結局どれが必要なの?ドローンに関する資格の種類・選び方と取得方法

本に書き込みをする男性

現在、ドローンに関わる資格はたくさん存在しています。

「ドローンの資格はたくさん種類があるけど、結局何が違うの?」
「自分の活用の仕方だと、どの種類の資格が必要なの?」
「資格がないとドローンは飛ばせないの?」

など、様々な疑問があるのではないでしょうか。

今回の記事では、ドローンの資格を種類別に紹介。

どんな資格があるのかだけでなく、それぞれの資格の必要性、取得方法、自分に合った資格の選び方など、ドローンの資格の種類とその違いについてしっかりと紹介します。

この記事を読めばドローンに関わる資格の種類についてしっかりと理解し、自分に合った資格を選ぶことができるでしょう。

 

2022年12月5日に、ドローンの国家資格(免許)制度が開始されました。

こちらの記事で、ドローンの国家資格(免許)制度の全体像について詳しく解説していますので、是非併せてご覧ください。

【2023年2月最新】ドローンの国家資格(免許)制度!費用・いつから・取り方・免除についてなど全まとめ

ドローンに関連する資格の種類は4種類!

ドローンを囲んで会議する人々

ドローンに関する資格にはたくさんの種類があるように感じられるかもしれませんが、基本的に大きく分けると次の4つのどれかに分類できるものがほとんどです。

  • ドローンの操縦に関する資格

ドローンに関する基礎知識や操縦技術を証明するもの。国土交通省への申請を簡略化することができる、国土交通省認定資格が一般的。目的や使用機材にかかわらず、ドローンを使用する全ての人におすすめの資格。

  • 点検や測量など、特定の技術に特化した資格

 特定の用途に特化したドローンの操縦技能や知識に関する資格。国土交通省認定資格でないものが多い。資格がなくても業務を行うことに支障はない。認定団体によって信頼性や実用性は異なるため、資格選びは慎重に行う必要がある。

  • 無線に関する資格

 使用する電波帯によっては必須となる資格。一部の産業ドローンやFPVドローンを使用する際に必要。業務利用と個人利用で資格が異なる。

  • 農業ドローンに関する資格

 団体から認定を受けたドローン機体を購入するために必要な資格。ドローンに関する知識や技術の他、農業や農薬に関する知識も必要となる。 2022年2月時点で現行の資格は全て国土交通省認定資格である。

ちなみに、無線の資格を除き、ドローンに関連する資格は全て民間資格です。

しかし、ドローンの操縦に関する資格については2022年に国家資格の新設が予定されています。

この国家資格については最後の章でご紹介します。

自分に必要なドローン資格をチェック

次の章からは上記4つの資格についてそれぞれ詳しく紹介していきます。

これらの資格のうちどの資格が必要なのかは、どんなドローンで何をしたいのかによって変わります。

まずはこちらのチャートで自分に必要な資格の種類をチェックしてみましょう。

ドローンの種類がよくわからない、ドローンで何がしたいかまだ決めていない、あるいはドローンの資格全般について知りたいという方は、チャートは飛ばして次の章からご覧ください。

ドローンに必要な資格

  • 操縦に関する資格についてはこちら
  • 特定の業務に関する資格についてはこちら
  • 無線に関する資格についてはこちら
  • 農業ドローンに関する資格についてはこちら

一般的なドローンの操縦に関する資格はぜひ取得しておきたい

山の上でドローンを操縦する男性

ドローンの操縦に関する資格は、ドローン関連の資格としては最もメジャーな資格の種類と言えます。

「ドローンの資格」と言われた時には、ほとんどの場合はこの種類の資格を指すと考えて良いでしょう。

ドローンには現状、車の免許のような公的なライセンスや資格は存在していません。

その代わりに、ドローン関連の団体(以下管理団体といいます)がそれぞれに独自の資格を創設し、管理しています。

これらの資格は、各管理団体の認定するドローンスクールに通い、指定のカリキュラムを修了・試験に合格することで取得することができます。

スクールでは、基本的なドローンの操縦や安全管理、基礎的な知識を身につけることができます。

ドローンの操縦に関する資格は全ての操縦者がぜひ取得しておきたい資格

ドローンの操縦に関する資格は取得が必須というわけではありませんが、できれば取得しておくことをおすすめします。

理由としては次の2点があります。

  • ドローンの操縦技術や知識の証明となる
    特殊な飛行(何かを投下する、民家の上空を飛行させるなど)の許可申請手続きを簡略化することができる
  • 許可申請手続きに必要な10時間の飛行経験を得ることができる

飛行体であるドローンの運用には、安全管理や技術に関する信頼が何より重要です。

ドローンの資格を取得しているということは、スクールでしっかりと実技・実習を学んでいるということですから、信頼性の担保になります。

また、10時間以上の操縦経験を有し、国土交通省認定資格を有していれば、特殊な飛行を行う際の申請手続きを簡略化させることができます。

飛行申請の事務手続きも、資格がなければ煩雑で時間もかかるため、簡略化できるのは魅力といえます。

しっかりとした技術を身につけたい人や、ビジネスにドローンを活用したいと考えている人はぜひ取得しておくことをおすすめします。

また、ドローンの操縦に関する資格については公的資格制度の創設が進められています。

新ライセンス制度については後の章で紹介します。

国土交通省認定資格とそうでない資格がある

注意しておきたいのは、ドローンの操縦に関する資格には国土交通省の認定を受けている資格とそうでない資格があるという点です。

国土交通省認定資格とそうでない資格の違いは主に次の通りです。

  • 信頼性の高さの違い

 国土交通省認定資格であれば、国家資格ではないものの、公的に認められた資格ということで社会的信頼度は高めです。一方、そうでない資格はスクールの独自資格である可能性が高く、信頼度としてはそこまで高くないことも少なくありません。

  • 国土交通省への飛行申請手続きの違い

 国土交通省認定資格を取得していれば、飛行に関わる許可申請の一部を簡略化することができます。

 一方そうでない資格の場合、申請手続きには使用できないため、煩雑な手続きを踏む必要があります。

ただし、webで検索して見つかるスクールのほとんどは国土交通省認定資格です。

特にマイナーなスクールを選ぶというわけでないのであれば、この点はそこまで心配しなくても良いでしょう。

ドローンの操縦に関する資格で代表的・特徴的な資格の種類を紹介

ドローンの操縦に関する資格は今回紹介する中でも最も種類が多く、どのように選んで良いかわからなくなる人もいることでしょう。

まずは前提として、国土交通省認定の資格を選ぶべきです。

その上で、数ある国土交通省認定資格の中でも特におすすめの資格や特徴的な資格をいくつか紹介します。

自分に合った資格を選ぶ際の参考にしてみてください。

国土交通省認定資格



ドローンの操縦技術と知識をバランスよく学びたいなら「無人航空機操縦技能証明証」(JUIDA)

無人航空機操縦技能証明証

ドローンの操縦に関する資格の中で、スクール数・取得者ともに最も多い資格が、一般社団法人日本UAS産業振興協議会、通称JUIDA(ジュイダ)です。

JUIDAの資格はなんといってもその実績の多さと知名度の高さです。

ドローンの世界では通用度の大変高い資格ですので、

「有名な資格を取りたい」
「ドローンに関わる人なら誰でも知っている資格が良い」

という人にはJUIDAがおすすめです。

また、JUIDAのカリキュラムは安全管理を重視したカリキュラムであるとも言われています。

ドローンの操縦技術だけでなく、ドローンの仕組みやメンテナンス方法、安全管理などの学科にもしっかりと力を入れた内容であることも特徴のひとつです。

JUIDAとその資格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

JUIDAとは?ドローン資格認定団体の団体概要・資格の特徴など

操縦技術重視の資格は「ドローン操縦士回転翼3級」(DPA)

ドローン操縦士回転翼3級

ドローンの世界で、JUIDAと並んで高い知名度を誇るのが一般社団法人ドローン操縦士協会、通称DPA(ディーパ)です。

DPAはJUIDA同様に高い知名度とバランスの良いカリキュラムが特徴の資格ですが、JUIDAに比べるとやや実技重視と言われています。

基本的な操縦技術について、しっかりと確実な技術を身につけたい人はDPAがおすすめです。

また、DPAの資格を取得できるスクールは全国各地にありますが、基本的にカリキュラムも料金もほぼ一律であるという点も特徴と言えます。

DPAとその資格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

DPAとは?ドローンライセンス認定団体の団体概要・資格の特徴など

DJI製品を活用する人・すでにある程度の操縦技術がある人は「DJI CAMPスペシャリスト」(UTC)

DJI CAMPスペシャリスト

DJI CAMPは、トップシェアを誇るドローンメーカーであるDJIが創設したドローン資格です。

運営は、DJIの教育・育成を担当する法人であるUnmanned Aerial System Training Center(無人航空機システム訓練センター)、通称UTCが行っています。

他の資格同様ドローンの基礎知識や技術をしっかりと学ぶことのできるカリキュラムとなっています。

DJI CAMPの特徴として、受講資格が設定されているという点があります。

受講までに10時間以上のドローン操縦経験があることが受講資格とされています。

そのため、ドローンに全く触れたことのない人は受講することができません。

すでにある程度の操縦技術がある人が、技術のブラッシュアップやDJI製品についての理解を深めることを目的に取得することが想定されているようです。

DJI CAMPとその資格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

DJI CAMPとは?資格の概要や特徴、おすすめな人、認定団体など

コスパ重視派は、ドローン検定協会の運営する「ドローン操縦士」(ドローン教習所/ドローン検定協会)



ドローン操縦士

できるだけ費用を抑えて資格を取得したい、という人にはドローン教習所の認定するドローン操縦士の資格が選択肢になってくるでしょう。

ドローン教習所は、株式会社ドローン検定協会が運営している手に入れるで、全国に展開されています。

※ドローン検定協会は、「ドローン検定」を実施している団体です。ドローン検定は筆記試験のみで受験可能です。

 ドローン検定の合格者は「ドローン操縦士」コース受講時に学科講習の一部が免除されます。

国土交通省認定資格の場合、多くのスクールで20万円前後の受講料が相場ですが、ドローン教習所の場合は6〜10万円と安価に受講することができます。

また、日数もほとんどのスクールでは3日間のコースですが、ドローン教習所では2日間で修了可能です。

ドローン教習所の特徴としては、実習にフライトシミュレーターを活用しているという点があります。

フライトシミュレーターとは、モニター画面を見ながらバーチャルのドローンを操縦して基本的な操作を覚える機械です。

天候や環境に左右されず安定した環境で練習をできるというメリットがありますが、テレビ画面を操作することに慣れていない場合、感覚を掴むまで少し時間がかかることもあります。

ドローン教習所とその資格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

ドローン教習所とは?ドローン資格団体の団体概要・資格の特徴など

空撮技術・スキルを重視したいなら「DRONEフライトオペレーター」(DPCA)

DRONEフライトオペレーター

ドローンを活用した空撮技術を磨きたいのであれば、一般社団法人ドローン撮影クリエーターズ協会、通称DPCA(ディピカ)がおすすめです。

DPCAはその名の通りドローンを用いた撮影に特化した団体で、教育事業だけでなく、団体として撮影サービスやパイロット派遣事業も行っています。

基本的な操縦に関する資格を取得するBASICコースと、目視外を含めた特殊な飛行に関しても学ぶADVANCEDコースがあります。

また、一部のスクールでは空撮特化コースや、映像編集技術に関する講習なども実施しており、すでに操縦経験のある上級者や、資格取得後のスキルアップにも活用できます。

1点注意しておきたい点として、DPCAのコースだけでは国土交通省への申請条件である「10時間以上の操縦実績」を満たすことができない、という点です。

資格を取得するためには、コース修了後に所定の時間数自主練習を行い、スクールの確認を受ける必要があります。

DPCAとその資格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

DPCAとは?ドローン資格認定団体の団体概要・資格の特徴など

測量・点検など、即戦力の技術を身につけるなら「UAVフラ イト技術証明書」(JUAVAC)

UAVフラ イト技術証明書

測量や点検など、建築関連分野に関連した技術力が高いのは、一般社団法人日本UAV利用促進協議会、通称JUAVACです。

JUAVACは、「JUAVACドローンエキスパートアカデミー」というドローンスクールを全国に展開しています。

JUAVACドローンエキスパートアカデミーでは基本的なドローン資格取得を目指す「フライト基本技術コース」の他にも、測量や点検などの技術に特化したコースを展開しているのが特徴です。

測量コースにはフライト基本技術コースの内容も含まれており、修了時には「UAVフライト技術証明書」を取得できます。

測量や点検といった専門性の高い技術を身につけながら国土交通省認定資格を目指したい方には特にお勧めの資格です。

JUAVACとその資格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

JUAVACとは?ドローン資格認定団体の団体概要・資格の特徴など

測量や点検など、特定の技術に特化した資格は業務内容によっては検討の価値あり

ドローンで測量を行う男性

ドローンに関する民間資格の中には、測量や点検といった特定の技術に特化したドローン資格も存在しています。

ドローンを用いた測量や点検には、建物に接近しての飛行や目的に適した撮影など、通常の操縦や空撮の技術とはやや異なる技術が必要となることもあります。

そのため、スクールによってはこれらの技術に特化したコースを実施し、修了生に独自の資格を発行していることもあるようです。

例えば、次のような資格があります。

など

これらの資格のほとんどは国土交通省認定資格ではなく、スクールや管理団体の独自資格です。

そのため、この資格だけを持っていても国土交通省への申請簡略化には使用できません。また、これらの資格を持っていなくても測量・点検の業務を行うことは可能です。

これらの独自資格については、自分の行いたい業務においてその資格が本当に必要なのかよく見極める必要があります。

資格がなくても業務を実施することに問題はありません。

ただし、これらの業務は通常のドローン操縦とは異なる技術が必要となることも少なくありません。

特化した資格取得のカリキュラムを通して業務に役立つ知識・スキルを身につけられることもあるでしょう。

自分が従事する業務内容に合わせて、資格が必要なのか検討しましょう。

また、これらの資格だけでなく、基本的な操縦技術に関わる国土交通省認定資格も合わせて取得しておくこともおすすめです。

 

ドローン測量に関する資格については、こちらの記事でより詳しく解説しています。

ドローン測量に必須な操縦資格はない!技能取得方法など詳しく解説

ドローンで使用する無線に関する資格の種類は2つ:産業ドローンやFRV操縦の際に必要

ドローンを操縦しながら笑う男性

ドローンは無線電波を利用して操縦する機器ですから、「ドローンの操縦には無線の免許が必要なのかな?」と思う人がいるかもしれません。

結論から言ってしまうと、一般に販売されているドローン(いわゆる汎用ドローン)を操縦する場合、無線の資格は必要ありません。

しかし、産業ドローンと、FPVドローンを使用する場合には無線の資格が必要になることがあります。

この章では、産業ドローン・FPVドローンの活用に必要な無線の資格について紹介します。

まずは、ドローンの種類と必要な資格についてまとめた図をご覧ください。

ドローンの種類と必要な資格についてまとめた図


なお、ドローンと無線免許についてはこちらの記事でより詳しく説明しています。ぜひ合わせてご覧ください。

【ドローンの無線資格(免許)】必要な2ケースと取得方法・開局申請まで紹介

汎用型ドローンの操縦には原則無線免許は不要

すでにお伝えした通り、汎用型ドローンの操縦には無線免許は必要ありません。

これは、汎用型ドローンは無線免許なしでも使用できる電波帯をしているためです。

免許なしで操縦できるかどうかは、ドローンの使用する「周波数帯」「出力」によって決まります。

具体的には、「2.4GHz使用、10mW以下の技適マークあり」のドローンであれば無線免許は不要です。

日本国内において、個人が楽しむことを目的に一般に販売されているドローンはほぼ全てのモデルがこの要件に当てはまります。

そのため、飛行や空撮を行うだけであれば無線免許についてはあまり気にする必要はありません。

一部の産業用ドローンには「第三級陸上特殊無線技士」の資格が必要

一方、産業ドローンと呼ばれるドローンの一部には、無線免許が必要な電波を使用するものがあります。

産業ドローンとは、例えば測量や点検など、特殊な業務に特化した機能を持ったドローンのことを言います。

産業ドローンの中で、下記の周波数帯を使用する機種を操縦するには「第三種陸上特殊無線技士」が必要です。

  1. 周波数169MHz、出力10mW
  2. 周波数2.4GHz、出力最大1W
  3. 周波数5.7GHz、出力最大1W

これらの電波は、汎用ドローンが使用している電波に比べて長い距離を飛ばすことができます。

そのため、操縦者と離れた場所での作業に使用される産業ドローンでは、これらの電波が使用されていることが多いのです。

FPVドローンの活用には無線の資格が必要

産業ドローン以外で無線の資格が必要になるドローンは、FPVドローンです。

FPVドローンとは、ドローンから送られてくるリアルタイムのカメラ映像を見ながら操縦を行うタイプのドローンのことを言います。

主にドローンレースなどで使用されています。

一般のドローンは地上の操縦者からドローンを目視できる範囲内で、ドローンを直接見ながら操縦を行います。

一方FPVドローンの場合、操縦者はゴーグルタイプの画面を装着し、ドローンカメラの映像を見ながら操縦します。つまり、ドローン目線で映像を見ながら操縦するということです。

FPVドローンはカメラ映像を頼りに操縦を行うため、映像のリアルタイム性が大変重要です。

そのため、汎用型ドローンとは異なる周波数帯、5.8Ghzの電波を使用して映像を伝達しています。

5.8Ghzの電波を使用するためには、無線の免許が必要です。

個人は「第四級アマチュア無線技士」プロは「第三級陸上特殊無線技士」の資格が必要

ビジネスでFPVドローンを使用するためには、産業ドローンと同じ「第三級陸上特殊無線技士」の資格を取得します。

個人の趣味の範囲で楽しむ場合は「第四級アマチュア無線技士」です。

また、無線免許が必要なドローン操縦に関しては、免許取得後開局申請も必要です。

ドローンに関連する無線の資格の概要や取得方法、開局申請などについてより詳しくはこちらの記事で紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

【ドローンの無線資格(免許)】必要な2ケースと取得方法・開局申請まで紹介

農業ドローンに関する資格の種類は2つ:認証機を購入するために必要

畑の上を飛ぶドローン

農業ドローンとは、農薬散布など散布業務に使用できるように、タンクを搭載して散布機能を持った特殊なドローンです。

これらの農業ドローンの中には、購入・使用するために資格が必要なものがあります。

こちらの章では、農業ドローンに関する資格について紹介します。

農業ドローンの資格についてより詳しくはこちらの記事でも紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

認定を受けた農業ドローンを購入するためには対応した資格が必要

農業ドローンに関しては、全ての農業ドローンに資格が必要、というわけではありません。

農業ドローンの中には、「認証機」と言って特定の団体から性能や安全性について認証を受けた機種があります。

これらの認証機を購入・使用したい場合には、機体の認証を行った団体の発行する資格を取得する必要があります。

資格は機種ごとに設定されています。

ひとつの機種の資格で別の機種も使用する、ということはできませんので、どの資格を取得するのか、きちんと確認するようにしましょう。

逆に言えば認証を受けていない機体を使用するのであれば資格は必要ありません。

しかし、団体による認証を受けている機種とは異なり、非認証機を使用したことに起因する責任は全て個人にかかってきます。

社会的な信頼性や安心感にも関わりますので、認証機・非認証機のどちらを使用するのかは慎重に検討する必要があるでしょう。

農業ドローンの認証団体は一般社団法人農林水産航空協会とUTCの2団体

2022年2月現在、日本の農業ドローンの認証を行っている団体は次の2団体です。

  • 一般社団法人農林水産航空協会
  • UTC(Unmanned Aerial System Training Center)

これらの団体はそれぞれに機体認証を行い、それに対応した資格の管理とパイロットの養成を行っています。

農業ドローンの認証機を使用したいと思った場合には、まず使用したい機体を選び、それに対応する資格を取得する必要があります。

農業ドローンの資格


なお、現在発行されている農業ドローンの資格はいずれも国土交通省認定資格です。

そのため、農業ドローンの資格を有していれば、国土交通省への申請時に手続きを簡略化することができます。

農業ドローンに関する資格の種類や必要性、取得方法や認証機について詳しくはこちらの記事で紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

農薬散布用ドローンの資格(免許)の全知識。費用や必要有無などを解説

2022年度中にはドローンの国家資格創設が計画されている

CERTIFICATIONのハンコ

現在、ドローンの操縦に関して公的な免許やライセンスなどの資格は存在していないと紹介しました。

しかし、ドローンの普及に伴い、操縦技術や安全管理は全ての操縦者が身につけるべき重要な課題となっています。

そこで、政府では2022年中にドローンの公的ライセンス制度を施行するとしています。

まずは、ライセンス制度の概要をまとめた図をご覧ください。

新設ドローン操縦ライセンス制度の全体像


こちらにあるような特殊な飛行を行う場合、1級ライセンスもしくは2級ライセンスが必要となります。

1級・2級いずれのライセンスが必要なのかについては、飛行予定範囲内に関係者以外の立ち入り管理措置を行えるかどうかによって異なります。

関係者以外の立ち入り管理措置なしで飛ばすには1級ライセンスが必要

立ち入り関し措置なし、つまり誰でも飛行予定範囲内に入ることができるような状態で飛行をさせる場合、1級ライセンスが必要となります。

例えばドローンを使用した物品の運搬や宅配、報道などを目的とした友人地帯の空撮などが想定されます。

このような飛行スタイルの場合、万一上空でトラブルが生じた場合、地上の不特定多数の人に対して危険が生じるリスクがあります。

そのような事態を避けるためあるいはリスクを最小限にするため、より高い技術と知識を持った1級ライセンス保持者が必要とされるようになるということです。

立ち入り管理措置を行った上で特殊な飛行をするには2級ライセンスが必要

一方、飛行予定地域への立ち入り管理措置を行なった上で飛行させる場合には、2級ライセンスが必要です。

2級ライセンスでの活用例としては、農薬散布や建造物の点検、結婚式などのイベント撮影などがあります。

こちらのライセンスは、現行の国土交通省資格の内容に近しいものになるのではないかと言われています。

自分にはどの資格が必要なのかについては、こちらのフローチャートで確認してみましょう。

ドローンライセンス判断チャート

なお、ドローンの国家資格化について詳しくはこちらの記事で紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

まとめ

ドローンが身近になり、多くの人がより気軽に空の世界を楽しむことができるようになりました。

だからこそ、全ての人がルールを守り、安全にドローンを活用するために、様々な資格が存在しています。

ドローンに関連する資格は種類が多く、「結局自分にどれが必要なのかわからない」という声も聞こえてきます。

そんな方にとって、今回の記事が参考になれば嬉しいです。

自分に必要な資格の種類については、こちらの図も参考にしてみてください。

必要なドローンの資格の種類

それでは最後に、もう一度この記事の内容をまとめます。

◎ドローンに関連する資格の種類は4種類

  1. 自分に必要なドローン資格をチェッ

◎一般的なドローンの操縦に関する資格はぜひ取得しておきたい:自分に合ったものを選ぶことが大切 

  1. 国土交通省認定資格とそうでない資格があ
  2. 測量や点検など、特定の技術に特化した資格の種類もあ
  3. ドローンの操縦に関する資格で代表的・特徴的な資格の種類を紹
  • ドローンの操縦技術と知識をバランスよく学びたいなら「無人航空機操縦技能証明証」(JUIDA
  • 操縦技術重視の資格は「ドローン操縦士回転翼3級」(DPA
  • DJI製品を活用する人・すでにある程度の操縦技術がある人は「DJI CAMPスペシャリスト」(UTC
  • コスパ重視派は、ドローン検定協会の運営する「ドローン操縦士」(ドローン教習所/ドローン検定協会
  • 空撮技術・スキルを重視したいなら「DRONEフライトオペレーター」(DPCA
  • 測量・点検など、即戦力の技術を身につけるなら「UAVフラ イト技術証明書」(JUAVAC

◎測量や点検など、特定の技術に特化した資格は業務内容によっては検討の価値あり

◎ドローンで使用する無線に関する資格の種類は2つ:産業ドローンやFRV操縦の際に必

  1. 汎用型ドローンの操縦には原則無線免許は不
  2. 一部の産業用ドローンには「第三級陸上特殊無線技士」の資格が必
  3. FPVドローンの活用には個人は「第四級アマチュア無線技士」プロは「第三級陸上特殊無線技士」の資格が必
  4. 無線資格を取得する方法は、「国家試験合格」か「講習受講
  5. 無線資格が必要なドローンを操縦するには、開局申請も必要

◎農業ドローンに関する資格の種類は2つ:認証機を購入するために必

  1. 認定を受けた農業ドローンを購入するためには対応した資格が必要
  2. 農業ドローンの認証団体は一般社団法人農林水産航空協会とUTCの2団

◎2022年度中にはドローンの国家資格創設が計画されてい

  1. 関係者以外の立ち入り管理措置なしで飛ばすには1級ライセンスが必
  2. 立ち入り管理措置を行った上で特殊な飛行をするには2級ライセンスが必

このように、「ドローンの資格」とひとくちに言っても、様々な種類があることがわかるかと思います。

ドローンで何をしたいのか、どんな機体を使用したいのかによっても必要な資格は異なります。

それぞれの資格の特徴を理解した上で、自分に必要な資格を取得して、より良いドローンライフを楽しんでください。