ドローン測量を行う上で、必要不可欠なものの一つに「ドローン測量のソフトウェア」があります。
ドローン測量で取得したデータは、専用の解析ソフトを使うことで3Dデータとして利用することが出来ます。
この解析ソフトは、海外製・日本製、デスクトップ型・クラウド型といった様々な種類があり、使いこなすのにも時間がかかるという話をよく聞きます。
「そもそも、専用ソフトで何が出来るの?」
「どんな種類があるの?」
「価格はいくらくらい?」
「おすすめソフトは?」
といった疑問をお持ちの方も多いと思いのではないでしょうか。
今回は、ドローンメーカーに勤務されていた経歴をお持ちで、ドローン測量にも精通し、新技術関連ビジネスの支援などにも携わられている方に、「ドローン測量のソフトウェア」について詳しくお話をお伺いしました。
また、設定したコース通りにドローンを飛行させることができる「自動操縦ソフト」についても解説しています。
具体的には、ドローン測量に必要となる「自動操縦ソフト」「データ解析ソフト」のそれぞれについて
- 各ソフトの役割
- 各ソフトの選び方や使い方
- おすすめのソフト(+料金)
を紹介しています。
この記事をお読みいただければ、ドローン測量を行う上で、自身に適したソフトを知ることができますよ。
ドローン測量を検討されている方へ:関連記事のご紹介
ドローン測量のメリットデメリット、おすすめ活用ケース、始めるまでの流れなど「ドローン測量の全体像」については、別のこちらの記事で詳しく解説しています!
ドローン測量とは?メリットデメリットや始め方(料金・資格等)をインタビュー!
こちらの記事は、過去ドローンメーカーに勤務されドローン測量領域の案件実績も多く持つプロの方に、ドローン測量に関するインタビューを行った内容を記事にしたものです。
お読みいただければ、ドローン測量はどの様な案件に適しているのか、始める際はどの様な手順を踏めば良いのか(かかる料金や資格取得の必要性)、おすすめの測量用ドローンなど、ドローン測量に取り組む前に知っておくべき情報を知ることができますよ。
目次
ドローン測量に必要なソフトは2種類ある
ドローンを使った測量には、必要なソフトが2種類あります。
一つは先述したように、3次元データを活用する為の解析ソフト。
そしてもう一つは、自動操縦ソフト(アプリ)です。
次の章では、自動操縦ソフトについてご説明します。
ドローン測量自動操縦ソフト(アプリ)について
自動操縦ソフトとは?
自動操縦ソフトとは、その名の通り、マニュアル操作ではなく、オートマ操作によってドローンを飛行させるソフトです。
飛行コース等を設定すれば、その通りのコースを、設定した高度や速度でドローンが自動で飛行してくれます。
多くの場合、機体を購入すると対応ソフトを無料で提供されます。
例:アップルストアなどでダウンロードして使用。(DJI GS Pro/DJI純正ソフト)
モニター付きのコントローラなどには、購入時からインストール済みの場合もあります。
機体やカメラとの相性もあるので、何か特別な理由がない限り、メーカー純正ソフトの利用をおすすめします。
自動操縦ソフトの価格
自動操縦ソフトは基本的に無料のものが多いですが、有料ソフトや、特殊機能については追加料金がかかるソフトもあります。
例:有料ソフトLitchi(DJI対応) ¥3,060
例:有料機能DJI GS Pro
自身がどういった測量を行いたいかにもよりますが、無料の自動操縦ソフトでも基本的に問題なく測量飛行は可能です。
無料ソフトでの対応が難しい地形や条件については、有料ソフトや有料機能を使うなどの個別の検討が必要です。
上で紹介したDJI GS Pro(無料)とLitchi(有料)を簡単に比較してみました。
DJI GS Pro(無料) | Litchi(有料) |
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自動操縦ソフトはいつ使う物?
ドローン測量時、自動操縦ソフトはどの工程で使われるのでしょうか。
簡単に、写真測量の手順を例に解説します。
【ドローン写真測量の手順】
- 現地調査(踏査)
- 自動操縦飛行内容の設定→このポイントでソフトを利用する
- GCP(標定点)と検証点の測定、対空標識の設置
- ドローン撮影
- 撮影データ解析・作成
- 精度検証
- 成果物の作成
- 納品
現地調査の結果をもとに、飛行内容や飛行ルートを自動操縦ソフトに設定します。
※ドローン測量の手順については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ドローン測量の手順8ステップ!事前準備から納品までを詳しく解説
自動操縦ソフトに設定する内容
それでは、どのような内容を自動操縦ソフトに設定し、ドローンを飛行させるのかを解説します。
ここでは、DJIの無料純正ソフト「DJIGSPro」の、計測撮影領域モードを利用した場合の手順を紹介します。
計測撮影領域モード:設定した飛行エリアや高度、ラップ率などの情報と機体カメラの情報から自動でコースを作成。自動操縦による撮影を行うことが出来ます。
飛行範囲の設定
以下画像出典:DJIGSPro
青い枠内が飛行範囲となるので、実際の撮影エリアを画面上で調節し設定します。
飛行高度(撮影高度)の設定
飛行高度の入力をします。
高度は自身の求める測量精度によって変わりますので、適切な飛行高度の設定を行いましょう。
ラップ率の設定
続いてラップ率の設定です。
ラップ率とは、「撮影した画像が何%重なっているかの値」で、前方向(オーバーラップ)と横方向(サイドラップ)があります。
オーバーラップ80%以上、サイドラップ60%以上を確保するよう公共測量マニュアル(案)には記載があります。
DJIGSProでは対応する様々なカメラに最適化された数値が設定されていますが、適したラップ率は計測する地形によって若干変動する為、実際の測量現場の条件に合わせて調整をするのが望ましいです。
飛行ルートの設定
飛行ルート設定では、2つの飛行モードが選べます。
- インサイドモード:指定したエリア内だけで飛行ルートが自動作成されます。
- スキャンモード:指定したエリアの最速経路が算出されます。
スキャンモードの方が最短で効率のよいルート作成が出来ますが、指定したエリア外も飛行ルートに含まれてしまう場合があります。
安全面等を考慮し、設定した範囲だけを飛ばすインサイドモードが推奨されています。
撮影モードの設定
撮影モードは、「ホバリング撮影」「等時間間隔で撮影」「等距離間隔で撮影」の3つから選択します。
ホバリング撮影
機体が一旦停止し、ホバリング機能を使って撮影します。
カメラが高速で動いているときに起こるローリングシャッター現象による歪みが発生しにくく、精度が高い画像撮影が可能。
高低差がある現場など、シャッタースピードを速くできない場合に有効です。
デメリットとしては、撮影ポイント毎にホバリングを行う為、撮影時間がかかるといったことがあげられます。
等時間・等距離間隔で撮影モード
共に、機体は一旦停止ぜずに一定の時間・距離ごと撮影を行います。
等時間・等距離間隔モードは、短時間で広範囲の測量を行いたい時には効率的ですが、画像がブレてしまうので、露光時間(シャッタースピード)などを行い精度の確保をする必要があります。
画像精度や撮影にかけられる時間を考慮して、適当なモードを選択しましょう。
その他の設定
■カメラ方向
「コースと平行」「コースと垂直」「進行方向に沿う」から選べますが、基本的には「コースと平行」で問題ありません。
■飛行速度
撮影モードを、「ホバリング撮影」の選択をした場合のみ、速度の変更ができます。
「等時間・等距離間隔で撮影モード」を選んでいる場合、飛行速度は自動的に設定されます。
■マージン
撮影範囲に対して余白(マージン)を設定します。特別な理由がない限り0mで問題ありません。
■ジンバルピッチ
カメラの角度を-90°(鉛直方向)〜0°(水平方向)の範囲で変更できますが、通常は -90°設定で問題ありません。
飛行時間の確認
全ての設定を終えると、「飛行予想時間」「必要なバッテリー本数」が自動で算出されます。
こういった設定をすることで、自動でドローンが飛行してくれます。
自動操縦ソフトで、どのようなことをするのかがお分かりいただけたかと思います。
DJI GO Proの設定参考サイト:ドローンを用いたほ場計測マニュアル
自動操縦ソフトの選び方
続いて、自動操縦ソフトの選び方についてです。
先述した通り、基本的には機体やカメラとの相性を考え、メーカー純正ソフトの利用をおすすめします。
純正ソフトは機体と相互性が良いといった理由の他にも、飛行許可申請時に省略できる手続きがあるというメリットも。
【自動操縦ソフトと飛行許可申請時】
使用する自動操縦ソフトによっては、飛行許可申請時に手続き方法に違いが出ることがあります。
飛行許可の申請が必要な場合、機体性能として自動操縦ソフトもチェックされる項目になっています。
下記に記載された、メーカー純正ソフト以外を使用する際は、改造申請(自動操縦システムの取扱説明書、ユーザーマニュアルの写しを添付するなど)をしなければなりません。
許可・承認手続きについて「資料の一部を省略することができる無人航空機」/国土交通省
また、この記事の2章・価格部分で紹介した「Litchi」は、メーカー純正ではありませんがサードパーティーソフトとして利用している事業者が多いです。
DJIのドローンに広く対応し、何よりパソコン上で飛行プランを作成できるという使い勝手の良さが選ばれるポイントになっています。
更にクラウド上に飛行プランを保存することが可能で、複数の端末からプランを表示させることができます。
自身の作業環境に合う使い方ができるソフトを選ぶことも、業務効率の向上に繋がりますね。
ドローン測量データ解析ソフトについて
ドローン測量を行う目的の一つに、3次元データの取得がありますが、測量範囲をドローンで撮影するだけでは3次元データを活用することはできません。
データとして利用するためには、この章で解説する、「データ解析ソフト」が必要です。
■データ解析ソフトとは?
先述したように撮影データを解析し、3次元データを作成する専用のソフトです。
海外製や日本製、デスクトップ型やクラウド型など、種類や形式は様々です。
データ解析ソフトはいつ使う物?
ドローン測量時、データ解析ソフトの使われる工程を自動操縦ソフトと同じく、写真測量の手順を例に説明します。
【ドローン写真測量の手順】
- 現地調査(踏査)
- 自動操縦飛行内容の設定
- GCP(標定点)と検証点の測定、対空標識の設置
- ドローン撮影
- 撮影データ解析・作成
- 精度検証
- 成果物の作成→5.6.7の手順の際データ解析ソフトを使う
- 納品
現場でドローン計測し、自社のパソコンで専用ソフトを使い、データ解析や作成を行います。
データ解析ソフトは何をする物?
以下出典画像・動画:TerraMapper
ソフトを使うことにより、ドローンで得た画像を解析して、オルソ画像・3次元点群データなどを自動生成することが出来ます。
生成したこれらのデータから、高度、距離、面積、体積、角度、断面などの地形情報を算出します。
オルソ画像とは
空中写真は、建物や高い木々、また写真の中心から外側にいくに伴い「歪み」が大きくなってしまい、このような状態では、歪みの影響で写真同士の接合部分にズレが生じてしまいます。
ここの歪みを修正した空中写真のことをオルソ画像といいます。
オルソ画像は、写された物の形状や位置が正しく配置されているため、画像上で位置、面積及び距離などをを正確に計測することが可能。
地図データなどと重ね合わせて利用することができます。
3次元点群データとは
3次元点群データは、「位置情報を持つ点の集まり」です。
この点群データを使って、距離や位置を把握したり、形状を分析するといったことが可能になります。
3次元点群は、奥行きの情報を持つデータなので、測量エリアを立体的に観察でき、面積や体積を計測するといった定量的な測定も行えます。
点群の密度が高ければ高いほど、より詳細な地形状況の確認ができます。
出典:オルソ画像(オルソ画像とは・国土地理院),点群データ(令和2年点群データ・国土地理院)
その他に専用ソフトを使ってどんなことが出来るのか、テラドローン株式会社の日本製ソフト・TerraMapperを例に見ていきましょう。
【TerraMapperの主な機能】
■オルソ画像・点群データ作成
ドローン測量の基本的データの作成です。
■GCP(標定点)自動認識
基本的に一つずつ紐付けが必要なGCP(※)を自動認識することで、より簡単に正確なデータが得られます。
※GCP(標定点)とは?
GCP(標定点)とは、正確な座標が分かっている地表位置のこと。ドローン測量の精度を上げるため、測量範囲内に複数設置する。
■不要物の自動除去
ドローンで取得したデータの中から、使いたい情報に不要な建機や草木などを自動で除去できます。
■縦横断図の取得
中心線に対して垂直かつ等間隔に断面図を取得できます。
■土量計算・土量比較
盛土・切土の計算が簡単にでき、現場の進捗管理に役立ちます。
上記のように専用ソフトでデータを解析・作成することで、求める成果物を得ることが出来ます。
解析ソフトの種類【デスクトップ型・クラウド型】
データ解析ソフトには、「デスクトップ型」と「クラウド型」の2種類があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、価格にも差が出てきます。
2つの違いなどについてまとめました。
種類 | デスクトップ型 | クラウド型 |
使い方 | 所有するパソコンにソフトをインストールして利用する。 | ウェブ上で提供されているシステムをインターネットを介して利用する。 |
メリット/デメリット
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【メリット】
【デメリット】
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【メリット】
【デメリット】
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価格 |
【料金形態】 月間・年間・永続(買い切り)ライセンスがある。 【価格相場】 月間/約4万円 |
【料金形態】 月間・年間ライセンスがある。 【価格相場】 月間/約25,000円 |
【その他】 |
※ドローン測量の価格については、こちらの記事で詳しく解説しています。 |
写真測量とレーザー測量の使用ソフトの違い
ドローン写真測量とレーザー測量では、使用するソフトが異なるケースもあります。
同じソフトでも利用することはできますが、レーザーの場合出力されるデータの加工が難しいため、レーザーメーカーが推奨するソフトや、メーカー専用のソフトを使用する方も多いです。
メーカー専用のソフトを使って3次元データを作成する工程まで行い、その後は写真測量用で使える一般的なソフトを使う、という方法もあります。
ドローン写真測量おすすめソフト
ドローン測量に使えるおすすめのソフトをご紹介します。
■Terra Mapper
先の「データ解析ソフトは何をする物?」部分で紹介した日本製ソフト、Terra Mapperです。
開発元のテラドローン社は、自社でドローンの運用もしています。
ソフトはドローン測量に特化しており、操作もシンプルに行えるのが特徴。
【参考価格】
デスクトップ型 | クラウド型 |
約45万円※ | 要問合せ |
※2年目以降は、ソフトウェア保守費用として、70,000円/年が掛かります。
【おすすめポイント】
デスクトップ型は、推奨スペック(CPUがCorei7以上)を満たしたノートPCでも処理できる設計になっているので、会社に戻って解析をしてみたら、データ取得ができていなくてやり直し…といったトラブルも防げます。
また、Terra Droneはソフトウェア専業の会社ではなく、自社でドローン運用も行っている為、測量精度を高めるためのアドバイスなどのサポートを受けることも可能です。
■Pix4Dmapper
先の価格で紹介した、Pix4Dmapper。スイスのPix4D社がドローン測量のために開発したソフトです。
インタビューさせて頂いた方にお伺いしたところ、実際にこのソフトを使用している事業者は多いそうです。
基本処理は3ステップと、簡単・迅速・正確さが魅力。
【参考価格】
デスクトップ型 | クラウド型 | |
月間 | 約4万 | 約25,000円 |
年間 | 約45万 | 約24万円 |
永続 | 約60万 | ✕ |
【おすすめポイント】
測量のプロが実際に使用している有名ソフトなので、機能・精度共に申し分ありません。
料金形態も月間・年間・永続、クラウド型も揃っているので、使用状況に合わせて選べるのも嬉しいポイントですね。
■DJI Terra
DJIの純正ソフトです。
DJIのドローン、
- Phantom 4 RTK(送信機)
- Phantom 4ProV2.0
- Phantom 4 Pro+V2.0
- Phantom 4Pro
- Phantom 4 Advanced
- Phantom 4
に対応しています。
(※Phantom 4 は、2Dリアルタイムマッピングに対応していません)
機能 / Plan | Advanced | Pro | Electricity |
リアルタイム2Dマッピング | ◯ | ◯ | ◯ |
農業への応用 | ◯ | ◯ | ◯ |
KLMインポート | ◯ | ◯ | ◯ |
2Dモデル再構築(フィールド) | ◯ | ◯ | ◯ |
2Dモデル再構築(都市) | ◯ | ◯ | |
2Dモデルのマルチスペクトラム再構築 |
◯ | ◯ | ◯ |
出力座標系 | ◯ | ◯ | ◯ |
3Dモデル再構築 | ◯ | ◯ | |
3Dミッション計画 | ◯ | ◯ | |
GCP | ◯ | ◯ | |
GCP管理 | ◯ | ||
Electricity 処理 | ◯ | ||
参考価格(年間)※ | 約10万 | 約19万/約48万(永続) | 約28万 |
※価格は記事作成時のものになります。
【おすすめポイント】
DJIの対応機を使用されている方なら、相互性の面からも使い勝手がいいソフトです。
■KUMIKI(くみき)
日本製のクラウド型ソフトです。利用可能機能で料金が変わります。
- エントリー:単月でドローン測量を開始できる入門プラン
- スタンダード:スマホアプリも使った現地管理DXを推進する標準プラン
- ビジネス:より高度な分析まで行えるプロ向けプラン
- エンタープライズ:フルスペックで、カスタマイズも可能なヘビーユースプラン
参考価格
エントリー | スタンダード | ビジネス | エンタープライズ | ||
1ヶ月プラン | 1ヶ月プラン | 1年プラン | 3ヶ月プラン | 1年プラン |
要問合せ |
1.5万/月 | 4万/月 | 3万/月 | 8万/月 | 6万月 |
【おすすめポイント】
タグやラベル機能が搭載されており、データの整理や管理が簡単にできます。
スマホにも対応しているので、パソコンのない現場でも利用可能です。
ドローンレーザー測量のおすすめソフト
■YellowScanCloudStation.
高精度レーザーとして世界的に有名なYellowScanのレーザーソフト。
本来、レーザーで取得するデータには色が着いていないのですが、YellowScanのレーザーとこのソフトを合わせて利用することで、カラー化されたデータを作成できます。
価格:要問合せ
■LiDAR360
ドローンレーザー測量用のソフトです。
レーザ測量に必要な機能は全て搭載しているため、山間部・植生地域の地形測量の現場での処理に優れた威力を発揮します。
価格:要問合せ
■ScanX
日本製のレーザー測量対応ソフトです。
データ取得エリアタイプを選択して、アップロードするだけでデータを自動処理してくれます。点群データのクリーニング作業工数を大幅に削減できます。
DJIドローンMatrice300 RTKに搭載できるレーザーDJI Zenmuse L1専用のフィルタリングも搭載。
【主な機能】
機能 | ビジネス | エンタープライズ |
点群の自動フィルタリング | ◯ | ◯ |
等高線の生成 | ◯ | ◯ |
2次元図面のインポート(.shp) | ◯ | ◯ |
3D TINメッシュ生成 | ◯ | ◯ |
出来形管理用ヒートマップ(開発中) | ◯ | |
水流シミュレーション | ◯ | |
自動森林台帳生成(ベータ版) | ◯ | |
自動道路情報抽出(ベータ版) | ◯ | |
PI連携 |
◯ |
【参考価格】
※全ての価格は記事作成時のものになります。
データ解析ソフトの選び方
ドローン測量用のデータ解析ソフトには、デスクトップ型やクラウド型、料金形態も様々です。
- 使用する機体に対応しているか(DJI Terra)、機体と合わせて使いやすいかどうか
- デスクトップ型にするのかクラウド型にするのか※
※デスクトップ型とクラウド型、機能や精度はどう違う?
Pix4Dmapperの場合、デスクトップ版は、ユーザーがプロジェクトのすべての要素を設定できます。
たとえばGCP(標定点)の追加、緻密化された点群の編集、さらに最終結果の質を高めるために役立つさまざまな設定の変更が可能。
クラウド型でも高品質な結果を得ることはできますが、プロジェクトは事前設定されたいくつかのテンプレートから選択し処理します。
簡単な操作で利用でき、シンプルかつ実用的な解析を行うことができます。
このように、Pix4Dのデスクトップ型は詳細な設定、より高品質な成果物作成が可能で、クラウド型は、細かな設定は出来ないが、簡単な操作で基本的な品質を確保する成果物作成ができる、といったイメージでしょうか。
自身の求める成果物や、利用環境・条件を考慮し、適したソフトを選びましょう。
いかがでしたでしょうか。
ドローン測量に使う2種類のソフトについて、詳しくお分かりいただけたかと思います。
ぜひソフト選びの参考にしてみてください。
まとめ
最後に、この記事についてまとめました。
◆ドローン測量に必要なソフトは2つある
ドローン測量に必要なソフトは
- 自動操縦ソフト
- データ解析ソフト
の2つがあります。
◆ドローン測量自動操縦ソフト(アプリ)について
■自動操縦ソフトとは?
飛行コースや高度、速度などを設定し、その通りにドローンを自動飛行させるソフトです。
■自動操縦ソフト価格
無料のソフトが多いですが、中にはLitchiのように有料ソフトや、特殊機能については追加料金がかかるソフトもあります。
自身がどういった測量を行いたいかにもよりますが、無料の自動操縦ソフトでも基本的に問題なく測量飛行は可能です。
・無料ソフトと有料ソフトの違い
一例ですが、無料ソフトの場合、最新の地図画像が見られなかったり、特定の端末でしか使えないといったケースも。
無料ソフトでの対応が難しい地形や条件については、有料ソフトや有料機能を使うなどの個別の検討が必要です。
◆自動操縦ソフトの選び方
基本的には機体やカメラとの相性を考え、メーカー純正ソフトの利用をおすすめします。
純正ソフトは機体と相互性が良いといった理由の他にも、飛行許可申請時に省略できる手続きがあるというメリットも。
◆ドローン測量データ解析ソフトについて
データ解析ソフトとは、先述したように撮影データを解析し、3次元データを作成する専用のソフトです。
■データ解析ソフトは何をするもの?
データ解析ソフトを使うことにより、ドローンで得た画像を解析して、オルソ画像・3次元点群データなどを自動生成することが出来ます。
生成したこれらのデータから、高度、距離、面積、体積、角度、断面などの地形情報を算出します。
■解析ソフトの種類【デスクトップ型・クラウド型】
デスクトップ型
所有するパソコンにソフトをインストールして利用します。
【メリット】
- 高スペックPCで使用することにより、高精度で詳細なデータが取得できる。
- ネット環境がなくても使用できる。
【デメリット】
- 高スペックパソコンが必要だったり、ソフト自体も価格が高いので導入費用が高額になる。
クラウド型
ウェブ上で提供されているシステムをインターネットを介して利用します。
【メリット】
- ウェブ上で全て完結する為、高スペックなPCが不要。
- Webベースでどの端末からもアクセス可能。
【デメリット】
- ネットに繋がらない環境だと使用することが出来ない。
- デスクトップ型に比べると、パソコンスペックに左右されない分、得られる精度が劣る場合も。
◆データ解析ソフトの選び方
ドローン測量用のデータ解析ソフトには、デスクトップ型やクラウド型、料金形態も様々です。
自身の求める成果物や、利用環境・条件を考慮し、適したソフトを選びましょう。