【2023年最新】日本製ドローン17選!メーカーや用途別に徹底解説

【2023年最新】日本製ドローン17選!メーカーや用途別に徹底解説

「日本製のドローンはあるの?どのような製品があるのか知りたい」
「日本製のドローンを選ぶ理由は?海外製品とどう違う?」

ドローン機体は海外製品が多く、日本製のドローンはあるのか気になっている人は多いのではないでしょうか?

結論から言うと、日本製のドローンの数は限定されるものの存在しています。下記のように、SONYやNTTなど日本を代表する大手メーカーが参入しており、市場規模が拡大中です。

日本製ドローンの一例

SONY

SONY Airpeak S1

フルサイズミラーレス一眼αシリーズが搭載できる
「Airpeak S1」

NTT e-Drone Technology

NTT e-Drone Technology AC101

初心者でも扱いやすい農業用ドローン
「AC101」

ヤマハ発動機株式会社

ヤマハ発動機株式会社 YMR-08

ヘリコプターでの農薬散布に匹敵する散布能力を実現
「YMR-08」

ACSL

ACSL SOTEN(蒼天)

セキュリティの高さと安全性を重視
「SOTEN(蒼天)」

日本製のドローンはセキュリティの高さや専門性の高さが魅力で、産業用が中心です。だからこそ、それぞれの製品の特徴を把握し、目的に合う製品を選択することが欠かせません。

そこで、この記事では日本製ドローンの魅力を始め、日本製ドローンのメーカーや製品、選び方をまとめて解説していきます。とくに製品は目的別に分けているため、活用シーンに応じたドローンを探しやすくなっています。

【この記事を読むと分かること】

  • 日本製ドローンのメーカー
  • 目的別おすすめの日本製ドローン
  • 日本製ドローンの市場
  • 日本製ドローンの魅力や選び方

この記事を最後まで読めばどのような日本製ドローンがあるのか理解でき、目的に応じて選択できます。海外製ドローンに劣らない日本製ドローンの魅力を知るためにも、ぜひ参考にしてみてください。

目次

日本製ドローンはセキュリティの高さがメリット

日本製ドローンはセキュリティの高さがメリット

日本製ドローンは、セキュリティの高さが大きなメリットです。

ドローンは、コントローラと機体間で通信を行い飛行します。この通信に入り込み、ドローンの乗っ取りや情報漏えいなどを引き起こす事例が起きています。

ドローンのインシデント事例

ドローン操縦の乗っ取り

コントローラとドローンの機体間で利用する通信方式をハッキングしてドローン操縦を乗っ取る

データの盗難

ドローンが取得した写真や動画などのデータをハッキングして盗む

ドローン飛行の妨害

飛行中に通信を強制断する、不正な制御信号を送信するなどドローンの飛行を妨害する

また、中国のドローンメーカーが収集したデータが中国政府への流出するリスクも高まっています(中国の定める国家情報法に基づけば機密情報の中国政府への流出があり得ると考えられるため)。

各国では中国メーカー製ドローンへの警戒が高まっており、アメリカではDJI製品(中国広東省深圳に本社を構えるドローンメーカー)が米国商務省の公表する「エンティティ・リスト」(取引制限対象となる企業や研究機関のリスト)に掲載されています。

日本国内では「政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針」によると、リスクの高いドローンはできるだけ速やかにリスクが低い製品に置き換える必要があると公表されています。

ここまでの話をまとめると、海外のドローンには

  • ドローンの乗っ取りや情報漏えいなどを引き起こす事例が起きている
  • 海外製のドローンは(とくに中国製品)セキュリティリスクが高い

という懸念点があるのです。

日本製ドローンは国内で設計、製造を行っており、セキュリティ対策にも力を入れています。

日本政府はドローンの産業活用に積極的な姿勢を示しており、行政機関の業務に使うドローンには一定のセキュリティ対策が求められます。そのため、メーカーが創意工夫をしてセキュリティ対策を行っている背景があります。

例えば、ACSLの小型空撮ドローン「SOTEN」は、セキュリティに関する認証制度であるISO15408を取得しています。

このように、日本製ドローンは

  • セキュリティを強化して安全にドローンを使いたい
  • ドローンのセキュリティリスクを軽減したい

という場合に向いています。

【2023年最新】日本製のドローンメーカー一覧

【2023年最新】日本製のドローンメーカー一覧

日本製のドローンは、仕事で活用することが前提の産業用製品が多いです。ドローン機体ビジネスは以前はミニタリードローンや趣味の範囲で楽しむドローンが主流でしたが、昨今は産業用ドローンが増えてきています。

今後もドローンをビジネス利用した市場は拡大すると予測されており、日本でも産業用ドローンに力を入れている状態です。

また、昨今の国内の法整備に伴い、無許可で飛行できるドローンの範囲が狭くなったことも、トイドローンから産業用ドローンへのシフトに拍車をかけています。

では、どのようなメーカーが日本製ドローンを手掛けているのでしょうか?主な日本製ドローンメーカーは、下記のとおりです。

日本を代表する日本製ドローンメーカー

メーカー名

概要

製品の一例

ACSL

産業用ドローン製造販売メーカー
セキュリティ対策や安全性に配慮するため、独自の技術を採用している商品が目立つ

SOTEN(蒼天)
AirTruck
PF2-AE Inspection

PRODRONE

「空のスタンダード」をビジョンに掲げて産業シーンが求めるドローンの設計、製造している測量や水中など高度技術を必要とするドローンが特徴

PD4-AW-AQ
PD4B-M

SONY

ミラーレス市場を牽引してきた技術をドローンに応用。空撮分野でクオリティの高い撮影を実現

Airpeak S1

NTT e-Drone Technology

NTTグループのドローン専業会社。ドローンスクールも運営しており、ドローンの購入から活用まで一貫したサポートを行っている

AC101

ヤマハ発動機株式会社

バイクや自転車などの製造を手掛けるメーカーで近年ドローン事業に参入。長い歴史の中で培ったノウハウを活かした使いやすいドローンが特徴

YMR-08

株式会社マゼックス

農業や林業で扱う大型の産業用ドローンが中心。
操作のしやすさと購入しやすい価格帯にこだわっており、導入実績が多い

飛助DX
森飛morito15

その他の日本製ドローンメーカー

メーカー名

概要

製品の一例

双葉電子工業株式会社

開発から生産までを国内工場で一貫対応。個別のカスタマイズやサポート体制を整えている

FMC-01

TEAD

ドローンの開発やスクール運営、請負業務などドローンに関する幅広い事業を手掛ける

TA408-F

株式会社石川エナジーリサーチ

ドローン機体を自社設計しているのはもちろん、量産機の90%以上を国産部品で仕上げている

Build Flyer

東光鉄工株式会社

1938年創業の老舗企業。社内にドローンの製造や販売、スクール運営を行うUAV事業部を立ち上げている

TSV-AQ2

イームズロボティクス

農業機とベース機の2パターンを展開しておりカスタマイズ性が高いところが特徴

E484MP

株式会社エアロネクスト

物流や点検に活用できる産業用ドローンの開発やドローン関連サービスのコンサルティングを行っている

Next DELIVERY

Liberaware

室内の点検や測量に特化したドローンを開発し、レンタルサービスや巡回サービスを展開している

IBIS

日本製ドローンの生産には、SONYやNTT、YAMAHAなどの大手企業が参入しています。また、ドローンに特化した技術や知識を持つ企業が手掛けるドローンも増えてきています。

次の章からは、日本製ドローンの具体的な商品を紹介していきます。

空撮に使いたい日本製ドローン2選

空撮に使いたい日本製ドローン2選

まずは、空撮に使いたい日本製ドローンをご紹介します。

空撮に使いたい日本製ドローン

SONY:Airpeak S1

ジンバルを取り付けるとフルサイズミラーレス一眼αシリーズが搭載できる

ACSL:SOTEN(蒼天)

セキュリティに関する認証ISO15408を取得しておりセキュリティ対策を強化できる

それぞれ特徴が異なるため、ぜひ参考にしてみてください。

※各表の「申請書類の一部を省略できるドローン」は国土交通省が公表している資料「資料の一部を省略することができる無人航空機」に従っています。該当する場合は申請が必要な特定飛行等の飛行を行う時の申請内容の一部を省略できます。

※各表のリモートID内蔵ドローンは国土交通省が公表している「適合しているとして届出があったリモートID機器等の一覧」に従っています。リモートIDが内蔵されていない場合は、外付けで取り付けることが可能です。

SONY:一眼レフカメラαで空撮ができる「Airpeak S1」

SONY:一眼レフカメラαで空撮ができる「Airpeak S1」

出典:SONY「Airpeak S1」

Airpeak S1のスペック

サイズ

526.8mm×591.9mm×511.8mm

重量

機体のみ:約3.1kg

最大積載量

約2.5kg

最大離陸重量

約7.5kg(バッテリーパックLBP-HM1使用時)

最大飛行速度

25m/s(90km/h)

最大飛行時間

約20分(ジンバル搭載時)

防塵・防水性

申請書類の一部を省略できる

リモートID内蔵

価格

オープン価格

商品サイト

SONY公式サイト

「Airpeak S1」は、ソニーが培ってきた技術を使って細部までこだわり日本での量産化を実現しています。「Airpeak S1」の特徴はジンバルを取り付けることで、フルサイズミラーレス一眼αシリーズが搭載できるところです(ジンバルは別売り)。

最大6,100万画素に対応しており、高解像度を維持したまま鮮やかでダイナミックな描写ができます。空撮時に気になる安定性を重視し、耐風性能に長けている点もポイント。

独自開発した推進デバイスと飛行制御により不規則な風に流されにくく、シャッターチャンスを逃しません。

「普段使用しているαシリーズのカメラで空撮がしたい」「空撮に特化したドローンが欲しい」という人は、ぜひチェックしてみてください。

▼実際の飛行シーンはこちらで確認できます。

ACSL:小型軽量で扱いやすい「SOTEN(蒼天)」

ACSL:小型軽量で扱いやすい「SOTEN(蒼天)」

出典:ACSL「小型空撮ドローン(SOTEN)」

SOTEN(蒼天)のスペック

サイズ

637mm×560mm(プロペラ含む)

重量

1,72kg(標準カメラ・バッテリー含む)

最大積載量

2kg

最大離陸重量

約7.5kg(バッテリーパックLBP-HM1使用時)

最大飛行速度

最大飛行時間

25分(標準カメラ搭載時、風速8m/s条件下)

防塵・防水性

IP43

申請書類の一部を省略できる

×

リモートID内蔵

価格

オープン価格

商品サイト

ACSL公式サイト

「SOTEN(蒼天)」は、ACSLが手掛ける小型空撮ドローンです。カメラ部分がワンタッチで取り外せるため、標準カメラや光学ズームカメラ、マルチスペクトルカメラなど用途に応じてカスタマイズできます。

標準域での撮影だけでなく、クライアントの要望に応じた構図で撮影したい人におすすめです。

また、空撮時に課題となるセキュリティリスクに対応できるよう、ISO15408(セキュリティに関する機能が備わっていることを示す認証制度)を取得している点も特徴。データ漏洩や抜き取りの防止、機体の乗っ取りの耐性、データ送受信の暗号化を実現しています。

一般的なドローンはドローン本体と送信機の送受信に直接通信やWi-Fi通信を利用しますが、「SOTEN(蒼天)」はLTE通信を活用しているので安定した長距離飛行が叶います。

空撮の仕事内容や必要機材は下記の記事をチェック

ドローン空撮(撮影)の魅力!必要機材・資格/許可申請から依頼相場まで解説

物流に特化した日本製ドローン4選

物流に特化した日本製ドローン4選

続いて、物流に特化した日本製ドローンをご紹介します。物流に特化したドローンは小型荷物、危険物の運搬や災害時の支援物資の配給などに活用できます。

物流に特化した日本製ドローン

ACSL:AirTruck

ドローンの重心を最適化する技術を採用しており、揺れを抑制しながら運搬できる

SkyDrive:SkyLift

1度に30kgの重量物を運ぶことができ、森林の運搬や重い荷物の運搬に使用できる

マゼックス:森飛morito15

マゼックスと住友林業が共同開発をした林業用運搬ドローン

双葉電子工業株式会社:FMC-01

全天候に対応しているタフネスな機体。防水規格IP43を取得

製品によって最大積載量や飛行時間に差があるため、使用目的に応じて選択してみてください。

ACSL:安定した飛行で荷物を運ぶ「AirTruck」

ACSL:安定した飛行で荷物を運ぶ「AirTruck」

出典:ACSL「 物流専用ドローン(AirTruck)」

AirTruckのスペック

サイズ

1700mm×1500mm(展開時)

重量

10kg

最大積載量

5kg

最大離陸重量

25kg

最大飛行速度

10m/s

最大飛行時間

約50分 (ペイロード3.5kg・バッテリー22,000mAh×4本)

防塵・防水性

申請書類の一部を省略できる

×

リモートID内蔵

×

価格

オープン価格

商品サイト

ACSL公式サイト

「AirTruck」は、ACSLと株式会社エアロネクストが共同開発した物流専用ドローンです。日本経済新聞社主催の「2022年日経優秀製品」で「サービス賞 最優秀賞」を受賞しています。

空力シミュレーションや風洞実験を重ねて、空中でも安定した飛行を実現。ドローンの重心を最適化する技術「4D GRAVITY」を導入しており、荷物の揺れを抑えながら運搬できます。

また、上から簡単に荷物を搭載できる仕様やLTE通信、FPVカメラの採用など、使いやすさにこだわっている点もポイント。物流業界の問題解決を担うドローンとして注目されています。

【ACSLの「PF2-CAT3」は日本初となる型式認証を取得】

ACSLの「PF2-CAT3」は日本初となる型式認証を取得

出典:ACSL「プレスリリース」

ACSLの「PF2-CAT3」は、日本で初となる第一種型式認証(設計や製造過程などを調査し一定の水準を満たしていることを認証する制度)を取得しました。

「PF2-CAT3」は第三者上空を飛行することを前提に設計されており、物流業界での活躍が期待されています。

実際に2023年3月には日本郵便と連携し、第三者上空を含む飛行経路での補助者なし目視外飛行成功しています(現時点では一般販売はしていません)。

SkyDrive:1日700kgの荷物を運搬できる「SkyLift」

SkyDrive:1日700kgの荷物を運搬できる「SkyLift」

出典:SkyDrive「SkyLift」

SkyLiftのスペック

サイズ

1900mm×1200mm×1000mm

重量

35kg

最大積載量

30kg

最大離陸重量

最大飛行速度

36km/h(10m/s)

最大飛行時間

9~15分(状況により変動)

防塵・防水性

申請書類の一部を省略できる

×

リモートID内蔵

×

価格

オープン価格

商品サイト

SkyDrive公式サイト

「SkyLift」は、株式会社SkyDriveが手掛ける物流専用のドローンです。

1度に30kgの重量物を運ぶことができ、建設現場や林業業界などでの活躍が期待されています。実際に2022年には中電工業株式会社の送電鉄塔の塗装工事で、1.6トンの塗料を運搬しました。

飛行機の設計思想に基づいて、機体の一部には頑丈な航空部品を採用。リスクを抑えた安定した飛行で、ガソリンや塗料など危険物の運搬実績もあります。

また、最大40m上空から非着陸で荷下ろしができるホイスト機能を搭載している点もポイント。山岳部や着陸スペースを作れない場所にも、荷物を届けられます。

マゼックス:林業での運搬作業を効率化「森飛morito15」

マゼックス:林業での運搬作業を効率化「森飛morito15」

出典:マゼックス「林業用運搬ドローン 森飛morito15」

森飛morito15のスペック

サイズ

1042mm×1042mm×571mm(展開時)

重量

12.08kg(切離装置&共振防止装置含む)

最大積載量

15kg

最大離陸重量

31.28kg(RTKなし)

最大飛行速度

最大飛行時間

30分

防塵・防水性

申請書類の一部を省略できる

×

リモートID内蔵

×(別途料金で外付け可能)

価格

2,200,000円~

商品サイト

マゼックス公式サイト

「森飛morito15」は、マゼックスと住友林業が共同開発をした林業用運搬ドローンです。

林業のコンテナ苗木運搬の負担を軽減するために開発している点が特徴。1度に8kg~10kgの運搬に対応でき、8人分以上の作業量をこなせます。林業での作業効率化や人材不足の解消への貢献が期待されています。

運搬物を自動的に切り離しできるフックや強固なフレーム、高精度なGPS搭載など機能性にこだわっているところも魅力的。とくに高精度なGPSでは、1m×1mの精度で運搬物を降ろす場所を指定できます。

万が一運搬物が樹木などに引っかかり機体操作ができなくなった場合には、離脱装置を使いフックごと運搬物を切り離すことが可能です。機体を安全に帰還させることができ、機体の紛失を防げます。

双葉電子工業:過酷な環境でも安定した飛行を実現「FMC-01」

双葉電子工業:過酷な環境でも安定した飛行を実現「FMC-01」

出典:双葉電子工業株式会社「FMC-01・FMC-02シリーズ」

FMC-01のスペック

サイズ

1820mm×1465mm×680mm 

重量

12kg

最大積載量

8.9kg

最大離陸重量

24.9kg

最大飛行速度

40km/h

最大飛行時間

防塵・防水性

IP43相当

申請書類の一部を省略できる

×

リモートID内蔵

×

価格

要問合せ

商品サイト

双葉電子工業公式サイト

「FMC-01」は、運搬はもちろんのこと点検や監視など幅広いシーンで活用できるドローンです。2022年にはソフトバンク株式会社が実施した災害時の物資運搬の実証実験に使用されています。

「FMC-01」は、全天候に対応しているタフネスな機体が大きな特徴。防水規格IP43(固形物が内部侵入しない構造かつ左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない)を取得しており、悪天候に強い構造となっています。

風速10m/sの耐風性能があり、風が吹いていても安定した飛行を実現します。また、柔軟なカスタマイズにも対応しており、オリジナル仕様への変更も受付しています。

農薬散布に使える!農業用の日本製ドローン5選

農薬散布に使える!農業用の日本製ドローン5選

ここでは、農薬散布に使える日本製ドローンをご紹介します。ドローンを活用した農薬散布の市場は拡大しており、普及段階にあります。

そのため、商業用としてはもちろんですが、個人使用もできるよう使いやすさにこだわった製品が多いです。

農薬用の日本製ドローン

ヤマハ発動機株式会社:YMR-08

3つの運転モードを搭載ドローンに慣れていない人でも使いやすい

マゼックス:飛助DX

特許取得済みの散布性能を持っており均一な散布を実現できる

NTT e-Drone Technology:AC101

軽量コンパクトな設計・アシスト機能付きで初心者でも扱いやすい

TEAD:TA408-F

送信機のディスプレイで飛行経路をリアルタイム確認できる

東光鉄工:TSV-AQ2

10Lのタンク容量で液剤と粒剤の両方に対応

個人利用から商業利用まで幅広く対応できる製品が揃っているので、ぜひチェックしてみてください。

【農林水産航空協会の認定ドローンの場合は産業用マルチローター技能認定が必要】

農林水産航空協会やUTCの認証を受けた認証機を購入するには、対象機種に応じた産業用マルチローター技能認定を受ける必要があります(2023年5月時点での認証機体はこちらです)。産業用マルチローター技能認定に関しては下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

農林水産航空協会とは?ドローン資格認定団体の団体概要・資格の特徴など

ヤマハ発動機株式会社:高い散布性能が魅力「YMR-08」

ヤマハ発動機株式会社:高い散布性能が魅力「YMR-08」

出典:YAMAHA「YMR-08」

YMR-08のスペック

サイズ

2181mm×1923mm×669mm(展開時) 

重量

最大積載量

最大離陸重量

24.9kg以下

タンク容量

10L

最大飛行速度

10~20km/h
(液剤散布装置での速度連動は10~15km/h)

最大飛行時間

防塵・防水性

申請書類の一部を省略できる

リモートID内蔵

×

農林水産航空協会認定機

価格

要問合せ

商品サイト

YAMAHA公式サイト

「YMR-08」は、YAMAHAが手掛ける産業用ドローンです。日本の農業の現場で培った防除ノウハウをもとに、ヘリコプターでの農薬散布に匹敵する散布能力を実現しています。

薬品をムラなく届ける二重反転ローターを採用しているところが特徴。力強いダウンウォッシュと相まって、作物の根本や葉の裏まで農薬を届けます。

また、「ノーマルモード」「自動クルーズコントロールモード」「自動ターンアシストモード」の3つの運転モードを搭載している点も大きな魅力。

とくに自動ターンアシストモードは一定の間隔でターンと往復を繰り返してくれるので、ドローンの扱いに慣れていない人でも安心して操作できます。

マゼックス:特許取得の散布システムを搭載「飛助DX」

マゼックス:特許取得の散布システムを搭載「飛助DX」

出典:マゼックス「飛助DX」

飛助DXのスペック

サイズ

1160mm×1160mm×620mm(展開時) 

重量

12.1kg(液剤の場合)

最大積載量

液剤9L・粒剤10kg

最大離陸重量

24.9kg

タンク容量

9L

最大飛行速度

15km/h

最大飛行時間

25分

防塵・防水性

申請書類の一部を省略できる

リモートID内蔵

×

農林水産航空協会認定機

価格

840,000円~

商品サイト

マゼックス公式サイト

マゼックスの「飛助DX」は、日本の圃場に最適化した農業用ドローンです。

大きなプロペラを配置し特許取得済みの散布性能を兼ね備えている点が特徴。薬剤が舞い上がる量を抑え、均一な農薬散布を実現します。

また、操縦者の負担を軽減する独自の制御装置を搭載。GPSの取得精度を大幅に向上させることで、良質なGPS信号を取得。障害物検知や高度レーダーの精度も高く、初心者でも操縦しやすいように工夫されています。

NTT e-Drone Technology:農業現場での使いやすさを追求「AC101」

NTT e-Drone Technology:農業現場での使いやすさを追求「AC101」

出典:NTT e-Drone Technology「AC101」

AC101のスペック

サイズ

935mm×935mm×676mm(展開時) 

重量

5.8kg

最大積載可能質量

8kg

最大離陸重量

20kg

タンク容量

8L

最大飛行速度

5.6km/s(水平時)

最大飛行時間

30分

散布速度

15km・20km

防塵・防水性

申請書類の一部を省略できる

×

リモートID内蔵

×

農林水産航空協会認定機

×

価格

173万円程度

商品サイト

NTT e-Drone Technology公式サイト

「AC101」は、NTTグループのドローン専業会社「NTT e-Drone Technology」が開発した農業用ドローンです。農業現場での使いやすさを追求し、計量コンパクトな設計にこだわっています。

初心者でも手軽に扱えるように、アシスト機能が備わっている点がポイント。農業現場でのヒヤリハット事例やユーザーの声を参考にしながら、散布や飛行など3つのシーンをアシストします。

また、バッテリー1本で最大2.5haの散布が可能です。バッテリーを交換する頻度が少なく、効率よく作業ができるところも魅力的。バッテリー購入本数も減らせるため、初期費用の軽減にもつながります。

TEAD:専用アプリによるサポート機能付き「TA408-F」

TEAD:専用アプリによるサポート機能付き「TA408-F」

出典:TEAD「TA408-F」

TA408-Fのスペック

サイズ

1115mm×1115mm×600mm

重量

16.7kg(バッテリー含む)

最大積載量

最大離陸重量

24.7kg

タンク容量

8L

最大飛行速度

15km/h

最大飛行時間

8分~14分

散布速度

防塵・防水性

申請書類の一部を省略できる

×

リモートID内蔵

×

農林水産航空協会認定機

×

価格

1,360,000円(税抜)

商品サイト

TARD公式サイト

「TA408-F」は、安全に農薬散布ができるよう操作のしやすさにこだわった農業用ドローンです。

送信機のディスプレイで飛行経路をリアルタイム確認できる点が特徴。ディスプレイでは農薬使用量やバッテリー残量を一目で確認できます。

音声ガイド付きなのでドローンの速度や飛行高度など確認するべきポイントを逃すことなく、安全な飛行をサポートします。

また、短時間で作業できるように、農薬を均一散布できる機能が備わっている点もポイント。

飛行速度を維持しながら作物とドローンの距離を一定に保つことで、農薬の均一な散布を実現します。力強いダウンウォッシュ機能も備わっており、農薬を作物の根本や葉の裏までしっかりと届けます。

東光鉄工:短時間で効率よく作業ができる「TSV-AQ2」

東光鉄工:短時間で効率よく作業ができる「TSV-AQ2」

出典:東光鉄工「TSV-AQ2」

TSV-AQ2のスペック

サイズ

1150mm×1150mm×670mm(展開時)

重量

10.7kg

最大積載量

10kg

最大離陸重量

28kg

タンク容量

10L

最大飛行速度

30km/h

最大飛行時間

15分(環境により変動)

散布速度

防塵・防水性

IP45

申請書類の一部を省略できる

×

リモートID内蔵

×

農林水産航空協会認定機

×

価格

要問い合わせ

商品サイト

東光鉄工公式サイト

「TSV-AQ2」は、東光鉄工が手掛ける農業用ドローンです。長年に渡り農薬散布ドローンの設計に携わってきた技術力を集約し設計しています。農薬散布はもちろん播種、受粉作業にも使えます。

バッテリーやタンクを上部から取り外すことができ、扱いやすい点が特徴。液剤と粒剤の両方に対応しており、シーンに応じて活用できます。

また、防塵・防水性はIP45相当で、機体やタンクを丸洗いすることが可能。お手入れがしやすく、必要なときに手軽に使えます。

農薬散布の仕事内容や事例は下記の記事をチェック

ドローンの農薬散布ビジネスは儲かる?費用や実例・参入のポイントも

点検や測量に特化した日本製ドローン4選

点検や測量に特化した日本製ドローン4選

ここでは、点検や測量に使える日本製ドローンをご紹介します。

点検や測量に特化した日本製ドローン

ACSL:PF2-AE Inspection

4種類のカメラから業務内容に応じたカメラを選択し使用できる

PRODRONE:PD4-AW-AQ

着水と離陸ができる防水型ドローンで、高い防水性が求められる場所で使える

PRODRONE:PD4B-M

測量技術者とともに試験飛行を重ねた小型レーザー測量に特化したドローン

石川エナジーリサーチ:Build Flyer

ノーロードで最大45分の連続飛行ができ多目的に活用できる

専門性が高く目的に応じて有効活用できる製品ばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。

ACSL:インフラ点検に特化したドローン「PF2-AE Inspection」

ACSL:インフラ点検に特化したドローン「PF2-AE Inspection」

出典:ACSL「PF2-AE Inspection」

PF2-AE Inspectionのスペック

サイズ

1173mm×526mm(展開時)

重量

9kg(DSC-QX30U搭載時)

最大積載量

4kg

最大離陸重量

最大飛行速度

10m/s(水平時)

最大飛行時間

22分(DSC-QX30U搭載時)

防塵・防水性

申請書類の一部を省略できる

×

リモートID内蔵

×

価格

要問い合わせ

商品サイト

ACSL公式サイト

「PF2-AE Inspection」は、インフラ点検に特化した日本製ドローンです。

ズーム搭載カメラや遠赤外線カメラなど4種類のカメラから、業務内容に応じたカメラの選択が可能。衝突回避機能が備わっており、安全性を考慮しながら作業ができます。

また、「SOTEN(蒼天)」と同様のセキュリティ対策性能が備わっているので、セキュリティリスクを抑えながら作業することが可能です。

PRODRONE:着水ができる防水型「PD4-AW-AQ」

PRODRONE:着水ができる防水型「PD4-AW-AQ」

出典:PRODRONE「PD4-AW-AQ」

PD4-AW-AQのスペック

サイズ

730mm×730mm×520mm(展開時)

重量

4.6kg

最大積載量

4kg

最大離陸重量

最大飛行速度

10m/s

最大飛行時間

20分

防塵・防水性

IP55相当

申請書類の一部を省略できる

×

リモートID内蔵

×

価格

要問い合わせ

商品サイト

PRODRONE公式サイト

「PD4-AW-AQ」は、着水と離陸ができる防水型ドローンです。フロートをドローンの四方向に装着しており、バランスを保ったまま水面に浮くことができます。

ダム点検や海上警備、サンゴ礁の観察など、高い防水性が必要なシーンで活躍します。2021年には青森県産業技術センターとともに、水中環境の調査のための実証実験をしています。

カメラだけでなくオプションでセンサーなどの取り付けも可能なので、水深調査や水中での測量など幅広い業務への活用が期待されています。

▼着水の瞬間はこちらから確認できます。

PRODRONE:レーザー測量機の搭載ができる「PD4B-M」

PRODRONE:レーザー測量機の搭載ができる「PD4B-M」

出典:PRODRONE「PD4B-M」

PD4B-Mのスペック

サイズ

全長600mm

重量

12.3 kg(バッテリー込み)

最大積載量

10kg

最大離陸重量

23.3kg

最大飛行速度

60 km/h

最大飛行時間

30分(5kg搭載時)

防塵・防水性

IP規格取得予定

申請書類の一部を省略できる

×

リモートID内蔵

×

価格

1,985,000円(税別)

商品サイト

PRODRONE公式サイト

「PD4B-M」は、小型レーザー測量を目的としたドローンです。測量技術者とともに試験飛行を重ねて、使いやすいサイズに。収納時には75cm角になるので、携帯しやすい点もポイントです。

高出力モーターと大径プロペラを組み合わせることで、最大積載量10kgを実現。精密な測量が求められる測量業務において、レーダー測量機が搭載できるようになっています。

飛行時の姿勢も安定しており、正確なデータを取得することが可能です。耐風性と防水性を兼ね備えているため、急な天候変動にも対応できます。

石川エナジーリサーチ:多くの測量機器を使用できる「Build Flyer」

石川エナジーリサーチ:多くの測量機器を使用できる「Build Flyer」

出典:石川エナジーリサーチ「Build Flyer」

Build Flyerのスペック

サイズ

930mm×930mm×680mm(飛行時)

重量

6.3kg

最大積載量

5kg

最大離陸重量

16.6kg

最大飛行速度

最大飛行時間

45分(ノーロード時)

防塵・防水性

IP23

申請書類の一部を省略できる

リモートID内蔵

×

価格

要問い合わせ

商品サイト

石川エナジーリサーチ公式サイト

「Build Flyer」は、測量や空撮、点検などさまざまなシーンで活用できる産業用ドローンです。ノーロードでは最大45分の飛行が可能。

本体からアームまで軽量かつ耐久性の高いマグネット合金を採用しており、安全管理の高い飛行を実現します。また、離陸した後に左右の脚を自動で水平に跳ね上げることで、カメラへの映り込みを防いでいる点もポイント。

測量や空撮の邪魔にならず、広範囲を対象とした作業が行えます。業務内容に応じたカスタマイズ商品も販売しているので、業務に活用することも検討できます。

ドローン測量やドローン点検の仕事内容や事例は下記の記事をチェック

ドローン測量とは?メリットデメリットや始め方(料金・資格等)をインタビュー!
ドローン点検とは?9分野の導入事例とメリット・現状の課題を解説

100g未満の日本メーカーのドローン2選

100g未満の日本メーカーのドローン2選

最後に、100g未満の日本メーカーが扱っているドローンをご紹介します。

100g未満のドローンはいわばおもちゃ扱いになり、機体登録が不要です。航空法の縛りがないため、基本的には自由に飛ばせるところが魅力です。

一方で、今までご紹介してきたドローンに比べると、スペックは大きく劣ります。趣味の範囲でドローンを楽しみたい人は、参考にしてみてください。

ジーフォース:2Kや4K撮影が楽しめる「DE:LIGHT」

ジーフォース:2Kや4K撮影が楽しめる「DE:LIGHT」

出典:ジーフォース「DE:LIGHT」

DE:LIGHTrのスペック

サイズ

165mm×190mm×54mm(飛行時)

重量

99g

最大飛行時間

約10分

価格

15,800円(税抜)

商品サイト

ジーフォース公式サイト

「DE:LIGHT」は、内蔵されたカメラを使い空撮が楽しめるドローンです。カメラは静止画800万画素、動画200万画素での撮影が可能で、手動でのアングル調整に対応しています。

専用アプリをダウンロードすれば、ドローンを活用した映像のライブ中継も可能です。

5方向に対して障害物を避けるセンサーが搭載されており、ドローン操縦をサポートしてくれる点もポイントです。総重量は99g、価格は20,000円以下と趣味で使う範囲であれば、扱いやすい設定になっています。

京商:空中でビシッと止まる「LIVE STYLE Type-1000HD

京商:空中でビシッと止まる「LIVE STYLE Type-1000HD」

出典:京商「LIVE STYLE Type-1000HD」

LIVE STYLE Type-1000HDのスペック

サイズ

170mm×180mm×38mm(飛行時)

重量

82.5g

最大飛行時間

約10分

価格

15,800円(税抜)

商品サイト

京商公式サイト

「LIVE STYLE Type-1000HD」も、空撮を楽しめるトイドローンです。正面と下部の2箇所にカメラが内蔵されており、アングルを切り替えて撮影できる点が特徴。正面カメラは200万画素のスペックが備わっています。

また、オプティカルフローセンサーが搭載されているところも魅力的。空中でピシッと止まるため、ぶれない写真や映像を撮影できます。

「LIVE STYLE Type-1000HD」も「DE:LIGHT」同様で20,000円以下で購入できるため、趣味の範囲でドローンを飛ばしてみたい人に向いています。

日本製ドローンのシェアは低く選択肢が少ないのが現状

日本製ドローンのシェアは低く選択肢が少ないのが現状

ここまで紹介したように日本製ドローンは、産業用ドローンが中心です。世界の産業用ドローン市場を見てみると、日本製のシェア率はまだまだ低いのが現状です。

日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の調査によると、2019年時点での日本製ドローンのシェア率は3.8%だと言われています。

日本製ドローンのシェア率が低い理由としては

  • 日本にドローンが入ってきたときに海外製品が主流だった
  • ドローンに関する規定や法整備が進んでいなかった

ことが挙げられます。

しかし、2020年以降、ドローン市場の整備が進み日本製ドローンの設計や製造を手掛けるメーカーが増えてきました。NTTやSONYが日本製ドローンの製造に参入したのは2021年のことで、日本製ドローンの市場は拡大しつつあります。

現時点では日本製ドローンの選択肢は限定されていますが実証段階の機体も複数あり、今後選択肢は広がっていくと予測されます。海外製のドローンも見て比較したい場合は、下記の記事を参考にしてみてください。

ドローンメーカー21選!日本製やおすすめ機種、シェアとランキングも

【ドローンサービスでは健闘している日本企業】

日本はドローン機体のシェアは低いものの、ドローンサービスでは健闘しています。

ドローン市場調査機関であるDrone Industry Insightsが企業規模、市場シェア、実績などに基づき世界のドローンサービス企業を評価するランキングでは、日本企業のテラドローンがリモートセンシングサービス提供企業部門で2位を獲得しています。

(2019年は2位、2020年は1位、2021年および2022年と連続2位)

リモートセンシングサービスプロバイダー上位5社

出典:BEST COMPANIES FOR DRONE SERVICES IN 2022(Drone Industry Insights)

テラドローンはドローンの機体の製造はしていないものの、ドローンサービスプロバイダーとして存在感を示しています。

国内外で測量・点検サービスを提供する企業として、レーザー測量の実績と経験をもとにUAVレーザー(ドローンに搭載するレーザー測量装置)の開発・製造も行っています。

このように、ドローンサービスで世界的に有名な日本企業もあります。

日本製ドローンを選ぶべき2つの魅力

日本製ドローンを選ぶべき2つの魅力

選択肢が少ない日本製ドローンですが、セキュリティの高さはもちろんのこと日本製ドローンにしかない魅力があります。

日本製ドローンを選ぶべき魅力は?

①日本で使いやすいように設計している
②アフターサポートや導入サポートが手厚い

セキュリティの高さの他にどのような魅力があるのか、ぜひ参考にしてみてください。

日本で使いやすいように設計している

1つ目は、日本国内で使いやすいように設計されていることです。具体的な事例として、2つご紹介します。

①日本の気候や地形に合わせている

日本製ドローンは日本の気候や地形に応じて、使いやすいように工夫されている製品が多いです。

例えば、「森飛morito15」は、日本の山林の厳しい気候で最大限のパフォーマンスを発揮できるように、形状や材質にこだわっています。

海外と日本ではドローンを使う環境が異なるため、日本での使用を前提とした設計をしている点は大きな魅力だと言えるでしょう。

②日本で使いやすい機能を備えている

日本製ドローンは日本での作業現場を理解したうえで設計しているため、使いやすい機能が備わっています。

例えば、農業用ドローンは、散布幅が日本の平均的な田畑に合わせて設計されています。扱う人がドローンに不慣れであることを想定し、アシスト機能や安全機能を搭載している商品も見受けられます。

また、運搬用ドローンは日本の狭小地を想定し、着陸できなくても荷物を降ろせる機能を採用している製品もあります。

このように、日本の現場に最適な機能を用意しているところは、日本製ドローンだからこそできることです。

アフターサポートや導入サポートが手厚い

2つ目は、アフターサポートや導入サポートが手厚いところです。海外の有名なドローンメーカーは、しっかりとしたサポート体制が構築されています。

一方で、あまり知られていないメーカーの場合は外国語表記でサポートを受けにくい、日本国内に代理店があっても回答やサポートを受けるために時間がかかるなどの問題点があります。

日本製ドローンは国内メーカーによるサポートに力を入れているケースが多く、一例として下記のようなサポートが受けられます。

サポート項目

一例

導入サポート

導入検討時の相談・購入前のデモ操縦・機体登録の代行・使い方のレクチャーなど

アフターサポート

点検やメンテナンス・カスタマイズの相談

導入サポートでは、検討時の相談やデモ操縦、使い方のレクチャーなどを行っているケースがあります。とくに、検討時の相談は多くのメーカーが取り入れており、納得したうえで購入することが可能です。

アフターサポートでは、点検やメンテナンスを行っています。操縦方法で分からないことがあった場合も電話やメールなどで相談をすれば短時間で返答をもらえるため、短期間での問題解決が可能です。

場合によっては「もっと使いやすくしたい」「業務内容に応じてカスタマイズがしたい」などの個別対応もしてもらえます。

このように、目的にあったドローンを購入しやすく、長い間安全に使える環境が整っているのは日本製ドローンならではの魅力です。

日本製ドローンはどう選ぶ?チェックしたいポイント

日本製ドローンはどう選ぶ?チェックしたいポイント

最後に、日本製ドローンを選ぶときにチェックしたい5つのポイントをご紹介します。

日本製ドローンの選び方

①重量とサイズ
②利用目的
③リモートIDの搭載
④飛行時間
⑤サポート体制

納得のいく日本製ドローンを選ぶためにも、どこに着目するべきか参考にしてみてください。

重量とサイズ

日本製ドローンを選ぶときは、まず重量とサイズを確認しましょう。

①重量

日本製ドローンの重量は、3つの数値を確認しておきましょう。

確認したい3つの重量

機体重量

機体そのものの重さ

最大積載量

機体が積むことのできる積載量
ペイロードとも呼ばれる

最大離陸重量

機体重量+最大積載量
例:機体重量が17kgで最大積載量が10kgの場合は最大離陸重量27kg

機体重量は、ドローン自体の重さです。機体重量が100g以下の場合は無許可で飛行できますが、100g以上になると機体登録が義務化されています。

日本製ドローンのほとんどが機体登録100g以上なので、機体登録を行う必要があります。

また、最大離陸重量が25kg以上になると、事前に飛行許可申請が必要です。例えば、農薬散布や荷物運搬用のドローンで最大離陸重量25kgの製品を扱う場合は、事前に飛行許可申請が必要となることを理解して購入しましょう。

重量におけるドローンの許可申請

機体重量100g以下

機体重量100g以上

最大離陸重量25kg以上

機体登録不要

機体登録の義務化

機体登録+飛行許可・承認申請が必要

このように、重量に応じてドローンの扱い方が変わります。必要以上に重量のあるドローンを購入すると、購入後の申請が複雑になるため、用途に応じて選択することが重要です。

②サイズ

日本製ドローンのサイズは、用途に応じて選びましょう。例えば、手軽に空撮を楽しみたい場合は、携帯性に優れた小型のドローンが向いています。

一方で、ドローンのスペックや機能を重視したい場合は、大型のドローンのほうが優れているでしょう。

ドローンはサイズが大きいほどいいという訳ではないので、用途に応じて使いやすいサイズを選択してみてください。

【型式認証を受けているドローンを使うと機体認証を簡略化できる】

物流に特化した日本製ドローン4選」で紹介したACSLの「PF2-CAT3」のように、型式認証を受けているドローンを購入すると機体認証の全部または一部を省略できます。

2023年5月時点で型式認証を受けているドローンは「PF2-CAT3」のみですが、今後増えていくでしょう。

ドローンを選ぶときにはメーカーによる型式認証があることを頭の隅に置いておくと、手続きの簡略化につながります。

利用目的

現在販売されている日本製ドローンは、下記の目的別に分けることができます。

日本製ドローンの主な目的別種類

空撮

ドローンを使い動画や写真を撮影することに特化したドローン
高性能なカメラを外付けまたは内蔵していることが多い

農業用

主に農薬散布に使用できるドローン
メンテナンスのしやすさや使いやすさに注力している

物流用

荷物の配送や輸送に特化したドローン
最大離陸重量が大きい製品が主流でパワーがある

測量・点検用

測量や点検の現場で使用されるドローン
多機能や小型化など特定性能に特化した製品が目立つ

多目的用・カスタマイズ用

複数の用途で使用できるドローン
カスタマイズを前提としたベースドローンとして用意されているケースもある

トイドローン

機体重量が100g以下で手軽に使用できるドローン

目的に応じて、スペックや機能が大きく異なります。そのため、何のためにドローンを使うのか明確にして、目的に応じて選ぶことが重要です。

例えば、空撮用のドローンは撮影のしやすさやカメラのスペックにこだわっています。空撮用ドローンを農業や物流に活用することは難しいため、具体的な利用シーンを決めてから購入検討をしましょう。

【産業用ドローンは第三級陸上特殊無線技士資格が必要となるケースがある】

産業用ドローンは長距離、高伝送な無線電波を使うために一般的な2.4GHz帯ではなく「5.7Ghz」帯の周波数を利用する場合があります。

「5.7Ghz」帯の周波数は、日本国内では無許可・無資格で使うことが法律で禁止されています。

そのため、第三級陸上特殊無線技士資格が必要です。

購入を検討している日本製ドローンが5.7Ghz帯の周波数を必要とする場合は、事前に第三級陸上特殊無線技士資格を取得しておきましょう。

第三級陸上特殊無線技士資格の取得方法は下記の記事で解説しているので、参考にしてみてください。

【ドローンの無線資格(免許)】必要な2ケースと取得方法・開局申請まで紹介

リモートIDの搭載

2022年6月20日以降、機体重量100g以上のドローンには「リモートID機能」を備えることが義務化されました。

リモートIDとは、機体や不審な飛行を判別・特定できるようにする仕組みで、ドローンのセキュリティ対策の側面も担っています。

リモートIDの導入には

  • リモートID内蔵機種を購入する
  • リモートID機器を後付けする

の2パターンがありますが、今から日本製ドローンを購入するなら「リモートID内蔵機種を購入」したほうが得策です。

リモートID機器を後付けするとドローン購入費にプラスして費用がかかりますし、リモートIDの外付けが完了するまでに時間を要します。

リモートID内蔵機種なら既にリモートIDの性能を備えているため、追加料金や後付けの手間が発生しません。

リモートIDに対応しているかどうかは国土交通省が公表している「適合しているとして届出があったリモートID機器等の一覧」で確認できるのでチェックしておくといいでしょう。

リモートIDの仕組みについては下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
ドローンのリモートIDとは?搭載義務/免除の条件や価格・登録方法

飛行時間

日本製ドローンを購入するときは、飛行時間も確認しておきたいポイントです。

飛行時間が短いと頻繁にバッテリーの交換が必要です。作業内容によっては複数の予備バッテリーを用意しなければならないため、コストがかかります。

例えば、1時間空撮をしたいのに、最大飛行時間が10分のドローンを選択すると、最低でも5回はバッテリー交換をしなければなりません。最大飛行時間が30分のドローンを選択すれば、1度のバッテリー交換で済みます。

このように、飛行時間は目的によっては

  • 業務効率の低下
  • バッテリーの購入コスト
  • 業務途中でバッテリー切れになるリスク

などが懸念されるので、事前に確認をしてから購入を検討してみてください。

サポート体制

アフターサポートや導入サポートが手厚い」でも触れましたが、日本製ドローンはフォロー体制が手厚いところが大きな魅力です。そのため、どのようなサポート体制が用意されているのかも確認しておくといいでしょう。

例えば、ドローンの操縦方法に不安がある場合は、操縦研修やデモ操縦が用意されている製品を選ぶと使い方を理解してから導入できます。には、機体登録の申請代行をしているメーカーもあり、導入時の負担を軽減できます。

また、業務内容に応じてカスタマイズを希望する場合は、柔軟なカスタマイズ対応をしているメーカーを選択することで相談が可能です。

日本製ドローンのサポート体制はメーカーによって大きく異なるため、公式サイトやパンフレットを見て確認しておくと安心です。

まとめ

いかがでしたか?日本製ドローンの製品や特徴、選び方が理解でき、目的に合う製品を検討できるようになったかと思います。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇日本製ドローンはセキュリティの高さと下記の3つのポイントが魅力

①日本で使いやすいように設計している
②アフターサポートや導入サポートが手厚い

〇この記事で紹介した日本製ドローンは下記のとおり

空撮向き日本製ドローン

SONY:Airpeak S1

ジンバルを取り付けるとフルサイズミラーレス一眼αシリーズが搭載できる

ACSL:SOTEN(蒼天)

セキュリティに関する認証ISO15408を取得しておりセキュリティ対策を強化できる

物流向き日本製ドローン

ACSL:AirTruck

ドローンの重心を最適化する技術を採用しており、揺れを抑制しながら運搬できる

SkyDrive:SkyLift

1度に30kgの重量物を運ぶことができ、森林の運搬や重い荷物の運搬に使用できる

マゼックス:森飛morito15

マゼックスと住友林業が共同開発をした林業用運搬ドローン

双葉電子工業株式会社:FMC-01

全天候に対応しているタフネスな機体。防水規格IP43を取得

農業向き日本製ドローン

ヤマハ発動機株式会社:YMR-08

3つの運転モードを搭載ドローンに慣れていない人でも使いやすい

マゼックス:飛助DX

特許取得済みの散布性能を持っており均一な散布を実現できる

NTT e-Drone Technology:AC101

軽量コンパクトな設計・アシスト機能付きで初心者でも扱いやすい

TEAD:TA408-F

送信機のディスプレイで飛行経路をリアルタイム確認できる

東光鉄工:TSV-AQ2

10Lのタンク容量で液剤と粒剤の両方に対応

点検や測量に特化した日本製ドローン

ACSL:PF2-AE Inspection

4種類のカメラから業務内容に応じたカメラを選択し使用できる

PRODRONE:PD4-AW-AQ

着水と離陸ができる防水型ドローンで、高い防水性が求められる場所で使える

PRODRONE:PD4B-M

測量技術者とともに試験飛行を重ねた小型レーザー測量に特化したドローン

石川エナジーリサーチ:Build Flyer

ノーロードで最大45分の連続飛行ができ多目的に活用できる

〇日本製ドローンを選ぶときのチェックポイントは下記のとおり

①重量とサイズ
②利用目的
③リモートIDの搭載
④飛行時間
⑤サポート体制

日本製ドローンはセキュリティ対策と専門性に特化した性能の高さが大きな魅力です。目的に応じて活用できる日本製ドローンを見つけてみてください。