空からの綺麗でダイナミックな映像撮影でおなじみのドローン。
日本ではまだまだ愛好家の人が趣味で楽しんでいるイメージが強いですが、実はそんなドローンがいま、ドローンとは一見関係のなさそうな分野で大活躍しています。
その活躍ぶりといえば、
水不足の土地ドバイで、ドローンで人工的に雨を降らせることに成功していたり、
北海道の広大な大地で人間の代わりにカウボーイならぬカウドローンとして、牧場の牛を追いかけていたり、
あるいは、夜空を瞬く光のショーとして、見ている人々の心を感動させていたり。
今回は、これを読めばドローンの可能性を感じずにはいられない、普通じゃ中々思いつかない、そんなドローンの新しい活用事例を10個ご紹介致します。
【新しすぎる】そうきたか! 牛追いからドローン傘まで、ドローンの斬新活用事例10選
灼熱の砂漠に雨の恵みを! ドローンが気候問題を解決? @ドバイ
中東の中央、アラブ首長国連邦の都市で、超高層ビルやリゾートのイメージが強い土地、「ドバイ」
そんなドバイの一大課題は「水不足」
それもそのはず、ドバイは国土面積の大半が砂漠で、年間降水量は100mm未満。まさに灼熱です。
国としては、
・雨を降らせるために人口の山を作ろうとする
・南極大陸から氷山を持ってきて淡水化する
などのプランを大真面目に立てるほか、ヨウ素銀(化学物質)を用いて人工的に雨を降らせていました。
しかし先日、イギリスの大学の研修者たちと合同で、
ドローンでレーザーを当てて電機的に雨雲を作ることで人工的に雨を降らせることに成功したとか…!
(引用元: BUSINESS INSIDER 2021/8/5 ドバイに雨を降らせる実験成功…ドローンで雲へレーザーを照射)
この技術が応用されるようになれば、
化学物質を撒くことなく、水不足で悩む世界各地を救うことができるでしょう。
技術導入について、倫理的にどうなのかという問題はありそうですが、
ドローンにレーザーを「載せる」ことで、砂漠に雨を降らせることができるとは、まさに壮大なアイデア。
ドローンでQRコードを作りました! @中国
(引用:
QRTiger – QR Code Generator:A huge QR code fly over Shanghai in the sky | shanghai QR code drone show ✨)
オリンピックの開会式でドローンショーにびっくりされた方も多いのでは?
ドローン ショーと類似した事例で、ドローンの群れでQRコードを空に出現させたケースがあります。
使用されたドローンは1500機、1台1台が光を放ちQRコードを形成しています。
企画したのは、ケータイゲームで日本でもおなじみのcygames。
ゲームのキャンペーンの一環で、空にキャンペーンイベントのQRコードをドローンで作成。
スマホで読み込むと、イベントのWebページに飛ぶことができます。
ちなみにオリンピックの開会式で使われたドローンの場合だと、
という工程を踏んだのだとか。
(情報元: IT MEDIA 2021/7/30 五輪開会式のドローン演出、どんな仕組みで実現? 提供元のIntelに聞く)
夏の花火大会のように、
ショーの新しい演出としてドローンが一般化するのも時間の問題かもしれませんね。
ドローンの看板・広告媒体的利用@中国
高速道路の料金所の近くの上空、ドローンが凧のように旗を掲げてふわふわ浮いています。
実は今回のコロナウイルスに際して、国内を移動する人たちの履歴を取るために用いた施策なんです。
(情報元: https://news.yahoo.co.jp/articles/c2199770e2902851a926c062673bf8c984cdbf97)
高速道路区の利用者は、旗に記載のコードをスキャンすることで、自身の記録を残すことができます。
ちなみに操縦は、人力なんだとか。
このような使い方をすれば、空を広告枠や宣伝枠のスペースとして考えるのは斬新だし、
ドローンを使えばどこでも自由度が高く人々にアピールできるのも良いアイデアです。
タワマンの高層階まで、広告を吊るしたドローンが浮かんでいくなども、できそう。
人がいる繁華街の上をドローンが飛べるようになるには、
社会からの支持と安全性含めて時間がかかりそうですが、空という空間を広告活用するという発想はまさに革新的ですね。
これは行きたくならざるを得ない。ゴルフ場を空からPR @日本
(引用: 楽天GORA ドローンギャラリーよりキャプチャー
https://gora.golf.rakuten.co.jp/doc/guide/drone/#main)
これはいわゆる「空撮」を使ったパターンなのですが、視点が斬新です。
その理由は、ただ空から撮ったのではなく、「ボールの視点」で撮った映像だから。
https://gora.golf.rakuten.co.jp/doc/drone/80003/?l-id=dronelist-80003
左の動画欄は映像で、ホールを変更すると、各ホールの映像が確認できます。
ゴルフ場を比較している人はこの動画と右のコース情報を見て
「このコースはこうだな…」「いや、あのコースの方がよいかも」とイメージできるのが
何よりもすごいところ。
しかもコースの基本的な紹介や口コミまで見れるほか、そのまま予約までできてしまうという。
ただゴルフ場の基本情報や写真、平面のイラストを掲載している、
他のサイトとの差別化に成功している事例です。
ゴルフをやらない人でも、動画を見ているだけで「ゴルフ場って気持ち良いな」と思わずにはいられない。
まさに、ゴルフ場のイメージアップにドローンを効果的に使った事例です。
ドローンの牛追い@北海道
今度の例は、「ICT地域活性化大賞2020」優秀賞も受賞した事例。
放牧した牛を一定の場所に集める、「牛追い」
牛の健康状態を確認するために必要な工程です。
ただし、相手は生き物なので、一筋縄にはいかないもの。人力だと時間もかかります。
そして牧場は広大で、足場も悪い。めちゃくちゃ疲れますよね。
そこで、スピーカーを搭載したドローンが牛たちに向かって、踏切の警告音などを発すると、
牛たちがドローンに誘導されて動くそう。
ドローンがいわゆるカウボーイになってくれた事例です。
まだ実験段階だそうですが、本格化したら日本の酪農ビジネスに大いに役立ちそう。
ドローン発射のシャボン玉で受粉..! 果物などの受粉作業の手間とコストを削減 @日本
四季よりどりみどりの美味しい果物。
そうした果物が実るのに欠かせないのが、「受粉工程」
実は花粉を運ぶミツバチなどの昆虫が減少しているため、手作業による人工授粉の需要は高まっているのです。
しかし、膨大な数の花たちに、手作業で受粉させるのは大きな手間がかかります。
JA長野のサイトでは、りんごの人工受粉の工程を紹介していますが、綿毛のようなものに花粉をつけて、花を撫でるのだそう。
ちなみに、このJA長野のりんごの例だと、1.4ヘクタールを1日6、7人で4日間。
とても労力と時間がかかります。
そこからスタートしたのが、北陸先端科学技術大学院大学准教授の都英次郎さんらの研究グループが開発した、ドローンが発射するシャボン玉に花粉をまぜ、それが花に届き受粉する仕組み。
農薬散布などで使うイメージは一般化しつつありますが、
このような方法を使えば生産量をより担保させることもできるのです。
全自動えさやり! 養殖場でドローン活用!@広島
車エビ、牡蠣、アサリ等の養殖をされている養殖場さんが特注で作ったドローン。
制作を担当した会社のブログによると、
このドローンによって、
・養殖家さんの1日毎日8時間を占める船でのえさやりの仕事が人→ドローンに。
漕いで餌をやる必要がなくなる。
・手で撒いたときと同じような均一性・作業スピードも担保
というメリットを体現できたそう。
普段、食卓に並んでいるあさりや牡蠣の養殖がこんなに大変なものだなんて知りもしなかった….。
牛追いや受粉の例もそうですが、
「どう頑張っても、必要な手間の削減が難しい」「人手が少ない」「肉体的にも大変」な一次産業と、
ドローンはとても相性が良さそうです。
ドローンでスズメバチ退治! @日本
見るだけでぞっとする、丸くて大きな蜂の巣。
ニュースの特集などで、たまに「スズメバチ退治の裏側」などを見かけますよね。
白くて厚い防護服を着て、蜂の巣に果敢に向かっていく姿が印象的ですが、
中に入る人からすれば、
「暑くて危ない」「地面から高くて危ない」「ハチに襲われる可能性もある」
と危ない作業。
こうした作業も、ドローンが代わりにハチの巣まで行き、殺虫剤を撒いてくれます。
今後は巣の撤去までもが課題、だそうです!
仏様が浮かんでいらっしゃる… ! ドローン仏! @日本
お寺の境内で、
雲をイメージしたドローンの上で仏様がちょこんと佇んで、
宙を浮遊されていらっしゃいます。
映像にすると少しシュールさもありつつ、遠目に見ると完全に浮いています。
その様は、平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩のよう。
確かに仏様って、雲の上にいるイメージがありますよね。
それをテクノロジーで実現したという所が凄いです。
ビジネス的かと言われると違いますが、
今後アートの分野でドローンを活用するということが本格化する余地がありそうです。
ドローン日傘@日本
雨で荷物が多い日に、「傘を持たなくてよかったらいいのに」と何度思ったことか。
歩くスピードに応じて傘がついてきてくれたら…そんな漫画のようなことを実現しようとしている会社さんが日本にあります。
その名も日本アサヒパワーサービスさん。
まだ試作段階ではありますが、目指すべくは手でもたず、自動でついてくる傘。
その仕組みは、傘の軸についているコントロールボタン。
そこについているボタンを押すことで、ドローンが前に進む仕様を目指しています。
ドローンの耐久性などを日々試験してyoutubeにアップしています。
開発実験の様子はこちらから確認できます。
できたらすごい。実現する日が本当に楽しみです。
まとめ
ドローンの「物を運ぶ」・「液体や個体を発射する」・「物を搭載する」という機能を応用すれば、
空撮や宅配・点検・農薬散布などだけではなく、いろんな分野に応用ができそうと体感して頂けましたか?
近未来と現実がまじわるところがドローンに携わる面白さだと思います。
ぜひ、皆さんのビジネスにも応用して頂ければ幸いです。
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