ドローンで使用できるプロポは大変多岐に渡り、その特徴や機能もそれぞれです。実際プロポを購入しようと思った場合には、どのプロポを選べば良いか迷うことも多いでしょう。実際、見た目がとても似ているプロポもたくさんありますし、ぱっと見てもどのように使用するのかよくわからないものもあります。
今回の記事では、自分に合ったプロポの選び方やプロポを選ぶ際にチェックしたいポイント、そしておすすめのプロポ商品リストや購入方法に至るまで、プロポ選びについて紹介します。この記事を読むことで、自分に合ったプロポの選び方が分かります。プロポを変えればドローンライフは一変します。ぜひ最後までご覧ください。
プロポとは、「送信機」とも呼ばれる機器で、操縦者の命令をドローンに伝えるコントローラーの役割を担います。スティックやボタンなど自分に合ったものを選ぶことで、操縦の自由度は大幅に向上します。「プロポって何?」という内容について詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひご覧ください。
プロポ購入時にチェックをおすすめしたいポイント
プロポの購入にあたって、製品についてチェックしておきたいポイントがいくつかあります。
ドローンに使用できるプロポには多くの種類があります。しかし実際、その全てが快適に使用できるというわけではありません。中には日本国内で使用すると違法になるものすらあります。
購入後に気づいて後悔することがないよう、事前に次の5つについてチェックしておきましょう。
技適マークがついている
(引用元:総務省電波利用ホームページ)
日本で使用するプロポには、必ず技適マークがついている必要があります。技適マークとは「技術基準適合証明等のマーク」の略で、日本国内の基準や法律を準拠した技術であることを証明するマークです。
国内に流通しているプロポ製品のほとんどはついていますが、個人輸入や個人から購入した海外製品などにはついていない可能性があるため要注意です。また、日本メーカーの製品であっても、海外で販売されている製品については技適マークがないこともあります。うっかりが発生しやすいポイントですので、覚えておきたいところです。
万一技適マークのないプロポを使用してしまうと電波法違反に問われる可能性があります。技適マークの有無については購入前に必ず確認しましょう。
通信方式(プロトコル)がドローンと一致している
ドローンやプロポには、通信方式と呼ばれる規格があり、これが一致する組み合わせでなければ使用することができません。主な通信方式として、例えばFASST、FHSS、D16、DSMX、DSM2、Flyskyなどがあります。
通信方式が同じでない場合、プロポからの命令をドローンが受信することができず、操縦はできません。中には同じメーカー製であっても通信方式が異なることがあり、注意が必要です。
なお、プロポの中にはマルチプロトコルと言って、複数の通信方式に対応しているプロポもあります。このようなプロポであれば、異なる通信方式のドローンに対してプロポを共有したり、別メーカーのドローンに買い換えた後にも同じプロポを使用したりといったことが可能となります。汎用的に使用したい場合にはぜひ検討してみてください。
チャンネル数が十分である
チャンネルとは、プロポで制御できる動作のことです。多くのプロポでは決まった操作方法に従うのではなく、ボタンやスティックに自分の好みの操作を当てはめて設定することができます。
プロポに設定できるチャンネルの数はその製品ごとに異なります。そのため、自分の使用目的に合わせて十分な数のチャンネルを設定可能なプロポを選ぶ必要があります。
例えばドローンの飛行だけをとことん極めたい場合には、前後左右の動きだけ制御できれば良いので、必要なチャンネル数は2チャンネルです。一方、複雑な操作を全て手元で行いたい場合には必要なチャンネル数は多くなります。多チャンネルプロポを使用すれば、ドローンの操縦だけでなくカメラの起動や画角の操作、シャッター、あるいはマジックアームの操作など、ドローンに搭載した機器の制御も同時に行うことができます。
プロポの重さ・大きさ
プロポは手に持って操作する機器ですから、その大きさや重さは大変重要です。最初に持った時にはそこまで重さを感じなくても、長時間操作しているうちに重みを感じるようになることもあります。ネットショップなどで購入する際には実物に触れることはなかなか難しいですが、店頭でプロポを購入する際には、ぜひ実際の操作を想定して、手に馴染むかをしっかり確認してください。
特に、前項で紹介した多チャンネルプロポの多くは、チャンネル数を割り当てるボタンなどがたくさんある分比較的大きく重くなりがちです。使用しないボタンのために操作感が損なわれることがないよう、バランスを考えて選ぶことが大切です。
画面のサイズ
プロポの画面サイズについては、ドローンの利用スタイルによって本当に必要かどうかよく考えて選ぶようにしましょう。
プロポに大きな画面がついていれば、ドローンの空撮映像をリアルタイムで確認したり、高度や位置情報など飛行に関連する情報を画面上で常に表示させておいたりといった使用が可能です。カメラを最大限に活用したい場合には、画面のあるプロポはお勧めです。一方で、画面がある分どうしてもプロポ全体のサイズは大きくなります。レース用ドローンなど繊細な操縦を目指す場合には、あえて画面の小さいものを選ぶという考え方もあります。
日本で使えるおすすめプロポメーカー
日本国内で使用できるプロポメーカーとして、いくつか有名なメーカーを紹介します。この他にもプロポを製造しているメーカーはたくさんありますが、これらのメーカーは流通数も多く、操作方法などの情報も多いため特に安心できます。
最初のプロポはこれらのメーカーから購入し、慣れてきたら色々みてみる、というのもおすすめです。
FUTABA
FUTABAは日本の企業で、古くからラジコンや関連商品を作っている老舗メーカーのひとつです。培ってきたノウハウや実績があり、日本国内で特に信頼性の高いメーカーのひとつと言えるでしょう。
FUTABAの製品はクオリティ自体高いものが多いのですが、それに加えて、国内メーカーであるためアフターサポートを受けやすいという点も魅力と言えます。ラインナップも豊富で、初めてのプロポからプロフェッショナルなプロポまで、レベルや目的に合わせて柔軟に選択することができます。
JUMPER
JUMPERは海外メーカーですが、その製品は日本国内でも広く流通しています。もちろん、技適マークを取得している製品も多くあります。
マルチプロトコルのプロポをいち早くリリースしたり、機能を極限まで制限した小さく操作しやすいプロポを作ったりと、特徴的なチャレンジを繰り返すメーカーでもあります。比較的安価で手に入る製品もあり、スタートモデルとしての選択肢が厚いことも嬉しいポイントです。
Frsky
Frskyは中国のメーカーですが、日本国内にファンも多く、広く愛されているメーカーです。日本国内のユーザーも多く、インターネットを通じて様々な情報を得ることができます。最初のうちは操作方法などで迷うことも多いため、手に入る情報が多いというのは大切なポイントです。
製品の選択肢も多く、自分のレベルや用途に合うものがきっと見つかります。
DJI
ドローンの機体において、国内トップシェアを誇るメーカーです。中国メーカーですが日本国内で広く流通しており、国内のサポート窓口も充実しています。
DJIのメインはドローン本体ですが、数は少ないですがプロポも販売しています。DJIのプロポはドローンの操縦もさることながら、空撮動画の共有など、ソーシャルに楽しむための高い性能を数多く搭載しています。動画や写真をリアルタイムに発信したいユーザーにとっては魅力的なプロポと言えそうです。
今買うならこのプロポ!おすすめ商品6選
それでは、実際におすすめしたい商品を紹介します。プロポには正解はありません。前にも書いた通り、操縦者の実現したい飛行スタイルや目的によって、どのプロポが合うかは全く異なります。製品の特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
FUTABA T10Jは安心と信頼を重視する人、初心者にもおすすめ
(引用:FUTABA公式サイト)
FUTABAのエントリーモデルというべきプロポのひとつです。日本製の製品で、購入後の製品保証も受けられるため安心して利用することができます。海外メーカーの製品には日本語の説明書がない・表示言語で日本語を選べないといったケースが大変多いですが、その点FUTABAであれば日本語で使用できます。
画面があるモデルで、多チャンネル設定可能であるため手元で幅広い操作が可能です。
一方で、通信方式は限定されているため注意が必要です。また、海外メーカーのプロポには安価な製品も少なくないため、比較するとやや高額に感じられるかもしれません。
<向いている人>
- 信頼性の高い製品を使用したい人
- 日本語でプロポの操作を行いたい人
- 初めてプロポを購入する人
FUTABA 16IZは高性能・高機能なプロポを求める人に
(引用:FUTABA公式サイト)
より性能にこだわったプロポを購入したいのであれば、さらに上位モデルであるFUTABA 16IZがおすすめです。高級感のある外観に加え、薄型で使用しやすいのも特徴のひとつです。スティックやボタンの反応もよく、直感的な操作が可能です。
また、搭載されている画面はタッチパネルに対応しており、設定や操作が大変しやすいのも大きな特徴のひとつです。
一方でこちらも通信方式は限定されています。また、上位モデルであるため、プロポの中でも高額な部類に含まれます。性能を求めるか価格を求めるかについては検討要素となりそうです。
<向いている人>
- 信頼性とアフターフォローのしっかりした製品・メーカーを選びたい人
- FUTABAのドローンを使用している人
- 快適で自由度の高い操作性を重視する人
JUMPER T8SG Plus V3なら複数のドローンをこれ1台で操作可能
(引用:JUMPER公式サイト)
JUMPER製品の大きな特徴のひとつが、マルチプロトコルであるという点です。対応している通信方式は大変幅広く、ほとんどのドローンで問題なく使用することができるでしょう。
こちらのプロポは多チャンネルに対応しています。また、30種類以上の設定を保存しておくことができるため、ドローンや用途・目的に合わせた設定が可能です。
一方で、海外製品のため日本語の表示ができない点については知っておきたいところです。このプロポに限りませんが、海外製のプロポの多くでは日本語表示ができません。海外プロポを使用する際には、プロポ設定によく使われる英語を覚えて使用していくことになります。
また、インターネット上ではバンド切れ頻度が比較的高いという口コミも見られます。バンド切れは操作環境や条件によって大きく左右されるため断定はできませんが、そのような声があるということを知っておき、安全に配慮して利用するようにしましょう。
<向いている人>
- 高性能かつ安価なプロポを選びたい人
- 複数のドローンを使い分けて使用している人
- ドローンを買い替えても同じプロポを長く使い続けたい人
Frsky Taranis X9 Lite SはPCを使用した自由度の高い設定が魅力
(引用:Frsky公式サイト)
Frskyの中でも操作性が高く人気のあるプロポのひとつです。USB給電を利用してバッテリーを充電できる点も魅力と言えます。
また、こちらのプロポはOpenTXと呼ばれるソフトを利用して操作設定を行うことができます。OpenTX はPC上で利用するソフトウェアで、PCでドローンの設定を行い、設定内容をプロポへ送ることができます。プロポの小さな画面で設定をする必要がないことに加え、より細かな内容を設定できるため、上級者にもおすすめの機能です。
ただし、こちらのプロポはマルチプロトコルではないため、ドローンの通信方式と一致しているか確認しておく必要があります。また、海外製プロポ全般に言えることですが、個人輸入などルートによっては技適マークが取得されていない製品が売られていることがあります。購入の際には気をつけるようにしましょう。
<向いている人>
- カスタム設定で自分だけの自由な操作を追求したい人
- 安価で良いものを買いたい人
- 複雑な設定をストレスに感じない人
JUMPER T-Liteは小さく軽いので操作感が抜群
(引用:JUMPER公式サイト)
とにかく小さく操作しやすいプロポが良い、という人におすすめなのがJUMPER T-Liteです。
166×106×56mmのサイズ、260gの重量でありながら、ドローンの操作に必要な機能はしっかりと備えている魅力的なプロポです。小さいですがボタン類は数多く設置されており、マルチチャンネルに設定可能です。また、価格が安価である点も魅力と言えます。
ただし、本体が小さい分、搭載されている画面も小さめです。音声出力も可能ですが、設定の際などには使いにくさを感じる人もいるかもしれません。日本語表示にも対応していません。
<向いている人>
- とにかく小さく軽いプロポを探している人
- 空撮などカメラ使用よりもドローンの操作そのものを楽しみたい人
DJIスマート送信機を使えばソーシャルメディアとの連携がシームレスに
(引用:DJI公式サイト)
DJIスマート送信機は、SNSやスマートフォンとの連携性の高さが大変特徴的なプロポです。プロポ自体にAndroid OSを搭載しており、サードパーティ製も含め様々なアプリをインストールしてカスタムすることも可能です。
また、独自のアプリや機能を利用し、空撮映像をリアルタイムで自分のスマートフォンやSNSへ送ることができます。ドローン空撮のライブ配信なども可能であるため、ソーシャルメディアへの活用を楽しみたい人にとっては大変魅力的なプロポと言えるでしょう。
一方で、操作性についてはそこまで大きなアピールポイントとはされていません。ドローン操作の自由度を求める場合には、プロポとしての魅力はそこまで大きく感じられないかもしれません。また、価格が8万円台と高価である点も検討ポイントとなりそうです。
<向いている人>
- ドローンでの空撮映像をリアルタイムかつシームレスに楽しみたい人
- ソーシャルメディアとの連携を最大限に楽しみたい人
おすすめのプロポを購入できる場所
購入するプロポを決めたら、実際に購入する場所を選ぶことになります。日本国内でプロポを購入する際には、主に次のいずれかのルートで購入することになります。
Amazonなどネットショップ
最も手軽にプロポを手にすることができるのは、ネットショップを利用することでしょう。購入することができる選択肢も多く、色々と比較して購入することができます。また、ショップによって価格が異なることもあり、運が良ければ店舗で購入するよりも安価で手に入れることができるかもしれません。
ひとつ注意しておきたいポイントとして、海外のショップでは技適マークがついていないプロポも売られているということです。海外サイトを利用して個人で購入する場合には、技適マークについて必ず確認するようにしましょう。
ラジコンなどを取り扱うホビーショップ
実店舗で購入する際には、ラジコンなどを扱っているホビーショップなどで購入可能です。おもちゃ全般を広く取り扱うような店舗でも取り扱いがあることもありますが、専門店の方が品揃えも多く、スタッフの知識も深いことが多いためおすすめです。販売店で購入する際には、購入後アフターサポートを受けることができることも多いので、どのようなサポートを受けられるのか聞いておくと良いでしょう。
実店舗で購入する最大のメリットは、実際にプロポに触れてみることができるという点です。プロポでは繊細で複雑な操作をすることも少なくなく、スティックやボタンのちょっとした反応の違いが気になることもあります。また、重さやプロポの形が手に馴染むか、といった点も重要です。
店舗を訪れた際には、せっかくですから色々なプロポを実際に手に取って選んでみてください。
リサイクルショップやフリマアプリ
最後に、リサイクルショップやフリマアプリを利用して中古のプロポを購入するという方法もあります。掘り出し物に出会えば、良いプロポを定価よりも安価で手に入れることができるかもしれません。
ただし、中古品を購入する際には不具合や破損の有無など、状態の確認を丁寧に行うことをお勧めします。また、海外製の、技適マークのない製品が出品されている可能性もあるため、こちらも合わせて確認しましょう。
まとめ
ドローンの直感的で自由な操作のためには、プロポの果たす役割が大変重要です。自分に合ったプロポを使用するだけで、ドローンの操作性は大きく向上します。ドローンの操作に慣れてきたら、あるいはドローンでしたいことが広がってきたなら、プロポにも目を向けてみてください。
最後に、この記事の内容をもう一度まとめます。
◎プロポ購入時にチェックしておきたいポイント
(1)技適マークがついている
(2)通信方式がドローンと一致している
(3)チャンネル数が十分である
(4)プロポの重さ・大きさ
(5)画面の有無
◎日本で使える主なプロポメーカー
(1)FUTABA
(2)JUMPER
(3)Frsky
◎ 今買うならこのプロポ!おすすめ商品6選
(1)FUTABA T10J
(2)FUTABA 16IZ
(3)JUMPER T8SG Plus V3
(4)Frsky Taranis X9 Lite S
(5) JUMPER T-Lite
(6)DJIスマート送信機
◎おすすめのプロポを購入できる場所
(1)Amazonなどネットショップ
(2)ラジコンなどを取り扱うホビーショップ
(3)リサイクルショップやフリマアプリ
プロポの違いは「良し悪し」ではなく、自分の操作感や目的に適っているかどうかが大切です。それぞれの製品の特徴をよく理解し、自分に適した製品を選ぶことで、ドローンの可能性を大きく広げることができます。プロポについては下の記事でも詳しく説明しています。ぜひ合わせてご覧ください。