「ドローンショーってどんなもの?」
「イベントでドローンショーを開催したいけれど、どこに頼めばいい?」
この記事を開いたあなたは、そんな疑問を持っているのではないでしょうか。
ドローンショーとは、数十〜数千機のドローンを同時に飛ばし、上空にイラストやロゴ、アニメーションなどを作り出す新しいイベントコンテンツです。
LEDライトを搭載した多数のドローンをプログラムによって制御し、夜空にイルミネーションを描き出すものが主流で、フォーメーションを変更することで、次々と異なる形に変化していきます。
東京オリンピックの開会式で、国立競技場の上空に地球儀や五輪マークなどが浮かび上がったショーは、記憶に新しいところでしょう。
このドローンショーは現在、屋外でのイベントとして行われるのはもちろん、屋内イベントやライブコンサートに取り入れられたり、広告やプロモーションに利用されたりと、活用シーンが広がっています。
国内にもドローンショーを手がける企業があり、依頼すると屋外で500万円〜、屋内で100万円〜程度の費用で開催してもらうことが可能です。
もしドローンショーの運営会社に開催を依頼する場合は、一般的には以下のような流れで進めます。
1)イベント内容、会場を考える
2)ドローンショーを請け負う会社に相談する
3)会場を視察(ロケハン)する
4)契約を結ぶ
5)各種申請をする
6)ショーの内容を決定・制作する
7)リハーサルをする
8)本番のショーを開催する
ただ、以下の点には注意しておく必要があるでしょう。
- ドローンショーが天候によって開催できない場合を想定しておく
- ドローンショーの長さは10分程度が限界である
そこでこの記事では、ドローンショーについて知っておきたいことをまとめました。
◎ドローンショーとは
◎ドローンショーの仕組み
◎ドローンショーが行われるシーン
◎ドローンショーの費用
◎ドローンショーを行う主な企業とショー事例
◎ドローンショーを開催する流れ
◎ドローンショーを開催する際の注意点
◎ドローンショー開催情報の調べ方
最後まで読めば、ドローンショーについてよく理解できるでしょう。
この記事で、あなたがすばらしいドローンショーを開催できるよう願っています。
目次
ドローンショーとは
最近さまざまな場所で開催されることが増えてきたドローンショーは、夜空を彩る光のアートイベントとして人気が高まりつつあります。
が、そのショーは誰が、どんな仕組みで行っているのかについては、よく知らない人が多いようです。
そこでまずは、ドローンショーとはどんなものなのか、基本的な知識から身につけていきましょう。
ドローンショーとはどんなもの?
ドローンショーとは、数十〜数千機のドローンを同時に飛ばし、上空にイラストやロゴ、アニメーションなどさまざまな形を作り出す新しいイベントコンテンツです。
現在行われているドローンショーは、LEDライトを搭載した多数のドローンをプログラムによって制御し、夜空にイルミネーションを描き出すものです。
フォーメーションを変更することで、次々と異なる形に変化したり、動物や地球など描いた図形をアニメーションのように動かしたりすることもできます。
日本でのドローンショーといえば、2021年に開催された東京オリンピックの開会式の演出に取り入れられたものが代表的でしょう。
国立競技場の上空に、巨大な地球儀や市松模様などを描いたのは、米・インテル社の1824機のドローンでした。
ドローンショーは、その美しさとドローンという先端技術を活用する目新しさで注目されているだけでなく、環境にやさしいエコフレンドリーなイベントである点も特徴です。
たとえば、同じく夜空を彩るショーである打ち上げ花火は、打ち上げの際に出る大量の煙の中に含まれる化学物質が大気を汚染する恐れがあるとして、近年は環境に配慮した花火を開発するなど対策が急がれています。
一方ドローンショーは、花火と同様な演出をすることも可能ながら、煙や大きな音を出すことはありません。
それもあって、近年では屋外でのイベントはもちろん、屋内イベント、ライブコンサートなどでもドローンショーを開催する事例が増えつつあるのが現状です。
ドローンショーの仕組み
通常はドローンを飛ばす際には、操縦者がプロポ(=送信機/ドローンのコントローラーの役目を果たす機器)を操作して操縦します。
が、ドローンショーでは一度に数十〜数千機のドローンを飛ばし、意図した形やアニメーションを形づくるため、1機ずつ操縦するのは不可能です。
そこで、あらかじめ1機ずつをどのように動かすかをプログラミングし、コンピューターシステムで制御しています。
ショーの本番では、そのプログラムを実行することでドローンが一斉に飛び立ち、さまざまなフォーメーションで飛行するという仕組みです。
【株式会社ドローンショー・ジャパンによるドローンショーのメイキング動画】
※1:50あたりからPC制御の様子が見られます。
ドローンショーで使われるドローンは、前述のようにLEDを搭載しているのが特徴です。
また、軽量で安定した飛行が求められるため、市販のドローンではなく、ショー専用のドローンを独自に自社開発しているドローンショー会社もあります。
このような仕組みにより、ドローンショーでは以下のようなことが可能です。
- 動物や花、キャラクターなどの図柄を描く
- 文字や企業ロゴを描く
- 立体的なフォーメーションで3Dイラストを描く
- ドローンのフォーメーションを変えることで、描いた図柄を動かす=アニメーション など
ドローンショーが行われるシーン
新たなイベントコンテンツとして注目が集まるドローンショーですが、では具体的にはどのようなシーンで開催されているでしょうか?
その事例は今後拡大していくでしょうが、2023年7月現在では、以下のようなケースがあります。
- 屋外イベント
- 屋内イベント
- ライブコンサート
- 広告・プロモーション
それぞれどのようなものか、見ていきましょう。
屋外イベント
多くの人が「ドローンショー」と聞いてイメージするのは、屋外で夜間に行われるものでしょう。
東京オリンピックの開会式はその代表例です。
国立競技場の上空に飛び立った1,824機のドローンが、徐々に集まって巨大な地球儀を形づくり、そこから形を変えて五輪のマーク、「TOKYO2020」の市松模様のロゴが夜空に輝きました。
現在では、ただ屋外でLEDドローンを飛ばすだけでなく、以下のようなさまざまな試みがなされています。
- プロジェクションマッピングとドローンショーとのコラボレーション
- 花火とドローンショーとのコラボレーション
- ライトアップしたお城を背景にしたドローンショー
- ドローンによるキャラクターショー など
◎プロジェクションマッピングとドローンショーとのコラボレーション
【空海が見つけた見附島Ⅱ】ショー運営会社:株式会社ドローンショー・ジャパン
◎花火とドローンショーとのコラボレーション
【レッツゴー万博2025 夢洲超花火 ドローンショー】ショー運営会社:SKYMAGIC(シンガポール)
◎ライトアップしたお城を背景にしたドローンショー
【5Gドローンショー@金沢城公園】ショー運営会社:株式会社ドローンショー・ジャパン
◎ドローンによるキャラクターショー
【『ポケモン GO』スペシャルドローンショー 秋 IN こうのす花火大会】ショー運営会社:株式会社レッドクリフ
【神戸イルミナージュ ドローンライトショー with ULTRAMAN FANTASY LIGHTS ウルトラセブン55周年記念ドローンショー】ショー運営会社:株式会社ドローンショー・ジャパン
屋内イベント
多数のドローンを飛ばすドローンショーですが、意外にも屋内で行うことも可能です。
ドローンショー会社の「株式会社ドローンショー・ジャパン」では、「20m四方、高さ5mを確保できる場所であればどこでも実施可能」(ドローンショー・ジャパンWEBサイト「インドアドローンショー」ページより引用)とのことなので、体育館程度の広さがあれば開催できるでしょう。
屋外でドローンショーを行う場合、国土交通省への飛行許可申請をはじめ、さまざまな許可申請が必要になりますが、屋内ドローンショーは施設の許可さえあれば飛ばせます。
また、ドローンの数も屋外より少ないのでコストが抑えられ、ショー開催のハードルは低いと言えそうです。
屋内イベントには、以下のような事例があります。
- 創立記念式典、入社式など企業のイベント
- モーターショーなど展示会
- 体育館でのスポーツイベント など
◎創立記念式典、入社式など企業のイベント
【ワールドインテック 入社式演出】ショー運営会社:株式会社ドローンショー・ジャパン
▶︎動画はこちらのページで公開されています。
出典:株式会社ドローンショー・ジャパン公式サイト
過去事例「ワールドインテック 入社式演出」
◎モーターショーなど展示会
【ポルシェ モーターショー】ショー運営会社:株式会社ティーツーアール(T2R)
出典:T2R公式サイト「DAMODA INDOOR DRONE SHOW」ページ
◎体育館でのスポーツイベント
【プロバスケットボール「B.LEAGUE」茨城ロボッツ ゲームオープニングイベント】ショー運営会社:docomo sky(株式会社NTTドコモ)
※0:05〜0:37でイベントの様子がわかります。
ライブコンサート
ライブコンサートとのコラボレーションも行われています。
ライブコンサートでは、光を使った演出がいろいろと取り入れられてきました。
ペンライトを遠隔操作して客席をイルミネーション化したり、レーザーを使ったり、プロジェクションマッピングでステージを異空間に見せたりと、つねに最新技術が試されていますが、最近ではそこにドローンが加わった形です。
また、LEDではなく、ドローンに巨大なクジラやイルカのモチーフを取り付け、客席の上を飛ばすというユニークな演出をした例もありました。
舞台演出にドローンショーを組み合わせる手法は、以下のような例だけでなく、今後さまざまな形で広がっていくことが期待されています。
- LEDドローンによる、音楽に合わせた光の演出
- ドローンでモチーフを飛ばす演出 など
◎LEDドローンによる、音楽に合わせた光の演出
【BTSワールドツアー「LOVE YOURSEL」ファイナル公演@ソウル】ショー運営会社:インテル
◎ドローンでモチーフを飛ばす演出
【Phish – 4/22/2022 – Waves ➪ Sand】ドローン制作:MOMENT FACTORY
広告・プロモーション
エンターテインメント分野だけでなく、広告・プロモーションの領域でもドローンショーの活用が始まりました。
LEDドローンで夜空に巨大な企業ロゴを描くのがその代表的な手法ですが、それに加えて「#(ハッシュタグ)」を形づくってSNSでの拡散を狙ったり、QRコードを表示することで、見ている人にそれを読み取らせ、企業やコンテンツのWEBサイトに誘導するという新たなプロモーション手法も可能になっています。
ドローンショーは、上空高くにロゴやマークなどを表示することができるため、従来のイルミネーションや大型ビジョンなどのデジタルサイネージと比べて、格段に広範囲の人々に見てもらうことができるのが利点と言えるでしょう。
また、プロモーションビデオの演出として、ドローンショーを取り入れるアーティストも出てきました。
それらも含めて、現在ではたとえば以下のような活用例があります。
- 企業ロゴなどを広範囲に向けて広告する
- 「#(ハッシュタグ)」を拡散する
- QRコードを表示して、WEBサイトに誘導する
- プロモーション動画の演出として取り入れる など
◎企業ロゴなどを広範囲に向けて広告する
◎「#(ハッシュタグ)」を拡散する
◎QRコードを表示して、WEBサイトに誘導する
【テレシードローンショー in 川崎競馬場】ショー運営会社:株式会社レッドクリフ
◎プロモーション動画の演出として取り入れる
【ももいろクローバーZ 結成15周年記念ソング『いちごいちえ』プロモーションビデオ】ショー運営会社:株式会社ドローンショー・ジャパン
※3:18〜ドローンショー演出があります。
ドローンショーの費用
ここまでのドローンショー動画を見て、「わが社でもドローンショーを実施してみたい」と考えた方もいるでしょう。
そこで気になるのは費用です。
ドローンという最新技術を用いるため、ある程度のコストがかかるのは当然ですが、その相場はどの程度でしょうか?
ドローンショーを依頼する場合の費用相場は、屋外で500万円〜、屋内で100万円〜
日本でドローンショーを依頼する場合の費用相場は、イベント会社によって異なります。
が、一般的には、屋外イベントなら100機規模で500万円程度〜、屋内イベントなら100万円程度〜と考えてください。
もちろん規模が大きくなったり、複雑なことをしたりする場合は、費用は高くなります。
たとえば、東京オリンピックのドローンショーの費用は公開されていませんが、1,824機のドローンを正確に制御していて、その費用総額は一説には1億〜数億ではないかと言われました。
いずれにしろ、高額な費用がかかるものですので、開催を考える際には複数のイベント会社から相見積もりをとって比較検討するようにしましょう。
ドローンショーを開催できるイベント会社については、「ドローンショーを行う主な企業とショー事例」で紹介しますので、そちらを参照してください。
ドローンショーにかかる費用内訳
見積もりをとる際には、費用総額を比較するだけでなく、費用の内訳も見なければなりません。
ドローンショーにかかる費用は、主に以下です。
- 進行管理費:ショーの制作から本番までのプロジェクト全体の進行を管理する費用
- 現場視察費:事前に実施現場をロケハンする費用
- 現場運営費:ショーの現場運営にかかる費用
- リハーサル費:事前に本番を想定したリハーサルをする費用
- アニメーション制作費:ドローンがどのように動くか、アニメーションで制作する費用
- 許認可申請費:国土交通省への飛行許可申請など、必要な申請をする費用
- 各種保険:機体が落下衝突したり、人や建物にぶつかって被害が出たりした場合に備える保険料
など
さらに、イベントを告知する必要があればその広告宣伝費なども別途必要でしょう。
それぞれの費用相場はドローンショー会社ごとに、またショーの内容によっても異なります。
相見積もりをとる際に、かならず内訳も出してもらうように依頼して、各社比較するといいでしょう。
ドローンショーを行う主な企業とショー事例
さて、ここまでドローンショーとはどんなものかについて、さまざまな視点から解説してきました。
それを読んだ上で、「費用も出せる範囲だし、わが社でもドローンショーをやってみたいけれど、どこに依頼すればいい?」と思った人も多いでしょう。
そこでこの章では、ドローンショーを行う主な企業と、その会社が手がけたショーの事例を紹介しておきましょう。
依頼先を選ぶ際の参考にしてください。
- 株式会社ドローンショー・ジャパン
- 株式会社レッドクリフ
- 株式会社NTTドコモ「docomo sky」
- T2R(有限会社ティーツーアール)+DAMODA
株式会社ドローンショー・ジャパン
「株式会社ドローンショー・ジャパン」は、石川県金沢市で2020年に創立された、国内を代表するドローンショー専門事業者です。
これまでに100件以上のショーを手がけ、ドローンショーの国内シェアNO.1とも言われています。
自社で開発したショー専用ドローン「unika」を用いた、高クオリティ・低コストなショーが特徴で、屋外での大掛かりなイベントから屋内でのコンパクトなショー、プロモーションビデオのドローン演出など幅広いニーズに対応可能です。
旅行代理店「HIS」とドローンショーの販売代理店契約を結んでいて、そのネットワークを活かしたドローンショーの全国展開も行っています。
社名 |
株式会社ドローンショー・ジャパン (Droneshow Japan Inc.) |
---|---|
設立 |
2020年4月1日 |
所在地 |
金沢オフィス:〒921-8031 石川県金沢市野町3丁目11-1 |
事業内容 |
ドローンショー事業/クリエイティブ事業(ドローン空撮、ワークショップ) |
公式サイト |
【株式会社ドローンショー・ジャパンのショー事例】
◎神戸イルミナージュ ドローンライトショー with ULTRAMAN FANTASY LIGHTS ウルトラセブン55周年記念ドローンショー
巨大なウルトラセブンが怪獣と戦う様子などがLEDドローンで夜空に描き出される、迫力満点のショーです。
国内のドローンショーとしては大規模な、500機のLEDドローンを用いたことでも注目されました。
◎Jリーグ30周年記念マッチ FIRE WROKS DRONESHOW
国立競技場でのサッカーの試合で、花火やレーザーなどとLEDドローンとを組み合わせた華やかな演出が行われました。
◎M-1グランプリ2022 オープニングドローンショー
漫才コンテスト「M-1グランプリ」のオープニングで行われたドローンショーで、カラフルに光るLEDドローンが球体になって回転し、そこからフォーメーションを変えて「M」のロゴを形づくります。
◎Indoor DRONESHOW Christmas animation
屋内でのミニマルなショーも手がけています。
これはライトアップされたクリスマスツリーのまわりを、七色に輝くドローンが舞う演出です。
株式会社レッドクリフ
「株式会社レッドクリフ」は、国内最大規模・1,000機のドローンショーを手がける運営会社です。
前項のドローンショー・ジャパンと並んで、日本を代表する企業で、2022年には日本初のドローンショー広告、「テレシードローンショーin川崎競馬場」を開催しました。
ショーでは、オリジナルのショー用ドローン「EMO」「TAKE」を用いていて、他社と同じ規模のドローンショーを比較的リーズナブルに行うことができるとも言われています。
また、これらドローンの販売も行っており、ドローンショービジネスを始めたい企業や自治体などには、講習つきのパッケージ販売でショーの開催をサポートします。
社名 |
株式会社レッドクリフ(REDCLIFF, inc.) |
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設立 |
2019年5月15日 |
所在地 |
東京都新宿区新宿4-3-15 レイフラット新宿B棟3F |
事業内容 |
ドローンショー運営、ドローン空撮、ドローンプログラミング教室 |
公式サイト |
【株式会社レッドクリフのショー事例】
◎#HIROSHIMAミライバトン
G7広島サミット応援イベント「#HIROSHIMAミライバトン」の一環として、日本企業最大数・1,000機のドローンショーを開催しました。
クラウドファンディングで1,859人から3,522万円以上の応援購入を獲得、アニメーションの一部に8社のスポンサー企業ロゴを組み込んだ広告にもなっています。
◎ウポポイドローンショー
北海道にあるアイヌをテーマにしたナショナルセンター「ウポポイ(民族共生象徴空間)」で、2023年1月27日から週末3日間、3週連続の計9日のドローンショーを開催しました。
このショーでは、日本初の凍結した湖上(ポロト湖)にドローン離発着場所を設け、300機のドローンを飛ばしています。
このショーにより、例年同時期と比べて250%以上の来場者があったそうです。
◎『ポケモン GO』 スペシャルドローンショー
第56回おたる潮まつり、赤川花火プレゼンツ2022、第19回こうのす花火大会、第35回やつしろ全国花火競技大会と、日本各地の花火大会で開催された「ポケモン GO」のスペシャルドローンショーです。
国内最大規模・700機のドローンが、人気のポケモンたちやモンスターボールなどを夜空に形づくった上に、ドローンショーと花火とのコラボレーション演出もありました。
メディアにも取り上げられ、話題を集めたドローンショーのひとつです。
◎ウクライナ支援ドローンショー
2022年3月には、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナへの支援の輪を広げようという思いを込めて、ウクライナ支援ドローンショーも開催しました。
これは依頼を受けたのではなく、レッドクリフが自社で企画・開催したもので、300機のドローンでウクライナ国旗やウクライナを象徴するひまわりの花、平和を願う「NO WAR」のメッセージなどを夜空に描きました。
株式会社NTTドコモ「docomo sky」
携帯キャリアの「株式会社NTTドコモ」も、ドローンビジネス「docomo sky」の一環としてドローンショーを展開しています。
その特徴は、「高解像度版浮遊球体ドローンディスプレイ(球体ドローン)」を用いることです。
これはNTTドコモが開発した独自のドローンで、球体の全方位に映像を表示しつつ、空間を自由自在に浮遊することができます。
また、球体ではないLEDドローンでのショーも手がけていて、さまざまなエンターテインメント領域での活用を目指しています。
社名 |
株式会社NTTドコモ |
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設立 |
1991年8月 |
所在地 |
〒100-6150 東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー |
事業内容 |
通信事業、スマートライフ事業、その他事業 |
公式サイト |
【株式会社NTTドコモのショー事例】
◎プロバスケットボール「B.LEAGUE」茨城ロボッツ ゲームオープニングイベント(ショーの様子は0:05〜0:37)
NTTドコモオリジナルの「浮遊球体ドローンディスプレイ」を活用したショーです。
ドローン自体がディスプレイとして映像や光のアニメーションなどを映し出す様子は、一般的な小型LEDドローンによるショーとはまったく違う新しいドローンショーを感じさせます。
◎第71回金沢百万石まつり「5Gドローンショー 」
金沢百万石まつりのプレイベントとして、金沢城公園で64機のドローンによる「5Gドローンショー」を開催しました。
国の重要文化財に指定された施設を含む公園でドローンショーを行うのは、日本初の試みだったそうです。
その様子は、500人限定の現地観覧だけでなく、金沢市公式youtubeチャンネルで映像配信され、多くの人がスマートフォンやパソコンから見ることができました。
ちなみにこのショーでは、株式会社ドローンショーのオリジナル機体を使用しています。
T2R(有限会社ティーツーアール)+DAMODA
「T2R(有限会社ティーツーアール)」は1996年創立のイベント会社ですが、近年になって中国のドローン関連企業「DAMODA」と契約、ドローンショーを手がけるようになりました。
屋外ではもちろん、屋内のショーも積極的に手がけているのが特徴です。
そのため、通常は悪天候になるとドローンショーを中止しなければなりませんが、T2Rでは悪天候に備えて屋外・屋内の両方をスタンバイしておくこともできます。
また、ドローンショー専門ではなくさまざまなイベントの運営実績があるため、レーザーやプロジェクションマッピングと組み合わせるなど、多彩な演出を行っています。
社名 |
有限会社ティーツーアール |
---|---|
設立 |
1996年5月24日 |
所在地 |
〒153-0063 東京都目黒区目黒4-18-17-118 |
事業内容 |
地域・文化・企業と顧客のコミュニケーション創造に関わるイベントプロデュース事業 |
公式サイト |
【有限会社ティーツーアールのショー事例】
◎日本最多60台の室内ドローンパフォーマンス
屋内でのドローンショーとしては日本最大級の60台で行うパフォーマンスの様子です。
体育館の中でも、文字を描いたりフォーメーションを変えたりといろいろな動きができることがわかります。
◎The Mystical Star Walking
T2Rは、ナイトウォークと謎解きにドローンショーを組み合わせたユニークなコンテンツも提供しています。
参加者は、このイベント用のデバイスを手に夜の森を歩き、謎を解きながら進んでいきます。
途中にもさまざまな光の演出がありますが、最後にたどり着いた場所で、LEDドローンと音楽がコラボレーションしたショーを見ることができるという仕掛けです。
ドローンショーを開催する流れ
では、ドローンショーを開催したい場合、どのような流れで進めればいいのでしょうか?
進め方は、ドローンショー会社やショーの内容によっても異なりますが、一般的には以下の流れです。
1)イベント内容、会場を考える
2)ドローンショーを請け負う会社に相談する
3)会場を視察(ロケハン)する
4)契約を結ぶ
5)各種申請をする
6)ショーの内容を決定・制作する
7)リハーサルをする
8)本番のショーを開催する
ドローンショー会社に相談してから本番まで、一般的な進め方だと2〜3ヶ月程度かかると考えてください。
では、ひとつずつ説明していきましょう。
イベント内容、会場を考える
まず最初に、どのようなイベントをどこで行いたいか、自分たちの希望をまとめます。
会場に関しては、そこでショーが可能かどうかの判断を素人がするのは難しいと思います。
その点は、ドローンショー会社が後日、現地を視察するなどして判断してくれますし、そこで開催が不可能であれば、別の会場の提案もしてもらえますので、まずは「ここで開催できるならしたい」という場所を考えてみてください。
「適当な会場が思いつかない」といった場合でも、ドローンショー会社が会場選びから相談に乗ってくれますので、「どんなショーにしたいか」だけでもイメージをまとめておきましょう。
この記事で紹介している動画をはじめ、動画サイトではさまざまなドローンショーの映像が見られますので、それらも参考になるはずです。
ドローンショーを請け負う会社に相談する
希望がまとまったら、ドローンショーを請け負っている会社に問い合わせ、相談をします。
会社選びは「ドローンショーを行う主な企業とショー事例」も参考にしてください。
可能であれば、まずは複数社に問い合わせをして、相手の返答や費用目安などを聞いた上で絞り込むといいでしょう。
相談方法は、ドローンショー会社の公式サイトから問い合わせフォームで相談内容を送った上で、一度ミーティングをしてこちらの希望と先方の提案をすり合わせる場合もありますし、メールや電話でやりとりする場合もあります。
いずれにしろ、希望をきちんと伝えて、納得いくまで相談に乗ってもらいましょう。
会場を視察(ロケハン)する
依頼する会社を絞り込んだら、先方の担当者がこちらの希望する会場を視察に行き、実際にドローンショーを開催することが可能か、どのような準備が必要かなどを調査します。
その際にチェックするのは、主に以下のような点です。
- 会場の建物や周囲の建物、立地
→安全に飛行できるかどうか、法律や条例などでドローンが周辺を飛ぶことを禁止されている建物がないかなど - 会場の広さ
→多数のドローンを離着陸させたり、飛行させたりする広さがあるか - 電波の状況
→ドローンは電波の送受信でコントロールするため、電波状況がよいか、妨害するものはないかなど - その他、法的な問題や飛行の障害がないか
など
ドローンの飛行に関しては、航空法や小型無人機飛行禁止法などさまざまな規制があり、それに従って国などに許可申請をする必要が生じます。
それも含めて「この場所で開催が可能」と判断されれば、本格的にショーの準備に入ります。
ただ、場合によっては飛行が不可能だったり、申請に許可が出ないことが予想されたりして、「この会場ではできません」という結果になることもあるでしょう。
その場合は、別の場所を探したり、ショーの内容を見直したりして、開催可能な会場を決定していきます。
契約を結ぶ
本格的なショーの準備に入るにあたって、ドローンショー会社と正式な契約を結びます。
費用、ショー運営の責任、もし事故などがあったときの対応など、十分に話し合って納得した上で、契約書をかわしてください。
各種申請をする
「会場を視察(ロケハン)する」で決定した会場に関して、ドローンショー開催に必要な各種の申請をします。
といっても、基本的にはドローンショー会社が申請してくれますので、依頼した側はお任せで大丈夫です。
もし、何か書類などを求められた場合には対応してください。
必要な申請は、たとえば以下のようなものです。
- 航空法にもとづく国土交通省への飛行許可申請
→夜間の飛行や、人が多い場所での飛行、150m以上の高さの飛行、イベント上空での飛行などをする場合は、国土交通省に申請して許可を得る必要があります。 - 小型無人機等飛行禁止法にもとづく警察署などへの通報
→国会議事堂や皇居などの国の重要施設、空港などの近くを飛行する場合は、警察署を通して都道府県公安委員会にその旨を知らせたり、各施設の管理者に許可を得たりしなければなりません。 - 自治体への許可申請
→自治体によって、ドローンの飛行を規制している場合があり、許可申請が必要であれば申請書を提出します。 - その他
→建物を使用する場合、私有地を使用する場合に、その管理者や持ち主に許可を得るなど、ケースに応じて必要な申請をします。
ショーの内容を決定・制作する
申請を出すと同時に、ショーの内容をくわしく決めて、アニメーションなどを作成します。
ドローンショーにおける「アニメーション」とは、ドローンがフォーメーションを組んで描き出す図柄や文字の動きのことです。
ドローンショー会社では、これをコンピューター上の3Dアニメーションとして制作し、ドローンをその通りにコンピューター制御することでショーを行います。
花火や映像、照明、音楽などと組み合わせる場合は、それらも含めて演出が決められていきます。
アニメーションの作成には、おおむね1ヶ月程度かかると考えておいてください。
リハーサルをする
アニメーションを含めたショーのプログラムが完成したら、本番の前にリハーサルをします。
まずアニメーションが正常に動作するかをチェックし、改善点や問題があれば修正、問題なければ実際の会場で本番同様に確認します。
場合によっては、会場の前に別の練習場でテストフライトするケースもあるようです。
いずれにしろ、この段階ですべての準備を整えた上で、本番当日を待ちましょう。
本番のショーを開催する
開催日になったら、いよいよドローンショーの開催です。
現場での作業はドローンショー会社のスタッフが行います。
ただ、ドローンショーは天候に左右されるもので、強風や雨などがあれば中止の可能性が出てきます。
その際の対応については、「ドローンショーが天候によって開催できない場合を想定しておく」で説明しますので、そちらも読んでおいてください。
ドローンショーを開催する際の注意点
ところで、ドローンショーを開催するにあたっては、いくつか注意しなければならないことがあります。
たとえば以下の点です。
- ドローンショーが天候によって開催できない場合を想定しておく
- ドローンショーの長さは10分程度が限界である
これらについても説明しておきましょう。
ドローンショーが天候によって開催できない場合を想定しておく
もっとも注意したいのは、前述したようにドローンが天候に左右されるという点です。
悪天候の場合は、ショー自体が開催できなくなってしまいますので、それも含めて計画を立てておきましょう。
具体的には、以下の点をあらかじめ確認しておく必要があります。
- 天候についての開催条件
→雨天の場合はどの程度なら開催できなくなるか、強風については風速何mだと開催不可かなど - 開催不可の場合の対応:中止、延期など
→当日開催不可になった場合、中止するのか、延期するならいつにするか、その準備など - 悪天候による中止の場合の費用負担
→ドローンショー会社によって規定が異なるので、中止の場合何%負担か(たとえば1週間前に中止を決めれば50%負担、当日中止は70%負担など)
また、梅雨どきや台風の時期など、天候の変わりやすい時期をあらかじめ避けて開催日を決めることで、中止のリスクを下げることができるでしょう。
ドローンショーの長さは10〜15分程度が限界である
また、ドローンショーの長さは、最大で10〜15分程度までですので、そのつもりで計画してください。
というのも、ドローンショーに用いるドローンは、フォーメーションを組んで動きやすいよう小型軽量に作られています。
そのため、バッテリーも小型で容量が小さいものしか搭載できないのです。
実際に、多くのドローンショーは数分〜10分程度で開催されています。
ただ、「費用はかかってもいいので、もっと長く実施したい」という場合は、追加のドローンを時間差で飛ばすことで、15分以上のショーも可能です。
もし希望する場合は、ドローンショー会社に相談してみてください。
ドローンショー開催情報の調べ方
さて、ここまでは「ドローンショーを開催したい」という人向けの情報を解説してきました。
が、一方で「ドローンショーを実際に見てみたい」と希望する人も多いでしょう。
そこで最後に、ドローンショーの開催情報をどうやって調べればいいのかも説明しておきます。
主な調べ方としては、以下のようなものがあります。
- ドローンショー会社の公式サイトをチェックする
- ドローンショー会社のSNSをチェックする
- インターネットで検索する
ドローンショー会社の公式サイトをチェックする
まず、主なドローンショー会社の公式サイトを見てみましょう。
「News」ページなどで、自社が運営する今後のショー開催予定を告知している場合があります。
主なサイトは以下ですので、確認してみてください。
ドローンショー会社のSNSをチェックする
また、主なドローンショー会社は、自社が請け負ったドローンショーの開催情報をSNSでも発信しています。
過去の開催情報もありますが、これからのショーの告知がされることもありますので、それらをチェックすることで、主要なショーの開催予定を知ることが可能です。
たとえば以下のようなアカウントがありますので、随時確認するといいでしょう。
- 株式会社ドローンショー・ジャパン:
Twitter @DroneShowJP
Instagram droneshowjp
facebook 株式会社ドローンショー - 株式会社レッドクリフ:
Twitter @redcliff_drone
Instagram redcliff_drone - 有限会社ティーツーアール:
facebook ティーツーアール
Instagram t2rcorp
インターネットで検索する
オーソドックスな方法ですが、インターネット検索でも調べることができます。
ただ、「ドローンショー 開催予定」などと検索すると、今後の開催予定よりも過去の開催事例のほうが多く出てきてしまいます。
そこで、期間を「1ヶ月以内」など最近に限って検索してみましょう。
Googleの場合、「ツール」から期間指定ができます。
こうすると、最近発表されたドローンショーの開催予定情報が出てきます。
たとえば、2023年6月末時点で検索したところ、以下のようなドローンショーがあることがわかりました。
- 「スカイアートキズナフェスティバル2023」
2023年7月8〜9日/北海道札幌市・大倉山ジャンプ競技場 - 「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」
2023年8月11~13日/神奈川県横浜市・みなとみらい - 「ファイナルファンタジーXIV 10th ANNIVERSARY FIREWORKS & MUSIC」
2023年8月26日/大阪府東大阪市・花園ラグビー場特設会場
あるいは、「◯◯県」とエリアを絞って検索するのもいいでしょう。
いろいろ調べて、ぜひ夜空を彩るドローンショーを直に堪能してください。
まとめ
いかがでしたか?
ドローンショーについて、よく理解できたかと思います。
ではあらためて、記事の要点をまとめましょう。
◎ドローンショーとは、数十〜数千機のドローンを同時に飛ばし、上空にイラストやロゴ、アニメーションなどを作り出す新しいイベントコンテンツ
◎ドローンショーが行われるシーンは、
- 屋外イベント
- 屋内イベント
- ライブコンサート
- 広告、プロモーション
◎ドローンショーの費用は、屋外で500万円〜、屋内で100万円〜
◎ドローンショーを行う主な国内企業は、
- 株式会社ドローンショー・ジャパン
- 株式会社レッドクリフ
- 株式会社NTTドコモ「docomo sky」
- T2R(有限会社ティーツーアール)+DAMODA
◎ドローンショーを開催する流れは、
1)イベント内容、会場を考える
2)ドローンショーを請け負う会社に相談する
3)会場を視察(ロケハン)する
4)契約を結ぶ
5)各種申請をする
6)ショーの内容を決定・制作する
7)リハーサルをする
8)本番のショーを開催する
◎ドローンショーを開催する際の注意点は、
- ドローンショーが天候によって開催できない場合を想定しておく
- ドローンショーの長さは10分程度が限界である
◎ドローンショー開催情報の調べ方は、
- ドローンショー会社の公式サイトをチェックする
- ドローンショー会社のSNSをチェックする
- インターネットで検索する
これを踏まえて、あなたが希望通りのドローンショーを開催できる、あるいは鑑賞できるよう願っています。