100g台のドローン規制はいつから?開始日程や9つの規制内容を解説

青空とドローンを操縦する人

法改正により、従来は対象外だった機体重量200g未満のドローンにも航空法の規制が適用される見通しといわれてきましたが、ついにその施行日が明らかとなりました!

規制対象外だからという理由で制限ギリギリの199gのドローンを選んだ人は特に、実際にいつから適用されるのか大変気になるところではないでしょうか。

適用されることになる規制は9種類。

また、規制適用に伴い、機体の登録制度の運用も開始されます。

そこで本記事では、100g台のドローンに対する規制はいつから始まりどういった内容なのか、機体登録はいつどのように行えばよいのか、改正法施行後の注意点にはどういったものがあるかなどについてご紹介します。

既に所有している100g台のドローンを今後は思うように飛ばせなくなるのでは?という不安に対する回答や、法改正後も規制を受けずにドローンを飛ばす方法についても解説しています。

法改正が100g以上のドローンに及ぼす影響だけでなく、それに対する対処法まで知ることのできる内容となっていますので、特に100g台のドローンを持っている人はぜひご参考になさってください!

100g以上のドローンが規制対象となるのは2022年6月20日から

パソコンのキーボードとDrone Lawsのボタン

航空法の規制対象が「機体重量200g以上のドローン」から「機体重量100g以上のドローン」へと変更されるのは、2022年6月20日です。

同日以降は100g以上の機体に対し、次の2つの規制・義務が適用されることになります。

  1. 飛行規制
  2. 機体登録義務

それぞれについて見ていきましょう。

飛行規制の対象が現状の200g以上から100g以上に範囲拡大される

これまで機体重量200g以上のドローンが対象となっていた飛行規制が、2022年6月20日以降は100g台のドローンに対しても適用されるようになります。

航空法の規制は、有人の飛行機などだけでなく遠隔操縦や自動操縦で飛行する「無人航空機」にも及びますが、その「無人航空機」の定義が200g以上の機体から100g以上の機体へと変更されるということです。

100g以上の機体に対し適用されることになる飛行規制は、下記9種類です。

<下記の場所での飛行に申請が必要>

  1. 空港等の周辺地域の上空
  2. 地表・水面から150m以上の高さの空域
  3. 人口集中地区(DID)の上空

<下記の飛行方法に申請が必要>

  1. 夜間飛行
  2. 目視外飛行
  3. 人や物からの距離が30m未満となる飛行
  4. 多数の人が集まるイベント上空の飛行
  5. 危険物を輸送する飛行
  6. 上空から物を投下する飛行

詳細については「100g以上のドローンが対象となる飛行規制」の章で後述していますので、ご参照ください。

[参考]令和3年11月25日付官報(飛行させても安全を損なう恐れがなく航空法の規制対象とならないとされる機体の重量を、改正法の施行に伴い200g未満から100g未満へと改める旨が明記されている)

100g以上のドローンの登録が義務化される

ドローンと製品番号

ドローンの利活用が拡大する中、機体所有者の特定・把握の重要性が増していることを受け、登録制度が創設されました。

機体重量100g以上の無人航空機(ドローン、ラジコン等)の登録が2022年6月20日から義務化されます。

施行日以降、未登録のドローン(無人航空機登録原簿に登録されていないドローン)は飛行させることができなくなります。

登録していないドローンを飛ばした場合、航空法に基づき1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されますので、登録義務を軽く捉えて法を犯してしまうことのないようにしたいですね。

登録義務化を受けて求められる3つの対応について見ていきましょう。

登録手続きが必要

機体を無人航空機登録原簿に載せてもらうため、まずは登録手続きを取らなくてはなりません。

それなりの手間はかかりますが、ドローン登録システム上で手続きを行えば必要事項を入力していくだけで申請書類が自動作成されますので、そこまで大変ではないでしょう。

また、オンラインで完結しますので、窓口に出向く必要もありません。

登録記号の表示が必要

機体の登録手続きを完了すると発行される登録記号を、機体に表示しなくてはなりません。

自動車のナンバープレートのような銘板である必要はなく、シールでも構いませんし、油性ペンなどで手書きしての表示も認められます。

25kg未満の機体には高さ3mm以上の文字で、25kg以上の機体には高さ25mm以上の文字で表示します。

リモートID機器の搭載が必要

登録記号を機体に表示することに加え、リモートID機器を搭載して、その機体の識別情報や動的情報(位置・速度・高度・時刻など)を電波で遠隔発信できるようにしなくてはなりません。

リモートID機器には内蔵型と外付型がありますが、同機器を内蔵しているドローンは現時点ではほとんどないため、外付型を取り付けることになるでしょう。

無償配布されるシステムではなく、国土交通省から指定機器を購入する形式でもないため、ユーザーが自ら市販品を購入して対応する必要があります

なお、100g台のドローンに取り付けるのに適した小型軽量のリモートID機器の価格は4万円以上しますが、登録義務化前に登録申請することでリモートID機器搭載義務が免除されます

次章で解説していますので、ご参照ください。

《そもそも登録が不要な特殊ケースもある》

研究開発のための試験飛行の場合、あらかじめ国土交通大臣に飛行区域や機体情報などを届け出れば、登録不要で飛行させることができます。(ただし、届出番号と試験飛行中である旨を機体に表示すること、届出書の写しを携帯すること、飛行時に安全措置を講じることが必要)

ドローンの研究開発活動を阻害しないようにするための特例です。

機体登録はリモートID機能搭載が免除される事前登録がおすすめ

無人航空機登録ポータルサイト

[出典]無人航空機登録ポータルサイト

ここからは、まず機体登録の要点および詳細をお話ししていきます。

登録義務化は2022年6月20日からですが、2021年12月20日から事前登録の申請受付が始まっています。

機体重量100g以上のドローンを2022年6月20日以降に飛行させる予定であれば、事前登録しておくのがおすすめです。

なぜなら、事前登録期間中(2021年12月20日〜2022年6月19日)に登録申請した場合、通常であれば必須のリモートID機器の搭載が経過措置として免除されるからです。

機器の重量は飛行時のパフォーマンスに影響すると考えられますので、できるだけ小型で軽量なものが望ましいですが、現時点で最軽量のTEAD製リモートID発信機(重量12g、寸法40×30×14mm)は4万円以上します。

前述のように外付型のリモートID機器は自費で購入しなければならないため、負担に感じる人は多いはずです。

ぜひ事前登録して搭載を免除してもらいましょう!

《リモートID機能搭載が免除されるその他のケース》

事前登録すると免除されるリモートID機能搭載の義務ですが、それ以外に次に挙げる3つのケースでも搭載が免除されます。

  • 補助者の配置や飛行区域の範囲の明示などの安全確保措置を講じた上での飛行
  • 十分な強度を持った30m以内の紐などで係留して行う飛行
  • 警察や海上保安庁が秘匿性が求められる業務や警備のために行う飛行

機体の事前登録の方法

事前登録の申請方法にはオンラインと書面郵送の2通りがあります。

おすすめは、手数料が安く済むオンライン申請です。

郵送にかかる日数や事務局での確認作業の時間がかからない分、所要日数もオンライン申請のほうが短くなります。

また、同じオンライン申請でも本人確認書類の種類によって手数料が異なり、コストをもっとも抑えられるのはマイナンバーカードを使うパターンです。

本人確認書類としてマイナンバーカード以外を使う場合には申請受付完了まで数日かかるケースもあることから、所要日数の点でもマイナンバーカードを使ったオンライン申請が一番おすすめということになります。

申請方法・本人確認書類別の手数料


オンライン申請と書面申請それぞれの手順を確認しておきましょう。

オンラインで申請する場合

オンラインで申請する場合のおおまかな流れは以下のとおりです。

  1. ドローン登録システムにアカウントを開設する
  2. 開設したアカウントでドローン登録システムにログインし、機体の新規登録を申請する
  3. 受信した申請受付完了メールに記載のURLをクリックした先で手数料を納付する
    (クレジットカード、インターネットバンキング、ATM)
  4. 新規登録完了メールを受信したら、ドローン登録システムで登録記号と登録情報を確認する

詳細な手順は、国土交通省が公開している『ドローン登録システム操作マニュアル(本人手続き編)』に掲載されていますので、ご参照ください。

なお、上記1〜3の手続きを進めるに当たっては、下表の本人確認書類および機器が必要です。

本人確認書類および機器


※本人確認プロセスを郵送で行う場合に必要となる本人確認書類は、書面で申請する場合に必要なものと同じですので、次項をご参照ください。

※個人ではなく法人として申請する場合は、gBizIDという認証システムを利用して行います。gBizIDのマニュアルも併せて参照しながら手続きを進めましょう。

書面(紙媒体)で申請する場合

書面で申請する場合のおおまかな流れは以下のとおりです。

  1. 指定の申請書に必要事項を記入し、本人確認書類を添えて郵送する
  2. 事務局から受信した電子メールに記載のURLをクリックし、本人確認を完了する
  3. 手数料納付番号などの必要情報が郵送されるので、手数料を納付する
    (ATM、インターネットバンキング)
  4. 登録記号が電子メールで通知されるので確認する(郵送での通知にも対応)

添付する本人確認書類は、以下の①または②のいずれかです。

本人確認書類を郵送により提出する場合

※官公庁から発行・発給されたもので、所有者の氏名、生年月日および住所の記載があるものなら上記の書類以外でも可です。

[出典]本人確認書類を郵送により提出する場合(個人の場合)

なお、上記のおおまかな流れの2にあるとおり、書面による申請の場合でも本人確認プロセスとして、事務局から送られてくる電子メールに記載のURLをクリックする操作が必要です。

パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器を一切触らずに手続きを完了することはできない点に注意しましょう。

登録制度の注意点

黄色の注意マーク

登録制度には、いくつか気をつけたい点もあります。

登録は法的に義務付けられているため、「ちゃんと登録したつもりだった」ではいけませんので、確認しておきましょう。

飛行させる日までに登録が完了している必要がある

未登録のドローンは飛行させることができないため、飛行開始日には登録が完了していなくてはなりません。

申請方法や状況にもよりますが、目安として申請してから手数料納付段階に進むまでに1〜5開庁日、手数料納付後に登録記号が発行されるまでに1〜5開庁日かかるため、飛行日直前に手続きしても間に合いません

手続き自体は完了していたとしても登録記号が発行されるまでは未登録の状態であり、ドローンを飛ばせませんので、余裕を持って手続きしましょう。

改造したドローンはその概要や規模を申告する必要がある

改造したドローンについては、登録申請の段階で改造の概要や機体重量、機体寸法などの情報を申告しなければなりません。

改造は機体の機能や飛行性能などに影響するためです。

機体メーカーの指定していない部品を取り付けたケースや、損傷箇所の復元・修理により機体重量や寸法などに一定以上の変動が生じたケースなども改造に当たります

一方、機体メーカーが取扱説明書中などで認めている改造や、機体重量・最大離陸重量・機体寸法の値の変動が±10%以内の軽微な改造は申告不要です。

なお、登録後に改造し、登録時に申告した機体重量・最大離陸重量・機体寸法のいずれかの値に±10%以上の変動があった場合には、機体情報の変更届が必要です。

また、動力方式や操縦方式の変更といった大規模な改造の場合は、別型式の機体として新たに登録し直す必要があります。

登録の有効期間は3年

登録の有効期間は3年で、一度登録したらそれきりではなく、3年ごとに更新が必要です。

なお、事前登録期間中に登録した場合の有効期間のカウントは施行日である2022年6月20日からスタートしますので、事前登録したからといって有効期間が短くなることはありません

《登録できるのは「安全性が確保されているドローン」》

通常まず問題はないと考えられますが、次に挙げるような機体は「安全性が確保できない」と判断されるため登録できません。

  1. 製造者がリコールしている、事故が多発しているなどの理由により、国土交通大臣が登録不可としてあらかじめ指定している機体
  2. 第三者に突き刺さって危害を与えかねない不要な突起物があるなど、衝突時のリスクが高いと考えられる機体
  3. コントローラーからの伝達が遅延する、通信が不安定で安定的に飛行させられないなど、遠隔操作や自動操縦による飛行の制御が著しく困難な機体

100g以上のドローンが対象となる飛行規制



ドローンと進行禁止マーク

ここからは飛行規制についてお話ししていきます。

100g以上のドローンには、航空法で定められた飛行規制が適用されることになります。

しかし、それは同時に規制されている飛行を行わない限り、登録手続きさえすればこれまで通りに飛ばせるということでもあります。

規制のかからない飛行がどういったものかを知るためにも、100g以上のドローンを対象とした「特定の場所」と「特定の飛行方法」に関わる飛行規制を確認しておきましょう。

特定の場所で飛行させる場合は許可申請が必要

航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがある空域、落下した場合に人などに危害を及ぼすおそれが高い空域は基本的には飛行禁止ですが、飛行させる場合には国土交通大臣の許可をあらかじめ受けておきます。

許可申請が必要となる空域は次のとおりです。

  • 空港等の周辺地域の上空
  • 地表・水面から150m以上の高さの空域
  • 人口集中地区(DID)の上空

郵送や窓口持込での申請も可能ですが、おすすめは「ドローン情報基盤システム」でのオンライン申請。

なぜなら、必要事項を入力していくと各種書類が自動的に作成されたり、過去の履歴を利用して申請書を簡単に作成できたりと利便性が高いからです。

申請手続きは飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前までに行なっておく必要があります

また、空港周辺と150m以上の高さの空域については、システム上での申請のほかに関係機関への通報・調整も必要ですので、注意しましょう。

以下で各対象空域についてもう少し詳しく見ていきます。

[参考]無人航空機の飛行に関する許可・承認に係る申請方法

空港等の周辺地域の上空

空港等の周辺の空域に当たる場所は、国土交通省ウェブサイトで確認できます。該当する場所を飛行させる場合は許可を受けなければいけません。

なお、成田、羽田、関空など「小型無人機等飛行禁止法の対象空港」に指定されている空港の周辺地域は原則飛行禁止で、飛行させる場合には航空法に基づく手続きとは別に、空港管理者の同意や都道府県公安委員会等への事前通報が必要です。

[参考]小型無人機等飛行禁止法に基づき小型無人機等の飛行が禁止される空港の指定

地表・水面から150m以上の高さの空域

150m以上の高さの空域を飛行させるには国土交通大臣の許可が必要です。

なお、許可申請の前に空域を管轄する管制機関との調整を行なっておかなくてはなりませんので、忘れないようにしましょう。

空港を管轄する管制機関の連絡先はこちらで確認できます。

人口集中地区(DID)の上空

国勢調査の結果に基づき設定される人口集中地区(DID)の上空を飛行させる場合には、許可を受けなければいけません。

該当する場所は「地理院地図」や「jSTAT MAP」で確認できます。

ざっくりとした目安として、三大都市圏はほぼ全域、地方でも主要駅周辺は人口集中地区に該当すると考えましょう。

令和2年時点の人口集中地区

《令和2年時点の人口集中地区》(出典:jSTAT MAP

特定の飛行方法を行う場合も許可申請が必要

ドローン飛行の基本的なルールとして、日の出から日没までの間に飛行させること、目視できる範囲内で飛行させること、ドローンから物を投下しないことなどがあります。

これらのルールによらない飛行を行う場合は、許可を受けなければいけません。

具体的には次に挙げるような飛行方法に許可申請が必要です。

  • 夜間飛行(日没後〜日の出前の時間帯の飛行)
  • 目視外飛行(操縦者本人が自分の目で常時監視することができない状況での飛行)
  • 人や物からの距離が30m未満となる飛行(地上や水上の人・物との衝突防止のための30mの距離を確保できない飛行)
  • 多数の人が集まるイベント上空の飛行(特定の場所・時間に概ね数十人以上が集まっている催場上空の飛行)
  • 危険物を輸送する飛行(墜落時などに人への危害や物件への損傷のおそれがあるような、引火性の高いガスや液体、毒物類などを運ぶ飛行)
  • 上空から物を投下する飛行(飛行中に物や液体を投下・散布するケース。農薬散布も該当)

《ライセンス制度運用開始で許可申請が必要となる基準が変わる!》

導入が予定されているライセンス制度の運用が始まると、保有ライセンスによっては上記ケースでも許可申請が不要となる見込みです。

こちらの記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

これからも規制を受けずに飛ばすための選択肢

ドローンと悩む男性

100g台のドローンを既に所有しているユーザーが、今後も航空法を気にすることなく、機体登録もしないでドローン飛行を楽しむには、改正後の航空法に合わせて機体やその飛ばし方を変える必要があります。

機体重量100g未満のドローンにする

航空法の規制対象となるのは機体重量が100g以上のドローン。

100g未満のドローンはあくまで模型飛行機として扱われ、航空法の規制対象とはならず機体登録も不要です。

機体重量100g未満のいわゆる「トイドローン」にもかなり本格的で高性能なものが見つかりますので、小型・軽量のドローンに切り替えるのも選択肢です。

100g未満のおすすめドローンその1「DJI Tello」

小型であっても非常に安定したホバリングとハイレベルな動画撮影を実現できるのがDJIのTelloです。

機体重量は、プロペラガードを装着しない状態で約80g。

搭載されている固定式カメラでは、静止画500万画素(2592×1936)、動画HD720pの撮影が可能です。

飛行モードをSlowに設定しておけば、EIS(電子式映像ブレ補正)により滑らかな動画を撮影できます。

また、FPVにも対応しており、VRゴーグルを装着すればドローン目線での操縦を楽しめますよ!

自動離着陸機能や、接続が切れた際に自動着陸するなどの保護機能も搭載。

コントローラーは付属していないため、スマートフォンで操縦するか、別売りのコントローラーを購入することになります。

12,980円という手頃な価格でここまで高性能!と驚かされるおすすめ機種です。

100g未満のおすすめドローンその2「Holyton HT25」

折り畳んだ状態なら手のひらに載るほどコンパクトなHolytonのHT25は、機体重量57gと前述のTelloよりもさらに軽量。

手動とはなりますが上下方向の角度調整ができるカメラで、静止画200万画素(1920×1080)、動画HD720pの撮影が可能です。

コントローラーもついていますし、バッテリーがはじめから2本付属しているので予備バッテリーを別途購入しなくてもよいのも嬉しいですね。

FPVにも対応しています。

1万円を切る価格は手が届きやすいといえるでしょう。

屋内で飛ばす

航空法は、航空機が航行する空の安全のために定められている法律であり、航行するもののない屋内空間は航空法の規制範囲外です。

屋内で飛行させる限り、機体重量にかかわらず航空法の規制は及ばないため、屋内だけで楽しむようにすれば航空法を気にする必要はありません。

また、登録対象となる機体は、厳密には「屋外を飛行させる100g以上のすべてのドローン・ラジコン機」であり、屋外を飛行させないなら100g以上であっても登録も不要です。

ネットや金網などで囲ってドローンが外に出ないようにした空間は、建物の内部でなくても屋内とみなされますので、工夫すれば想像以上に楽しめるのではないでしょうか。

ただし、一度でも屋外で飛ばすのであれば、少なくとも機体登録は必要である点に注意が必要です。

《機体認証制度の施行時期は未定》

施行日が確定した機体登録制度のほかに、機体の安全性を認証する制度の整備も見込まれています。

機体の設計・製造過程・現状の安全基準を設け、それに適合するかを検査するものです。

2022年末頃の施行を目指しているとのことですが、本記事執筆時点では施行日は未定です。

まとめ

ドローン社会の実現に向けた基盤整備のための法改正が相次ぐ中、航空法が適用されるドローンの機体重量基準が200g以上から100g以上へと変更されることとなりました。

施行日は2022年6月20日

これまでは航空法の適用対象外だった100g台のドローンへの影響は次の2点です。

  1. 飛行規制の遵守義務が生じる
  2. 機体登録義務が生じる

【①の飛行規制について】

航空法の飛行規制の概要は次のとおりです。

  • 「空港等の周辺地域の上空」「地表・水面から150m以上の高さの空域」「人口集中地区(DID)の上空」で飛行させる場合はあらかじめ許可申請する
  • 「夜間飛行」「目視外飛行」「人や物からの距離が30m未満となる飛行」「多数の人が集まるイベント上空の飛行」「危険物を輸送する飛行」「上空から物を投下する飛行」を行う場合はあらかじめ許可申請する

100g以上の機体であっても、上に挙げたような禁止空域での飛行や高リスク飛行を行わない限り、登録手続きさえすればこれまで通り飛ばせます。

【②の機体登録について】

機体登録制度が新たに創設され、施行日以降は未登録のドローンの飛行は違法となります。

2021年12月20日から始まっている事前登録期間中に登録すれば、リモートID機能の搭載義務が免除となる経過措置を受けられるので、100g以上のドローンを今後も飛行させるつもりなら事前登録がおすすめです。

登録申請方法や申請手続きで使える本人確認書類は複数種類ありますが、手数料および所要日数の観点からは「本人確認書類にマイナンバーカードを用いたオンライン申請」がベストです。

未登録のドローンを飛行させた場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されますので注意しましょう。

機体重量100g台のドローンを飛行させていたユーザーが、2022年6月20日以降も航空法の規制を受けず、登録も不要という従前と同じ条件でドローンを飛行させようと考えた場合の選択肢は次の2つとなるでしょう。

  1. 機体重量100g未満のドローンにする
  2. 屋内(またはネットや金網などを張った空間)で飛ばす

100g台のドローンを所有しているユーザーは必ず何らかの選択や対応が迫られることになる今回の法改正。

「いつのまにか法律違反をしていた……!」とならないよう、情報を把握し、必要な対応を取りましょう。

ドローンを取り巻く環境はこの先もダイナミックに変わっていくことが見込まれています。

本メディアでは今後も最新情報を追っていきますので、ぜひこまめにチェックしてくださいね。