ドローン測量に求められる精度とは?精度に影響を及ぼす4つの要素

オンラインインタビュー

測量業界で導入の進むドローンですが、ドローンを使った測量の精度について、気になる方もいるのではないでしょうか。

「ドローン測量の精度はどれくらいなのか」
「ドローンによる測量精度は業務として活用出来るレベルなのか」
「自分が請け負いたい案件には、どの程度の精度確保が必要?」

といった疑問を持たれる方も多いと思います。

今回はドローンメーカーに勤務されていた経歴をお持ちで、ドローン測量にも精通し、新技術関連ビジネスの支援などにも携わられている方に、「ドローン測量の精度」についてインタビューさせていただきました。

オンラインインタビュー

お話をお伺いした結果、ドローンの測量精度を決めるのは、下記の4つの要素であることがわかりました。

  • ドローン搭載のカメラ性能
  • RTK(高精度の位置情報が取得できる機能)搭載ドローン
  • 標定点(精度を高める基準点)
  • PPK(測量後に誤差調整できるシステム)

この記事では、

  • 精度を決める4つの要素についての詳細
  • 4つの要素に関わる機能やシステムを導入する必要はあるのか
  • 公共測量、民間企業が求める案件ごとの精度

といったことを解説しています。

お読みいただければ、自分が行いたい測量に応じて、どのような機体を選べばいいか、どのように導入を進めていけば良いかが分かるかと思います。

ドローン測量を検討されている方へ:関連記事のご紹介

ドローン測量のメリットデメリット、おすすめ活用ケース、始めるまでの流れなど「ドローン測量の全体像」については、別のこちらの記事で詳しく解説しています!

ドローン測量とは?メリットデメリットや始め方(料金・資格等)をインタビュー!

こちらの記事は、過去ドローンメーカーに勤務されドローン測量領域の案件実績も多く持つプロの方に、ドローン測量に関するインタビューを行った内容を記事にしたものです。

お読みいただければ、ドローン測量はどの様な案件に適しているのか、始める際はどの様な手順を踏めば良いのか(かかる料金や資格取得の必要性)、おすすめの測量用ドローンなど、ドローン測量に取り組む前に知っておくべき情報を知ることができますよ。

ドローン測量の精度について

ドローンで測量をするイラスト

ドローン測量においての「精度」とは?

精度とは、土地の距離・面積・地形・体積を計測した際の、数値の正確さです。

測量対象物・対象範囲の実際の値(真値)と、取得した三次元点群※データの測定値の差が少なければ少ないほど、精度が高いといえます。

※三次元点群とは?

位置情報を持つ点の集まり。ドローン測量で得られるこの点群データを使って、距離や位置を把握したり、形状を分析するといったことが可能になります。

測量対象範囲に「検証点」と呼ばれるいくつかの点を設置して、この検証点の明確な座標(真値)をトータルステーションやGNSSローバといった、地上の正確な座標を測定できる機器を使い求めておきます。

ドローン側では、標定点と呼ばれる点の座標と、機体の位置関係をもとに3次元点群データを取得。

取得したデータと複数の検証点の座標値を比較することで、真値とデータ測定値にどれくらいの誤差が生じているのかが分かります。

ドローン測量においての「精度」

写真測量とレーザー測量による精度の違い

ドローン測量には、大きく分けて

  • ドローン写真測量
  • ドローンレーザー測量

という2種類の測量方法があります。

この写真測量とレーザー測量の精度、どちらがより高精度なのでしょうか?

単純に、写真とレーザーの機能・性能からみると、レーザーの方が得られる情報量も多く、高精度です。

ですが、最終的な結論は、写真測量とレーザー測量では、得られる精度自体は結果的にそれほど変わらないとなります。

なぜなら、ドローン測量の精度は様々な方法で高める事ができるからです。

写真測量時に標定点(※)といった基準ポイントを測量範囲内に設置したり、高性能カメラや高精度なRTK(※)搭載ドローンを使用したりと、精度を高める方法や機器を利用することによって、得られる計測データの精度をレーザー測量と同等にすることができます。

(※標定点・RTKについては4章で詳しく解説します)

写真・レーザー測量の違いは、測量できる範囲や作業効率にあり

写真測量とレーザー測量において、得られるデータ精度には大きな違いはないと前述しました。

精度よりも、その作業効率や、測量できる範囲(現場)に違いがあります。

ドローン写真測量

  • 精度を高めるために標定点の設置が必要。
  • 木や草が障害となり、上空から地表が撮影できない現場は測量が難しい。

ドローンレーザー測量

  • 標定点は推奨されるが、写真測量より少ない数の設置で精度が得られる。

 例:写真測量/80点必要な現場→レーザー測量/6点

  • 木や草の間をレーザー光が抜けるので測量可能。

写真かレーザかを選ぶ際は、精度ではなく

  • 測量が可能な現場か(草木など、上空撮影に障害となるものがあるかどうか)
  • 作業効率(標定点の設置数によるかかる時間や必要な人員はどれくらいか)

といったポイントを基準に考えるのがおすすめです。

また、レーザー測量は導入費用が1千万以上することも多く、写真測量に比べると高額です。

作業効率とコストも比較し、検討しましょう。

レーザー測量・写真測量それぞれにかかる費用の詳細やその内訳は、こちらの記事でより詳しく紹介しています。

ドローン測量導入費用の内訳8項目の詳細!外注価格も詳しく解説

一般的に求められる測量精度(誤差)

ドローンを操縦する作業員

それでは次に、一般的に求められる測量精度についてご説明します。

国が定める「UAV を用いた公共測量マニュアル(案)」では「作成する三次元点群の位置精度は、0.05m以内、0.10m以内又は 0.20m以内のいずれかを標準とする。」と記載されています。

(三次元点群の精度)

第49条 作成する三次元点群の位置精度は、0.05m以内、0.10m以内又は 0.20m以内のいずれかを標準とする。

【解説】

作成する三次元点群の位置精度は、その目的に応じて設定し、それぞれの位置精度に必要な作業を行う。

空中写真測量(無人航空機)を用いた出来形管理要領(土工編)(平成28年3月 国土交通省)の場合、位置精度 0.05m 以内の三次元点群は出来形管理に、位置精度 0.10m 以内の三次元点群は起工測量又は岩線計測に、位置精度 0.20m 以内の三次元点群は部分払い出来高計測にそれぞれ利用されている。

これは、国が発注する公共土木工事をドローン測量で行う際基準になる数値で、案件にもよりますが、この精度値に準ずる民間企業も多いです。

次の章で、0.05m以内、0.10m以内又は 0.20m以内といった、精度の違いを案件内容と合わせてご説明します。

案件ごとの求められる精度(誤差)

ドローンで測量を行う作業員

公共測量

空中写真測量(無人航空機)を用いた出来形管理要領(土工編)(案)で定められた精度は下記の通りです。

測量の目的 許容誤差

起工測量

工事の着手前に行う、現場形状を把握する為の測量。

岩線計測

設計変更があった際、必要に応じて岩質の境界面について地形測量を行う。

±10cm

「出来高部分払い」算出のための計測 

出来高部分払いとは、出来形(工事の目的物のできあがった部分)に応して代金を支払ってもらうことをいう。

工事の途中で「出来高検査」を行い、完了した工程分を金額に換算し請求する。

その出来高検査をドローン測量で行う事ができる。

±20cm

出来形計測

工事施工が完了した部分に対して行う、最終的な現場形状を把握する為の測量。

±5cm

公共測量の中でも、出来形計測に求められる精度が一番高いです。

先述したように、写真測量とレーザー測量では、結果的に得られる精度にそこまで差はありません。

写真とレーザー、それぞれ誤差(実際の数値と計測した数値の差)±5cm程度の精度確保ができるので、公共測量の出来形計測の精度を満たすことも可能です。

民間企業案件の測量

民間企業から依頼される案件の要求精度は、依頼元の基準次第ですが、基本的には国が推進しているi-Construction※を元に、公共測量が求める精度に準じるケースが多いです。

公共測量基準よりも緩い精度確保でも請け負える案件もありますが、インタビューでお伺いしたところ、少なくとも誤差50cm未満は求められることが多いそうです。

また、災害時の現場測量などで求められる精度は±10cm程度です。

i-Constructionとは
生産性向上のために、建設業界にICT(情報通信技術)を導入するという国土交通省が掲げた取り組みのひとつ。

公共測量案件と民間測量案件、災害時の現場測量

ドローン測量の精度に影響を及ぼす4つの要素

測量をするドローンのイラスト

1章で、測量精度は様々な方法で高めることが可能とご説明しました。

この章では、精度を高める機体の性能精度を高めるツール・システムの観点から、ドローン測量の精度に影響を及ぼす要素、

【精度を高める機体の性能】

  • ドローンのカメラ
  • RTK搭載ドローン

    【精度を高めるツール・システム】

    • 標定点
    • PPK

    この4つについて解説します。

    この章で紹介する方法やツールを利用することによって、公共測量の求める出来高計測の±5cmといった高精度を満たせるようになります。

    精度は機体選びが決め手となるので、確保できる精度も含めた機体の選び方は「こちらの記事」で詳しく解説しています。

    機体の性能【1.ドローンのカメラ】

    写真測量時のドローンは、本体に搭載されたカメラをそのまま使う機体と、カメラの交換(積み替え)が可能な機体があります。

    カメラの積み替え可能なドローンは、積み替えができない物よりも高額な機体が多いです。

    例:カメラの積み替え出来ない…Phantom 4 Pro V2.0/価格20万円前後

      カメラの積み替えが出来る…Inspire 2/価格70〜80万円(カメラ代含む)

    カメラを積み替えることで、測量精度をより高めることが可能です。

    例えば、DJI Matrice 300 RTK に搭載できるDJI Zenmuse P1(地理空間データ収集に特化したフルサイズセンサーカメラ)を使えば、天候や風の有無、現場環境に大きく影響を受けることなく、安定して公共測量の出来形計測(誤差±5cm)の精度を満たすことが出来ます。

    カメラの積み替えが出来る機体購入を検討すべきケース

    先述したことを踏まえ、カメラの積み替えができる機体の購入を検討する際は、下記をポイントとして考えましょう。

    公共測量の高精度(誤差±5cm)をしっかり確保したい

    測量用ドローンとしても利用されている比較的低価格(20万前後)な「Phantom 4 Pro V2.0」の機体カメラをそのまま使用して計測する場合、カメラスペック的に誤差±5cmの精度を満たせないケースもあります。

    天候や測量現場の環境にそれほど左右されずに、安定して高精度を確保したいと考える方は、カメラが積み替えられる機体も選択肢の一つになります。

    求める精度が10cm程度でも良いという方は、標準カメラでも測量は可能です。

    ドローンを多用途に使いたい

    カメラ交換が可能なので、用途や案件によって使い分けが出来ます。

    例:DJI Matrice 300 RTK の場合

    • 赤外線カメラ付きの 「Zenmuse H20T 」→赤外線点検に利用できる。
    • レーザー装置「ZenmuseL1」→レーザー測量ができる。
    • フルサイズセンサー搭載で4500万画素カメラ「 Zenmuse P1」→高画質な空撮ができる。

    など、対応しているカメラが複数あるので多用途に利用できます。

    作業効率を高めたい

    作業効率を上げる方法の1つとして、高度を高くした飛行による撮影があげられます。

    高高度飛行は地面から遠い分、1枚の画像に広範囲を写せます。少ない枚数で測量エリア全体の撮影することが可能な為、作業時間を短くすることが出来ます。

    高い高度で飛行し、精度も確保するには、地上から距離があっても高画質な画像を撮影できるカメラスペックが必要です。

    高性能カメラを使うことにより、測量作業時間を短縮し、作業効率のアップが見込めます。

    カメラ付け替えによる費用

    カメラの付け替えには、機体【100万前後】と、カメラ+付属品【50万〜】トータル150万円以上の費用がかかることも。

    カメラの積み替えができる機体は、積載重量などの面から大型のドローンになります。

    DJIのドローンで、カメラ積み替え可能な機体はInspire・Matriceシリーズのみ※です。

    積み替え可能な大型機体は機体自体の価格が高く、さらに積み替えるカメラ自体も、高性能なものなので高額です。

    導入費用と検討ポイントを考慮し、カメラの積み替えが必要かどうかを考えましょう。

    ※機体販売状況は記事作成時の情報です。

     

    カメラの積み替えやドローンの価格については、こちらの記事で詳しく解説しています。

    ドローン測量導入費用の内訳8項目の詳細!外注価格も詳しく解説

    機体の性能【2.RTK搭載ドローン】

    続いての精度を高める要素は、RTKです。

    近年、測量業界でもRTK搭載ドローンを使用している事業者も増え、RTKという言葉を聞いた事がある方も多いのではないでしょうか。

    DJI社の測量に特化したドローン「PHANTOM 4 RTK」もRTK搭載ドローンです。

    そのRTKについて、詳しく解説していきます。

    RTKとは?

    RTK(リアルタイム・キネマティック方式)は、測位衛星からの位置情報を、地上にある「基準局(電子基準点)」と「移動局(ドローン)」の2箇所で取得します。

    通常はドローンの1点のみで測位衛星(GPS)位置情報を取得しますが、ドローン+GPS情報だけでは、計測値に数メートルの誤差が生じてしまいます。

    RTKは2点でデータを得ることが可能で、更にリアルタイムでその差異を補正できるので、測位精度を高める事ができるのです。

    このRTKというシステムはドローン本体の内臓機能なので、外付けや後付けなど、機体の標準オプション以外の使用はできません。

    RTK搭載ドローンは導入するべき?

    ドローン測量を行う際に、RTK搭載ドローンの導入に迷われる方も多いと思います。

    導入検討の際、作業効率とコストを比べて、どちらを重視したいかがポイントになります。

    RTK搭載ドローンの最大のメリットは、「高精度確保=作業効率のアップ」です。

    高精度確保が可能な為、ドローン測量作業の3〜4割を占める標定点設置時間を大幅に短縮することが出来ます。

    RTKを搭載していないドローンでは、通常5点の標定点が必要な場合でも、RTK搭載ドローンならその数を1点に減らしても得られる精度は同じです。

    デメリットとしては、導入費用が高くなることが挙げられます。

    測量用として利用されているドローンの、低価格な機体は20〜30万円程度ですが、RTKの搭載された機体は70万〜が相場です。

    コストがプラス50万以上かかることになります。

    高精度確保が必要で、作業効率を重視したい方はRTKドローンの導入は多くのメリットがありますし、コストを抑えたい、広範囲の測量案件はそれほど取り扱わないといった方は、RTKが搭載されていない低価格帯の機体でも、十分要求を満たせると思います。

    DJI社のRTK搭載ドローン

    DJIのドローンの中では、下記のものがRTK搭載ドローンとして発売されています。

    ※記事作成当時の情報です。

    RTK搭載ドローンは、衛星からの位置情報の他に、基地局(電子基準点)と呼ばれるポイントと、移動局(ドローン)の2点のデータを利用して、高精度な測位情報を得られます。電波の入らない場所でも高精度のドローン測量が可能です。

    RTK搭載ドローンを飛行させる方法

    高精度を確保できるRTKですが、基地局が近くにない場合、基地局を自社で設置等する必要があります。

    これは、測量現場と利用する電子基準点の距離が長くなると測量精度が劣化する為です。

    基地局と測量エリアの距離は10km未満が望ましいとされています。

    基地局が近くにない場合の2パターンの対処法

    推奨される10km以内に基地局がない場合、下記の2つの対処法があげられます。

    基地局の代わりとなるツールを利用する

    DJI社のD-RTK 2 モバイルステーション(約40万円程度)のような代替ツールを利用します。

    D-RTK2を基地局として設置する事で、RTK方式で高精度な測量が可能です。

    基地局を必要としないVRS(ネットワーク型RTK-GNSS測位)方式を利用する

    VRS方式は、本来必要な基地局の代わりに、民間の事業者から配信されるネットワーク型GNSS補正データ配信サービスから取得した仮想基準点データを使用して計測を行います。

    基地局を必要としない為、ドローン単体で高精度な測位が可能ですが、データ配信サービスを利用するので、インターネット環境や、利用料金(ランニングコスト)が必要になります。

    ツール・システム【3.標定点】

    続いては、精度を高めるツールやシステムについて解説します。

    まず一つ目は、標定点です。

    簡単に標定点についてご説明します。

    標定点とは?

    正確な座標(水平位置と標高)が分かっている地上の位置のこと。
    標定点をドローン撮影時に写真に写り込ませ、データ解析をする際の基準点とする。

    標定点

    上記のように、設置の仕方も定められており、標定点はドローン測量において必要不可欠なツールです。

    標定点を設置する間隔によって、精度の調整が可能です。要求制度別評定点間隔と検証点数

    の表が示す通り、設置数を増やすことで、より精度の高いデータが取得できます。

     

    ドローン標定点のより具体的な仕組みや必要性・設置手順についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

    ドローン測量の標定点とは?仕組みや必要性・設置手順とそのポイントまで紹介!

    ツール・システム【4.PPK】

    精度を高めるシステム、PPKについてです。

    PPKとは?

    Post Processing Kinematics(後処理キネマティック方式)。

    リアルタイムで位置情報を取得するRTKと違い、ドローンを飛ばし終えた後、データ処理をする際に位置情報を取得・補正できる機能です。

    基本的にドローンにPPKの専用機材を取り付け使用します。

    使用できる機体やカメラが決まっているのでPPKサービスが対応している物を選ぶ必要があります。

    PPK

    PKのメリット・デメリット

    メリット

    • RTKのように、基地局の利用やGSNN補正情報配信サービス利用料が必要ない。
    • 通信環境が悪い場所でも計測が可能。

    デメリット

    • PPK対応機でないとシステムを利用できない

    PPKシステムは導入するべき?

    PPKシステムも、RTK搭載ドローンと同じく、その大きなメリットは高精度確保による作業効率の向上です。

    空中写真測量を用いた出来形管理要領(土工編(案)』の改定に伴い、PPKシステムを使用した測量は、標定点の設置は任意(設置不要)で計測可能となりました。

    検証点の設置だけで、最大誤差±5cmの精度を満たすことが出来ます。

    その為、標定点設置時間が不要となり、また、災害地や複雑な地形といった、標定点設置自体が容易ではない現場においても活躍してくれるシステムです。

    広範囲な測量案件を取り扱うことが多い方や、災害地の測量にドローンを活用したい方などは、PPKシステムの導入を検討してもいいかもしれません。

    PPKシステム紹介

    最後に、PPKシステムをご紹介します。

    KLAU PPKシステム 価格:要問い合わせ

    専用ユニット「KLAU PPK Unit」をドローンに搭載して飛行させます。

    取得したデータを専用ソフト「KLAU PPK-J Desktop」で後処理補正します。

    KLAU PPK 対応ドローン

    KLAU PPK UNITは、DJI Phantom 4、Inspire2、M200/210、Matrice 600、様々なプラットフォームに取り付けることができます。

    KLAU PPK-J Desktop

    ドローン測量で取得したデータを後処理補正する専用ソフト。

    後処理後の高精度位置情報は、お手持ちのSfMソフトなどへ簡単自動取り込みが可能。

    【 内容物 】

    • KLAU PPK UNIT専用収納ケース
    • 本体(ユニットボックス)1個
    • 電源ケーブル1本
    • 本体用バッテリー2個
    • GNSS受信アンテナ(L1/L2/L5/L-bandの 4 周波受信)1本
    • アンテナケーブル2本
    • デュアルロック(ユニット取付用)
    • アンテナ土台1個
    • USBメモリー(データ記録用)2本

    ※実際の内容物は取り付ける機体により若干異なります。

    PPK Go 価格:約40万円

    中国・広州の企業Hi-Target社が開発をしたソフトウェア。

    PPK解析後のデータはテキストファイルもしくはイメージファイルのジオタグ更新にて出力されるので、主要なSfMソフトウェアにて利用することができます。

    【ワークフロー】

    ワークフロー

    PPK Go対応ドローン

    Phantom4 RTK、Matrice300 RTK+Zenmuse P1

    まとめ

    ◆ドローン測量においての「精度」とは?

    測量対象物・対象範囲の実際の値(真値)と、取得した三次元点群※データの測定値の差が少なければ少ないほど、精度が高いといえます。

    ◆写真測量とレーザー測量による精度の違い

    写真測量とレーザー測量の精度の違いは、得られる精度自体は結果的にそれほど変わりません。

    なぜなら、ドローン測量の精度は様々な方法で高める事ができるからです。

    ◆一般的に求められる測量精度とは?

    公共測量

    • 出来高計測 誤差±5cm以内の三次元点群精度
    • 起工測量、岩線計測 誤差±10cm以内の三次元点群精度
    • 出来高部分払い算出のための計測 誤差±20cm以内の三次元点群精度

    民間測量

    依頼元の基準次第ですが、基本的には公共測量が求める精度に準じるケースが多いです。

    公共測量基準よりも緩い精度確保でも請け負える案件もありますが、少なくとも誤差50cm未満は求められることが多いようです。

    ◆ドローン測量の精度に影響を及ぼす4つの要素

    1.ドローンのカメラ

    カメラの積み替えで精度アップが可能です。

    カメラ付け替えを検討すべきケース

    • 公共測量の高精度(誤差±5cm)をしっかり確保したい
    • ドローンを多用途に使いたい
    • 作業効率を高めたい

    カメラの付け替え費用

    機体【100万前後】と、カメラ+付属品【50万〜】でトータル150万円以上の費用がかかります。

    2.RTK搭載ドローン

    RTKとは?
    リアルタイムに2点間で位置情報の差異を補正する事で、測位精度を高める事ができます。

    RTK搭載ドローンは導入するべき?

    RTK搭載ドローンは標定点設置数を大幅に減らすことができるので、作業効率とコストを比べて、どちらを重視したいかを考えましょう。

    3.標定
    標定点とは?
    正確な座標(水平位置と標高)が分かっている地上の位置のこと。標定点をドローン撮影時に写真に写り込ませ、データ解析をする際の基準点とする。

    設置の仕方も定められており、標定点を設置する間隔によって、精度の調整が可能です。設置数を増やすことで、より精度の高いデータが取得できます。

    4.PPK

    PPKとは?
    ドローンを飛ばし終えた後、データ処理をする際に位置情報を取得・補正できる機能です。

    PPKシステムは導入するべき?

    PPKシステムは、高精度確保が可能な為、標定点設置を不要とすることができます。

    広範囲な測量案件を取り扱うことが多い方や、災害地の測量にドローンを活用したい方などは、PPKシステムの導入を検討してもいいかもしれません。