総額100万円を競います。
賞金:100万円
レース種類:FPVマイクロドローンレース
開催頻度:全国58か所にて開催(2022年)
大会ホームぺージ
◆SUPER DRONE CHAMPIONSHIP
DRONE SPORTS株式会社・株式会社NTTぷらら・株式会社NTTドコモが、2020年と2021年に開催したドローンレース大会です。
幕張メッセを会場とした2021年の大会は「惑星間飛行」をテーマに、宇宙空間を感じさせる照明や、難易度の高いコースが話題になりました。大会の模様はYouTubeチャンネルのテレビ東京スポーツにて公開されました。2021年以降の大会開催は未定となっています。
レース種類:5インチドローンに比べると、サイズが1.7倍大きいFPV機体を全選手が使用する
開催頻度:年1回(2020、2021年)
公式Twitter
◆JDSFドローンレース
一般社団法人日本ドローンスポーツ連盟(JDSF)が、2023年6月に富士急ハイランドにて開催を決定した第一回目となるドローンレースです。
JDSFは2022年11月に設立された団体で、ドローンスポーツのプロリーグ創設を目指しており、今後も定期的にレースやイベントなどを企画していく予定です。
レース種類:FPV3インチドローンレース
開催頻度:2023年第1回目の大会開催予定
JDSF公式HP
【海外のドローンレース大会】
◆FAI World Drone Racing Championship
FAIワールド・ドローン・レーシング・チャンピオンシップスは、FAI(スイスに本部を置く、スカイスポーツの国際大会を統括する国際航空連盟)による公式なドローンの世界選手権です。
2016年に9大会(参加者230名)、2017年には16大会(参加者430名)が行われ、2018年には25の大会が開催されています。
2018年の第1回FAIドローンレース世界大会では、ドローン機体「DJI」の生産国としても有名な中国(深圳市)のスタジアムを会場とし、約3,000万円という賞金総額でも話題になりました。
2023年は10月に韓国で「2023 FAI World Drone Racing Championship」が開催される予定です。
賞金:年により異なる(2018年・総額3,000万円)
開催頻度:年により異なる
レース種類:FPVレーシングドローンレース(マイクロドローン以上)
◆Drone Champions League
DCL:ドローン・チャンピオンズ・リーグはヨーロッパ最高峰のドローンリーグです。
2016年より開催されており、翌年からは世界転戦リーグを展開しています。DCLのレース内容は世界76か国で放送され、視聴者数は累計1億人以上にものぼり、最も知名度の高いドローンリーグといえるでしょう。
2021年大会では、日本で初となるプロドローンレースチーム「RAIDEN RACING」が見事世界王者に輝きました。
レース種類:FPVレーシングドローンレース(マイクロドローン以上)
◆the world games(国際競技大会)
Drone Racing | Final | 2022 World Games
the world gamesワールドゲームズとは、オリンピックに採用されていない競技種目で世界最高水準のアスリートが競い合う国際的な競技大会です。国際ワールドゲームズ協会(IWGA)の主催、国際オリンピック委員会(IOC)の後援により、4年に一度、夏季オリンピック・パラリンピック競技大会の翌年に開催されます。
出典:ワールドゲームズ協会
日本代表選手団も参加している国際大会で、2022年には中学生の上関風雅選手が世界第6位と素晴らしい成績を残しました。
レース種類:FPVレーシングドローンレース(マイクロドローン以上)
FPVドローンレースに必要な免許・手続きについて
目視レースの場合は必要ありませんが、5GHz帯の電波を利用するFPV飛行のレースに参加する場合は、「アマチュア無線免許」と、「無線の開局申請」が必須となります。
通常の空撮ドローンなどに用いられる2.4GHz帯の電波を使用して飛ばすFPVドローンもありますが(例:9章で紹介している「DJIFPV」など)ほとんどのFPVレースドローンは5GHz帯の電波を使用するので、FPVドローンレースに挑戦したいと思ったら、無線免許取得と開局申請は必須と考えていいでしょう。
◆アマチュア無線4級以上の免許の取得
FPV飛行には5GHz帯という電波を利用するため、アマチュア無線4級以上の免許が必要です。
アマチュア無線試験の受験方法は下記の2種類です。
・各地で開催されている講習会に参加し、講習後に試験を受ける
・講習会なしで、自分で勉強して試験を受ける
講習会は大体2日間〜、料金は2万円前後が相場です。試験の合格率は独学の場合で8割程度と高く、試験自体は難易度の低いものだといえますが、やはり勉強や試験対策は必須です。
講習会では試験に出題される問題をピンポイントで学ぶことができるので、合格率は約98%(JARD一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会調べ)と、かなり上がります。
費用が少し高くなってもいいから確かな合格を目指したいという方は、講習会受講がおすすめです。
下記はアマチュア無線公式HPです。免許や試験の詳細をしっかり確認しましょう。
JARD 一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会HP
◆アマチュア無線局の開局手続き
総務省にアマチュア無線局の開局の申請をします。
開局申請には、
・書面で申請する方法
・電子申請システムで行う方法
この2種類があります。
料金は書面申請は4,300円、電子申請は2,900円です。書面、電子ともに手続き完了までは1ヶ月〜2ヶ月程度かかります。開局申請書類の代行作成依頼(費用相場:1万円前後)も可能です。
※無線免許や開局申請については下記の記事で詳しく解説しています。
【ドローンの無線資格(免許)】必要な2ケースと取得方法・開局申請まで紹介
ドローンレースに必要な費用について
ドローンレースを始める為にかかる費用はどれくらいなのでしょうか。
どんなこと(もの)に、どれくらいの費用が必要か簡単にまとめました。
◆ドローン機体:1万〜20万円程度
ドローン機体は、参加するレースによって価格が異なってきます。
目視レース用ならば1万円前後で購入可能です。
FPVドローンは、機体の他にもプロポ(コントローラー)や専用のゴーグルも必要となります。ゴーグルは高額なものも多く、FPVドローンセットの総額は10万円前後になることも。
さらに、既製品にとどまらず、自分でカスタムしたオリジナル機でレースに参加する人も多いので、価格の相場には幅があります。
国内初の女性プロレーサーである白石麻衣さんは、プロポ(コントローラー)に5〜6万、FPVゴーグル10万円、そしてカスタム機体を合わせて総額20万円以上、レース用ドローンにかけているようです。
機体については下の8章・9章で詳しく解説します。
◆大会の参加費等:数千円〜1万円程度
ドローンレースに出る場合、多くの大会には参加費がかかります。
例をあげると、
・JAPAN DRONE LEAGUEの参加費:7,800円、ポンダー(飛行タイムを計測できる機器)のレンタルが2,000円(購入は9,500円)
・JMA TINY DRONE RACEの2022年大会の参加費:6,000円
など。大会規模にもよりますが、数千円〜1万円くらいが相場です。
◆免許や手続きなどにかかる費用(FPVドローンの場合のみ):3万円前後
FPV飛行をするために必要な無線免許や開局手続きの費用は以下の通りです。
【第四級アマチュア無線技士】
・各地で開催されている講習会に参加し、講習後に試験を受ける場合の費用:22,750円
・講習会なしで、自分で勉強して試験を受ける:5,100円
【開局申請の手続き】
・書面で申請する方法:4,300円
・電子申請システムで行う方法:2,900円
・保証料金※:4,000円〜4,800円
※保証料金とは
開局申請の際は、どんな無線機(機体)を使っているのかを届け出て、国内で使用して問題ない機体であると保証してもらう必要があります。保証料金とは、その保証書を発行してもらう料金です。
ドローンレースに参加するための手順
実際にドローンレースに参加してみたい!と思ったら、どうすればいいのでしょうか?
この章ではドローンレースを始めるための具体的な手順を解説します。
FPV(目視外)ドローンレースか、目視内ドローンレースか選ぶ
ドローンレースへの参加の第一歩として、まずはレース種類の大きな区分けであるFPV(目視外)か目視内、どちらのレースに参加するかを決めましょう。
ドローン初心者や、レース初体験という方におすすめなのは「目視レース」です。
その理由として、
・コース設定が簡単で初心者向け
・多くのFPVレースで必要になる無線免許や開局手続きが不要
・練習で使うようなトイドローンでも参加出来る
といったことがあげられます。
出典:2016年JDRA全国ドローンレース選手権
上の画像でもわかるように、目視レースは短く簡単なコース設定になっています。
目視レースは、初めてレースに参加する人や上手く飛ばせる自信がない人など、誰でも参加可能な場合が多いので、まずは実際に自分の目で機体を追える目視レースに参加してみましょう。
ある程度のドローン歴や操縦テクニックがある方や、初心者でも目視外(FPV)レースに挑戦してみたい!という方は、「FPVレースに参加するためには」で解説します。
目視レースに参加するには
【1】レース情報の収集
目視レースは、ドローンイベントの催し物として開催されたり、ドローン練習場が主催する体験型レースといった小規模なものが多いので、インターネットやSNSなどで開催情報を収集しましょう。
【2】レース規約の確認
参加できそうなレースを見つけたら、レースの規約をしっかりと確認しましょう。目視レースは特別な資格や経験を必要とせず、ドローン初心者やレース初体験者でも参加できることが多いです。
【3】機体の用意
多くの目視レースでは、100g未満のマイクロドローンやトイドローンなどを使用します。練習用のドローンの利用も可能ですし、レースによっては機体のレンタルをしてくれる場合もあります。
FPVレースに参加するには
続いて、FPVレースに参加するために必要なものや、どんな準備すればいいのかを解説します。
まず、事前に行う準備は以下の通りです。
・FPV対応ドローンの購入 ・無線免許取得/開局申請 ・FPVドローンの操縦技術取得 ・飛行申請 |
ひとつずつご説明します。
【1】FPV対応ドローンの購入
FPVドローンレースに参加するために必要なもの(機材)として、
・マイクロドローン、5インチドローンなどのFPV対応ドローン本体
・ゴーグル
・プロポ(コントローラー)
・バッテリー・充電器・メンテ用品
などがあげられます。
マイクロドローンと、それ以上の5インチドローンなどのレーシングドローン、どちらを購入しようかなと悩む方もいるかと思います。
結論からいうと、レース初心者におすすめなのはマイクロドローンです。
5インチドローンはスピードもパワーもあり、レースの醍醐味を十分に感じることができますが、その分危険度が高く、操縦が難しいです。練習できる場所も限られてしまいます。
それに対して、マイクロドローンなら自宅の室内でも練習できますし、操縦も5インチドローンよりは簡単です。
初心者の方はマイクロドローンで操縦に慣れ、ある程度の技術を身につけてから、5インチドローンなどの大型機に挑戦することをおすすめします。
FPVドローンの選び方やおすすめ機体については、下の8章・9章で詳しく解説します。
【2】無線免許取得/開局申請
この記事の5章を参考に。
無線免許を取得した後、開局申請という流れになります。
免許取得のための勉強・開局完了にかかる期間はトータルで3〜4ヶ月と考えておきましょう。
【3】FPVドローンの操縦技術習得
FPVドローンの操縦技術習得方法の流れとして推奨されるのは以下の通りです。
①シュミレーターを使った練習→②実機を使って練習(屋内・屋外)
①シュミレーターを使った練習
自動でホバリングをしてくれるDJIなどの空撮用ドローンと比べると、操作が難しいFPVドローン。
少しでも早く操縦に慣れ、技術を身に付けたいところですが、最初から実機を飛ばして、いきなり衝突させてしまった…というリスクを減らすためにも、まずはFPVドローンのシュミレーターで練習しましょう。
FPVドローンシュミレーターはよくできているソフトが多く、実機操縦の練習として非常に役立ちます。
代表的なシミュレーター「VelociDrone」(価格:2,000円程度)は、プロもおすすめしているソフトです。
②実機を使って練習(屋内・屋外)
シュミレーターで事前に操縦感覚を掴んだら、実機を使った練習を始めましょう。
実機練習は、機体の重さやサイズ感に適した方法で行いましょう。
※100g未満でもそれ以上の重さの機体でも、5GHz電波帯による飛行には無線免許取得と開局申請が必要です。
100g未満のドローンは小型なので屋内での練習も可能です。
100g以上のドローンは、重さや機体サイズもあるので、安全のため屋外での練習になるかと思います。
屋外飛行には様々な規制があるので、ドローンフィールドなどの練習場を利用するのがおすすめです。練習場によってはレース用のコースがあったり、インストラクターから指導を受けられるオプションを設けているところもあるので、専用の施設利用も検討してみましょう。
【4】飛行申請
機体重量100g以上のFPVを使用したドローン飛行は、目視外となるので飛行許可申請が必要です。承認されるまで10日間程かかるので、余裕を持ってレースの2週間前くらいには申請を行いましょう。
※100g未満のドローンについては、FPV機であっても飛行許可の申請は必要ありません。
ドローンレース機体の選び方について
目視レースに関しては、わざわわざドローンを購入するような本格的レースはあまり開催されておらず、機体も当日レンタルできたりする場合もあるので、この章では、FPV対応のマイクロドローンやレーシングドローンの選び方・購入方法について解説していきます。
BNF:機体のみでプロポは別売り
FPVドローンの購入方法には、いくつか種類があります。その一つ目がBNFと呼ばれるものです。
Bind-N-Fly(ベースノーフライト)の略で、機体のみで売られている商品のこと。
プロポはついていないので、別途用意したプロポとリンクさせて使用する必要がありますが、自分で選んだプロポを使えるというメリットもあります。このBNF形態で販売されている機体が一番多いです。
BNF➡︎操作性や使いやすさなど自分に合うプロポを用意したい、プロポはもう持っているという方におすすめ。
※プロポの選び方やおすすめのプロポなどは10章〜12章で紹介しています。
自作
自分でパーツを揃え、自分で組み立てること。ハンダゴテ溶接なども行うので、初心者にはハードルが高いですが、レース中級者以上の多くの方は自作ドローンを所有しています。操縦に慣れ、FPV機体について色々理解してきたら、簡単なカスタムをしてみるのもドローンレースの魅力です。
大手パーツ販売サイトはこちら「ラジコンデパートファンファン」
自作➡︎機体の構造を勉強したい、こだわりの1機を作ってみたいという方におすすめ
RTF:購入後、すぐに飛行可能なセット商品
Ready to Flyの略で、機体やプロポ、バッテリーなど全てがセットになっていて、さらに、買ったらすぐに飛ばせるようにセッティングされた状態で販売されているもの。おもちゃ用のトイドローンはこのようなセットで売られていることが多いですが、レーシングFPVドローンでRTFは少ないです。
RTF➡︎とにかく早く飛ばしてみたい、設定やプロポとのリンクなど難しそうで自信がないという方におすすめ。
おすすめドローンレース機体4選
続いては、人気のFPVレースドローンを4つご紹介します。
機体をカスタムするのもドローンレースの楽しみ! レースに使う機体は、最初は完成機を購入して、後から他のメーカーのパーツに替えカスタムしていくという方が多いようです。大きな大会に出場する中級者以上の人は、基本的にカスタム機体を使ってレースに参戦しています。 |
◆最初の1台としてもおすすめ「Meteor65 2022ver」(機体重量:100g未満)
機体価格:2万円前後
重量:約23g【種類:マイクロドローン、販売形態:BNF】
BETAFPVのマイクロドローンのMeteor65最新バージョンです。Meteor65は多くのレーサーが使っている定番レーシングドローンです。
ドローン本体、収納ケース、バッテリー充電器、バッテリー充電用USBケーブル、バッテリー、カメラ角度調整部品、予備のプロペラと充実したセット内容となっています。
(※プロポは別売り)カメラ性能やブラシレスモーターなど、最新の優れた機能が多く搭載された1機なので、ファーストFPVドローンの人だけでなく、今までマイクロドローンを飛ばしてきて、さらにブラッシュアップしたい方にもおすすめです。
◆中上級者も楽しめるカスタム可能な「Mobula6」(機体重量:100g未満)
機体価格:1万〜2万円前後
重量:約20g【種類:マイクロドローン、販売形態:BNF】
Mobula6は軽量ながらもブラシレスモーターで長寿命&強パワーが魅力。
高性能なバッテリーとプロペラが付属されています。海外製ドローンですがユーザー数が多く、トラブルシューティングや使い方を説明した動画やブログが充実しているのも嬉しいポイントです。
◆マイクロドローン以上の機体の入門ドローン「Walkera Rodeo 150」(機体重量:100g以上)
機体価格:2万〜3万円前後
重量:約160g【種類:レーシングドローン、販売形態:BNF】
Walkeraという中国メーカーのレーシングドローンです。Rodeo150は、小型で軽量ながら高性能なフライトを提供することで知られています。
100gを超える機体なので、マイクロドローン以上のレース機にチャレンジしたい!という方にもおすすめ。
複数のフライトモードが搭載され、初心者モードでは姿勢制御や飛行制御機能により、安定した飛行が可能です。上級者モードでは完全な手動操縦が出来るので、レースに向けた高度な飛行が楽しめます。
◆免許など必要なし!100g以上の機体の中では初心者向け「DJIFPV」(機体重量:100g以上)
機体価格:DJI FPVコンボ118,800円
重量:約420g【種類:レーシングドローン、販売形態:RTF】
日本国内でもファンの多いDJIの完成機FPVドローンです。2.4GHz電波帯を使用するため、無線免許を持っていなくても飛行させることが出来ます。
ノーマルモードであれば自動でホバリングしてくれるので、初心者でも安定したフライトが可能です。落下などで機体が損傷してしまっても、DJIストアでの購入&DJI Care Refresh に加入していれば補償も充実しています。
大手ならではのサポートや安定感に加え、最高速度は時速140㎞と、初心者以上の方も十分楽しめる仕様となっています。
ドローンレースのプロポ(送信機)について
プロポとは、簡単にいうとドローンへ電波を発信する送信機のことです。
電波を受け取る側のドローンにはレシーバーという受信機が搭載されていて、このレシーバーによって、受信できる通信方式が違います。
通常、各メーカーのプロポは特定の通信方式に対応するようになっており、その通信方式がプロポとレシーバーで一致しなければ、ドローンを操縦することができません。
この、通信方式を一致させる方法として、以下の3つがあります。
・マルチプロトコルのプロポを使う
・プロポの通信方式を機体のレシーバー(受信機)に合わせる
・プロポの通信方式に合わせてレシーバーを交換する
それぞれの方法について、一つずつご説明します。
おさえたいプロポのポイント! プロポは日本の技術基準に適合していることを示す「技適マーク」がついているものを選びましょう。 |
◆マルチプロトコルのプロポを使う
上でお伝えしたように、通信方式がプロポとレシーバーで一致しなければ、ドローンを操縦することはできません。
ですが、「マルチプロトコル」という複数の通信方式に対応したプロポを使えば、異なる通信方式を利用するドローンでも操作することができます。
◆プロポを機体のレシーバー(受信機)に合わせる
機体に搭載されたレシーバーによって、受信できる通信方式は違います。
有名な通信方式の一例としては、以下のようなものがあります。
・ExpressLRS(ELRS)
・FrSky
・FUTABA(S-FHSS)
機体(レシーバー)側の通信方式がなんなのかを確認し、それにプロポを合わせるという方法もあります。
◆プロポに合わせてレシーバーを交換する
プロポ側の通信方式に合わせて、ドローンのレシーバーを交換する方法もあります。
ただし、レシーバーの交換には一定の作業が必要となるため、技術的な知識や経験が必要な場合もあります。
また、レーシーバー交換のできない機体もあるので注意しましょう。
※プロポについては下記の記事でも詳しく解説しています。
直感的なドローン操作に!プロポの選び方と最新おすすめプロポ6選
ドローンレースのプロポの選び方
プロポの選び方としては、以下の2つの方法があります。
選び方1:各通信方式に対応しているプロポを選ぶ
まず前提として、プロポとレシーバーは通信方式一致させる必要があります。
一致させる方法は、上で解説した通り3パターンあり、どのような方がどのパターンに適しているかをご説明します。
◆マルチプロトコル
マルチプロトコルのプロポは、レシーバーの種類に関係なく使用することができます。
なので、どのプロポを買えばいいかわからない人や、異なる通信方式を利用する複数のドローンを操作したい人に適したプロポです。
◆機体のレシーバーに合わせる
マルチプロトコルタイプに使いたいプロポがない場合、レシーバー側の通信方式を確認し、それに合わせたプロポを選ぶというやり方もあります。
すでに特定の機体を所有している人、レシーバー交換ができない機体※を使用している人などに適ています。
※マイクロドローンにはレシーバーが他の基盤と一体になったものがあるので、交換できない場合がある。
◆使いたいプロポに合わせてレシーバーを交換
すでに特定のプロポを所有している人、好みのプロポを使用してドローンを操作したい人に適しています。レシーバーが交換できる機体かどうか、事前の確認が必要です。
機体購入前であれば、使いたいプロポに合うレシーバー搭載の機体を選んでもいいでしょう。
選び方2:実際に手に取って、試してみる
プロポを選ぶ際、通信方式を一致させるのは前提とし、実際に自分の手で触って、サイズ感や操作性を確認して購入することをおすすめします。
手元を見ないで操縦するFPVは特に、その操作性が重要になります。
いくら通信方式が合うからといって、手の小さい人にはサイズが大きなプロポや、スティック間が離れすぎているプロポなどは扱いづらく、思ったようなパフォーマンスができないといった事態も考えられます。
可能であれば、実店舗などで実際にプロポに触って、操縦しやすいかどうか確かめてから購入しましょう。
12.ドローンレースでおすすめのプロポ
プロポの選び方が分かったところで、この章ではおすすめのプロポをご紹介します。
自身のニーズや予定している使用方法に合わせて、購入するプロポを検討してみてください。
◆Jumper T8SG V2.0 Plus(マルチプロトコル)
価格:1万円前後
海外製のプロポですが、技適も取得済みで日本でも問題なく使用できます。国内にもユーザーが多いのでトラブルシューティングなども豊富です。
小型で軽量なので扱いやすく、価格も手頃なので初心者に適したプロポといえます。
◆RadioMaster TX16S(マルチプロトコル)
価格:3万円前後
RadioMasterTX16Sは非常に人気のあるプロポで、技適マークも取得しています。
カラー液晶モニターを搭載したタッチパネル式なので、初めてでも直感的に操作できます。カラーバリエーションもあり、見た目のオシャレさも人気の理由の一つです。
◆フタバ FUTABA T10J(10ch-2.4GHz T-FHSS AIR 技適モデル)
価格:5万円前後
「Futaba」のブランド名を知らないラジコンユーザーはいない、といわれるほど有名な日本メーカーのプロポです。操作性が良く初心者向けのエントリーモデルとして人気があり、ドローン界隈においても多くの愛用者がいます。
ドローンレースで活躍するレーサー
最後の章では、日本のドローンレーサー達をご紹介。
年齢・性別を超え、さまざまな方がレーサーとして活躍しています。
◆上関風雅
2008年生まれ。小学校3年生よりドローンレースに参戦。
多くの輝かしい経歴を持つ、日本を代表するドローントップレーサーの1人。
・FAIワールドチャンピオンズシップ2019に日本人で初めて小学生での日本代表入り
・2021年には国内で行われたFAI公認SUPER DRONE CHAMPIONSHIPで優勝 (参考:JAPRADAR)
■YouTube:FUGA
■Twitter:@fuga_fpv
■Instagram
◆川田和輝
2009年生まれ。小学校3年生よりドローンレースに参戦。
最速の小学生コンビとして、風雅選手とはドローンレースデビュー前からの友でありライバル。
・DRONE TOKYO2019では海外選手相手にも見事勝ち抜き準優勝を獲得
・2021年JAPAN DRONE LEAGUE Round プロクラス年間第3位 (参考:JAPRADAR)
■Twitter:@FpvKazuki
◆白石麻衣
1981年生まれ。2018年第1回FAIドローンレース世界選手権で日本代表チーム初の女性パイロットに選出。
マイクロドローンコミュニティ「Wednesday Tokyo Whoopers(WTW)」を立ち上げ、精力的にドローンレースを広める活動を行っている。
■Twitter:@namaikicastle
■Instagram
◆小澤諒祐
2004年生まれ。小学校5年の頃からドローンを始め、13歳でドローンレース初入賞を果たす。
その後はドローンビレッジ富士やスカイドローンレースなど、多くの大会で優勝。
現在は、中学生の時に立ち上げた映像制作会社を経営し、さまざまなTV番組や有名アーティストのMVなどを手がけている。
■YouTube:小澤諒祐と犬山ドローン旅
■Instagram
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まとめ
最後にドローンレースについて簡単にまとめました。
◆ドローンレースとは
操縦者がレーサーとなり、ドローンを用いて決められたコースを飛行しタイムを競う競技です。
国際総合競技大会の新種目に選ばれるなど、近年注目を集めるエアースポーツとなっています。
◆ドローンレースの種類
「目視外・目視内」で大きく分けられ、さらに「機体の大きさ・重量」でも区別されます。
【目視外・目視内】
・FPVドローンレース(目視外)
・目視内レース
【機体の大きさ・重量】
・マイクロドローンレース…FPV/目視内レースあり
・マイクロドローンサイズ以上のドローンレース:…FPVドローン使用
◆FPVドローンレースに必要な免許について
FPVドローン飛行には
・アマチュア無線4級以上の免許
・無線局の開局申請
が必要です。
◆ドローンレースに参加するための手順
まずは目視外(FPV)レースか目視内レースどちらに参加するか選びましょう。
FPVレースに参加する場合、
1.FPV対応ドローンの購入
2.無線免許取得/開局申請
3.FPVドローン操縦技術の習得
4.飛行許可申請
といった手順で進めていきましょう。
◆ドローンレース機体の選び方
FPVドローンの購入方法には、いくつか種類があります。
RTF:購入後、すぐに飛行可能なセット商品
とにかく早く飛ばしてみたい、設定やプロポとのリンクなど難しそうで自信がないという方におすすめ。
BNF:機体のみでプロポは別売り
プロポはもう持っている、操作性や使いやすさなど自分に合うプロポを用意したいという方におすすめ。
自作
機体の構造を勉強したい、こだわりの1機を作ってみたいという方におすすめ。
◆プロポの通信方式を一致させる方法
・マルチプロトコルのプロポを使う
・プロポを機体のレシーバー(受信機)に合わせる
・プロポに合わせてレシーバーを交換する
◆プロポの選び方
・マルチプロトコル
どのプロポを買えばいいかわからない人や、異なる通信方式を利用する複数のドローンを操作したい人に適しています。
・機体のレシーバーに合わせる
すでに特定の機体を所有している人、レシーバー交換ができない機体を使用している人などに適ています。
・使いたいプロポに合わせてレシーバーを交換
すでに特定のプロポを所有している人、好みのプロポを使用してドローンを操作したい人に適しています。レシーバーが交換できる機体かどうか、事前の確認が必要です。
◆選び方のポイント
操作性が重要なドローンレースのプロポは、可能であれば実店舗などで実際に触って、操縦しやすいかどうか確かめてから購入しましょう。
いかがでしたでしょうか。ドローンレースについて色々と理解していただけたと思います。
この記事を参考に、ぜひドローンレーサーデビューしてみてください!