ドローンでの屋根点検に資格は必要なし。点検パターンと始め方を紹介

今や様々な分野で活躍するドローン。

インフラ設備やプラント、外壁や屋根などの点検作業をドローンで行う企業も増えてきました。

特に屋根の点検は、足場を組む必要がないので、コストや安全性の面からドローン使用に需要が高まっています。

屋根点検にドローンを使いたいと思った際、

「点検作業をする上で、必要な資格はあるの?」と気になった方もいるのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、ドローンで屋根点検作業をする際に、資格は必要ありません。

必要な申請などはありますが、技術と知識があれば資格がなくても、屋根の点検をドローンで行うことができます。

今回はその理由や民間資格について、また、資格が必要ない中で、ドローンを使った屋根点検を安全に行える方法」についても解説していきます。

この記事を読むとわかること

  • ドローンによる屋根点検に資格が必要ないその理由と、民間資格

  • 屋根点検を安全に行う方法

  • サービス提携企業と、スクールのメリット、注意点

この記事を読めば、ドローンを使用した屋根点検の資格について、また、ドローンを使った屋根点検を安全に行える方法などがわかりますよ。

 

ドローンの屋根点検のメリット・デメリット(どの様な人におすすめなのか?)や、行う際は自分で行うべきか外注すべきなのかなど、ドローンの屋根点検に関するより詳しい情報は、こちらの記事にまとめています。ドローンの屋根点検を検討されている方は、あわせてご覧ください。

ドローンによる屋根点検のメリット・デメリット・費用・業者の選び方

ドローンによる屋根点検に資格は必要ない

屋根点検をするドローン

先でも述べたように、ドローンによる屋根点検に資格は必要ありません

なぜなら、そもそもドローン操縦には、自動車免許のように、絶対持っていなければならない免許や資格が現状存在しないからです。

近い将来、ドローンも免許制になるかもしれないという話はあるようですが、現在のところ、国の定めた資格や免許はありません。

国家資格はないが、民間の資格はある

現在、ドローンの屋根点検について国が認める国家資格はありませんが、国土交通省認定資格「屋根点検ドローンオペレーター」なるものはあります。

【屋根点検ドローンオペレーターとは?】

国土交通省の認定を受けた講習管理団体(一般社団法人ドローン技術社会実装コンソーシアム)により設立された「DSC産業用ドローンスクール」で専門の講習を受ければ取得できる資格です。

DSC産業用ドローンスクール「屋根点検コース」カリキュラム例

座学
  • 屋根点検概要
  • 屋根形状・屋根材種類
  • 損傷一覧
  • 屋根点検に必要なドローン撮影手法
  • 報告書ひな形説明
実技
  • ドローンカメラ解説(使用方法、設定など)
  • 自動航行アプリDroneDeploy使用方法解説
  • パラメーター取得解説
  • 講師によるデモ飛行
  • ドローン飛行練習

一般講習を受講後、上記内容の専門講習を受けることができます。

ドローンを使った屋根点検を安全に行う方法

屋根点検に向かうドローン

資格がいらないので、必要な申請の承認を受け、知識や技術があれば誰でもドローンを使った屋根点検をすることは可能です。

しかし小さなミスが大きな事故につながる可能性もあるので、安全・安心に点検作業をするのは必須といえます。

ドローンを使った屋根点検を行う方法として、

  • サービス提携企業を利用する
  • 屋根点検を専門的に学べるスクールに行く

この2つがあげられます。

今回は上記2つの方法と、独学による知識・技術取得についても解説していきます。

サービス提携企業を利用する

まずはドローンルーファーテラドローンなどのサービス提携企業を利用する方法です。

最近ではアプリ提供に合わせて、ドローン本体とタブレット、保険などをセットにして提供するサービスが登場しています。

屋根点検に必要なものがハード面・ソフト面共にワンパッケージになっているので、誰でも簡単にドローンによる屋根点検が可能となり、資格や、スクールで技術や知識を身に着ける必要はありません。

今回はドローンルーファーを例にご説明します。

【ドローンルーファーとは】

株式会社CLUE
が展開する、ドローンで屋根点検を行うために必要なサポートがセットで利用できるサービスです。屋根点検の必需品がパッケージで提供され、導入支援やアフターサポートも充実しています。

■セット内容

  • 機体
  • iPad
  • 飛行許可申請など業務に必要なサポート
  • 対人・対物賠償責任保険
  • アフターサポート

■価格

初期費用(ドローン・iPadの購入費など)+月額料金(アプリ利用料・航空許可の申請代行など)

※要望に応じて変動あり。

【使い方】
  1. タブレット端末に入ったアプリを起動。ボタンタップでドローンが自動で上昇。
  2. タップで気になる箇所をズームして確認、撮影。
  3. ドローン回収後、アプリで写真データを保存。またはドローン内蔵のSDカードからデータを  取り出す。
  4. アプリで報告書作成(画像加工や面積計算をして、標準のフォーマットに落とし込む)も可能
【メリット】
  • 自動飛行、位置調整、撮影が画面をタップ操作だけで可能なので、ドローンの技術や練習期間を必要としない。
  • オート操縦だけでなくマニュアル操縦も可能なので、使用用途に合わせて操縦方法が選択できる。
  • タブレットでリアルタイム映像を見ることができる。
  • 対人・対物賠償責任保険も付いており、飛行許可申請​・飛行情報登録まで代行してもらえる。
  • 導入後も受注を増やす方法や営業戦略など、専門のコンサルタントからアドバイスが受けられる。

屋根点検に特化したドローンスクールを活用する

上で述べたように、サービス提供企業のツールを利用すれば十分ドローンで屋根点検はできるので、必ずしもマストではないのですが、自身で学び、テクニックを身につけたい人は屋根点検を専門的に学べるスクールを受講するという方法もあります。

スクールに行くメリット

屋根点検を学べるスクールへ行くメリットを解説します。

屋根点検を学べるスクールへ行くメリット
  • 実際に現場で活躍するプロから学べる
  • 実際に屋根点検の実技練習ができる

■実際に現場で活躍するプロから学べる

実際に屋根点検作業をドローンで行うプロから学べるので、しっかりとした技術以外にも、現場ならではの体験談やアドバイスなどを聞けるのも魅力です。

業界第一人者が制作したカリキュラムを取り入れているので、効率よく学べます。

■実際に屋根点検の実技練習ができる

実際の屋根を使っての点検作業が体験できるのが、スクールの最大のメリットではないでしょうか。

ただドローンの操縦を練習していても、屋根点検の技術は上がりません。

屋根の点検をドローンで行うということを体感で身につけることができるのは、スクールの大きな強みです

実際のスクールカリキュラムの紹介

実際の、屋根点検スクールのカリキュラムの一例をご紹介します。

【カリキュラム内容】

座学
  • 飛行計画書作成
  • FISS登録
  • 機材準備について
  • 監視員、操縦者の役割分担について
  • 飛行中の注意点
  • 画像、映像確認方法など
実技
  • 障害物確認
  • 外周移動、撮影
  • 直上、接近撮影など

※ドローンスクール横浜若葉台のカリキュラム一例

スクールの注意点

屋根点検を専門的に学べるスクールは複数存在しますが、注意点もあります。

  • 実際に家屋の屋根を使った実技ができないスクールもある。

 模擬的な物やシュミレーションなどで代用するスクールも。事前に確認を取りましょう。

  • 授業料が高額。

 基本的に、屋根点検コースの受講は基本コース修了者が対象です。

 なので、トータル費用は「基本コース分+点検コース分」と、決して安くない金額になってしまいます。

「本当に自分はスクールへ通う必要があるのか」をしっかりと考え行動に移しましょう。

ツール利用かスクールか、自身の環境や目的で選ぶ

ツールの利用か、スクールかは、自身の環境や目的などで選びましょう。

【サービス提携企業のツールを利用するのに向いている人】

  • 簡単・安全に屋根点検を行いたい
  • ツールの活用で問題なく点検作業ができるなら、自分はドローン技術を身に付ける必要はないと思っている
  • 飛行許可や保険の取り扱いなど、細々とした部分はお任せしたい

【スクールに行くのに向いている人】

  • 全て自分で屋根点検を行いたい
  • 屋根点検についての知識・技術を高めたい

このようなサービス提携企業に携わる、メーカーの方に色々とお話をお伺いすることができましたが、

実際に、スクールに行かずに、こういったツールの利用で点検作業が問題なくできている人が多くいらっしゃるそうです。

  • 自動飛行なのでドローン操縦技術が必要ない
  • タップ操作だけで確認・撮影作業ができる
  • 面倒な手続きも代行してくれる

と、多くのメリットがあるので、「自身で屋根点検の技術を得たい」と持っている人以外は、こういったサービス提携企業のツールを活用するのがおすすめということでした。

目的が「屋根点検を行う」ならばツールの利用で十分ですし、目的が「屋根点検を全て自分で行いたい、知識・技術を高めたい」ならばスクールの検討を。

独学で学ぶ

そして最後に、自分自身で座学や技術を学ぶ方法です。

座学
方法
  • 書籍やテキスト、インターネットやYouTubeの動画などを活用する
メリット
  • 自分のペースで進められる
  • 費用を抑えられる
デメリット
  • 勉強範囲が把握しづらい
  • モチベーションが維持しづらい

 

技術
方法
  • 会社の私有地やドローンフィールドなどの飛行可能な場所で飛ばす
  • ドローンシュミレーターを使う
メリット
  • 自分の苦手な操作などを納得するまで繰り返したり、自分のペースで練習できる
デメリット
  • 練習で飛ばせる場所が少ない
  • 実際の屋根など、建物を使うのが難しい

最後にご紹介した「独学で学ぶ」は、あまりおすすめできません。

なぜなら、一番重要な「実際にドローンで屋根を点検をする」という、環境確保の部分が独学ではどうしても難しいからです。

自宅の屋根が使えるといった場合でも、隣の家屋が近かったり人通りがあったりすると、練習するのには事故やトラブルのリスクが高いです。

屋根点検という専門的な分野の独学は、現場で生かせる知識や技術が得られない可能性が高いので、いい方法とはいえません。

屋根点検が学べるドローンスクール

ドローンの操縦を確認する作業員

◆ドローンスクール横浜若葉台

屋根点検を行う際の事前準備から屋根撮影、画像・映像の確認、報告書作成までを落とし込んだカリキュラム内容で、現場に生かせる知識や技術が学べるスクール。

スクール名 ドローンスクール横浜若葉台
受講日程 1日(実技3時間・座学4時間)
受講コース 屋根点検 操縦士コース
受講料

10時間飛行資格保有者:121,000円(税込)
同スクールの操縦士コース卒業者:99,000円(税込)

住所

住所:〒241-0801 神奈川県横浜市旭区若葉台4丁目34−1
施設名:若葉台スポーツ・文化クラブ (旧若葉台西中学校)

URL ドローンスクール横浜若葉台
その他 旧中学校の建物などを使った屋根点検を、実際に行うことができる。

ドローンスクール東京ハミングバード

都内駅近、利便性に優れた立地にあるスクール。2日間で屋根点検の基礎から学べます。

スクール名 ドローンスクール東京ハミングバード
受講日程 2日
受講コース 屋根点検コース
受講料 132,000円(税込)
※回転翼3級を修了した方が対象
住所

ドローンスクールお台場校
〒135-0064 東京都江東区青海1丁目3-15 お台場ヴィーナスフォート内(2F Venus GRAND I08)

ドローンスクール新宿校
〒160-0022 東京都新宿新宿5-16-4 新宿マルイ メン6F

ドローンスクール渋谷校
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3丁目4-7 金王八幡宮内の蔵脩館金王道場

URL ドローンスクール東京ハミングバード
その他 実際に家屋の屋根点検が行える。

 

◆DSC産業用ドローンスクール

実際にドローンを業務で使用しているDSC構成企業から「実務ノウハウ」「講習ノウハウ」を集結し作られた、質の高いカリキュラムが受けられるスクール。

スクール名 DSC産業用ドローンスクール
受講日程 1日
受講コース 屋根点検コース
受講料 30,000円〜
URL DSC産業用ドローンスクール
その他 不定期開講のため、要問合せ。

まとめ

今回の記事をまとめました。

◆ドローンによる屋根点検に資格は必要ない

屋根点検をする際には、絶対持っていなければならない免許や資格は存在しない。

◆国家資格はないが、民間の資格「屋根点検ドローンオペレーター」はある

  • 現在国が認める国家資格はないが、国土交通省認定資格「屋根点検ドローンオペレーター」なるものがある。
  • 国土交通省の認定を受けた講習管理団体(一般社団法人ドローン技術社会実装コンソーシアム)により設立された「DSC産業用ドローンスクール」で専門の講習を受ければ取得できる。
  • 持っていなくてもドローンで屋根点検はできる。

◆ドローンを使った屋根点検を安全に行う方法

大きく分けて方法は2つ。

  • サービス提携企業を利用する
  • 屋根点検を専門的に学べるスクールに行く

上記と、あまりおすすめではないが独学がある。

◆サービス提携企業を利用する

ドローンルーファーなどの、アプリ提供に合わせて、ドローン本体とタブレット、保険などをセットにして提供するサービスを利用する。

【ドローンルーファー使い方】

  1. タブレット端末に入ったアプリを起動。ボタンタップでドローンが自動で上昇。
  2. タップで気になる箇所をズームして確認、撮影。
  3. ドローン回収後、アプリで写真データを保存。またはドローン内蔵のSDカードからデータを取り出す。
  4. アプリで報告書作成(画像加工や面積計算をして、標準のフォーマットに落とし込む)も可能。

【メリット】

  • 自動飛行、位置調整、撮影が画面をタップ操作だけで可能なので、ローンの技術や練習期間を必要としない。
  • オート操縦だけでなくマニュアル操縦も可能なので、使用用途に合わせて操縦方法が選択できる。
  • タブレットでリアルタイム映像を見ることができる。
  • 対人・対物賠償責任保険も付いており、飛行許可申請​・飛行情報登録まで代行してもらえる。
  • 導入後も受注を増やす方法や営業戦略など、門のコンサルタントからアドバイスが受けられる。

◆屋根点検に特化したドローンスクールを活用する

知識や技術を身に付けたい場合は、スクールの屋根点検を学べるコースを受講するのも一つの方法。

【スクールに行くメリット】

  • 実際に現場で活躍するプロから学べる
  • 実際に屋根点検の実技練習ができる

◆スクールの注意点

スクールへ行くのはメリットもあるが、

  • 授業料が高い
  • 実際に家屋の屋根を使った実技ができないスクールもある

というデメリットもある。「本当に自分はスクールへ通う必要があるのか」をしっかりと考えることが大切。

◆ツール利用かスクールか、自身の環境や目的で選ぶ

【サービス提携企業のツールを利用するのに向いている人】

  • 簡単・安全に屋根点検を行いたい
  • ツールの活用で問題なく点検作業ができるなら、自分はドローン技術を身に付ける必要はないと思っている
  • 飛行許可や保険の取り扱いなど、細々とした部分はお任せしたい

スクールに行くのに向いている人】

  • 全て自分で屋根点検を行いたい
  • 屋根点検についての知識・技術を高めたい

目的が「屋根点検を行う」ならばツールの利用。

目的が「屋根点検を全て自分で行いたい、知識・技術を高めたい」ならばスクールの検討を。

​​【独学で学ぶ】

  • 座学…本やネット記事やYouTubeなどを活用する。
  • 実技…会社の私有地やドローンフィールドなどの飛行可能な場所で飛ばす。ドローンシュミレーターを使う。

おすすめではない理由

自分に必要な知識(勉強範囲)が分かりづらく、何より実技練習の場所の確保が難しい。メリットよりデメリットが上回る。

ドローンの屋根点検の資格や、点検作業を行う方法などについて解説しました。

屋根点検をする際、資格は必要ないので、サービス提携企業のツールで十分な点検作業が可能です。

「自分で屋根点検の技術を得たい」という人は、スクール受講も方法としてあります。

自分に合った屋根点検のドローン活用法を選んでみてください。