ドローンはどのぐらいの速度が出せるんだろう…と疑問に思ったことはありませんか?
現在のドローンは、時速70km前後まで出すことができます。
例えば、空中から走行中の車を追いかけて撮影している映像を見たことがあると思います。空撮などで使用する場合、対象の速さに負けずに撮影できるだけの速さが求められるのです。
こちらの記事では、
- ドローンの機種ごとの最高速度やスペック
- 速度の早いドローンを使用する際に必要なスキル
- 撮影時に気を付けたいポイント
などについてお伝えし、ドローンの最高速度についての知識や、速い速度で撮影するための対策についてご紹介していきたいと思います。
この記事を読めば、ドローンの最高速度に関する最新の知識が得られ、早い速度で迫力のある映像を撮影するために必要な機種やポイントがわかるでしょう。
目次
メジャーな機体の最高速度は70km/h前後
現在空撮などで使用されているメジャーな機体の最高速度は、約70km/h前後です。
世界シェアの約7割を占めているDJI社の人気機種「Phantom 4 Pro V2.0」の最高速度は72km/h。普通自動車の一般道路での法定速度が時速60kmであることを考えると、これらの車両に追従できる速度であると言えます。
こちらはドローンで撮影された動画です。
やはり速度の速いドローンで撮影されたものは、臨場感や迫力が違いますね。
現在空撮などで使われている主な機体は以下のものが挙げられます。
- DJI Phantom 4 Pro V2.0
- DJI Mavic 2 Pro
- DJI Mavic 2 Zoom
- DHI Inspire 2
この中で速度に特化した機体は『DHI Inspire 2』。
後ほど詳しくご紹介しますが、停止した状態から80km/hまでの加速時間はわずか5秒。最大速度は94km/hに達します。
こちらでは、この4機種の簡単なスペックをご紹介します。
DJI Phantom 4 Pro V2.0
「Phantom 4 Pro V2.0」は、空撮用途で最も普及しているPhantomシリーズの最新モデル。2000万画素の高画質な画像が撮影できる人気機種です。
捉えたい瞬間を完璧に捉えることができるメカニカルシャッターを備えているほか、直感的に行える操作と最大時速72 kmの特徴により、複雑なショットも簡単に実現可能。
最適化されたf/2.8広角レンズで、色の精度を維持しながら常に鮮明でシャープな映像のディテールまで再現できるのも魅力です。
※Pモード(ポジショニングモード)…通常使用するフライトモード
Sモード(スポーツモード)…移動するものを撮影する場合に使うモード(速度制限なし)
Aモード(ATTI姿勢モード)…気圧計を使用した高度維持のみを行うモード(GPS・ビジョンシステム無効)
DJI Mavic 2 Pro
「See the Bigger Picture」をキャッチフレーズに開発されたドローンです。スウェーデン製のHasselbladカメラを搭載し、映像の美しさは格別。
さらに特筆すべきはソフト面の進化で、全方向への障害物センサーが搭載され安全に飛行できるだけでなく、障害物を回避しながら自動で追尾して撮影できる機能も。
DJI Mavic 2 Zoom
光学2倍、デジタル2倍の計4倍のズームが可能なモデルで、中望遠域を使用した新たな映像表現を可能にしました。
このズーム機能を使えば、ダイナミックで奥行きのある映像も自在に撮影可能。「Mavic 2 Pro」同様、全方向の障害物センサーを搭載し障害物を検知する能力が高く、滑らかで安定した映像を撮ることができます。
DHI Inspire 2
「Inspire 2」は、動画撮影に特化した、カメラ付け替えジンバル搭載のドローン。DJI社がコンシューマー向けに出す機体の中で最も高いスペックを誇る、プロ向けの機体です。
Inspire2はカメラが付け替え可能なため、別売りのカメラを装着することでカメラ性能を高めることができるのが特徴。最大6Kまでの撮影が可能高機能カメラを取り付ければ、Phantomシリーズの映像と見比べた場合違いは歴然です。
また、最大速度を94km/hを出すことが可能で速さに関しても他を圧倒する性能を誇ります。
さらにそれだけでなく、0km/hから80km/hまでわずか5秒で加速するという驚異的な加速性能も。
Inspire2の大きなポイントとして挙げられるのが、ジンバルが機体とは別で動く仕様になっていること。これにより機体を操縦する人とカメラアングルを動かす人に分けることが可能になるので、パイロットは操縦に専念することができます。
速度の速いドローンを使用するには高い空撮スキルが必要
例えば空撮の際、動く被写体を撮影する時やより臨場感のある映像に仕上げたい場合などにドローンの速度の速さが求められるかと思いますが、ドローンを速く飛ばすには高い空撮スキルが必要となります。
ドローンの速度が上がるということは、墜落や衝突時の衝撃も大きくなるということ。
リスクの高い運航をするためには、ドローンの安全運航知識はもちろん、「飛行技術」と「撮影ノウハウ」を身につけた上で飛ばすことが重要なのです。
ドローン空撮の頻出テクニックとその練習方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
空撮で最高速度を出すケースは滅多にない
ドローンを全速で飛行させることは、障害物や立地の関係で一般的には滅多にないかと思います。
ですが、プロのクリエイターであれば、例えば
- 走行する車に並走させながらの撮影
- 障害物のない広大な場所や海上などでの撮影
において最高速度で撮影する機会はあるでしょう。
ドローンスクールをスキルアップの土台に
「飛行技術」や「撮影ノウハウ」を効率よく身につけるには、ドローンスクールに通うのも近道の一つです。
独学でスキルを身につけることも可能ですが、プロから直接指導を受けられるスクールに通った方が効率よく知識や技術を習得できます。
ただし、スクールに通って身につくのはあくまでも最低限必要な知識と技術であると認識しておくべき。そこから一流のオペレーターになるためには、練習や経験を重ねて技術を磨き続ける必要があります。
そもそもドローンスクールとは何なのか?や、ドローンスクールに通うメリットやカリキュラム例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
最高速度に近い速度でのドローン撮影において気を付けるべきこと
高度なテクニックが必要となる速い速度での撮影においては、いくつか気を付けるべきポイントがあります。
しっかりと対策や練習をしてから撮影に臨むようにしましょう。
速度を速めるのは一定の速度や動きを保つことができるようになってから
ドローンが操縦できるようになったからといっていきなり速い速度で飛ばすのは高リスク。
まずは一定の速度や動きを保てるようになってから、徐々に加速させて撮影するようにすることが大切です。
ロケハン飛行をする
走る車など動く被写体を撮影する場合には、カメラアングルをイメージしやすいようにロケハン(下見)飛行をしておくのがおすすめ。
ロケハン飛行をしておくことで、飛行経路に迷いもなくなり映像が安定しやすく、速度も出しやすくなります。
最速で飛ばし続けるとバッテリーの消費が激しい
ドローンの速度を最大限に上げた状態で飛ばし続けると、バッテリーの消費が早くなります。
通常通りの感覚で飛ばしてしまうと、バッテリー切れで墜落の恐れもあるので、バッテリー残を確認しながら余裕をもって帰還させるようにすることが必要。
最高速度を出すのは周辺に障害物がないことを確認して
ドローンを最高速度で飛ばす際は、当然のことながら周辺に障害物がない場所に限られます。
スペック上の最高速度は無風状態での数字なので実際はそこまで出ていない場合もありますが、それでも車ほどのスピードが出ることには間違いないので、できるだけリスクが少ない場所で飛ばすようにしましょう。
時速150kmは当たり前!ドローンレースはもはや競技
ドローンの速さという点でいえば、最速の速さを目の当たりにできるのが「ドローンレース」です。
ドローンレースは、操縦士であるレーサーがドローンを用いて定められたコース上を飛行しながら周回し、そのタイムを競う競技。国内大会、また国際大会でも小学生レーサーや15歳の少年が優勝するなど、年齢や性別、力に関係なく戦うことができるのが魅力で、日本でも盛り上がりを見せています。
ドローンレースに使われるドローンは、通常のドローンとは異なり、GPSやWi-fi、センサーを搭載していません。時速150kmを超える速さが出せるレーシングドローンと呼ばれるドローンを使用して行われますが、中には自作のドローンで参加する人も。
まとめ
ドローンの最高速度についてさまざまな角度からご紹介してきましたが、もう一度要点を確認しておきましょう。
- 空撮などで使われるメジャーな機体の最高速度は70km/h前後
- 速度の速いドローンを使用するには空撮スキルが必要
- 初心者はドローンスクールでスキルアップするのがおすすめ
- 速い速度での撮影においては以下のことに注意する
- 速度を速めるのは一定の速度や動きを保つことができるようになってから
- あらかじめロケハン飛行をする
- バッテリー残量に注意
- 周りに障害物のない場所を選ぶ
ドローンは車両を追従できるだけのスピードでの撮影が可能です。地上からの撮影とは一味違う、空から見たスピード感のある映像はドローンでしか味わえない感覚ですよね。
本記事で得られた知識が、あなたのスピード感溢れる映像制作に活かされることを願っています。