「産業用ドローンにはどのようなものがあるの?業務で使える産業用ドローンを検討したい」
「産業用ドローンの価格やメーカーは?自社で購入できるものなのか気になる」
産業用ドローンとは測量や点検、農薬散布など特定の産業分野で使える性能を備えたドローンのことです。実際には、どのような産業用ドローンがあるのか気になる人も多いのではないでしょうか?
産業用ドローンは中国メーカーの「DJI」がシェアトップではあるものの、下記のように国内外問わずさまざまなメーカーが参入しています。
産業用ドローンの一例 |
|
---|---|
DJI |
安定性の高い飛行とハイスペックな性能が特徴的な |
SONY |
フルサイズミラーレス一眼αシリーズが搭載できる |
Skydio |
コンパクトボディと高性能が魅力的 |
PRODRONE |
レーザー測量機を搭載できる |
ACSL |
セキュリティの高さと安全性を重視 |
産業用ドローンにはどのような製品があるのか、産業用ドローンの魅力はどこなのか理解して、目的に応じた製品を選択することが欠かせません。
そこでこの記事では、産業用ドローンが注目されている理由や価格、購入方法やメーカーなど、産業用ドローンを購入するうえで知っておきたい情報をまとめて解説していきます。とくに業務内容別のおすすめの産業用ドローンは必見です。
【この記事を読むと分かること】
- 産業用ドローンが注目されている理由
- 産業用ドローンを扱うために必要な資格
- 産業用ドローンの購入コストや購入する方法
- 国内外の産業用ドローンメーカー
- 業務内容別のおすすめの産業用ドローン
この記事を最後まで読めば産業用ドローンを導入するべきか判断でき、目的に応じた産業用ドローンを見つけられます。産業用ドローンの市場は今後拡大していく見込みなので、ぜひ今のうちに検討してみてください。
目次
産業用ドローンとは測量や点検など特定の分野で使われるドローンのこと
産業用ドローンとは、測量や点検、農薬散布など産業における特定の分野で使うための機能が備わっているドローンのことです。一般ドローンと明確な線引きはありませんが
- 特定の産業分野に特化した機能を兼ね備えている
- 業務効率化や人材不足の解消など産業が抱える課題を解決する
の2つが揃っていることが産業用ドローンの条件だと言えます。産業用ドローンは、下記の分野で実証や導入が進んでいます。
分野 |
ドローンの活躍シーン |
機体の特徴 |
---|---|---|
空撮分野 |
|
|
農業分野 |
|
|
建築分野 |
|
|
物流分野 |
|
|
警備分野 |
|
|
例えば、農業分野では、ドローンが作物の上を飛行し農薬や肥料の散布を行う活用が進んでいます。重労働だった農薬散布の負担が軽減でき、業務効率化や収穫量の増加に貢献しています。
また、建築分野では、ドローンを活用して点検や測量を行う企業が増えています。高所や狭所、危険物を扱う施設などで人に代わってドローンが点検を行うことで、安全性の向上が見込めます。
このように、産業用ドローンはさまざまな分野で、課題の解消や価値の創出を担っています。
財務省の「ドローン機体ビジネスの動向について」の動向によると、以前は個人利用だったドローンが産業活動において広く使われるようになってきていると述べられています。
今後はドローンの普及とともに、更なる市場拡大が見込まれます。中でも、点検や物流分野は2025年までに急成長すると予測されています。
分野 |
2020年度(億円) |
2025年度(億円) |
伸び率 |
---|---|---|---|
空撮 |
28 |
91 |
高い |
土木・建築 |
67 |
247 |
高い |
点検 |
279 |
1,715 |
非常に高い |
農業 |
315 |
940 |
高い |
防犯 |
32 |
139 |
高い |
物流 |
15 |
797 |
非常に高い |
その他 |
92 |
431 |
高い |
産業用ドローンが注目されている4つの理由
産業用ドローンが注目されている理由には、次の4つがあります。
産業用ドローンが注目される4つの理由 |
---|
①人材不足を解消できる |
なぜ今産業用ドローンの導入が推奨されているのか理解できるので、ぜひ参考にしてみてください。
人材不足を解消できる
1つ目は、人材不足を解消できることです。日本では少子高齢化に伴い、各産業での人手不足が深刻化しています。中でも、農薬と物流分野は深刻です。
農林水産省が公表している「令和3年度⾷料・農業・農村⽩書」によると、基幹的農業従事者数(主に自営農業に従事している人)の70%が65歳以上となっています。
若年層の不足と高齢化よりこの先農業生産を継続するには、90万人の農業従事者が必要だと言われています。
物流分野ではEC市場の発展に伴い荷物が増加する一方で、ドライバー不足が深刻化しています。
経済産業省が公表している「物流危機とフィジカルインターネット」によると、2027年には24万人のドライバーが不足し、労働環境の悪化や予定通り運べない荷物の増加が懸念されています。
そこで、人に代わりドローンに仕事をしてもらうことで、人手不足の解消が期待できます。農業分野ではすでにドローンによる農薬散布が普及しており、ドローンの導入で人手不足をカバーしています。
物流分野は現在実証段階ではありますが、今後はドライバーに代わり荷物配送ができるようになると予測されています。このように、従来人が行っていた作業をドローンが行うことで、深刻な人手不足の解消につながります。
危険な作業や人ではできない作業を任せられる
2つ目は、危険な作業や人ができない作業を任せられるところです。とくに、物流分野や警備分野に該当します。
例えば、橋梁やトンネル、線路やダムなどの点検は人でも行えるものの、危険性や負担が大きいです。人が近づきにくい場所や危険を伴う設備はドローンを使い点検を行うことで、ケガや事故のリスクを軽減できます。
下記は、国土交通省が実施した橋梁の定期点検の様子です。従来は通行規制を実施し、橋梁点検車を使って大掛かりな点検作業をしていましたが、ドローンを導入したことで危険を伴うことなく手軽に点検ができるようになりました。
また、検査や点検では、湖の水質検査や災害時の現場の把握など人の手では難しいケースもあります。このような場合もドローンを活用して点検や警備、調査をすることで、従来は困難だったことができるようになります。
実際に、静岡県熱海市の土石流災害現場ではドローンが活躍しました。災害時は人が現場に近づけないこともあり、現状把握が大きな課題となります。
ドローンを使うことでいち早く現状把握をして、災害救助につなげる取り組みも始まっています。
業務効率化につながる
3つ目は、業務効率化につながることです。産業用ドローンには
- 目視外飛行ができるため現場まで足を運ぶ必要がない
- 人よりも早いスピードで業務ができる
などの特徴があり、業務効率化へとつながります。各分野での業務効率化の一例は、下記のとおりです。
分野 |
業務効率化の例 |
---|---|
映像分野 |
|
農業分野 |
|
建築分野 |
|
物流分野 |
|
警備分野 |
|
例えば、建築分野では屋根やソーラーパネルの点検に、ドローンを活用するケースが増えています。人の目視による点検は避けられないものの、定期的にドローンによる点検を行うことで人による点検回数を減らすことが可能です。
また、農業分野では広大な敷地に人の手や動⼒散布機械で農薬を撒くよりも、ドローンで散布したほうが短時間で完了できます。作業時間の短縮や必要な人件費、農薬量の削減につながっています。
このように、ドローンを活用することで、限られた人員でも効率よく業務が遂行できるようになります。
データの収集、分析ができる
4つ目は、データの収集、分析ができることです。
昨今はデータ活用社会と呼ばれており、あらゆるシステムから収集できるデータをもとに顧客のニーズ理解や現状把握、課題の発見などを行っています。つまり、有効なデータがあればあるほど、自社の可能性が広がるのです。
ドローンを使うときにはアプリケーションやソフトウェアを導入しますが、データの収集や分析ができる商品が出てきています。例えば、データをもとにドローンの飛行経路が最適化できれば、飛行時間の短縮や安全性の確保につながるでしょう。
また、ドローンでの観測データや点検データを蓄積していくことで、今後の予測や商品開発に役立てることが可能です。例えば、ドローンによる屋根点検を重ね劣化の早い場所があれば、材質の変更や施工方法の検討ができるようになります。
産業用ドローンを扱うときに資格は必要?
「産業用ドローンを導入したいけれど資格は必要なの?」と気になっている方もいるかと思います。結論から言うと、業務内容によって必要な申請や資格は異なります。
ここでは、どのようなときに事前承認や資格が必要となるのか詳しく解説していきます。産業用ドローンを使う目的を踏まえて、ぜひチェックしてみてください。
業務よってドローンの操縦に必要な申請や資格が異なる
産業用ドローンの操縦に必要な申請や資格は業務内容により異なります。主に必要となるのが、特定飛行の事前承認と国家資格、第三級陸上特殊無線技士(無線免許)の取得です。
①特定飛行の事前承認
特定飛行とは、100g以上のドローンを操縦するときに飛行許可が必要な行為を指します。具体的には、下記の9つの行為と最大離陸重量25kg以上のドローンが該当します。
例えば、農薬散布を行うには「危険物輸送を伴う飛行」と「物件投下(液体を含む)を伴う飛行」の事前承認が必要です。
また、ドローンを使って屋根の点検を行う場合は「上空150m以上の飛行」や「目視外飛行」が該当するでしょう。
このように、業務内容に応じた事前申請を行い、あらかじめ承認を得る必要があります。
②国家資格の取得
産業用ドローンを使い仕事をするなら、国家資格を取得したほうがいいです。ドローンの国家資格とは、2022年12月5日からスタートしたドローンの操縦ライセンス制度のことです。
「一等無人航空機操縦」と「二等無人航空機操縦士」の2つがあり、先ほど紹介した特定飛行を行う場合は国家資格の取得が推奨されています。国家資格を取得したほうがいい理由は、次の3つです。
国家資格であるドローンの操縦ライセンスの種類 |
|
---|---|
一等無人航空機操縦士 |
特定飛行のスキルや知識の保有・第三者の上空を目視外かつ補助者なしで飛行できる(特定飛行の一部の許可申請を簡略化できる) |
二等無人航空機操縦士 |
特定飛行(立入管理区画上空飛行)のスキルや知識を保有(特定飛行の一部の許可申請を簡略化できる) |
A.事前承認の簡略または省略ができる
「一等無人航空機操縦」と「二等無人航空機操縦士」のいずれかを取得していると下記の事前承認が簡略化または省略できます。
【書類の省略ができるケース】
- 人や物との距離が30m以内となる飛行
- 夜間飛行
- 目視外飛行(機体を目視できない状態での飛行)
- 人口集中地区上空の飛行
※最大離陸重量25kg未満、立入管理措置をしている場合
- 上記以外は簡略化できる
例えば、ドローン点検や空撮で150m以下の上空を目視外で飛行する業務が多い場合は、国家資格を取得していると事前申請にかかる時間と労力を削減できます。
B.業務の幅が広がる
一等無人航空機操縦士を取得していると、第三者の上空を目視外かつ補助者なしで飛行できます(事前申請は必要)。
例えば、イベント施設の警備や一般荷物の配送など、多くの人の上空を飛行した業務ができるようになります。
この行為は一等無人航空機操縦士を取得していないとできないため、仕事内容によっては業務の幅が広がるでしょう。
C.仕事をするうえでの信頼性が増す
産業用ドローンは国家資格を取得していなくても操作自体は可能(一部業務を除く)ですが、国家資格があると技術や知識を保有している証となります。
仕事をするうえでの信頼性につながり、安心して任せてもらえるようになるでしょう。
また、産業用ドローンを使った仕事の営業を行うときに、国家資格を保有していることが武器になる可能性もあります。
ドローンの国家資格の取得方法は、下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
【2023年2月最新】ドローンの国家資格(免許)制度!費用・いつから・取り方・免除についてなど全まとめ
【ドローンの国家資格を活用するには機体認証が必要】
国家資格取得による事前承認の簡略化を利用するには、機体認証済みのドローンを使用する必要があります。
機体認証済みのドローンと国家資格の2つがセットでないと事前承認の簡略化や省略ができません。
※機体認証とは別に「機体登録制度」があります。これは、重量(本体重量+バッテリー重量)が100g以上のドローンの登録を義務化した制度です。機体認証とは別に、100g以上のドローンであれば必ず登録しなければなりません。
③第三級陸上特殊無線技士の取得
産業用ドローンには長距離、高伝送な無線電波を使うために、「5.7Ghz」帯の周波数帯を利用する場合があります(一般的なドローンは2.4GHz帯で無線資格が不要)。日本では5Ghz帯の無線電波を無許可・無資格で使うことが法律で禁止されています。
5.7Ghz帯の周波数帯を利用する産業用ドローンを使うときには、第三級陸上特殊無線技士の資格が必要です。産業用ドローンでは下記のような周波数を使う場合に、第三級陸上特殊無線技士資格を取得しておかなければなりません。
【第三級陸上特殊無線技士資格が必要な周波数】
周波数169MHz、出力10mW
周波数2.4GHz、出力最大1W
周波数5.7GHz、出力最大1W
第三級陸上特殊無線技士資格の資格取得方法は下記の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
【ドローンの無線資格(免許)】必要な2ケースと取得方法・開局申請まで紹介
産業分野に応じた資格が必要となる場合がある
産業用ドローンを扱うにはドローン機体に必要な申請や資格の他に、産業分野に応じた資格が必要となる場合があります。例えば、ドローン測量を仕事にする場合は、国家資格である測量士または測量士補の資格が必要です。
また、ドローン警備を仕事にする場合は警備員指導教育責任者を配置した環境下で、機械警備業務管理者資格(機械警備をするための国家資格)を有している人でなければ操縦ができません。
このように、産業用ドローンを扱う分野によっては、専門的なスキルがあることを証明する資格が必要です。
【農業分野で農林水産航空協会の認定ドローンを扱う場合は産業用マルチローター技能認定が必要】
農業に特化した産業用ドローンの中でも農林水産航空協会やUTCの認証を受けた認証機を購入するには、対象機種に応じた産業用マルチローター技能認定を受ける必要があります(2023年5月時点での認証機体はこちらです)。
産業用マルチローター技能認定に関しては下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
産業用ドローンの価格相場
産業用ドローンは、50万~300万円程度が相場です。産業用ドローンは分野ではなく、性能によって価格が大きく変わります。言い換えると、特定の分野の産業用ドローンが高いわけではなく、あくまでも機体の性能によって左右されます。
【産業用ドローンの価格を左右する要素】
- 産業分野ごとに料金相場が決まっているわけではない
- 料金を決定する要素は機体の性能である
例えば、農業用ドローンの場合は、タンクが大きくなる・散布性能が高くなる・複数の種類の農薬が使用できるなど多くの性能が備わっていると価格が高くなる傾向があります。
また、海外製ドローンよりも日本製ドローンのほうが価格が高くなる傾向があります。例えば、産業用の空撮ドローンを比較すると、30万円~50万円程度の差があります。
もちろんすべての産業用ドローンでここまで差があるわけではないですが、日本製を検討する場合は価格が高くなることを念頭に置いておくといいでしょう。
このように、産業用ドローンは一般的なドローンよりも高価になるため、代理店やメーカーによってはレンタルサービスを用意しているケースがあります(民間サービスでもドローンレンタルサービスがあります)。
まずはレンタルサービスを活用して使い心地や性能を確認してから、本格的に購入を検討するほうが無難でしょう。
【産業用ドローンの購入には補助金や助成金が活用できる】
産業用ドローンを購入するときには、事業の取り組みをサポートする補助金や助成金が活用できるケースがあります。2023年5月時点で活用できる補助金の一例は、下記のとおりです。
補助金や助成金を活用すると産業用ドローンの導入費用の負担を軽減できるため、ビジネスに活用しやすくなります。補助金や助成金を受け取るには各々に条件があるので、下記の記事を参考にしてみてください。
産業用ドローンは「DJI」がシェアトップ
DRONE ANALYS社が2021年に実施したドローンの年次市場レポートを見ると、産業用ドローンの市場シェアはDJIが54%と過半数を占めている結果となりました。
DJIは中国の広東省深圳市に本社を構えるドローンメーカーで、世界のドローン市場で圧倒的なシェアを誇っています。
DJIの基本情報 |
|
---|---|
社名 |
DJI(大疆創新科技有限公司) |
本社所在地 |
中国 広東省深圳市 |
特徴 |
一般用から産業用ドローンまで幅広いラインナップが揃っている。産業用ドローンの「Matrice」シリーズは、過酷な状況下での使用を想定。用途に応じた性能を兼ね備えている。 |
公式サイト |
一方で、DJIの産業用ドローンシェア率は年々減少しています。全盛期の74%(2018年)と比較すると、20%も減少しているのが現状です。
この背景には産業用ドローンの開発を手掛けるメーカーが増え、競争が激化している現状があります。農業や点検、警備など各産業に特化した新しい性能や技術も生まれてきているので、今後はさらに競争が激化すると予測されています。
DJI以外の海外産業用ドローンメーカー一覧
DJI以外では、下記のような海外産業用ドローンのメーカーがあります。
メーカー |
本社所在地 |
概要 |
製品の一例 |
---|---|---|---|
Yuneec Holding Ltd. Company |
香港 |
ドローンメーカーで空撮に特化した製品を手掛けている。 |
Typhoon H Plus |
フランス |
産業用ドローンに特化したメーカー。おしゃれなデザインと海外製ドローンの中ではセキュリティの高さが魅力。 |
ANAFI-Ai |
|
中国 |
折りたたみ可能な小型ドローンから産業用ドローンまで幅広く扱っている。タフな機体と高い性能が大きな魅力。 |
EVO Max 4T |
|
アメリカ |
ドローン自身でルートを決めて飛行できる自律飛行ドローンが特徴。 |
Skydio 2+ |
|
アメリカ |
農業や林業、警備など幅広い業種の産業用ドローンを扱っている。 |
eBee Ag |
|
北京 |
産業用ドローンの中でも水中ドローンに注力しているメーカー。 |
PowerDolphin |
産業用ドローンはアメリカと中国が強く、点検分野や空撮分野が中心となっています。また、連続飛行時間が長いドローンや水中ドローンなど、一定の性能に特化した産業用ドローンが見受けられる点も特徴です。
産業用ドローンは日本製メーカーも豊富
産業用ドローンは、日本製メーカーも豊富です。日本国内でのドローンビジネス市場は今後拡大すると予測されており、これに付随して産業用ドローンの設計や製造に力を入れている状態です。
とくに2020年以降はSONYやNTTなどの大手企業も産業用ドローンの製造に参入し、日本製の産業用ドローンが増えてきています。
日本製の産業用ドローンは価格は高いものの、セキュリティが高く日本の風土で使いやすいなどのメリットがあります。
【日本製産業用ドローンのメリット】
- セキュリティ対策を取り入れている製品が多い
- 日本の気候や風土、産業の特徴を理解したうえで設計、製造されている
- 農業用ドローンや物流用ドローンでは初心者でも使いやすい機能にこだわった製品がある
- 購入時のサポートやアフターサポートが手厚い
そのため、
- 産業用ドローンのセキュリティを重視したい
- 初心者でも手軽に使える産業用ドローンが欲しい
- いざという時のためにアフターサポートを重視したい
という場合には、日本製の産業用ドローンを選択するといいでしょう。日本製のドローンの種類や魅力は下記の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
【2023年最新】日本製ドローン17選!メーカーや用途別に徹底解説
国内の主要な産業用ドローンメーカー一覧
世界から見ると日本の産業用ドローンはシェア率が低いものの、複数の国内メーカーが参入しています。日本を代表する産業用ドローンメーカーは、下記のとおりです。
日本を代表する産業用ドローンメーカー |
||
---|---|---|
メーカー名 |
概要 |
製品の一例 |
業務効率化・低リスク・低コスト化など産業での課題を解消するドローン開発をしている。 |
||
国内トップレベルの産業用ドローン必須特許取得数で、ニーズに応じた産業用ドローンを製造。 |
||
ミラーレス市場を牽引してきた技術をドローンに応用。空撮分野でクオリティの高い撮影をサポートする。 |
||
NTTグループのドローン専業会社。初心者でも扱いやすい小型の農業用ドローンを設計、販売している。 |
||
日本の農業の現場で培ったノウハウを活かした農業用ドローンを開発、販売している。 |
||
農業や林業で扱う大型の産業用ドローンが中心。 |
その他の産業用ドローンメーカー |
||
---|---|---|
メーカー名 |
概要 |
製品の一例 |
運搬に適している大型ドローンと幅広い用途で使える中型ドローンを展開。個別のカスタマイズやサポート体制を整えている。 |
FMC-01 |
|
日本の農業現場を第一に考えた農業用ドローンを扱っている。初心者でも使いやすい操作性や安全性を重視している。 |
TA408-F |
|
自社でさまざまなテストを繰り返し、高品質高耐久ドローンを製造。 |
Build Flyer |
|
レスキュードローンと農業用ドローンを扱っている。防水性能や飛行時間などのスペックが高く、産業利用しやすい。 |
TSV-AQ2 |
|
農業用とベース機の2パターンを展開。ベース機は用途に応じたカスタマイズがしやすい点が特徴。 |
E484MP |
|
独自の重心制御技術「4DGRAVITY」を開発。物流や点検向けのドローンに活用している。 |
Next DELIVERY |
|
室内の点検や測量に特化した産業用ドローンを開発。レンタルサービスや巡回サービスを展開している。 |
IBIS |
日本製の産業用ドローンは、国内の風土や課題に応じて使いやすさを追求した製品が多いです。
例えば、日本の圃場の広さを考慮して設計をしたドローンや日本の測量士と実証を積み開発をしたドローンなど、日本国内の事情や課題を踏まえた製品が見受けられます。
とくに農薬散布を目的とした産業用ドローンは、海外製品よりも使いやすい設計の製品が目立ちます。このように、日本製の産業用ドローンは数が少ないものの、目的によっては充分に検討できます。
【2023年分野別最新】おすすめの産業用ドローン
ここからは、産業分野別におすすめ産業用ドローンをご紹介します。
空撮におすすめの産業用ドローン |
|
---|---|
フルサイズミラーレス一眼αシリーズを装着して撮影が可能 |
|
56倍ズームに対応しており空撮や点検、警備まで幅広く活用できる |
|
ISO15408を取得しており、空撮時のセキュリティを強化できる |
|
農業分野で活躍する産業用ドローン |
|
360度球形レーダーシステムにより飛行中の安全を自動で維持できる |
|
日本の圃場に多い50a以下のサイズをベースに設計 |
|
「軽量」「コンパクト」「低燃費」がコンセプトで、女性でも使える農薬散布ドローン |
|
点検や測量におすすめの産業用ドローン |
|
AIによる自律飛行技術と障害物回避技術を搭載 |
|
1cmレベルでの正確な測量ができる測位システムを搭載 |
|
レーザー測量機を搭載でき、高精度なデータを取得 |
|
物流におすすめの産業用ドローン |
|
最大飛行時間が70分と長く物流現場で使いやすい |
|
重心制御技術を搭載し荷物の揺れを抑え安定した飛行ができる |
|
1度に30kgの重量物を運搬でき1日で合計700kgの運搬が可能 |
業務内容によって適している産業用ドローンが異なるため、目的に応じて気になる産業用ドローンを見つけてみてください。
空撮におすすめの産業用ドローン
まずは、空撮におすすめの産業用ドローンをご紹介します。
空撮におすすめの産業用ドローン |
|
---|---|
SONY:Airpeak S1 |
フルサイズミラーレス一眼αシリーズを装着して撮影が可能 |
DJI:Mavic 3 Enterprise |
56倍ズームに対応しており空撮や点検、警備まで幅広く活用できる |
ACSL:SOTEN(蒼天) |
ISO15408を取得しており、空撮時のセキュリティを強化できる |
産業用として使う場合はカメラ自体の性能や撮影能力の高さ、飛行時間がチェックポイントとなります。どの製品も高いスペックを持ち合わせているので、ぜひチェックしてみてください。
※各表の「申請書類の一部を省略できるドローン」は国土交通省が公表している資料「資料の一部を省略することができる無人航空機」に従っています。該当する場合は申請が必要な特定飛行等の飛行を行う時の申請内容の一部を省略できます。
※各表のリモートID搭載ドローンは国土交通省が公表している「適合しているとして届出があったリモートID機器等の一覧」に従っています。リモートID非搭載であっても、外付けが可能です。
SONY:フルサイズでの空撮を可能にする「Airpeak S1」
Airpeak S1のスペック |
|
---|---|
サイズ |
526.8mm×591.9mm×511.8mm |
重量 |
機体のみ:約3.1kg |
最大積載量 |
約2.5kg |
最大離陸重量 |
約7.5kg(バッテリーパックLBP-HM1使用時) |
最大飛行速度 |
25m/s(90km/h) |
最大飛行時間 |
約20分(ジンバル搭載時) |
防塵・防水性 |
– |
申請書類の一部を省略できる |
〇 |
リモートID内蔵 |
〇 |
価格 |
オープン価格 |
商品サイト |
「Airpeak S1」はジンバルを取り付けることで、高い描写力を誇るフルサイズミラーレス一眼αシリーズで撮影できる点が特徴。
カメラ設定は送信機で変更できるため、撮影オペレーションの効率化が実現できます。上空の状態に応じて明度やコントラストを柔軟に変更し、理想的な写真や映像を作れます。
また、誤差の少ない自己位置推定ができるため、飛行の精度が高いところもポイント。構図に応じて的確な位置を飛行できます。再現飛行機能も備えているため、リハーサルでの経路を再現することも可能です。
DJI:56倍ズームに対応「Mavic 3 Enterprise」
出典:DJI「Mavic 3 Enterpriseシリーズ」
Mavic 3 Enterpriseのスペック |
|
---|---|
サイズ |
347.5mm×283mm×107.7mm |
重量 |
機体のみ:915g |
最大積載量 |
– |
最大離陸重量 |
1.05kg |
最大飛行速度 |
15 m/s(ノーマルモード) |
最大飛行時間 |
約45分 |
防塵・防水性 |
– |
申請書類の一部を省略できる |
〇 |
リモートID内蔵 |
〇 |
価格 |
オープン価格 |
商品サイト |
「Mavic 3 Enterprise」は、産業用の小型ドローンです。広範囲を捉える望遠カメラは、56倍ズームに対応している点が特徴。被写体に応じた設定ができるだけでなく、点検や警備など幅広い業務に応用できます。
最大飛行時間は45分と長く、長時間の空撮にも対応。全側面に障害物検知機能を搭載しており、撮影シーンに応じて接近アラートを設定することも可能です。
ACSL:強固なセキュリティ対策が魅力「SOTEN(蒼天)」
SOTEN(蒼天)のスペック |
|
---|---|
サイズ |
637mm×560mm(プロペラ含む) |
重量 |
1,72kg(標準カメラ・バッテリー含む) |
最大積載量 |
2kg |
最大離陸重量 |
約7.5kg(バッテリーパックLBP-HM1使用時) |
最大飛行速度 |
– |
最大飛行時間 |
25分(標準カメラ搭載時、風速8m/s条件下) |
防塵・防水性 |
IP43 |
申請書類の一部を省略できる |
× |
リモートID内蔵 |
〇 |
価格 |
オープン価格 |
商品サイト |
「SOTEN(蒼天)」は、国産の小型空撮ドローンです。
ISO15408(セキュリティに関する機能が備わっていることを示す認証制度)を取得しており、データ漏洩やドローン乗っ取り対策ができるところが特徴。空撮時に気になるセキュリティを強化して使用できます。
また、カメラ部分はワンタッチで切り替えができ、シーンに応じて柔軟に交換することが可能。日本の気候を考慮し最大対気速度15m/sと風に強く、安定した飛行を実現できます。
空撮の仕事内容や必要機材は下記の記事をチェック |
---|
農業分野で活躍する産業用ドローン
続いて、農薬散布や農地の点検など農業分野で使える産業用ドローンをご紹介します。
農業分野で活躍する産業用ドローン |
|
---|---|
DJI:Agras T10 |
360度球形レーダーシステムにより飛行中の安全を自動で維持できる |
マゼックス:飛助DX |
日本の圃場に多い50a以下のサイズをベースに設計 |
NTTe-DroneTechnology:AC101 |
「軽量」「コンパクト」「低燃費」がコンセプトで、女性でも使える農薬散布ドローン |
農薬散布を目的とする場合は、タンク容量や最大離陸重量、効率よく農薬散布ができる性能を確認しておくといいでしょう。
DJI:安定性の高い飛行で業務効率化できる「Agras T10」
Agras T10のスペック |
|
---|---|
サイズ |
1958mm×1833mm×553mm(展開時) |
重量 |
12.2kg |
最大積載量 |
– |
最大離陸重量 |
24.8kg |
タンク容量 |
8L |
最大飛行速度 |
10m/s |
最大飛行時間 |
17分(離陸重量16kg・9,500mAh時 ) |
防塵・防水性 |
IP67 |
申請書類の一部を省略できる |
× |
リモートID内蔵 |
〇 |
農林水産航空協会認定機 |
× |
価格 |
要問合せ |
商品サイト |
「Agras T10」は、DJIが手掛ける農業用ドローンです。機体を小さく折り畳むことができ、携帯に便利なデザインを採用。複数の田園を掛け持ちしている場合や移動のしやすさにこだわりたい場合に向いています。
360度球形レーダーシステムを採用しており、飛行中の安全を自動で維持できる点も魅力的。機体は密封性が高くIP67も取得しているので、天候に左右されることなく安心して使えます。
マゼックス:特許取得の散布システム「飛助DX」
出典:マゼックス「飛助DX」
飛助DXのスペック |
|
---|---|
サイズ |
1160mm×1160mm×620mm(展開時) |
重量 |
12.1kg(液剤の場合) |
最大積載量 |
液剤9L・粒剤10kg |
最大離陸重量 |
24.9kg |
タンク容量 |
9L |
最大飛行速度 |
15km/h |
最大飛行時間 |
25分 |
防塵・防水性 |
– |
申請書類の一部を省略できる |
〇 |
リモートID内蔵 |
× |
農林水産航空協会認定機 |
〇 |
価格 |
840,000円~ |
商品サイト |
「飛助DX」は、日本の圃場で活躍できる設計にこだわっているところが特徴。バッテリー容量やサイズ、飛行時間などを日本の圃場に多い50a以下のサイズをベースに設計しています。
また、特許を取得している高い散布性能もポイント。薬剤が風に流れにくいよう4枚のプロペラを配置することで、葉裏や根元まで均一に散布できます。
2つの飛行モードが搭載されているので、圃場の形状や農薬散布したい範囲に応じて無駄なく作業することが可能です。
NTT e-Drone Technology:使いやすさを追求「AC101」
出典:NTT e-Drone Technology「AC101」
AC101のスペック |
|
---|---|
サイズ |
935mm×935mm×676mm(展開時) |
重量 |
5.8kg |
最大積載可能質量 |
8kg |
最大離陸重量 |
20kg |
タンク容量 |
8L |
最大飛行速度 |
5.6km/s(水平時) |
最大飛行時間 |
30分 |
散布速度 |
15km・20km |
防塵・防水性 |
– |
申請書類の一部を省略できる |
× |
リモートID内蔵 |
× |
農林水産航空協会認定機 |
× |
価格 |
173万円程度 |
商品サイト |
「AC101」は、NTTグループのドローン専用会社が開発をした農業用ドローンです。日本の農業現場を考えた「軽量」「コンパクト」「低燃費」がコンセプトで、女性でも使える農薬散布ドローンを目指しています。
過去のヒヤリハット事例やユーザーの声をもとに、安全性に配慮した3つのアシスト機能が搭載されている点もポイント。とくに飛行アシスト機能は高度なセンサーとソフトウェアにより、初心者でもストレスなく操縦できるようサポートします。
【農薬散布用ドローンは日本製がおすすめ】
農薬散布用ドローンは高度な性能を搭載した日本製ドローンが多く販売されており、日本製での検討がおすすめです。海外製品にはない
- 日本の圃場に応じた性能やサイズ
- 日本の農業の課題に応じた性能(軽量化やアシスト機能など)
などが備わっており、日本の風土や環境で使いやすくなっています。農薬散布を目的とした産業用ドローンを検討している場合は、日本製をチェックしてみてください。
点検や測量におすすめの産業用ドローン
続いて、点検や測量に使える産業用ドローンをご紹介します。
点検や測量におすすめの産業用ドローン |
|
---|---|
Skydio:Skydio 2+ |
AIによる自律飛行技術と障害物回避技術を搭載 |
DJI:Phantom 4 RTK |
1cmレベルでの正確な測量ができる測位システムを搭載 |
PRODRONE:PD4B-M |
レーザー測量機を搭載でき、高精度なデータを取得 |
測量や点検の産業用ドローンを選ぶときは性能や測量、点検の精度、機体のサイズを確認しておくといいでしょう。高性能な製品を厳選したので、ぜひチェックしてみてください。
Skydio:障害物回避機能を搭載「Skydio 2+」
Skydio 2+のスペック |
|
---|---|
サイズ |
229mm×274mm×126mm (アンテナを立てた状態) |
重量 |
800g(バッテリー含む) |
最大積載量 |
2kg |
最大離陸重量 |
– |
最大飛行速度 |
時速36マイル(完全自動運転) |
最大飛行時間 |
27分 |
防塵・防水性 |
— |
申請書類の一部を省略できる |
× |
リモートID内蔵 |
〇 |
価格 |
15万円~ |
商品サイト |
「Skydio 2+」は、コンパクトな機体と高い性能が魅力的な産業用ドローンです。
AIによる自律飛行技術と障害物回避技術を搭載しており、複雑な地形や狭小地でも安定した飛行が可能。とくに障害物回避技術では本体に内蔵されている6つのカメラで常時周囲を確認し、障害物を避けられるよう設計されています。
また、高解像度な映像撮影ができるため、空撮や点検、警備に活用することが可能。デジタルズーム機能やアングル変更機能も備わっており、見えにくい点検箇所などでも活躍します。
DJI:公共測量に必要な精度の高さ「Phantom 4 RTK」
Phantom 4 RTKのスペック |
|
---|---|
サイズ |
– |
重量 |
1.391kg |
最大積載量 |
– |
最大離陸重量 |
– |
最大飛行速度 |
50km/h(Pモード時) |
最大飛行時間 |
30分 |
防塵・防水性 |
— |
申請書類の一部を省略できる |
〇 |
リモートID内蔵 |
× |
価格 |
要問い合わせ |
商品サイト |
「Phantom 4 RTK」は、測量に特化した産業用ドローンです。1cmレベルでの正確な測量ができる測位システムを搭載し、高精度な測量ができる点が特徴。測量カメラの画質や性能も高く、歪みやブレを抑えたデータを収集できます。
また、従来の飛行モードだけでなく、写真測量とウェイポイント飛行の2つのモードを搭載した専用アプリケーションも用意されています。
アプリケーションを活用すると自動マッピングや飛行速度の調整ができ、測量業務の効率化が実現できます。
PRODRONE:レーザー測量機の搭載ができる「PD4B-M」
PD4B-Mのスペック |
|
---|---|
サイズ |
全長600mm |
重量 |
12.3 kg(バッテリー込み) |
最大積載量 |
10kg |
最大離陸重量 |
23.3kg |
最大飛行速度 |
60 km/h |
最大飛行時間 |
30分(5kg搭載時) |
防塵・防水性 |
IP規格取得予定 |
申請書類の一部を省略できる |
× |
リモートID内蔵 |
× |
価格 |
1,985,000円(税別) |
商品サイト |
「PD4B-M」は測量技術者と開発者が試行錯誤を重ね、現場での使いやすさを追求した測量用ドローンです。安定した飛行を維持しながら最大積載量10kgを実現。レーザー測量機を搭載でき、高精度なデータを取得できます。
また、携帯しやすいコンパクト設計にこだわっており、収納時には75cm角サイズになるところもポイント。測量現場に携帯するときの負担が軽減でき、手軽に活用することが可能です。
物流におすすめの産業用ドローン
最後に、物流分野に向いている産業用ドローンをご紹介します。
物流におすすめの産業用ドローン |
|
---|---|
Aurelia Technologies:Aurelia X6 MAX |
最大飛行時間が70分と長く物流現場で使いやすい |
ACSL:AirTruck |
重心制御技術を搭載し荷物の揺れを抑え安定した飛行ができる |
SkyDrive:SkyLift |
1度に30kgの重量物を運搬でき1日で合計700kgの運搬が可能 |
物流用の産業用ドローンは最大離陸重量や飛行の安定性、物流に特化した性能を確認しておくといいでしょう。
国内ではまだ実証段階ですが今後市場拡大が見込まれている分野なので、ぜひチェックしてみてください。
Aurelia Technologies:長時間飛行に対応「Aurelia X6 MAX」
出典:Aurelia Technologies「Aurelia X6 MAX」
Aurelia X6 MAXのスペック |
|
---|---|
サイズ |
1250mm×625mm×575mm |
重量 |
– |
最大積載量 |
6kg |
最大離陸重量 |
– |
最大飛行速度 |
56km/h |
最大飛行時間 |
70分(ペイロード非搭載時) |
防塵・防水性 |
– |
申請書類の一部を省略できる |
× |
リモートID内蔵 |
× |
価格 |
約1,058,000円 |
商品サイト |
「Aurelia X6 MAX」は最大飛行時間が70分と長く、物流現場で使いやすい産業用ドローンです。
6つのモーターが搭載されており、1つのモーターが故障しても空中に留まれる点が特徴。トラブル時に対応しやすくなっています。携帯時にはコンパクトに折り畳むことができ、持ち運び時の負担を軽減できます。
ACSL:物流に特化したドローン「AirTruck」
AirTruckのスペック |
|
---|---|
サイズ |
1700mm×1500mm(展開時) |
重量 |
10kg |
最大積載量 |
5kg |
最大離陸重量 |
25kg |
最大飛行速度 |
10m/s |
最大飛行時間 |
約50分 (ペイロード3.5kg・バッテリー22,000mAh×4本) |
防塵・防水性 |
– |
申請書類の一部を省略できる |
× |
リモートID内蔵 |
× |
価格 |
オープン価格 |
商品サイト |
「AirTruck」は、ACSLと株式会社エアロネクストが共同開発した物流専用ドローンです。
重心制御技術である「4DGRAVITY」を搭載しており、荷物の揺れを抑え安定した飛行ができる点が特徴。空力シミュレーションや風洞実験を重ねて、空力最適化を行っています。
また、ドローンの上部から荷物を搭載できる設計になっており、荷物の乗せ降ろしが簡単にできる点もポイント。2023年には奈良市の荷物配送実証実験に使われており、今後の活用が期待されています。
SkyDrive:1日700kgの荷物を運搬できる「SkyLift」
SkyLiftのスペック |
|
---|---|
サイズ |
1900mm×1200mm×1000mm |
重量 |
35kg |
最大積載量 |
30kg |
最大離陸重量 |
– |
最大飛行速度 |
36km/h(10m/s) |
最大飛行時間 |
9~15分(状況により変動) |
防塵・防水性 |
– |
申請書類の一部を省略できる |
× |
リモートID内蔵 |
× |
価格 |
オープン価格 |
商品サイト |
「SkyLift」は、1度に30kgの重量物を運搬できる物流専用ドローンです。一部に航空部品を使用し、強度と安定性を高めている点がポイント。危険物の飛行許可実績もあります。
上空40mから非着陸での荷下ろしができるホイスト機能も搭載しており、荷受けスペースが確保できなくても荷物を降ろすことが可能です。
産業用ドローンを選ぶときはメーカーや代理店に相談する
産業用ドローンは各分野に特化した性能やスペックを持ち合わせており、専門性が高いです。
利用シーンや目的に応じて提案やカスタマイズができる製品もあるので、購入を検討するときにはメーカーや代理店に相談し二人三脚で導入を進めることが多いです。
一例としては、下記のような流れで導入を進めます。
産業用ドローンを購入する手順 |
|
---|---|
①代理店やメーカーに問い合わせする |
産業用ドローンの導入を検討している代理店やメーカーに問い合わせをする |
②希望に合う産業用ドローンの提案・見積りの提示を受ける |
目的に応じた産業用ドローンの提案や見積書の提示を受ける |
③契約をする |
産業用ドローンの価格や性能に納得した場合は契約をする |
④操縦トレーニングを受ける |
代理店やメーカーによっては産業用ドローンの納品前に使い方や操縦方法のトレーニングを取り入れている |
⑤産業用ドローンを納品する |
代理店やメーカーから産業用ドローンを納品してもらう |
⑥アフターサポートを受ける |
産業用ドローンの購入後は点検やメンテナンスなどのサポートを受けられることが多い |
産業用ドローンの代理店やメーカーを決めるときに、注目したいのはサポートやメンテナンスです。
産業用ドローンは一般的なドローンよりも価格が高いだけでなく、製品によって特徴が大きく異なります。そのため、しっかりと比較検討しながら購入したいものです。
購入時から個別提案やデモ飛行、体験会など顧客に寄り添うサポートが用意されている場合は、比較検討しやすくなるでしょう。
また、産業用ドローンは過酷なシチュエーションで利用することも想定されるので、アフターサポートが受けられることが大切な条件です。
- 修理対応
- 部品の交換
- 点検やメンテナンス
- 購入後のカスタマイズの相談
など、購入後も安心して使えるようなサポートが用意されているか確認しておきましょう。
【産業用ドローンの耐用年数は?】
産業用ドローンの耐用年数は、用途によって異なります。国税庁が公表している「空撮専用ドローンの耐用年数」は5年です。
一方で、農薬散布用の産業用ドローンは農具用設備に該当するため、耐用年数は7年になるという見解があります。
また、産業用ドローンによっては、耐用年数が明記されているケースもあります。このように、産業用ドローンの耐用年数は一概には言えないので、代理店やメーカーに相談をしてみてください。
まとめ
いかがでしたか?産業用ドローンが注目される理由や海外、国内のメーカー、そして具体的な製品が分かり、どのようなドローンが検討できるのか把握できたかと思います。
最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇産業用ドローンとは、測量や点検、農薬散布など産業における特定の分野で使うための機能が備わっているドローンのこと
〇産業用ドローンが注目されている理由は次の4つ
①人材不足を解消できる
②危険な作業や人ではできない作業を任せられる
③業務効率化につながる
④データの収集、分析ができる
〇産業用ドローンを扱うときに資格や事前承認が必要な主なケースは下記のとおり
①業務内容が特定飛行に該当する場合は事前申請が必要
②産業用ドローンを仕事で使う場合は国家資格である「一等無人航空機操縦」または「二等無人航空機操縦士」の取得がおすすめ
③ドローンによっては第三級陸上特殊無線技士資格が必要
④産業用ドローンを扱う業務内容に応じた資格が必要(測量士・測量士補など)
〇産業用ドローンは50万~300万円程度が相場で、日本製のほうが高い傾向がある(条件が合えば助成金や補助金を活用できる)
〇産業用ドローンは「DJI」がシェアトップであるものの国内外問わず多くのメーカーが参入している
〇この記事で紹介したおすすめの産業用ドローンは下記のとおり
空撮におすすめの産業用ドローン |
|
---|---|
SONY:Airpeak S1 |
フルサイズミラーレス一眼αシリーズを装着して撮影が可能 |
DJI:Mavic 3 Enterprise |
56倍ズームに対応しており空撮や点検、警備まで幅広く活用できる |
ACSL:SOTEN(蒼天) |
ISO15408を取得しており、空撮時のセキュリティを強化できる |
農業分野で活躍する産業用ドローン |
|
DJI:Agras T10 |
360度球形レーダーシステムにより飛行中の安全を自動で維持できる |
マゼックス:飛助DX |
日本の圃場に多い50a以下のサイズをベースに設計 |
NTTe-DroneTechnology:AC101 |
「軽量」「コンパクト」「低燃費」がコンセプトで、女性でも使える農薬散布ドローン |
点検や測量におすすめの産業用ドローン |
|
Skydio:Skydio 2+ |
AIによる自律飛行技術と障害物回避技術を搭載 |
DJI:Phantom 4 RTK |
1cmレベルでの正確な測量ができる測位システムを搭載 |
PRODRONE:PD4B-M |
レーザー測量機を搭載でき、高精度なデータを取得 |
物流におすすめの産業用ドローン |
|
Aurelia Technologies:Aurelia X6 MAX |
最大飛行時間が70分と長く物流現場で使いやすい |
ACSL:AirTruck |
重心制御技術を搭載し荷物の揺れを抑え安定した飛行ができる |
SkyDrive:SkyLift |
1度に30kgの重量物を運搬でき1日で合計700kgの運搬が可能 |
ドローンビジネス市場の拡大によって、産業用ドローンは注目を集めています。ぜひ、目的に応じて使ってみたい産業用ドローンを見つけてみてください。